【ケアマネが仕事で使える】福祉用具貸与のケアプランの文例を紹介

福祉用具貸与は、介護保険サービスのなかでも在宅生活を支える重要な支援です。介護ベッドや車いす、歩行器など、利用者の自立や介護負担の軽減に直結するため、ケアプランに位置づける機会が非常に多いサービスといえます。
一方で「文例の書き方が分からない」「実際のケアプラン例を参考にしたい」と悩むケアマネジャーも少なくありません。この記事では、福祉用具貸与の13種目それぞれのケアプラン文例を、長期目標・短期目標・サービス内容に分けて多数紹介し、作成のポイントと注意点もあわせて解説します。
- 福祉用具貸与とは(13種目とケアプランでの位置づけ)
- 福祉用具貸与のケアプラン作成の3つのポイント
- 種目別のケアプラン文例(長期目標・短期目標・サービス内容)
- 場面別のケアプラン文例
- 作成時の注意点とよくある質問

福祉用具貸与のケアプラン、目標やサービス内容をどう書けばいいか毎回迷ってしまいます。

コツは「なぜ必要か」「どう役立つか」を具体的に書くこと。種目別の文例を見ながら整理していきましょう。
1. 福祉用具貸与とは・ケアプラン作成のポイント
1-1. 福祉用具貸与とは
福祉用具貸与は、要介護者・要支援者が在宅生活を続けるために、介護ベッドや車いす、手すりなどを必要に応じて借りられる介護保険サービスです。購入ではなく貸与のため、身体状況の変化に応じて柔軟に用具を変更できるのが特徴です。介護保険の福祉用具貸与の対象は、次の13種目とされています。
| 分類 | 種目 |
|---|---|
| 移動・歩行 | 車いす/車いす付属品/歩行器/歩行補助つえ/スロープ/移動用リフト(つり具を除く) |
| 起居・就寝 | 特殊寝台(介護ベッド)/特殊寝台付属品/体位変換器 |
| 予防・安全 | 床ずれ防止用具/手すり/認知症老人徘徊感知機器 |
| 排泄 | 自動排泄処理装置 |
車いす・特殊寝台・床ずれ防止用具・認知症老人徘徊感知機器・移動用リフト・自動排泄処理装置などは、原則として要支援1・2、要介護1の軽度者は介護保険での貸与の対象外です。ただし、一定の条件を満たす場合は「例外給付」として認められることがあります。対象種目や要件の詳細は、改定により変わることもあるため、最新の取り扱いを保険者(市区町村)に確認してください。
1-2. ケアプランでの位置づけ
福祉用具貸与は、利用者の自立支援や家族の介護負担の軽減を目的としてケアプランに位置づけます。ケアプランの第1表・第2表・第3表(週間サービス計画表)に記載する際は、「なぜ必要か(目的)」「どう役立つか(効果)」が読み手に伝わるよう具体的に書くことが求められます。
1-3. ケアプラン作成の3つのポイント
① 生活状況に即して書く……「起き上がりに時間がかかる」「移動中に転倒の危険がある」など、生活上の課題を具体的に示す。
② 用具を導入する目的を明確にする……「自立支援のため」「介護負担軽減のため」「転倒予防のため」など、必要な理由を明示する。
③ 期待される効果を具体的に書く……「夜間の移動が安全にできる」「介助者の腰痛予防になる」など、本人・家族のメリットが分かるようにする。
2. 種目別のケアプラン文例
ここからは、福祉用具貸与の種目ごとに、第2表に記載する「長期目標・短期目標・サービス内容」の文例を紹介します。利用者の状態に合わせて編集してお使いください。
2-1. 特殊寝台(介護ベッド)
| 長期目標 | 短期目標 | サービス内容文例 |
|---|---|---|
| 安心して就寝・起床ができ、生活リズムが整う | 起き上がり・立ち上がりが安全に行えるようになる | 特殊寝台を貸与し、背上げ・高さ調整機能を活用して自力での起き上がりを支援する |
| 介助者が安全に介助できる環境が保たれる | 夜間のトイレ移動がスムーズに行える | 高さ調整機能を活用し、移乗・立ち上がりを安全にするとともに、介助者の腰痛予防を図る |
| 寝たきりを予防し、生活機能が維持される | ベッド上での座位保持が安定して行える | 背上げ機能で離床を促し、座位での食事や活動につなげる |
2-2. 特殊寝台付属品(マットレス・サイドレール等)
| 長期目標 | 短期目標 | サービス内容文例 |
|---|---|---|
| ベッドからの転落なく安全に過ごせる | 寝返り・起き上がり時の転落が起きない | サイドレールを貸与し、寝返りや起き上がり時の転落を防止する |
