ケアマネは利用者が亡くなった時に何をするのが正解?

ケアマネジャーとして利用者支援を続けるなかで、避けられない現実のひとつが「利用者の逝去」です。長く支えてきた利用者が亡くなったとき、悲しみのなかでも、家族への対応や各種の手続きを進めなければなりません。
この記事では、利用者が亡くなったときにケアマネが行うことを、全体の流れにそってわかりやすく解説します。ご家族への対応や、ケアマネ自身の心のケアについても触れます。
- 利用者の逝去後にケアマネが行うことの全体の流れ
- 各ステップで押さえるべきポイント(報告・情報共有・手続き)
- ご家族への対応で大切にしたいこと
- ケアマネ自身の心のケアの大切さ

担当の方が亡くなって…。何から手をつければいいのか、頭が真っ白になってしまいました。

つらいわよね。でも、やることは決まっているの。流れを知っておけば、落ち着いて対応できるわ。
利用者の逝去後にケアマネが行うこと【全体の流れ】
利用者が亡くなったとき、ケアマネが行うことは大きく次の流れになります。まずは全体像をつかんでおきましょう。
- 事実の確認連絡を受けたら、亡くなった日時・場所・状況を確認します。
- 事業所・上司への報告速やかに事業所内で情報を共有し、対応方針を相談します。
- 多職種・関係機関への情報共有関わっていたサービス事業所や医療機関へ連絡します。
- サービス終了の調整各サービスの利用終了の手続きを進めます。
- 給付管理・記録の整理亡くなった月の利用実績を確認し、給付管理と記録の整理を行います。
- ご家族への対応お悔やみを伝え、必要な手続きをわかりやすく説明します。
各ステップのポイント
① 事実の確認
連絡を受けたら、まず連絡者が家族か施設職員かを確認し、亡くなった日時・場所・状況を聞き取ります。動揺しているご家族から連絡が入ることも多いため、落ち着いた対応を心がけます。
② 事業所・上司への報告
逝去の事実が確認できたら、速やかに事業所や上司に報告します。情報共有が遅れると、サービス事業所との行き違いやトラブルにつながります。事業所全体で対応を共有し、今後の方針を相談しましょう。
③ 多職種・関係機関への情報共有
関わっていた関係機関へ、逝去を連絡します。連絡先は次のとおりです。
| 連絡先 | 備考 |
|---|---|
| 訪問介護・通所介護などの事業所 | サービス提供の終了を連絡 |
| 訪問看護ステーション | 医療系サービスの終了を連絡 |
| 福祉用具貸与事業所 | 用具の引き上げを依頼 |
| 主治医・医療機関 | 必要に応じて連絡 |
| 地域包括支援センター等 | 必要に応じて連絡 |
④ サービス終了の調整
各サービス事業所へサービス終了を連絡し、福祉用具の引き上げなどを調整します。福祉用具貸与は引き上げの日程調整が必要なため、早めに連絡しましょう。
⑤ 給付管理・記録の整理
利用者が月の途中で亡くなった場合も、その月までのサービス利用実績にもとづいて給付管理を行います。あわせて、支援経過記録を整理し、ケースを終結します。
給付管理や請求の取り扱いは、亡くなった日や状況によって異なる場合があります。判断に迷うときは、事業所内や保険者(市区町村)に確認し、正確に処理しましょう。
逝去後にあわてないために|看取り期からの備え
利用者が看取り期に入ったら、逝去後の対応も見据えて準備しておくと、いざというときに落ち着いて動けます。日頃の備えが、悲しみのなかでも必要な対応をもれなく進める助けになります。
- 緊急時・逝去時の連絡先を整理しておく家族・主治医・各サービス事業所の連絡先を一覧にまとめ、すぐに連絡が取れるようにしておきます。
- 急変時・逝去時の対応を家族と確認しておく看取り期のACP(人生会議)の一環として、急変時にどう対応するかを家族と話し合っておきます。
- 事業所と「逝去時の連絡の流れ」を共有しておく各サービス事業所と、逝去の連絡をどう回すかを事前に共有しておくと、行き違いを防げます。
看取り期のケースでは、逝去後の手続きまで見据えて準備しておくことで、悲しみのなかでも必要な対応を落ち着いて進められます。日頃の備えが、ご家族への丁寧な対応にもつながります。
ご家族への対応で大切にしたいこと

ご家族への連絡では、何に気をつければいいですか?

業務的になりすぎないこと。まずはお悔やみを伝えて、手続きの話は落ち着かれてからでいいの。
ご家族は、大きな悲しみのなかにいます。手続きを急ぐあまり、事務的な対応にならないよう配慮しましょう。
- まずお悔やみを伝える手続きの話の前に、心からのお悔やみを伝えます。
- 手続きはわかりやすく説明するサービスの終了や福祉用具の引き上げなど、必要な手続きを、ご家族の負担にならないよう簡潔に説明します。
- タイミングに配慮する葬儀などで慌ただしい時期は避け、少し落ち着かれてから連絡するなど、ご家族の状況に配慮します。
ケアマネ自身の心のケアも忘れずに
長く支えてきた利用者を見送ることは、ケアマネにとっても大きな喪失体験です。悲しみや無力感を覚えるのは自然なこと。「専門職だから平気でいなければ」と気持ちを抑え込みすぎないようにしましょう。
つらい気持ちは一人で抱え込まず、同僚や上司に話す、事業所内で振り返りの時間を持つなど、自分をいたわる工夫も大切です。気持ちの整理が難しいときは、専門の相談窓口を活用することもためらわないでください。
よくある質問(FAQ)
利用者が亡くなったら、まず何をすればよいですか?
まず事実の確認(日時・場所・状況)を行い、続いて事業所・上司へ報告します。そのうえで、関係機関への情報共有、サービス終了の調整、給付管理、ご家族への対応へと進めます。
月の途中で亡くなった場合、給付管理はどうなりますか?
その月までのサービス利用実績にもとづいて給付管理を行います。取り扱いは状況により異なる場合があるため、判断に迷うときは事業所内や保険者に確認しましょう。
葬儀には参列すべきですか?
事業所の方針やご家族との関係性によります。参列が難しい場合は、弔電や後日の弔問でお悔やみを伝えても失礼にはあたりません。判断に迷うときは上司に相談しましょう。
気持ちの整理がつかないときはどうすればよいですか?
悲しみを感じるのは自然なことです。一人で抱え込まず、同僚や上司に気持ちを話す、事業所で振り返りの時間を持つなど、自分をいたわってください。必要に応じて専門の相談窓口の活用も検討しましょう。
まとめ|流れを知れば、落ち着いて対応できる
利用者の逝去後にケアマネが行うことは、報告・情報共有・サービス終了の調整・給付管理・家族対応が基本です。流れを知っておけば、悲しみのなかでも落ち着いて対応できます。
- 逝去後は事実確認→事業所報告→関係機関への共有→サービス終了→給付管理→家族対応の流れ
- 関係機関への情報共有の遅れは、行き違いやトラブルにつながる
- 給付管理の取り扱いに迷うときは、事業所内や保険者に確認する
- ご家族へは、手続きより先にお悔やみを伝え、タイミングに配慮する
- ケアマネ自身の心のケアも忘れずに。一人で抱え込まない
利用者との別れに向き合うのは、つらいことです。だからこそ、対応の流れを事前に知っておくことが、落ち着いた支援と、ご自身を守ることにつながります。
















