ケアマネと介護福祉士の違いをわかりやすく解説｜仕事内容・給料・資格取得ルートまで徹底比較

介護の仕事をしていると、「ケアマネと介護福祉士ってどう違うの？」「どちらを目指すべき？」と迷う方も多いでしょう。

どちらも介護の現場に欠かせない専門職ですが、役割や資格の位置づけ、働き方には大きな違いがあります。

この記事では、ケアマネ（介護支援専門員）と介護福祉士の仕事内容・資格要件・給料・働き方などをわかりやすく比較して解説します。

これからキャリアアップを考える方にも役立つ内容です。

ケアマネと介護福祉士の基本的な違い

項目	ケアマネ（介護支援専門員）	介護福祉士
資格の位置づけ	介護保険制度に基づく「計画立案の専門職」	国家資格としての「介護実務の専門職」
主な職場	居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、施設等	介護施設、訪問介護、病院など
主な仕事	ケアプラン作成、サービス調整、関係機関との連携	介助（身体介護・生活援助）、利用者の生活支援
対象	要介護認定を受けた利用者全般	高齢者・障がい者・入所者など
働き方	主にデスクワーク・調整業務	現場中心の直接介護業務
必要資格	介護福祉士など実務資格＋実務経験5年以上＋試験合格	国家試験合格または養成校卒業

ケアマネは、介護サービス全体を「マネジメント」する立場であり、介護福祉士は「実際の支援を行う現場の専門家」という関係にあります。

ケアマネ（介護支援専門員）の仕事内容

ケアマネは、介護保険制度のもとでケアプランを作成し、利用者の生活全体を支える調整役です。

主な業務内容は次の通りです。

・要介護認定の申請代行
・アセスメント（利用者の課題分析）
・ケアプラン（介護サービス計画）の作成
・サービス担当者会議の開催
・事業所や医療機関との連携・調整
・モニタリング・評価・記録作成

利用者や家族、事業所、行政など複数の関係者と関わりながら、「その人らしい生活」を支援するのがケアマネの役割です。

介護福祉士の仕事内容

介護福祉士は、現場で直接介護を行う国家資格者です。

専門知識と技術をもって、高齢者や障がい者の生活を支援します。

主な業務内容は以下の通りです。

・身体介護（入浴・排泄・食事など）
・生活援助（掃除・洗濯・調理など）
・認知症ケアやリハビリ補助
・介護記録・報告書作成
・介護職員への指導・教育

利用者と日々接しながら、心身の状態変化を観察し、安心して暮らせる環境を支えるのが介護福祉士の仕事です。

資格取得までの流れの違い

介護福祉士になるには

介護福祉士は、以下のいずれかのルートで取得できます。

1. 実務経験ルート
   　実務経験3年以上＋実務者研修修了＋国家試験合格
2. 養成施設ルート
   　介護福祉士養成校を卒業（試験免除）

合格後は国家資格として一生有効です。

ケアマネになるには

ケアマネは、次の3つの条件を満たす必要があります。

1. 保有資格（介護福祉士・看護師・社会福祉士など）
2. 5年以上の実務経験（900日以上）
3. ケアマネ試験に合格

試験に合格後は、実務研修を修了して初めて登録されます。

つまり、ケアマネは介護福祉士などの資格を持つ人が「次のステップ」として目指す上位資格です。

給料・年収の違い

職種	平均月収	平均年収	備考
介護福祉士	約25〜30万円	約350〜420万円	夜勤手当あり
ケアマネ	約30〜35万円	約420〜500万円	日勤・事務職中心

ケアマネのほうが平均的には年収が高い傾向にあります。

ただし、施設勤務の介護福祉士は夜勤・手当によってケアマネを上回る場合もあります。

働き方・勤務先の違い

項目	ケアマネ	介護福祉士
主な勤務先	居宅介護支援事業所・施設・包括支援センター	特養・老健・グループホーム・病院など
仕事内容	書類作成・会議・連絡調整	介助・生活支援・リハビリ補助
勤務時間	主に日勤（8:30〜17:30）	シフト制（早番・遅番・夜勤あり）
残業	少なめ	施設によっては多い
体力負担	比較的少ない	身体介護で負担が大きい

ケアマネはデスクワークや訪問中心で、体力的な負担は少なめです。

一方、介護福祉士は現場での身体介護が多く、利用者との直接支援が主な業務です。

ケアマネと介護福祉士のどちらが向いている？

ケアマネに向いている人

・計画を立てるのが得意
・調整や事務作業が苦にならない
・対人関係の調整力がある
・制度や法律に興味がある

介護福祉士に向いている人

・人と接するのが好き
・身体を動かすことが苦にならない
・利用者の笑顔を間近で見たい
・現場経験を積んでスキルアップしたい

どちらが上位ということではなく、「支援の方向性が違う」という理解が大切です。

ケアマネと介護福祉士はどちらが難しい？

介護福祉士試験は基礎的な知識を問う内容が中心で、受験資格も比較的取りやすいです。

一方、ケアマネ試験は出題範囲が広く、合格率は10〜20％前後とかなり低めです。

特に介護支援分野や医療・福祉分野の制度理解が問われるため、実務経験に加えて勉強時間の確保が必要になります。

両方の資格を持つメリット

介護福祉士とケアマネの両方を取得することで、次のようなメリットがあります。

・現場と計画、両方の視点から支援できる
・転職・キャリアアップに有利
・管理職・リーダー職への道が開ける
・訪問介護や施設運営にも強くなる

特に介護福祉士として現場経験を積んだ後にケアマネを取得すると、利用者支援の幅が大きく広がります。

まとめ：ケアマネと介護福祉士は「現場」と「計画」の両輪

ケアマネと介護福祉士は、介護の現場を支える両輪のような関係です。

介護福祉士が利用者に直接関わり、ケアマネが全体の支援を設計・調整します。

現場で経験を積み、制度を理解してステップアップしていくことで、「現場を知る計画担当者」「利用者目線のマネジメント」ができる人材として活躍できます。

自分の得意分野や将来の働き方を見据えて、どちらの道を選ぶかを考えてみましょう。