医療や介護の現場で関わることの多い「看護師」と「ケアマネジャー（介護支援専門員）」。
両者とも専門性の高い職種ですが、「どっちが上なの？」「役割や年収の違いは？」と気になる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、立場・年収・仕事内容・キャリアパス・働き方といったさまざまな観点から、ケアマネと看護師を比較し、それぞれの職種の特徴をわかりやすく解説します。
転職やダブルライセンスを検討している方も必見の内容です。
ケアマネと看護師の立場や役割の違い
それぞれの専門分野と主な役割
| 職種 | 主な資格 | 主な役割 |
|---|---|---|
| 看護師 | 看護師免許（国家資格） | 医療処置・健康管理・観察・服薬管理など |
| ケアマネ | 介護支援専門員（都道府県試験） | アセスメント・ケアプラン作成・サービス調整・給付管理など |
看護師は医療的処置や健康管理を担う「実務職」であるのに対し、ケアマネは介護サービス全体をマネジメントする「調整役・司令塔」といった立ち位置です。
どちらも重要な存在であり、直接的な上下関係はありません。
現場での“立場”はどう見られている？
- 医療機関では： 看護師の立場が主導的になる場面が多い
- 介護施設では： ケアマネが全体の支援方針を決める中心に立つことも多い
つまり、働く場所によって“立場の見え方”が変わるため、「どちらが上か」というよりは「場面に応じた役割分担」が重要です。
年収で比較！ケアマネと看護師どちらが高い？
平均年収の違い（2024年時点）
| 職種 | 平均年収（参考） |
|---|---|
| 看護師 | 約500〜550万円 |
| ケアマネ（居宅） | 約420〜470万円 |
| ケアマネ（施設） | 約370〜430万円 |
※地域差・経験年数・雇用形態によって大きく異なる場合があります
年収だけで見ると、看護師の方が全体的に高水準であるケースが多いです。夜勤手当や時間外手当などが収入に大きく影響しています。
ケアマネの収入は加算取得や管理者ポジションで増えることも
- 主任ケアマネ資格を持ち、管理者を兼任している場合は年収アップが可能
- 加算要件（特定事業所加算など）によって報酬が上がることもある
しかし、それでも夜勤がある看護師には及ばない場合が多く、年収重視であれば看護師の方が有利です。
業務内容や負担の違いは？
看護師の業務内容と負担
- 身体介助、バイタル測定、処置、注射、服薬管理
- 夜勤あり・緊急対応あり
- 肉体的・精神的なプレッシャーが大きい
看護師は「命に直結する」業務を担うため、ミスが許されず、常に緊張感が求められる現場です。夜勤や交代制勤務がある点も大きな負担です。
ケアマネの業務内容と負担
- アセスメント・ケアプラン作成・給付管理
- モニタリング・事業所調整・記録・会議
- 書類業務が多く、精神的負担が大きい
ケアマネは身体的な負担は少ないものの、「制度が複雑」「書類が多い」「クレームや困難ケース対応が精神的にきつい」といった特有のストレスがあります。
資格取得やキャリアパスの違い
資格取得までのハードル
- 看護師： 看護学校（3年）＋国家試験に合格する必要があり、難易度・期間ともに高い
- ケアマネ： 一定の介護・福祉・医療系資格＋実務経験5年以上＋試験合格が必要（合格率15〜20％）
どちらも簡単な道のりではありませんが、看護師は「先に資格を取得してから実務」、ケアマネは「実務経験を積んでから資格を取る」という違いがあります。
キャリアの広がり方
| 看護師 | ケアマネ |
|---|---|
| ・病棟・外来・訪問看護・施設など勤務先が多様 ・専門看護師・認定看護師など上位資格あり | ・主任ケアマネ・地域包括支援センター勤務など ・管理者や独立も視野に入る |
両資格を活かして「ダブルライセンス」で働く方も増えており、それぞれの強みを組み合わせたキャリア形成も可能です。
働き方・ワークライフバランスで比較
看護師の働き方
- シフト制（夜勤あり）が主流
- 急変対応や残業も多く、生活リズムは不規則
- 高収入と引き換えにプライベートとの両立が難しいことも
ケアマネの働き方
- 基本は日勤・土日祝休みが多い
- スケジュール調整がしやすく、子育て世代にも人気
- 急な対応はあるものの、夜勤は基本的にない
働き方の安定性や生活リズムの整いやすさでは、ケアマネの方が優れていると感じる人が多いようです。
それぞれに向いている人の特徴
| 看護師に向いている人 | ケアマネに向いている人 |
|---|---|
| ・人命に関わる現場でやりがいを感じたい ・実際に身体的なケアを行いたい ・収入を重視したい | ・制度や書類、調整が得意 ・支援の全体像を考えるのが好き ・日勤・固定休で働きたい |
まとめ
看護師とケアマネは、それぞれが専門性を持った異なる職種であり、「どちらが上」という優劣をつけるものではありません。
看護師は医療現場の最前線で活躍し、ケアマネは生活支援の司令塔として多職種と連携します。
年収や立場は看護師の方が上に見られることが多いものの、ケアマネには働き方の柔軟性や広い視野での支援という魅力があります。
どちらの道にもやりがいと苦労がありますので、自分の適性やライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。
