施設ケアプランの更新時期はどのくらいが適切?3ヶ月?6ヶ月?1年?

特別養護老人ホームや介護老人保健施設などに入所すると、利用者一人ひとりに対して「施設ケアプラン(施設サービス計画)」が作成されます。
ケアプランは 作って終わりではなく、定期的に見直し・更新することが前提 です。
では、その更新時期は「3ヶ月ごと?」「6ヶ月?」「1年に1回?」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、施設ケアプランの更新時期や根拠、実際の運用、利用者・家族ができる対応について詳しく解説します。
施設ケアプランとは?
施設ケアプランとは、介護保険施設に入所する利用者のために作られる 介護サービスの実施計画書 のことです。
食事・入浴・排泄などの日常生活援助や、機能訓練・医療ケアまでを含めて、利用者ごとに「どのように支援するか」を具体的にまとめたものです。
施設ケアプランは、本人の尊厳や生活の質(QOL)を守るために欠かせないものですが、利用者の状態は常に変化します。
そのため、一定のサイクルで更新・見直しを行うことが義務づけられています。
更新時期は「原則3ヶ月ごと」が基本
介護保険制度では、施設ケアプランは 少なくとも3ヶ月に1回は見直すこと が基本とされています。
これは厚生労働省の基準にも明記されており、サービス提供責任を果たすためには欠かせないサイクルです。
3ヶ月更新の理由
- 利用者の体調や生活状況は短期間で変化しやすい
- 季節や環境の変化(夏場の脱水リスク、冬場の転倒リスクなど)が影響する
- 医療面(服薬変更、病状の進行・改善など)も頻繁に動く
- 定期的に目標達成度を振り返ることでPDCAサイクルが回る
このため、3ヶ月単位で評価・更新することが適切 とされています。
6ヶ月や1年ごとの更新はあり得るのか?
6ヶ月更新の場合
状態が比較的安定している方や、施設内で大きな変化が少ないケースでは「6ヶ月ごとに大きな見直し」をすることがあります。ただし、その間もモニタリング(毎月の観察・評価)は必須であり、必要に応じて随時修正されます。
1年ごとの更新は不適切
1年に1回しか更新しないという運用は、原則として不適切です。介護保険制度上も「定期的な見直し(概ね3ヶ月ごと)」が求められており、利用者の尊厳や安全を守るためには長期間放置することは許されません。
実際の現場での更新サイクル
- 3ヶ月ごとにサービス担当者会議や評価を実施し、ケアプランを更新
- 月1回はモニタリングを行い、小さな変化を記録
- 入院・転倒・認知症進行など大きな変化があった場合は随時修正
つまり、3ヶ月というのは「最大の間隔」であり、実際には 変化があればその都度更新 が行われます。
更新時に確認されるポイント
施設ケアプランの更新時には、以下の点がチェックされます。
- 長期目標・短期目標が達成できているか
- サービス内容が本人の状態に合っているか
- 栄養状態や口腔機能に変化はないか
- 認知症の進行や身体機能の変化はないか
- 家族の希望や状況に変化はないか
これらを踏まえて「継続」「変更」「追加」などが決定されます。
家族ができること
利用者や家族も施設ケアプランの見直しに関わることができます。
- 会議や説明の際に同席する
- 日常で気づいた変化を職員に伝える
- 希望や不安を事前にメモしておく
- ケアプランのコピーをもらい確認する
特に「本人の希望」が反映されているかをチェックすることが大切です。
まとめ
施設ケアプランの更新時期は、原則3ヶ月ごとに見直し・更新することが基本 です。
- 6ヶ月ごとに大きく修正するケースもあるが、その間もモニタリングは必須
- 1年に1回だけの更新は不適切
- 状態変化があれば、随時修正が行われる
利用者や家族も更新時期や内容を理解しておくことで、納得できる介護を受けやすくなります。
施設任せにせず、積極的に関わっていくことが安心につながります。