ケアマネ専門研修課程Ⅰ・Ⅱとは?内容と事前課題の書き方
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実務研修を終えて現場に出たあと、次に待っているのが専門研修課程Ⅰ・Ⅱです。日程が長く、事前課題があり、しかも仕事を休まなければならない。「何をどこまで準備すればいいのか」が分からないまま当日を迎えると、負担だけが大きくなります。この記事では、専門研修課程Ⅰ・Ⅱの位置づけ、内容、提出物の書き方の考え方までを整理します。
この記事でわかること
- 専門研修課程Ⅰ・Ⅱの位置づけと、実務研修との違い
- それぞれの対象者・時間数・主な内容
- 事前課題として求められるものと、準備の進め方
- 事例提出・研修目標の書き方の考え方
- 仕事と両立するための現実的な工夫
目次
専門研修課程Ⅰ・Ⅱの位置づけ
介護支援専門員の法定研修は、段階を追って設計されています。
- 介護支援専門員実務研修試験合格後、登録前に受講する研修。ケアマネジメントの基礎を学ぶ。
- 専門研修課程Ⅰ実務経験を積んだ現任者が対象。実践を振り返り、基礎を固め直す。
- 専門研修課程Ⅱより経験を重ねた現任者が対象。事例研究を通じて実践力を高める。
- 主任介護支援専門員研修指導的立場を担うための研修。
専門研修課程Ⅰ・Ⅱは、介護支援専門員証の更新に必要な研修として位置づけられてきました。実務に就いている人が、更新のタイミングで受講するのが一般的な流れです。
注意:更新制をめぐる制度は動いている介護支援専門員証の更新制については見直しの議論が進んでいます。受講の要否や位置づけが変わる可能性があるため、必ず都道府県の最新の案内で確認してください。本記事は現行の枠組みを前提とした整理です。
それぞれの対象と時間数
| 専門研修課程Ⅰ | 専門研修課程Ⅱ | |
|---|---|---|
| 対象 | 就業しており、一定の実務経験がある現任者 | 課程Ⅰ修了者で、さらに実務経験を重ねた現任者 |
| 時間数の目安 | おおむね56時間 | おおむね32時間 |
| 主眼 | 基礎の再確認と実践の振り返り | 事例研究による実践力の向上 |
注意:時間数・受講要件は都道府県で異なる時間数やカリキュラムの構成、受講要件は実施主体によって異なります。数値は目安として捉え、必ず都道府県の実施要領で確認してください。
主な内容
専門研修課程Ⅰの内容
- 介護保険制度の最新動向と地域包括ケアシステム
- ケアマネジメントの基本理念と倫理の再確認
- アセスメントとケアプラン作成の振り返り
- 疾患別・状態別のケアマネジメント(認知症、看取り、リハビリなど)
- 多職種連携と社会資源の活用
- 実践事例の振り返りとグループワーク
専門研修課程Ⅱの内容
- ケアマネジメントの実践における課題整理
- 自らの事例を用いた事例研究・事例検討
- 他者の事例への助言を通じた学び
- 実践の質を高めるための自己評価
課程Ⅱは「自分の事例を出して検討してもらう」ことが中心です。そのため事前課題の準備が、研修の成否を大きく左右します。
新人事例を出すのが不安です。うまくいかなかったケースを出すと、批判されませんか?
