居宅介護支援事業所の中には、ケアマネジャーが1名だけで運営している「一人ケアマネ」の事業所も少なくありません。
小規模で柔軟な対応ができるというイメージがある一方で、「相談できる人がいない」「休めないのでは?」といった不安を感じる方もいるでしょう。
本記事では、一人ケアマネ体制で運営されている事業所のメリットとデメリットをそれぞれ紹介します。
これからケアマネとして働きたい方や、事業所を選ぶ際の判断材料として、ぜひ参考にしてください。
一人ケアマネの事業所のメリット
一人ケアマネの事業所のメリットは以下のようなものが挙げられます。
自分のペースで業務を進めやすい
一人で業務を行うということは、スケジュール管理や業務の進め方において自分の裁量が大きくなることを意味します。訪問やモニタリング、書類作成のタイミングなどを柔軟に調整できるため、「今日は午前に訪問を集中させて、午後は記録作業に専念しよう」といった計画も立てやすくなります。業務に慣れている人にとっては、誰にも指示されずに自律的に働ける点が大きなメリットです。
利用者や家族との信頼関係が築きやすい
一人ケアマネ事業所では、担当者が変わることがないため、利用者や家族との信頼関係を長期的に築くことができます。引き継ぎの必要もなく、「ずっと同じ人が見てくれている安心感」を提供できるのは、一人ケアマネならではの強みです。また、顔の見える関係が継続することで、利用者の些細な変化にも気づきやすくなります。
意思決定がスピーディー
事業所内に他のケアマネがいないため、会議や相談を重ねる必要がなく、何かを決める際にスムーズに行動できます。「このサービスを導入しよう」「モニタリングを1日早めよう」など、現場での判断をすぐに実行に移せるスピード感は、利用者対応の迅速さにもつながります。特に緊急対応やイレギュラーなケースにおいては、この機動力が強みとなります。
ケアの質を自分で保てる
チーム内での価値観や方針の違いがなく、自分自身のケアマネジメントスタイルを貫ける点も魅力です。他者のやり方に左右されることなく、自分の信念や経験に基づいた支援ができるため、ケアの質を自分でコントロールできます。また、責任の所在も明確であるため、「この利用者の支援は自分が責任をもって行う」という姿勢が自然と身につきます。
一人ケアマネの事業所のデメリット
一人ケアマネの事業所デメリットは以下のようなものが挙げられます。
相談や情報共有ができず孤独になりやすい
一人ケアマネの最大の課題は「相談相手がいないこと」です。複雑なケースや制度の解釈に迷ったときに、すぐに確認できる同僚がいないため、自信を持って判断できない場面もあります。特に新人ケアマネや経験の浅い方にとっては、孤独感や不安が大きく、業務に支障をきたすこともあります。定期的に外部の勉強会や交流会に参加して情報交換をすることが欠かせません。
体調不良や休暇時に代替がいない
一人で業務を担っているため、体調不良や急な休みを取った場合、業務が止まってしまうリスクがあります。代替のケアマネがいないと、モニタリングや給付管理などの期日対応に支障が出ることも。長期休暇を取得しにくいと感じる人も多く、ワークライフバランスの面ではデメリットとなる可能性があります。信頼できる非常勤ケアマネや、他事業所との協力体制があると安心です。
法改正や加算要件への対応が遅れがち
介護保険制度は定期的に見直されており、加算の要件や書類の書式変更など、常に最新の情報をキャッチアップする必要があります。しかし、一人ケアマネ事業所では「誰かが教えてくれる」環境がないため、自分で常に情報収集を行う必要があります。業務に追われる中で、情報へのアンテナが下がってしまうと、加算の取り漏れや指導対象になるリスクもあります。
精神的・体力的な負担が大きくなりやすい
相談相手がいない、業務量が多い、休めない――こうした状況が重なると、精神的にも体力的にも負担が蓄積しやすくなります。特に繁忙期やトラブル対応が続いたときは、「自分しかいない」という責任の重さに押しつぶされそうになることも。ストレスを自覚したら早めにリフレッシュの機会を設けたり、第三者に相談したりすることが必要です。
まとめ
一人ケアマネの事業所には、スケジュールを柔軟に管理できたり、利用者との関係を深めやすかったりといった大きなメリットがあります。
一方で、相談できる相手がいないことや休みにくさなど、孤立や過労のリスクも抱えやすくなります。
自分の性格や働き方のスタイルによって向き不向きがあるため、働く環境として選ぶ際には慎重に検討することが大切です。
外部のサポートやネットワークを活用しながら、自分に合ったケアマネ業務の形を見つけましょう。