初回加算・退院退所加算で算定ミスが多い7選|返還を防ぐチェックリスト

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「この月、初回加算と退院・退所加算、両方つけちゃっていいんだっけ…?」——居宅介護支援の加算は、要件を1つ取り違えるだけで返還(過誤調整)の対象になります。この記事では、実地指導でも指摘されやすい初回加算・退院退所加算の算定ミスが多いポイント7選を、令和6年度の制度にもとづいて整理し、最後にコピペで使えるチェックリストをまとめました。

この記事でわかること
  • 初回加算・退院退所加算で間違いやすい7つの論点
  • 「初回加算と退院退所加算は併算定できない」など見落としやすいルール
  • 区分判定(カンファレンスの有無・回数)でミスを防ぐ考え方
  • 返還リスクを下げる算定前チェックリスト
目次

なぜ初回加算・退院退所加算は算定ミスが起きやすいのか

この2つの加算は、「新規」「退院」というイベントが重なる場面で発生します。新規利用者が病院からの退院をきっかけに契約するケースが典型で、初回加算と退院退所加算のどちらを算定すべきか迷いやすいのです。さらに退院退所加算は区分が5つあり、情報収集の回数とカンファレンスの有無で単位数が変わるため、判定ミスが起こりがちです。

新人ケアマネ新人

退院してきた新規の方、初回加算300単位と退院退所加算600単位、両方つけたら900単位ですよね?

ベテランケアマネ先輩

そこが一番多いミスなのよ。初回加算と退院退所加算は併算定できないの。両方つけると返還になるから気をつけて。

算定ミスが多いポイント7選

① 初回加算と退院退所加算を「両方」算定してしまう

最大の落とし穴です。初回加算を算定する場合、退院退所加算は算定できません(いずれか一方)。退院をきっかけに新規契約した利用者では、両方の要件を満たすように見えても併算定は不可です。単位数は退院退所加算(450〜900単位)のほうが初回加算(300単位)より大きいため、要件を満たすなら退院退所加算を優先するのが一般的です。

注意:自動算定の設定に注意介護ソフトで初回加算が自動付与される設定だと、退院退所加算と二重に乗ってしまうことがあります。新規+退院のケースは手動で確認しましょう。

② 退院退所加算を「入院期間中に複数回」算定してしまう

退院退所加算は入院・入所期間中に1回が限度です。同じ入院について複数の区分を重ねて算定することはできません。1回の入院=1回の算定、と覚えておきましょう。

③ 区分(イ・ロ/Ⅰ〜Ⅲ)の判定を誤る

退院退所加算の区分は、医療機関等からの情報収集の回数カンファレンスを含むかで決まります。下表で正しい区分を確認してください。

区分単位数情報収集の回数・方法
(Ⅰ)イ450単位カンファレンス以外で1回
(Ⅰ)ロ600単位カンファレンスで1回
(Ⅱ)イ600単位カンファレンス以外で2回以上
(Ⅱ)ロ750単位2回以上+うち1回以上カンファレンス
(Ⅲ)900単位3回以上+うち1回以上カンファレンス

カンファレンスを1回でも含むと単位数が上がるため、「会議として実施したのか/個別の情報提供だったのか」を記録上で区別できるようにしておくことが重要です。

④ 同一日の情報提供を「複数回」とカウントしてしまう

同一日に複数回の情報提供を受けても、また同一日にカンファレンスへ参加しても、回数は「1回」として数えます。別日に分けて受けた情報提供が回数にカウントされる点を取り違えないようにしましょう。

⑤ 「退院後7日以内」の情報取得ルールを誤解する

情報収集は退院・退所前に行うのが原則ですが、退院後7日以内に受けた情報提供であれば回数にカウントできます。8日目以降に得た情報はカウント対象外になる点に注意してください。退院日からの日数管理を徹底しましょう。