先輩むしろうまくいかなかった事例のほうが学びが大きいのよ。成功事例は「よかったですね」で終わってしまうもの。迷ったこと、判断がぶれたことを正直に出せる人ほど得をする研修だと思っておいていいわ。
事前課題の準備
研修によって様式は異なりますが、求められることの中身は概ね共通しています。
研修目標(何を学びたいか)
「勉強になればと思います」といった漠然とした記載では、研修の意味が薄れます。現場で困っていることを具体的に一つ挙げるのがコツです。
| 弱い書き方 | 具体的な書き方 |
|---|---|
| 知識を深めたい | 本人と家族の意向が対立する事例で、どこまで調整に踏み込むべきかの判断基準を学びたい |
| スキルを高めたい | サービス拒否のある独居高齢者に対し、支援を届けるための関係づくりの手順を整理したい |
| 多職種連携を学びたい | 医師との情報共有が一方通行になりがちなため、双方向にするための具体的な働きかけを知りたい |
提出事例の選び方
- 自分が実際に担当し、経過を説明できる事例を選ぶ
- 判断に迷った場面がある事例のほうが検討に向く
- 個人が特定されないよう、氏名・地名等は必ず匿名化する
- 利用者・家族への説明と同意の取扱いは、実施要領に従う
- 経過を時系列で整理し、自分の判断とその理由を明記する
注意:個人情報の取扱いは慎重に事例提出にあたっては、個人が特定されうる情報を確実に除いてください。疾患名・年齢・家族構成の組み合わせから特定されることもあります。事業所の管理者と確認したうえで提出するのが安全です。
仕事と両立するための工夫
- 日程が出たらすぐ共有する受講日程が確定したら、管理者と同僚に早く伝えます。訪問予定の調整は早いほど楽になります。
- 研修日に月末月初を重ねない可能な範囲で、給付管理と重なる時期を避けて日程を選びます。
- 事前課題は1週間前に終わらせない直前に書くと内容が薄くなります。事例を選ぶ作業だけでも早めに済ませます。
- 担当利用者に事前に伝えておく連絡がつきにくい日があることを伝えておくと、トラブルを避けられます。
- 同じ研修の受講者とつながるグループワークで知り合った他事業所のケアマネは、その後の相談相手になります。
ポイント:研修は「使える人脈」を作る場でもある研修そのものより、そこで知り合った他事業所・他地域のケアマネジャーとのつながりのほうが、後々効いてくるという声は多く聞かれます。負担の大きい研修だからこそ、この面も回収してください。
受講前に整理しておくと楽になること
研修が始まってから慌てないよう、次の点を先に整理しておくと負担が減ります。
| 整理する項目 | 具体的にやること |
|---|---|
| 提出事例の候補 | 担当ケースから2〜3件を仮に選び、経過が説明できるか確認する |
| 事例の時系列 | 初回相談からの経過を、日付と出来事だけの箇条書きにしておく |
| 自分の判断と理由 | 各場面で何を選び、なぜそう判断したかをメモしておく |
| 迷った場面 | 「今も正解が分からない」と感じている点を1つ挙げておく |
| 匿名化のルール | 氏名・地名・事業所名の置き換え方を決めておく |
特に効くのが「今も正解が分からない点」を挙げておくことです。事例検討はここを持ち寄る場であり、これがないと発表が経過報告で終わってしまいます。
よくある質問(FAQ)
専門研修課程Ⅰを受けずに課程Ⅱを受けられますか?
原則として課程Ⅰを修了していることが課程Ⅱの要件です。受講要件は都道府県の実施要領で確認してください。
実務に就いていない期間があっても受講できますか?
専門研修は就業している現任者を対象としており、実務経験が要件とされています。ブランクがある場合は、都道府県に受講可否を確認してください。
受講費用はいくらくらいですか?
都道府県・実施機関によって異なります。事業所が負担する場合と自己負担の場合があるため、勤務先の規程も確認してください。
欠席した場合はどうなりますか?
全課程の修了が原則です。やむを得ない欠席の取扱い(補講の有無など)は実施機関によって異なるため、早めに相談してください。
更新研修と専門研修は何が違うのですか?
介護支援専門員証の更新に必要な研修として、実務に就いている人は専門研修課程Ⅰ・Ⅱを、実務に就いていない人は更新研修を受講するという整理がされてきました。制度は見直しの議論が進んでいるため、最新の案内を確認してください。
まとめ
- 専門研修課程Ⅰ・Ⅱは、実務研修と主任研修の間に位置する現任者向けの法定研修。
- 課程Ⅰは基礎の再確認(約56時間)、課程Ⅱは事例研究による実践力向上(約32時間)が主眼。
- 課程Ⅱの成否は事前課題で決まる。うまくいかなかった事例のほうが学びは大きい。
- 研修目標は「勉強になれば」ではなく、現場で困っていることを一つ具体的に書く。
- 時間数・要件は都道府県で異なり、更新制の議論も進行中。必ず最新の実施要領で確認する。
















