ケアマネは利用票の交付は義務?渡さない場合の法的処置について解説
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介護保険サービスを利用する際、ケアマネジャー(介護支援専門員)が作成するケアプランとともに交付されるのが 「サービス利用票」 です。
利用者や家族にとってはサービス内容や予定を把握する大切な書類ですが、「ケアマネから利用票をもらっていない」「交付は義務なのか?」と不安に思う声もあります。
この記事では、ケアマネによる利用票交付の義務、交付されない場合の対応、法的処置の有無 について整理して解説します。
目次
利用票とは?
利用票(正式名称:介護サービス利用票)は、ケアマネが作成するケアプランの一部であり、次のような内容が記載されています。
- どのサービスを利用するか
- 利用日や利用時間
- 事業所名やサービス内容
利用者が 「どのサービスを、いつ、どのように利用するか」 を確認できる重要な書類です。
ケアマネは利用票の交付が義務か?
結論から言うと、ケアマネには利用票の交付義務があります。
法的根拠
- 介護保険法施行規則 第59条 において、ケアマネは居宅サービス計画書(ケアプラン)とあわせて利用票を作成し、利用者に交付することが定められています。
- 利用票を交付しないことは、制度上の不備や業務怠慢とみなされる可能性があります。
つまり「利用票は渡さなくてもいい」という考えは誤りであり、ケアマネは必ず交付しなければならない のです。
利用票が交付されない場合のリスク
- 利用者がサービス予定を把握できず、混乱やトラブルにつながる
- 事業所との行き違いが起こり、サービス提供が滞る可能性がある
- ケアマネ事業所が運営指導の対象となる場合がある
利用票をもらえないときの対応方法
- ケアマネに直接確認する
「利用票の交付は制度上必要なものなので、渡していただけますか」と丁寧に伝える。 - 事業所の管理者に相談する
ケアマネ本人に言いにくい場合は、居宅介護支援事業所の管理者へ相談。 - 地域包括支援センターに相談する
第三者機関に相談することで、適切な指導や調整が行われやすい。 - 市区町村の介護保険課に相談する
制度上の不備がある場合は、行政が事業所に指導を行うこともある。
法的処置はあるのか?
刑事罰や損害賠償は基本的にない
利用票を交付しなかったからといって、刑事罰や直ちに損害賠償責任を問われるケースは少ない です。
行政指導・指定取り消しの可能性
ただし、利用票の不交付が常態化している場合は、運営基準違反 として行政指導や改善命令の対象になる可能性があります。重大な違反が繰り返されれば、事業所の指定取り消しなどの処分につながることもあります。
まとめ
- 利用票の交付は ケアマネの義務 であり、法的にも定められている
- 利用票が交付されないと利用者の混乱や事業所トラブルの原因になる
- 刑事罰までは通常ないが、行政指導や運営上の処分 の対象となる可能性がある
- 交付されない場合は「ケアマネ本人 → 事業所管理者 → 地域包括 → 行政」と段階的に相談するのが望ましい
利用票は、利用者が安心してサービスを受けるために欠かせないものです。もし交付されない場合は、そのままにせず、適切に相談・対応することが大切です。