特養ケアマネの仕事内容とは？やりがいや大変さも徹底解説

介護業界の中でも「特別養護老人ホーム（特養）」は、重度の介護が必要な高齢者が生活する施設として多くの人に知られています。

その中で重要な役割を担うのがケアマネジャー（介護支援専門員）です。

しかし、実際に「特養のケアマネの仕事内容はどんなもの？」「居宅ケアマネとの違いは？」と疑問を持つ方も少なくありません。

この記事では、特養ケアマネの仕事内容を具体的に解説し、やりがい・大変さ・必要なスキルまで網羅的に紹介します。

これから特養で働きたいと考えているケアマネや、転職を検討している方にとって役立つ情報をまとめています。

特養におけるケアマネの役割とは？

特養に勤務するケアマネジャーは、施設に入居している高齢者の介護サービス計画（ケアプラン）を作成・管理する役割を担います。

居宅ケアマネが在宅生活を送る高齢者を支援するのに対し、特養ケアマネは「入居者が生活する場」でのケアを計画する点に大きな違いがあります。

特養は24時間体制で介護や医療が提供されるため、利用者本人だけでなく、家族や医師、看護師、介護職員など多職種との連携が欠かせません。

つまり、特養のケアマネは「チームケアの中心」としての役割を果たすのです。

特養ケアマネの仕事内容一覧

ケアプランの作成・見直し

特養のケアマネの最も大きな仕事は、入居者一人ひとりに合わせたケアプランの作成です。食事、入浴、排泄、機能訓練、医療的ケアなど、生活全般にわたる介護の内容を総合的に調整します。入居者の状態は変化しやすいため、月1回以上のモニタリングや定期的なケアプラン見直しも欠かせません。

アセスメントの実施

入居者が施設に入る際や状態が変化した時には、心身の状態や生活歴、家族の希望などを丁寧に聞き取り、アセスメントを行います。この情報をもとに個別性のあるケアプランを作成し、本人の尊厳を守るケアにつなげます。

サービス担当者会議の開催

特養に入居している利用者についても、ケアプラン作成時にはサービス担当者会議が必要です。看護師、介護職員、栄養士、機能訓練指導員、支援相談員などが参加し、多職種で意見を出し合いながらプランを調整します。

他職種との連携・調整

特養は看護師や介護職員が常駐しており、日々の業務は多職種で分担されます。その中でケアマネは「全体を見渡し、チームをまとめる立場」として、情報共有や会議の進行を担います。

入居者・家族との相談対応

入居者や家族からの要望・相談に応えることも重要な仕事です。「リハビリを増やしたい」「食事形態を変更したい」などの要望を聞き取り、可能な範囲でケアプランに反映します。家族に安心してもらえるよう丁寧な説明や相談対応が求められます。

特養ケアマネと居宅ケアマネの違い

居宅ケアマネは利用者が自宅で生活を続けられるよう支援するのに対し、特養ケアマネは入居施設の中で生活を支える点が大きく異なります。

居宅ケアマネは事業所ごとに40人まで担当できるのに対し、特養ケアマネは入居者数に応じて配置され、担当利用者数が多くなる傾向があります。

また、居宅ケアマネは訪問介護やデイサービスなど外部の事業所と連携しますが、特養ケアマネは同じ施設内の多職種連携が中心です。

特養ケアマネの一日の流れ

特養ケアマネの一日は、会議や記録作業、利用者や家族との面談など多岐にわたります。

• 午前：夜勤スタッフからの申し送り確認、入居者の状態チェック、アセスメント
• 午後：サービス担当者会議の開催、家族への連絡・面談、ケアプラン作成やモニタリング記録
• 随時：急変時の対応、医師や看護師との情報共有
  このように、机に向かう事務作業だけでなく、人と接する時間が非常に多いのが特徴です。

特養ケアマネのやりがい

特養ケアマネのやりがいは「入居者の生活を最後まで支えられること」にあります。

特養は終の棲家となる場合も多く、人生の最期に関わる大切なケアを支援できるのは大きな責任であり同時に大きなやりがいです。

また、多職種と協働しながら「その人らしい生活」を実現する過程で専門性を発揮できるのも魅力です。

特養ケアマネの大変さ

一方で、特養ケアマネには大変さもあります。入居者数が多いため担当件数が増えやすく、ケアプラン作成や記録に追われることも珍しくありません。

また、看取りや家族対応など精神的に負担が大きい場面もあります。

加えて、人員不足の施設では介護業務を一部手伝うケースもあり、業務の幅が広がることもあります。

特養ケアマネに求められるスキル

• コミュニケーション力：利用者・家族・多職種との信頼関係を築くために不可欠
• 調整力：異なる立場のスタッフや家族の意見をまとめ、最適なケアにつなげる力
• 観察力：入居者の小さな変化を見逃さず、ケアプランに反映させる力
• 精神的タフさ：看取りや家族の葛藤に向き合う強さ

特養ケアマネのキャリアと転職事情

特養のケアマネは、経験を積むことで主任ケアマネや管理職へのキャリアアップが可能です。

また、居宅ケアマネや地域包括支援センターへの転職を希望する際にも、特養で培った多職種連携力や終末期ケアの経験は大きな強みになります。

近年はケアマネ不足も深刻で、特養ケアマネの求人は安定しており転職市場でも需要があります。

まとめ

特養のケアマネは、入居者の生活全体を支える重要な役割を担っています。

ケアプラン作成・アセスメント・多職種連携・家族対応など仕事内容は多岐にわたり、やりがいも大きい一方で大変さも少なくありません。

しかし「人生の最期まで支えるケア」に携われることは、他の職場では得られない大きな魅力です。

特養ケアマネとして働くことは、介護職としての専門性を高め、キャリアを広げる貴重な選択肢となるでしょう。