認知症の親の実家は売れない?不動産凍結を防ぐ対策

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「親が施設に入ったので、空き家になった実家を売って費用に充てたい」。そう考えても、親が認知症で判断能力を失っていると、実家を売れないことがあります。所有者である親本人が契約できないためです。
この「不動産の凍結」は、施設費用の資金計画や空き家の管理、相続にまで影響します。この記事では、認知症で実家が売れなくなる理由と家族への影響、親が元気なうちにできる実家の凍結対策を解説します。
- 認知症の親の実家が売れなくなる理由
- 売れない実家が家族に与える3つの影響
- すでに認知症の場合と、元気なうちの場合の対策の違い
- 家族信託で実家を「動かせる財産」にしておく方法
- 空き家・相続に関わる知っておきたいルール
認知症で実家が売れなくなるのはなぜ?
不動産の売買契約は、所有者本人が「売る」という意思を示し、契約の内容を理解していることが前提です。認知症で判断能力が低下すると、この意思確認ができず、契約そのものが成立しません。
子どもが「親のため」と思っても、親の名義の家を勝手に売ることはできません。売買の手続きを担う司法書士や不動産会社も、本人の意思が確認できない取引には応じられないのが一般的です。
新人親が施設に入って空き家になった実家、家族が代わりに売れないんですか?
先輩残念だけど、所有者の親が契約できないと売れないの。だから認知症になる前に「実家をどうするか」を決めて備えておくことが大事なのよ。
売れない実家が家族に与える3つの影響
① 施設費用を実家の売却でまかなえない
入居一時金や月額費用を実家の売却で用意する計画だった場合、売れなければ資金繰りが行き詰まります。結果として、子どもが費用を負担し続けることになりがちです。
② 空き家の維持費と管理の手間がかかり続ける
誰も住まない実家でも、固定資産税、火災保険、庭木の手入れ、修繕などの負担は続きます。管理が行き届かないと、「管理不全空家」や「特定空家」に指定され、固定資産税の軽減が受けられなくなるおそれもあります。
③ 相続のときにトラブルになりやすい
凍結されたまま親が亡くなると、きょうだい間で「誰が相続するか」「いくらで売るか」がまとまらず、もめごとの火種になることがあります。
認知症の親の実家を守る対策|状況別の違い
| 親の状態 | 主な方法 | 実家の売却 |
|---|---|---|
| 判断能力がある(元気なうち) | 家族信託 | 契約の範囲で、受託者の子どもが売却できる |
| 判断能力がある(元気なうち) | 任意後見 | 後見が始まった後、居住用不動産の売却は家庭裁判所の許可が必要 |
| 判断能力が低下した後 | 法定後見 | 後見人が手続きするが、居住用不動産の売却は家庭裁判所の許可が必要 |
成年後見制度でも売却は可能ですが、本人が住んでいた家を売るには家庭裁判所の許可が必要で、時間がかかります。「本人のために必要か」も審査されるため、家族の希望どおりに進むとは限りません。
家族信託で実家を「動かせる財産」にしておく
家族信託では、実家を信託財産にし、受託者の子どもが管理・売却できるようにしておけます。売却した代金を、親の介護費用に充てることも可能です。
ただし、不動産を含む家族信託は、登記の手続きが必要で、契約の設計も複雑です。売却の権限の書き方を誤ると「売れない信託」になってしまうこともあるため、専門家のサポートを受けるのが安心です。
新人不動産の手続きまで自分たちでやるのは難しそうです…。
先輩不動産が入る家族信託こそ、専門家に任せると安心よ。「おやとこ」なら、実家の登記まで含めて相談できるの。
「実家が売れない」よくあるケース
このケースで困るのは、資産はあるのに使えないことです。もし母が元気なうちに家族信託を結び、実家を信託財産にしていれば、子どもが契約に沿って売却し、その代金を施設費用に充てることができました。
実家と相続に関わる知っておきたいルール
- 相続登記の義務化:2024年4月から、相続で不動産を取得したと知った日から3年以内の相続登記が義務になった
- 空き家の管理:管理が不十分な空き家は、自治体から指導や勧告を受け、固定資産税の軽減がなくなることがある
- 空き家を売ったときの特例:相続した実家を一定の条件で売ると、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例がある(期限や要件あり)
税金の特例は要件が細かく、期限もあります。実際に売却を考えるときは、税務署や税理士に確認しましょう。
実家の凍結対策を進める手順
- 実家の現状を確認する名義、権利証、評価額、ローンの有無を確認します。
- 将来の方針を家族で共有する住み続ける・売る・貸すなど、親の希望も含めて話し合います。
- 対策を選ぶ柔軟に売却したいなら、家族信託を中心に検討します。
- 専門家に相談する登記も含めて、状況に合う契約の設計を相談します。
- 契約と登記を整える信託契約と不動産の登記で、備えを完成させます。
よくある質問(FAQ)
すでに親が認知症ですが、実家を売る方法はありますか?
家族信託にすると実家の名義はどうなりますか?
住宅ローンが残っている実家でも家族信託できますか?
実家を貸す場合も家族信託は役立ちますか?
- 認知症で判断能力が低下すると、所有者の親が契約できず、実家が売れなくなる
- 売れない実家は、施設費用の資金繰り、空き家の維持費、相続トラブルの原因になる
- 成年後見での売却は家庭裁判所の許可が必要。柔軟に売却したいなら、元気なうちの家族信託が有効
- 不動産を含む家族信託は手続きが複雑なため、「おやとこ」など専門家に相談して進めると安心
















