リハビリテーション会議とサービス担当者会議の違いをわかりやすく解説
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介護や医療の現場でよく耳にする「リハビリテーション会議」と「サービス担当者会議」。
どちらも利用者の生活やケアの方向性を決める大切な会議ですが、参加メンバーや目的、開催の根拠となる制度が異なります。
そのため現場では「どちらを開催すればよいのか」「両方必要なのか」と迷うことも少なくありません。
本記事では、リハビリテーション会議とサービス担当者会議の違いを制度面・実務面から整理し、利用者やご家族、ケアマネジャー、リハビリ職に役立つ情報をわかりやすく解説します。
目次
リハビリテーション会議とは?
リハビリテーション会議とは、介護保険サービスのうち「通所リハビリテーション(デイケア)」や「訪問リハビリテーション」を提供する際に、医師の指示に基づきリハビリテーション計画を作成・評価するための会議です。
開催の目的
- 利用者の身体機能・生活機能を維持・改善するためのリハビリ計画を立てる
- 計画が適切に実施されているか定期的に評価・見直しを行う
- 医師やリハビリ職(PT・OT・ST)が中心となり、医学的観点から生活機能を高める
主な参加者
- 医師(リハビリの指示を出す立場)
- 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士
- 看護師
- 必要に応じてケアマネジャーや家族も参加
特徴
- 医学的リハビリに焦点をあてた会議
- 介護保険上、定期的な開催(少なくとも3か月に1回)が義務づけられている
- サービス提供事業所内で開催されることが多い
サービス担当者会議とは?
サービス担当者会議とは、居宅介護支援事業所のケアマネジャーが中心となり、ケアプランを作成・変更する際に関係する事業者が集まり、支援方針を共有・調整する会議です。
開催の目的
- ケアプランに基づく介護サービスを多職種で共有・調整する
- 利用者や家族の意向を反映させ、生活の全体像を支援する
- サービスの重複や抜け漏れを防ぐ
主な参加者
- ケアマネジャー(会議の主催・進行役)
- 利用者・家族
- デイサービス、訪問介護、訪問看護、訪問リハビリなどの担当者
- 医師や看護師が参加することもある
特徴
- 介護サービス全体を調整する会議
- ケアプランの作成・変更時に開催される
- 多職種連携を推進するための場
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リハビリテーション会議とサービス担当者会議の違い
項目 | リハビリテーション会議 | サービス担当者会議 |
---|---|---|
根拠 | 通所リハ・訪問リハの算定要件 | ケアマネジメントプロセス |
主催 | 医師・リハビリ職 | ケアマネジャー |
目的 | リハビリ計画の策定・評価 | ケアプラン全体の調整 |
参加者 | 医師、PT・OT・ST、看護師など | ケアマネ、各サービス担当者、利用者・家族 |
頻度 | 3か月に1回以上 | ケアプラン作成・変更時 |
焦点 | 身体機能・生活機能の改善 | 生活全体の支援と調整 |
両方の会議はどう関わる?
リハビリテーション会議とサービス担当者会議は、目的が異なるため「どちらか片方だけでよい」というものではありません。
- リハビリテーション会議:リハビリに特化した計画の策定・評価
- サービス担当者会議:生活全体を見据えたケアプランの調整
両方を連携させることで、医学的なリハビリ計画がケアプラン全体に反映され、生活支援とリハビリが一貫した流れで提供されます。ケアマネジャーとリハ職が情報共有を行うことで、利用者にとって最適な支援体制が整います。
まとめ
「リハビリテーション会議」と「サービス担当者会議」は、いずれも利用者の生活を支える大切な会議ですが、目的・主催者・参加者・開催根拠が異なるという明確な違いがあります。
- リハビリテーション会議は、医師やリハ職が中心となり、リハビリ計画を立てる場
- サービス担当者会議は、ケアマネジャーが中心となり、生活全体の支援を調整する場
両者を適切に使い分け、連携させることで、より質の高いケアマネジメントが可能になります。