| 安楽な姿勢で休息でき、睡眠が確保される | 適切なマットレスで安楽に過ごせる | 体格・状態に合ったマットレスを貸与し、安楽な睡眠環境を整える |
| 起居動作の自立度が保たれる | ベッド柵を支えに立ち上がりができる | 介助バーを貸与し、立ち上がり・移乗の動作を支援する |
2-3. 床ずれ防止用具
| 長期目標 | 短期目標 | サービス内容文例 |
|---|---|---|
| 床ずれが発生せず、皮膚の健康が保たれる | 体圧が分散され、同一部位への負担が軽減される | エアマットレスを貸与し、体圧分散により床ずれの発生を予防する |
| 既存の床ずれが悪化せず治癒に向かう | 創部への圧迫が軽減される | 体圧分散用具を貸与し、訪問看護と連携して床ずれの管理を行う |
| 寝たきり状態でも安楽に過ごせる | 体位変換時の負担が軽減される | 床ずれ防止用具を活用し、介助者の体位変換の負担も軽減する |
2-4. 体位変換器
| 長期目標 | 短期目標 | サービス内容文例 |
|---|---|---|
| 床ずれを予防し、安楽な姿勢が保たれる | 定期的な体位変換が無理なく行える | 体位変換器を貸与し、少ない力で安全に体位変換ができるようにする |
| 介助者の負担が軽減され、在宅介護が継続できる | 介助者が腰を痛めずに体位変換できる | 体位変換器を活用し、介助者の身体的負担を軽減する |
| 安楽な姿勢でゆっくり休息できる | クッション類で良肢位が保持される | 体位変換器・ポジショニング用品を併用し、良肢位の保持を支援する |
2-5. 車いす
| 長期目標 | 短期目標 | サービス内容文例 |
|---|---|---|
| 移動の範囲が広がり、心身機能の維持につながる | 屋内外の移動が安全に行えるようになる | 軽量車いすを貸与し、日常の移動手段として活用する |
| 外出や社会参加の機会が確保される | 通院や外出が安全に行える | 車いすを貸与し、通院・買い物などの外出を支援する |
| 家族の介助負担が軽減される | 介助者が無理なく移動の介助ができる | 操作しやすい車いすを選定し、家族の介助負担を軽減する |
2-6. 車いす付属品(クッション・電動補助装置等)
| 長期目標 | 短期目標 | サービス内容文例 |
|---|---|---|
| 長時間の座位でも安楽に過ごせる | 座位姿勢が安定し、ずり落ちが起きない | 車いす用クッションを貸与し、座位の安定と床ずれ予防を図る |
| 車いすでの活動範囲が維持される | 疲労なく必要な距離を移動できる | 車いす付属品を併用し、安楽で安全な移動環境を整える |
| 姿勢の崩れによる二次障害を予防できる | 適切な座位姿勢が保持される | 姿勢保持用のクッション等を活用し、良姿勢を支援する |
2-7. 歩行器
| 長期目標 | 短期目標 | サービス内容文例 |
|---|---|---|
| 自宅内外を転倒なく安全に歩行でき、活動範囲が維持される | 手すりのない場所でも安定して歩ける | 歩行器を貸与し、バランスをとりながら安全に移動できるようにする |
| 歩行機能が維持・向上し、外出が継続できる | 歩行距離を少しずつ延ばせる | 歩行器を貸与し、歩行訓練・リハビリと連動させて活用する |
| 転倒への不安が軽減され、活動意欲が保たれる | 歩行器を使って安心して移動できる | 身体状況に合った歩行器を選定し、安全な歩行を支援する |
2-8. 歩行補助つえ
| 長期目標 | 短期目標 | サービス内容文例 |
|---|---|---|
| 安定した歩行で外出が継続でき、生活範囲が保たれる | つえを使って安定して歩けるようになる | 多点つえ等を貸与し、歩行の安定と転倒予防を図る |
| 歩行の自信が保たれ、社会参加が継続できる | 屋外でも安心して歩行できる | 身体状況に合った歩行補助つえを選定し、屋外歩行を支援する |
| 歩行機能が維持される | つえの正しい使い方が定着する | 福祉用具専門相談員・リハビリ職と連携し、つえの使い方を指導する |
2-9. 手すり(工事を伴わない据置・突っ張り型)
| 長期目標 | 短期目標 | サービス内容文例 |
|---|---|---|
| 自宅での移動を安全に行い、転倒の不安が減る | トイレや玄関で立ち座りが安定する | 据置型手すりを貸与し、トイレ・玄関での安全な動作を支援する |
| 安全な生活動線が確保される | 移動の要所で手すりを使えるようになる | 利用者の動線に合わせて手すりを配置し、生活に即した活用を行う |
