訪問介護でできること・できないこと一覧|身体介護・生活援助・通院介助を解説

「訪問介護(ヘルパー)って、結局どこまでお願いできるの?」——これは利用者やご家族から最も多く寄せられる質問のひとつです。掃除や買い物は頼めても、同居家族の食事づくりや大掃除は対象外など、線引きが分かりづらいのが実情。この記事では、身体介護・生活援助・通院等乗降介助の3つの違いと、できること・できないこと、費用や利用の流れまで、ケアマネ目線でやさしく整理します。
- 訪問介護の3区分(身体介護・生活援助・通院等乗降介助)の違い
- それぞれで「できること・できないこと」の具体例
- 自己負担の費用イメージと利用開始までの流れ
- 介護保険では頼めないことと、その代わりになる選択肢
訪問介護(ヘルパー)とは?対象者をわかりやすく
訪問介護とは、介護福祉士や訪問介護員(ホームヘルパー)が利用者の自宅を訪問し、日常生活の支援を行う介護保険サービスです。介護保険サービスの中でも利用者数が多く、在宅生活を支える中心的な存在といえます。
対象となるのは、原則として要介護1〜5に認定された方です。要支援1・2の方は、市町村が運営する「介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)」の訪問型サービスを利用する形になり、通常の訪問介護とは枠組みが異なります。
新人利用者さんから「ヘルパーさんに何でも頼めるの?」とよく聞かれるんですが、どう答えればいいですか?
先輩「介護保険のヘルパーは“利用者本人の自立支援に必要なこと”だけが対象なのよ」と伝えるといいわ。何でも屋さんではない、という前提をやさしく説明するのがコツね。
訪問介護のサービスは大きく3種類
訪問介護で提供されるサービスは、次の3つに分かれます。それぞれ「身体に触れるか」「家事の代行か」「通院の支援か」で区分されます。
- 身体介護……食事・入浴・排泄など、身体に直接触れる介助
- 生活援助……掃除・洗濯・調理など、本人の日常生活に必要な家事支援
- 通院等乗降介助……通院や外出時の乗り降りと付き添いの支援
身体介護でできること・できないこと
身体介護は、利用者の身体に直接触れて行う介助を指します。生活援助よりも介護度が高い方に利用される傾向があります。
身体介護の具体例
- 食事介助(食事の介助や見守り)
- 入浴介助(部分浴・全身浴)
- 排泄介助(トイレ誘導、おむつ交換)
- 移乗介助(ベッドから車椅子への移動など)
- 体位変換(床ずれ予防のための体位交換)
- 清拭(入浴できないときに体を拭く)
- 更衣介助(衣類の着替え支援)
生活援助でできること・できないこと
生活援助は、利用者本人が一人で行うことが困難な家事を支援するサービスです。あくまで「本人の日常生活に必要な範囲」が原則で、ここに大きな線引きがあります。
生活援助の具体例
- 掃除(居室やトイレの清掃、ゴミ出し)
- 洗濯
- 調理、配下膳
- 買い物代行(生活必需品の範囲)
- 薬の受け取り
新人同居家族がいると生活援助は使えない、と聞いたのですが本当ですか?
先輩一律にダメではないのよ。同居家族が高齢・障害・就労などで家事ができない事情があれば、生活援助を位置づけられる場合があるの。自治体の判断も関わるから、ケアプランで根拠をきちんと示すことが大事ね。
通院等乗降介助でできること・できないこと
通院等乗降介助は、病院などへの通院や外出時に行う乗り降りと付き添いの支援です。いわゆる「介護タクシー」と組み合わせて使われることが多いサービスです。
通院等乗降介助の具体例
- 自宅から車までの移動の介助
- 車への乗車・降車の介助
- 病院や施設の受付までの付き添い
- 受診後の車までの介助
利用の条件
- 要介護認定を受けていること
- 通院などのために乗降の介助が必要なこと
- ケアプランに位置づけられていること
サービスごとの違いを表で整理
| サービス区分 | 主な内容 | 対象となる行為 | 対象外の行為 |
|---|---|---|---|
| 身体介護 | 身体に直接関わる介助 | 食事・入浴・排泄・移乗・体位変換など | 医療行為、専門的リハビリ |
| 生活援助 | 家事援助 | 掃除・洗濯・調理・買い物代行 | 家族分の家事、大掃除、草むしり |
| 通院等乗降介助 | 通院時の介助 | 自宅⇔車の移動介助、乗降、受付まで付添 | 車の運転、院内での長時間付き添い |
訪問介護の費用(自己負担)の目安
訪問介護の費用は介護報酬で定められており、自己負担は原則所得に応じて1割〜3割です。以下は自己負担1割の場合のおおまかなイメージで、地域区分や加算により実際の金額は変わります。
| 区分 | 時間の目安 | 自己負担(1割)の目安 |
|---|---|---|
| 身体介護 | 20分未満 | 約170円〜 |
| 身体介護 | 20〜30分 | 約250円〜 |
| 身体介護 | 30〜60分 | 約400円〜 |
| 生活援助 | 20〜45分 | 約200円〜 |
| 生活援助 | 45分以上 | 約250円〜 |
| 通院等乗降介助 | 1回あたり | 約100〜150円程度 |
訪問介護を利用するまでの流れ
- 要介護認定を受けるお住まいの市町村に申請し、認定調査・主治医意見書をもとに要介護度が決まります。
- ケアマネジャーに相談居宅介護支援事業所のケアマネがアセスメントを行い、訪問介護の必要性を判断してケアプランを作成します。
- サービス担当者会議・契約訪問介護事業所を選び、内容を確認して契約。サービス内容と回数を確定します。
- サービス開始ホームヘルパーが自宅を訪問し、ケアプランに沿った支援が始まります。
訪問介護では頼めないこと(介護保険外)
利用者から「頼めるの?」と聞かれても、介護保険では対象外になることがあります。代表例は次のとおりです。
- 庭の草むしり、大掃除、窓の高所清掃
- ペットの世話
- 同居家族分の家事(食事・洗濯など)
- 引っ越しや家具の移動
- 医療行為(インスリン注射や褥瘡処置など)
こうしたニーズは、介護保険外サービス(自費の家事代行や民間サービス)を組み合わせることで対応できます。何が保険内で何が保険外かを早めに整理しておくと、利用者・家族の納得感が高まります。
よくある質問(FAQ)
身体介護と生活援助はどう違うの?
要支援でも訪問介護は使える?
同居家族がいると生活援助は一切使えない?
通院の付き添いはどこまでしてもらえる?
- 訪問介護は「身体介護」「生活援助」「通院等乗降介助」の3区分
- 身体介護=体に直接触れる介助、生活援助=本人に必要な家事、通院等乗降介助=乗り降りと付き添い
- 家族分の家事・大掃除・医療行為などは介護保険の対象外
- 利用できる内容はケアマネが作るケアプランで決まる。まずは相談を
















