デイサービスを2ヶ所・3ヶ所利用できる?デイケアとの併用も徹底解説

介護保険サービスの中でも人気のある「デイサービス(通所介護)」ですが、利用者や家族の中には「週にもっと回数を増やしたい」「複数のデイサービスを併用できないか」「デイケアと同時に利用できるのか」と疑問を持つ方が多くいます。
実際、複数事業所の利用やデイケアとの併用は制度上可能ですが、条件や注意点を理解しておく必要があります。
本記事では、デイサービスを2ヶ所・3ヶ所と複数利用するケースや、デイケアとの併用の可否・注意点について詳しく解説します。
ケアマネジャーやご家族がサービス選択の参考にできるよう、制度面・実務面の両方から分かりやすくまとめました。
デイサービスは複数ヶ所利用できるのか?
デイサービスは1つの事業所に限らず、2ヶ所・3ヶ所と複数の事業所を組み合わせて利用することが可能です。介護保険法では「事業所の数を制限する規定」はなく、あくまでも要介護認定の区分支給限度基準額の範囲内であれば、自由に組み合わせることができます。
例えば、「週2回は近所の小規模デイサービス」「週1回は機能訓練のある大規模デイサービス」というように、利用者の希望や目的に合わせた組み合わせが行われています。
複数利用のメリット
- 特色の違うサービスを体験できる(機能訓練特化型、レクリエーション充実型など)
- 曜日や時間帯の選択肢が増える
- 利用者本人が飽きずに通える
複数利用の注意点
- サービス間での情報共有が不足するとケアに抜け漏れが出る
- 送迎範囲や時間が合わない場合がある
- ケアマネジャーが各事業所と調整する手間が増える
デイサービスを2ヶ所利用するケース
最も多いのが「デイサービスを2ヶ所利用するケース」です。
よくあるケース例
- 月・水はリハビリ重視のデイサービスに通い、金曜はレクリエーション中心のデイサービスを利用
- 自宅近くのデイサービスに週1回、家族の通勤経路にあるデイサービスに週1回通う
2ヶ所に分けることで、利用者の希望と家族の都合を両立しやすいのがメリットです。ただし、2ヶ所目を追加する際には「サービス担当者会議」で各事業所と調整し、サービス内容の重複や送迎トラブルが起きないようにする必要があります。
デイサービスを3ヶ所利用するケース
デイサービスを3ヶ所以上に分けるケースは少数派ですが、要介護度が高い方や家族の介護負担軽減が目的の場合に選ばれることがあります。
3ヶ所利用の具体例
- 月曜:機能訓練型デイサービス
- 水曜:小規模型デイサービス(アットホームな雰囲気)
- 金曜:入浴設備が整ったデイサービス
このように、それぞれの強みを組み合わせることで、利用者にとって満足度の高い支援が実現できます。ただし、事業所が増えるほど調整が複雑化しやすいため、ケアマネジャーのマネジメント力が重要です。
デイサービスとデイケアの違い
複数利用を検討する際に混同しやすいのが「デイサービス」と「デイケア」です。
- デイサービス(通所介護):食事・入浴・レクリエーション・生活リハビリなど、日常生活支援が中心
- デイケア(通所リハビリテーション):医師の指示に基づく理学療法士・作業療法士・言語聴覚士によるリハビリが中心
どちらも通所系サービスですが、提供内容と職種体制が異なります。

デイサービスとデイケアは併用できる?
結論から言えば、デイサービスとデイケアは併用可能です。
併用のメリット
- デイサービスで生活支援や交流を楽しみつつ、デイケアで専門的なリハビリを受けられる
- 利用者の心身の状況に応じて、バランスよくサービスを組み合わせられる
併用の注意点
- どちらも通所系サービスのため、区分支給限度基準額を超えないように調整が必要
- サービス内容が重複しないように、ケアマネジャーがケアプランで目的を明確化することが大切

複数利用・併用をスムーズに進めるためのポイント
- ケアマネジャーに希望を伝え、利用目的を明確にする
- サービス担当者会議で各事業所の役割分担を確認する
- 利用者本人の体力や通所負担を考慮する
- 家族の送迎負担やスケジュールも含めて計画する
まとめ
デイサービスは2ヶ所・3ヶ所と複数利用することが可能であり、さらにデイケアとの併用も制度上認められています。
ただし、複数事業所を組み合わせる際には「支給限度基準額」「サービス内容の重複」「情報共有不足」などの課題があるため、ケアマネジャーの役割が非常に重要です。
利用者や家族が安心して生活できるよう、目的に応じてデイサービス・デイケアを柔軟に組み合わせることが、介護保険サービスの賢い使い方と言えるでしょう。