| 起居・立ち上がり動作の自立が保たれる | ベッド周りで安全に立ち上がれる | ベッドサイド等に手すりを貸与し、起居動作を支援する |
2-10. スロープ(工事を伴わない可搬型)
| 長期目標 | 短期目標 | サービス内容文例 |
|---|---|---|
| 車いすでも外出が可能となり、社会参加の機会が広がる | 玄関や段差の昇降が安全に行える | 可搬型スロープを貸与し、玄関・居室内の段差を解消する |
| 段差による転倒なく安全に移動できる | 屋内の段差を安全に越えられる | スロープを貸与し、室内の段差を解消して移動の安全を確保する |
| 家族とともに安全に外出できる | 家族が安全にスロープを使えるようになる | スロープを貸与し、家族にも安全な使い方を指導する |
2-11. 認知症老人徘徊感知機器
| 長期目標 | 短期目標 | サービス内容文例 |
|---|---|---|
| 安全が確保され、住み慣れた自宅での生活が継続できる | 外出・離床を早期に把握し対応できる | 認知症老人徘徊感知機器を貸与し、家族が外出等を早期に把握できるようにする |
| 家族が安心して見守りを続けられる | 夜間の離床にも気づける体制が整う | 感知機器を活用し、夜間の見守り負担を軽減する |
| 事故を予防し、本人の行動の自由が保たれる | 危険な外出時に速やかに対応できる | 感知機器と地域の見守りを組み合わせ、安全と本人の尊厳を両立する |
2-12. 移動用リフト(つり具部分を除く)
| 長期目標 | 短期目標 | サービス内容文例 |
|---|---|---|
| 安全な移乗により、在宅生活が継続できる | 移乗時の転倒・転落が起きない | 移動用リフトを貸与し、ベッド・車いす間の移乗を安全に行う |
| 介助者の負担が軽減され、在宅介護が続けられる | 介助者が無理なく移乗介助ができる | 移動用リフトを活用し、介助者の身体的負担を大きく軽減する |
| 入浴・離床の機会が確保される | 安全に離床・入浴の移乗ができる | 移動用リフトを活用し、入浴や離床の機会を確保する |
2-13. 自動排泄処理装置
| 長期目標 | 短期目標 | サービス内容文例 |
|---|---|---|
| 排泄が清潔に保たれ、皮膚トラブルが予防される | 排泄物が速やかに処理され、清潔が保たれる | 自動排泄処理装置を貸与し、排泄の処理と清潔保持を支援する |
| 介助者の排泄介助の負担が軽減される | 夜間の排泄介助の負担が軽くなる | 自動排泄処理装置を活用し、とくに夜間の介助負担を軽減する |
| 本人の尊厳に配慮した排泄ケアが継続できる | 安心して排泄ができる | 自動排泄処理装置を活用し、本人の尊厳に配慮した排泄環境を整える |
3. 場面別のケアプラン文例
利用者の状況に応じた、福祉用具貸与の文例を場面別に紹介します。
3-1. 退院直後のケース
| 長期目標 | 短期目標 | サービス内容文例 |
|---|---|---|
| 退院後の在宅生活が安全に再開・継続できる | 退院後の身体状況に合った環境で安全に生活できる | 退院後の状態に合わせて特殊寝台・手すり等を貸与し、安全な在宅生活を支援する |
| 再入院せず在宅での療養が継続できる | 転倒・事故なく日常生活を送れる | 福祉用具専門相談員と連携し、退院前に必要な用具を準備する |
| 低下した生活機能の回復につながる | 福祉用具を活用して活動量を確保できる | 歩行器・車いす等を活用し、リハビリと連動して活動を支援する |
3-2. 独居高齢者のケース
| 長期目標 | 短期目標 | サービス内容文例 |
|---|---|---|
| 独居でも安全に在宅生活が継続できる | 一人でも安全に移動・起居ができる | 手すり・歩行器等を貸与し、独居生活での転倒を予防する |
| 転倒による不安が軽減され、生活意欲が保たれる | 夜間も安全に移動できる | ベッド周りに手すりを配置し、夜間の移動の安全を確保する |
| 緊急時にも対応できる安心な環境が保たれる | 福祉用具で危険箇所が解消される | 福祉用具専門相談員と居室の安全を点検し、必要な用具を調整する |
3-3. 認知症のあるケース
| 長期目標 | 短期目標 | サービス内容文例 |
|---|---|---|
| 認知症があっても安全に在宅生活が継続できる | 転倒・事故なく安全に過ごせる | 身体状況に合った福祉用具を貸与し、見守りと組み合わせて安全を確保する |