⑥ 初回加算の「新規」「2区分以上変更」の判定を誤る

初回加算は、次のいずれかで算定できます。判定を誤ると算定漏れ・過剰算定のどちらも起こります。

  • 新規に居宅サービス計画を作成する場合(その事業所で過去一定期間、給付管理を行っていない=「新規」)
  • 要支援者が要介護認定を受けて居宅サービス計画を作成する場合
  • 要介護状態区分が2区分以上変更された利用者の計画を作成する場合

「要介護1→2」のような1区分変更では算定できません。2区分以上の変更が条件です。

⑦ 運営基準減算の月に初回加算を算定してしまう

初回加算は運営基準減算に該当する月は算定できません。アセスメント未実施やサービス担当者会議の未開催などで運営基準減算が発生している月に初回加算を乗せると、返還対象になります。減算と加算は必ずセットで確認しましょう。

新人ケアマネ新人

要件は合っていても、記録が弱いと指摘されることもあるんですか?

ベテランケアマネ先輩

そうなの。算定根拠を示せる記録がないと、要件を満たしていても返還を求められることがあるわ。日付・方法・相手・回数を必ず残してね。

返還リスクを防ぐ算定前チェックリスト

請求前に、次の項目を確認しておくと算定ミスを大きく減らせます。

  • 退院をきっかけにした新規利用者で、初回加算と退院退所加算を二重に算定していないか
  • 退院退所加算は同一入院につき1回になっているか
  • 区分(イ・ロ/Ⅰ〜Ⅲ)が情報収集回数とカンファレンス有無と一致しているか
  • 同一日の情報提供を複数回カウントしていないか
  • 退院後に得た情報は7日以内
  • 初回加算の「新規」「2区分以上変更」の判定は正しいか
  • 初回加算を算定する月に運営基準減算が発生していないか
  • 各加算の算定根拠(日付・方法・相手・回数)が記録に残っているか
ポイント:迷ったら保険者に確認解釈に迷うケースは、自己判断で算定せず保険者(市区町村)へ事前確認するのが最も安全です。確認した内容と回答も記録に残しておきましょう。

算定をミスなく回す3ステップ

  • イベントごとに算定候補を洗い出す「新規契約」「入院」「退院」など場面ごとに、発生し得る加算と排他関係(併算定不可)をリスト化します。
  • 記録様式に算定根拠欄を作る連携の日付・方法(カンファor個別)・相手・回数を記入する欄を設け、誰が見ても根拠を追えるようにします。
  • 請求前にダブルチェック上のチェックリストで月次の加算・減算を点検し、二重算定や区分ミスを請求前に潰します。

よくある質問(FAQ)

退院した新規利用者は、初回加算と退院退所加算のどちらを取るべき?
併算定はできません。要件を満たすなら、単位数の大きい退院退所加算(450〜900単位)を選ぶのが一般的です。
退院前にカンファレンスへ参加できなかった場合は算定できませんか?
カンファレンス以外の方法での情報提供でも区分(Ⅰ)イ・(Ⅱ)イとして算定できます。ただしカンファレンスを含むほうが単位数は高くなります。
同じ日に病院から2回情報をもらいました。2回とカウントできますか?
できません。同一日の情報提供は何回受けても「1回」として数えます。回数を増やすには別日の情報収集が必要です。
要介護1から2に変わった月、初回加算は取れますか?
取れません。初回加算の対象は「2区分以上」の変更です。1区分の変更では算定できません。
要件は満たしているのに記録不備で返還になることはありますか?
あります。算定根拠を示せる記録がないと、実地指導で返還を求められる場合があります。日付・方法・相手・回数の記録を必ず残しましょう。
まとめ
  • 初回加算と退院退所加算は併算定不可。新規+退院のケースは要注意
  • 退院退所加算は入院期間中1回。区分は情報収集回数とカンファレンス有無で決まる
  • 同一日の情報提供は1回、退院後の情報は7日以内のみカウント
  • 初回加算は「2区分以上変更」「運営基準減算の月は不可」を確認
  • 要件+算定根拠の記録がそろって初めて返還リスクを防げる

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