理学療法士がケアマネジャーになりダブルライセンスになるメリットとは?

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理学療法士(PT)として働く中で、将来のキャリアや仕事の幅を広げたいと考えたとき、「ケアマネジャー(介護支援専門員)」の資格取得を検討する方が増えています。

いわゆる「ダブルライセンス」として、リハビリ職と介護支援の両方に精通する専門職になることで、できることが大きく広がります。

本記事では、理学療法士がケアマネの資格を取得することで得られる具体的なメリットをはじめ、どのような働き方が可能になるのかを詳しく解説します。

将来的なキャリア設計やスキルアップを目指すPTの方に、ぜひ参考にしていただきたい内容です。

目次

理学療法士がケアマネジャー資格を取得できる条件とは?

理学療法士がケアマネジャー試験を受けるには、一定の実務経験が必要です。2021年の制度改正以降、「相談援助業務」としての5年以上の実務経験(かつ900日以上)が受験要件とされており、単に「リハビリを提供していた」だけでは受験資格が得られないケースもあります。

ただし、訪問リハビリや通所リハビリで「担当者会議への出席」や「生活期支援における利用者との相談業務」を行っている場合は、該当すると判断される可能性があります。事前に職場や都道府県の担当窓口に確認することが大切です。条件を満たしていれば、理学療法士として働きながらでも、ケアマネ資格を目指すことは十分に可能です。

理学療法士とケアマネのダブルライセンスになることで広がる5つのメリット

理学療法士とケアマネのダブルライセンスになることで広がるメリットを5つ紹介します。

1. 多職種連携での信頼度が高まる

ケアマネは、多職種との調整や連携が求められる役割です。理学療法士としての専門知識を持ったケアマネは、リハビリ視点からの助言や調整ができるため、看護師・介護職・医師・家族からの信頼度が非常に高まります。特に福祉用具の選定やADLの維持に関する提案では、PTとしての視点が大きな強みとなります。

2. 利用者により適した支援計画が立てられる

ケアプラン作成時に、理学療法士としての視点を取り入れることで、より生活機能に即した現実的なプランが立てられます。たとえば、「歩行訓練が必要だが通所リハでは負担が大きい」といったケースでも、身体機能を考慮した柔軟なサービス調整が可能です。専門性の高いケアマネとして、質の高い支援が提供できます。

3. キャリアの選択肢が広がる

ケアマネ資格を取得することで、理学療法士としての職場に加えて、居宅介護支援事業所や地域包括支援センター、施設の相談員業務など、さまざまな職場での勤務が可能になります。また、将来的に管理職や経営者を目指す場合にも、制度全体を理解していることは大きな武器になります。

4. 働き方の柔軟性が高まる

リハビリ職は体力仕事でもあり、年齢とともに負担が増してくる側面もあります。その点、ケアマネ業務はデスクワークや調整業務が中心となるため、将来的な体力的負担を減らしつつも、専門職として活躍し続けることが可能です。週数日の勤務やパート勤務でも活躍できる職種であり、ライフスタイルに合わせた働き方ができます。

5. 地域支援の中心的存在になれる

地域包括ケアシステムが進む中で、生活期・地域での支援に強いケアマネが求められています。理学療法士として「身体機能」「生活動作」に精通している人材がケアマネ業務を行うことで、地域の高齢者支援の中心的存在として活躍できます。介護予防・フレイル対策など、地域支援事業への関わりも広がります。

実際に活躍している理学療法士ケアマネの働き方例

訪問リハビリ+ケアマネ業務の兼務

訪問リハビリを行いつつ、同一法人内でケアマネ業務も兼務しているケースがあります。利用者の生活状況をリハビリ視点で把握しながら、サービス内容の調整にも関与できるため、一貫性のある支援が可能になります。

ケアマネ専従として独立

理学療法士のキャリアから完全にケアマネに転向し、居宅支援事業所で専従のケアマネとして働く人もいます。リハビリ職としての経験を武器に、「リハ視点の強いケアマネ」として地域で差別化された存在になっています。

地域包括支援センターでの勤務

介護予防プランや地域支援事業に関わる地域包括支援センターでは、「運動」「生活機能改善」の視点を持つPTケアマネの存在が重宝されます。保健師・社会福祉士とチームを組み、地域ケアの中心的な存在として活動しています。

理学療法士がケアマネを目指す際の注意点

  • 受験資格の確認:必ず実務経験証明書が必要となるため、現職の業務内容が受験資格に該当するかを確認しましょう。
  • 合格後の実務研修:試験合格後は約40時間の実務研修があり、一定期間の受講が必要です。
  • 試験対策には計画的な勉強が必要:合格率は毎年20%前後と決して簡単な試験ではありません。参考書や一問一答問題集などを活用し、早めの対策をおすすめします。

まとめ

理学療法士がケアマネジャーの資格を取得し、ダブルライセンスを持つことで得られるメリットは非常に大きく、キャリアの選択肢が格段に広がります。

多職種連携での信頼性向上、より的確なケアプランの立案、将来の働き方の柔軟性確保など、現場で活かせる強みが満載です。

体力的な負担を軽減しながら、専門性を活かして長く働き続けたいと考えるPTにとって、ケアマネの取得は大きな武器になります。

今後ますます進む地域包括ケアの時代に向け、ダブルライセンスという選択肢をぜひ前向きに検討してみてください。

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