| 家族が安心して見守りを続けられる | 離床・外出を早期に把握できる | 認知症老人徘徊感知機器を貸与し、家族の見守り負担を軽減する |
| 本人の行動の自由と安全が両立できる | 危険な場面に早期に対応できる | 感知機器と地域の見守りを組み合わせ、安全と尊厳を両立する |
3-4. 重度(要介護4・5)のケース
| 長期目標 | 短期目標 | サービス内容文例 |
|---|---|---|
| 重度であっても安全・安楽に在宅生活が継続できる | 床ずれなく安楽な姿勢で過ごせる | 特殊寝台・床ずれ防止用具・体位変換器を組み合わせて貸与する |
| 介助者の負担が軽減され、在宅介護が続けられる | 移乗・体位変換が安全に行える | 移動用リフト等を貸与し、介助者の身体的負担を大きく軽減する |
| 離床の機会が確保され、生活機能が維持される | 安全に離床・座位保持ができる | 車いす・付属品を活用し、安全な離床と座位の機会を確保する |
3-5. 看取りを視野に入れたケース
| 長期目標 | 短期目標 | サービス内容文例 |
|---|---|---|
| 住み慣れた自宅で穏やかに過ごせる | 安楽な姿勢で苦痛なく過ごせる | 特殊寝台・床ずれ防止用具を貸与し、安楽な療養環境を整える |
| 家族が安心して看取りまで支えられる | 介助の負担が軽減される | 移動用リフト等を活用し、家族の介助負担を軽減する |
| 本人・家族の意向に沿った在宅療養が継続できる | 状態の変化に合わせて環境を調整できる | 状態変化に応じて福祉用具を見直し、訪問看護等と連携する |
4. 作成時の注意点
記載を抽象的にしすぎない
「安全に過ごせるようにする」といった表現は便利ですが、抽象的すぎると他の専門職に意図が伝わりません。誰が読んでも分かるよう、具体的な動作や場面を盛り込んで書くことが大切です。
福祉用具専門相談員と連携する
福祉用具専門相談員との連携は欠かせません。用具の選定理由・設置場所・利用方法を共有することで、より利用者に適したプランになります。専門相談員が作成する福祉用具サービス計画(選定提案書)とも内容を整合させましょう。
状態変化に応じて見直す
福祉用具は、利用者の身体状況の変化に合わせて見直しが必要になることが多いサービスです。定期的なモニタリングで利用状況と適合性を確認し、合わなくなった用具は速やかに変更・中止します。漫然と同じ用具を貸与し続けないことが、運営指導でも重視されます。

種目ごとに文例があると、すごく書きやすいです!

文例はあくまで土台です。その用具がその方になぜ必要か——アセスメントの根拠とつながっていることがいちばん大切ですよ。
5. よくある質問(FAQ)
要介護1の人に介護ベッドを貸与できますか?
特殊寝台(介護ベッド)は、原則として要支援1・2、要介護1の軽度者は介護保険での貸与の対象外です。ただし、一定の状態像に該当する場合は「例外給付」として認められることがあります。要件や手続きは保険者(市区町村)によって運用が異なるため、必ず事前に確認してください。
福祉用具貸与の文例はそのまま使ってもよいですか?
文例はたたき台です。必ず利用者のアセスメント結果と結びつけ、「なぜその用具が必要か」が説明できる内容に編集してください。アセスメントの根拠とつながっていない文例は、運営指導で指摘される原因になります。
複数の福祉用具を同時に位置づけてもよいですか?
必要性があれば、複数の種目を同時にケアプランに位置づけることは可能です。ただし、それぞれの用具について「なぜ必要か」を明確にし、利用状況をモニタリングで確認します。使われていない用具を漫然と貸与し続けることは避けましょう。
福祉用具専門相談員の計画書とケアプランの関係は?
福祉用具専門相談員は、貸与にあたって「福祉用具サービス計画(選定提案書)」を作成します。ケアマネジャーのケアプラン(居宅サービス計画)と内容が整合していることが重要です。選定理由や目標を相談員と共有し、双方の計画がそろうようにしましょう。
福祉用具貸与のケアプラン文例について、要点を整理します。
- 福祉用具貸与は13種目。在宅生活を支える利用頻度の高いサービス。
- 文例は「生活状況・導入の目的・期待される効果」を具体的に書く。
- 軽度者には給付制限がある種目もある(例外給付の要件は保険者に確認)。
- 福祉用具専門相談員と連携し、選定提案書とケアプランを整合させる。
- 状態変化に応じて定期的にモニタリングし見直す。
文例を活用しつつ、利用者のアセスメント結果に合わせて編集し、安心・安全な在宅生活を支えていきましょう。
















