ケアマネが独立したら年収はいくら?開業モデルと成功のポイントを徹底解説

「ケアマネは独立できるの?」「独立したら年収はいくらくらい稼げるの?」
ケアマネジャー(介護支援専門員)は、国家資格の中でも自分で事業を立ち上げられる専門職の一つです。
実際に、居宅介護支援事業所を開業して活躍しているケアマネも多く、働き方次第では会社員時代より大幅な収入アップも可能です。
この記事では、独立ケアマネの年収相場・収入の仕組み・開業費用・成功のポイントをわかりやすく解説します。
ケアマネは独立できる?
結論から言うと、ケアマネは独立可能です。
ただし、介護保険制度上のルールを満たす必要があります。
【独立に必要な条件】
・主任介護支援専門員の資格を取得している
・「居宅介護支援事業所」として指定を受ける(都道府県の認可)
・常勤のケアマネを配置(1名以上)
・管理者は主任ケアマネであること
・人員・設備基準(事務所スペース、個室相談室など)を満たすこと
つまり、主任ケアマネ資格+行政の指定+人員確保ができれば、個人または法人として開業可能です。
独立ケアマネの年収モデル
独立ケアマネの年収は、事業規模と担当件数によって大きく変わります。
報酬は「居宅介護支援費」として、利用者1人あたりの介護度別の定額制で支払われます。
【介護支援費の基本単価(1件あたり)】
・要支援1・2:約1万円前後/月
・要介護1〜5:1万3千〜1万5千円前後/月
35件(法定上限)を担当すると、
→ 1ヶ月あたりの報酬は 約45〜50万円前後(給付管理費込) となります。
ここから経費を引いた残りが、実質の「事業所得」=ケアマネの手取りになります。
独立ケアマネの年収シミュレーション
担当件数 | 月収(売上) | 経費(月) | 想定手取り | 年収目安 |
---|---|---|---|---|
20件 | 約28万円 | 約8万円 | 約20万円 | 約240万円 |
30件 | 約42万円 | 約10万円 | 約32万円 | 約380万円 |
35件(上限) | 約50万円 | 約12万円 | 約38万円 | 約450〜480万円 |
複数ケアマネ雇用 | 約90〜120万円 | 約40万円 | 約50〜70万円 | 約600〜800万円以上 |
つまり、1人運営では年収400〜500万円前後、複数人を雇えば600〜800万円以上も可能というのが一般的な水準です。
ケアマネ独立のメリット
1. 自分のペースで働ける
勤務時間や訪問スケジュールを自分で決められるため、柔軟な働き方が可能です。
子育て世代や副業型ケアマネにも人気があります。
2. 収入上限が会社員より高い
自分で経営する場合、担当件数を調整したり、スタッフを雇って件数を増やすことで、年収を上限なく上げることが可能です。
3. 経営者としてキャリアの幅が広がる
事業所の指定を受けると、将来的には訪問介護・通所介護・福祉用具などへの事業拡大も可能になります。
経営者ケアマネとして地域に影響力を持てる立場にもなれます。
独立ケアマネのデメリット・リスク
1. 安定収入が保証されない
利用者の減少・職員退職・行政監査などの影響を受けやすく、固定給がなくなるリスクがあります。
2. 事務手続き・請求業務が増える
給付管理、報酬請求、行政対応、加算届など、事務量が格段に増えます。
実務ケアマネ+経営者の二重業務になる点は覚悟が必要です。
3. 人材確保と育成の難しさ
人手不足の中で、主任ケアマネや常勤スタッフを確保するのは簡単ではありません。
人件費も固定費として毎月発生します。
独立にかかる費用・準備資金
独立開業には、事業所の開設費用や備品購入費など、初期投資が必要です。
【初期費用の目安】
・事務所賃貸料(保証金含む):20〜30万円
・事務備品・パソコン・電話・複合機など:15〜25万円
・開業手続き費用(登記・指定申請など):5〜10万円
・合計:約40〜60万円前後
自宅開業ができる地域であれば、30万円前後でもスタート可能ですが、法人化を目指す場合はもう少し費用がかかります。
独立ケアマネの年収を上げるコツ
1. 事業所の立地を重視する
高齢者人口が多く、居宅介護支援事業所が少ないエリアは競合が少なく安定しやすいです。
市町村単位での「介護保険事業計画」を調べるのがポイント。
2. 医療機関・包括支援センターとの連携を強化
病院や包括からの紹介が増えると、安定した新規依頼が確保できます。
独立初期は「信頼関係の構築」が最優先です。
3. 主任ケアマネを複数配置して規模を拡大
主任ケアマネを増やすと、複数事業所の管理や加算要件を満たせるようになり、報酬単価が上がります。
4. 経営感覚を磨く
経費管理、営業戦略、人材育成など、**“経営者としてのスキル”**を身につけることが収益安定の鍵です。
介護保険制度の改定に合わせて柔軟に対応できる力も求められます。
独立ケアマネで失敗しないためのポイント
・1人運営では無理をしない(上限35件を厳守)
・地域との関係づくりを最優先にする
・経理・請求業務は早めに外部委託を検討
・主任ケアマネ資格を維持(更新)する
・自分の「理念・対象利用者層」を明確にする
「人に選ばれる事業所」を作ることが、収入を安定させる一番の近道です。
まとめ:独立ケアマネの年収は400万〜800万円。自由と責任のバランスが鍵
規模 | 年収の目安 | 特徴 |
---|---|---|
1人運営 | 約400〜500万円 | 経費を抑えつつ自由に働ける |
2〜3人規模 | 約600〜700万円 | 組織として安定しやすい |
管理者・経営者として拡大 | 約800万円以上 | 加算・事業展開で収益アップ |
ケアマネの独立は、「安定」ではなく「自己責任の働き方」です。
しかし、努力と工夫次第で、会社員時代には得られなかった自由と収入を手にできます。
自分の理想とする働き方を明確にし、地域に根ざした支援を続けることが、独立成功の一番の近道です。