介護医療院は医療費控除の対象になる?わかりやすく解説

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2018年に新しく創設された介護医療院は、医療と介護を同時に必要とする高齢者が長期的に入所できる施設です。病院のように医療ケアを受けられ、特別養護老人ホーム(特養)のように生活の場として利用できることから注目されています。

しかし、介護医療院を利用するにあたって気になるのが費用と税金の扱いです。特に「介護医療院にかかる費用は医療費控除の対象になるの?」「どこまでが控除される?」と疑問を持つ方は多いでしょう。

この記事では、介護医療院の費用と医療費控除の関係、控除対象になる費用の範囲、計算方法、注意点を国税庁の情報をもとにわかりやすく解説します。

目次

医療費控除とは?

医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に、確定申告で所得から差し引くことができる制度です。これにより、所得税や住民税が軽減されます。

基本の仕組み

  • 対象となるのは、本人や生計を一にする家族のために支払った医療費
  • 自己負担額が年間10万円(または所得の5%)を超えた分が控除対象
  • 入院費、治療費、通院交通費、薬代などが対象

介護医療院の費用は医療費控除の対象になる?

結論

介護医療院の費用のうち、医療に該当する部分は医療費控除の対象になります。

介護医療院は「医療機能」と「介護機能」を併せ持つ施設であるため、支払った全額が控除対象になるわけではありません。

対象になる費用

  • 医師や看護師による診療・治療・医療処置費用
  • 処方薬、注射、点滴などの費用
  • 入院に類する費用のうち医療に関連する部分

対象にならない費用

  • 居住費(部屋代)
  • 食費
  • 生活上のサービス費用(介護職員による生活援助など)
  • 理美容代や日用品費

👉 ポイントは、**「医療目的の費用かどうか」**です。生活に関する部分は対象外になります。

介護保険サービスと医療費控除の関係

介護保険を利用して介護医療院に入所している場合でも、医療にあたるサービスは控除対象です。

医療費控除に含まれる可能性がある介護サービス

  • 介護医療院での医師・看護師による医療ケア
  • 機能訓練指導員(理学療法士・作業療法士など)によるリハビリのうち医療的に必要とされるもの
  • 医師の指示に基づく処置

含まれないもの

  • 入浴介助や食事介助といった日常生活支援
  • 単なる生活リハビリやレクリエーション

医療費控除の計算例(介護医療院利用の場合)

例えば、ある高齢者が介護医療院に1年間入所し、以下の費用を支払ったとします。

  • 月額費用:15万円 × 12か月 = 180万円
     内訳:医療関連費6万円、介護サービス費6万円、居住費・食費3万円

→ このうち、**医療関連費(年間72万円)**が医療費控除の対象となります。

年間の医療費(本人・家族分合算)が80万円だった場合、所得300万円の人は
80万円 − 10万円 = 70万円が控除対象となり、所得税・住民税の軽減につながります。

医療費控除を受ける手続きの流れ

  1. 領収書を保管する
     介護医療院の領収書を必ず保存。医療費と介護費の内訳が記載されていることを確認。
  2. 年間医療費を集計する
     本人・家族の通院や薬代なども合算可能。
  3. 確定申告を行う
     医療費控除の明細書を作成し、確定申告書に添付。
  4. 還付を受ける
     税務署から所得税の還付を受けられ、翌年の住民税も軽減される。

介護医療院で医療費控除を受ける際の注意点

  1. 領収書の内訳を確認
     医療費と介護費、居住費・食費が明確に分かれていないと、控除の計算が難しくなります。
  2. 介護保険給付分は対象外
     介護保険で給付されている部分は自己負担していないため、控除の対象にはなりません。
  3. 交通費も対象になる場合がある
     医師の指示で通院・転院した際の交通費は医療費控除の対象。介護医療院への面会交通費は対象外です。
  4. 世帯合算できる
     同一世帯の家族の医療費を合算して申告可能。

介護医療院と他施設の医療費控除比較

施設医療費控除対象注意点
病院入院費・治療費・薬代など全般食費・差額ベッド代は対象外
特養医療ケア費用のみ対象介護費・居住費・食費は対象外
老健医師や看護師による医療行為のみ対象リハビリでも医療目的でない場合は対象外
介護医療院医師の診療・医療処置・必要なリハビリが対象居住費・食費・介護サービス費は対象外

よくある質問(Q&A)

Q:介護医療院の費用はすべて医療費控除の対象ですか?
A:いいえ。医療にあたる費用のみ対象で、居住費や食費、介護サービス費は含まれません。

Q:領収書に内訳が書かれていない場合は?
A:施設に依頼し、医療費と介護費を分けた証明書を発行してもらいましょう。

Q:介護医療院のリハビリは医療費控除できますか?
A:医師が必要と認めた機能訓練は対象となります。

まとめ

介護医療院にかかる費用のうち、医師の診療や医療処置など医療に該当する部分は医療費控除の対象です。

  • 対象:診療費、薬代、医療的リハビリなど
  • 対象外:居住費、食費、生活援助など
  • ポイント:領収書の内訳確認、介護保険給付分は控除対象外

医療費控除を活用することで、年間で数万円〜数十万円の節税効果が期待できます。介護医療院を利用する際は、必ず領収書を保管し、確定申告で申請しましょう。

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