親が要介護状態になったとき、まず直面するのが「ケアマネジャー（介護支援専門員）をどう選べばいいのか？」という問題です。
ケアマネは介護サービスの調整役として非常に重要な存在であり、良いケアマネに出会えるかどうかで介護の質が大きく変わります。
本記事では、初めての介護で不安な方に向けて、ケアマネの探し方・選び方・決め方をわかりやすく解説します。
この記事を読めば、親にとって最適なケアマネを見つけるためのポイントがしっかりと理解できるようになります。
ケアマネって何をしてくれる人？役割を正しく知ろう
ケアマネジャーは、要介護認定を受けた高齢者に対し、介護サービスの計画（ケアプラン）を作成し、サービス提供事業者との連絡や調整を行う専門職です。また、利用者の心身状態や生活状況を把握したうえで、月1回以上の定期的な訪問やモニタリングを行い、必要に応じてケアプランの見直しも行います。
さらに、介護保険制度に関する相談や申請の手続き代行、サービス事業者との橋渡し役など、介護生活の“司令塔”としての役割も果たしています。介護の現場では「ケアマネが良ければ介護はうまくいく」と言われるほど、重要なポジションにあります。だからこそ、信頼できるケアマネを選ぶことが、親の安心した介護生活の第一歩になります。
ケアマネはどこで探せる？探し方の具体的な方法
1. 地域包括支援センターに相談する
ケアマネを探すうえで最も基本的で安心な方法が、地域包括支援センターへの相談です。各市区町村に設置されており、地域の介護事業所やケアマネ情報を幅広く把握しています。介護保険制度に関する説明も受けられ、制度の流れもスムーズに理解できるため、初めての方に特におすすめです。
2. 病院の医療ソーシャルワーカーに紹介してもらう
入院中の親が介護を必要とするような状態であれば、病院内の医療ソーシャルワーカー（MSW）に相談するのも有効です。退院後の生活支援も視野に入れて、適切な事業所やケアマネを紹介してくれることがあります。特に医療ニーズの高いケースでは、医療との連携に強いケアマネを紹介してくれる可能性が高くなります。
3. インターネット検索で事業所を探す
「地域名＋ケアマネ＋居宅介護支援」などのキーワードで検索すれば、居宅介護支援事業所のホームページがヒットします。最近では事業所によってはスタッフの紹介や実績、利用者の声などを掲載している場合もあり、情報収集の手段として有効です。ただし、ホームページの情報だけで判断せず、実際に連絡を取って話を聞くことが大切です。
良いケアマネの選び方とは？チェックしたいポイント
コミュニケーション能力が高いか
ケアマネは、利用者本人だけでなく、その家族、サービス提供者、医療機関など多くの関係者とやり取りを行います。そのため、話をしっかり聞き、わかりやすく伝える力が非常に重要です。また、こちらの不安や疑問に丁寧に対応してくれる姿勢があるかも確認しておきたいポイントです。
利用者に寄り添う姿勢があるか
単にサービスを機械的に組み合わせるだけでなく、利用者の気持ちや生活の背景にしっかり目を向けてくれるかどうかは、ケアの質を左右します。「本人が本当に望んでいる生活を一緒に考えてくれるか」「家族の悩みにも耳を傾けてくれるか」といった視点から評価しましょう。
経験年数や対応実績もチェック
介護の現場は一人ひとり違ったニーズがあり、判断力や調整力が求められる場面が多くあります。経験年数が長いケアマネほど、幅広いケースに対応してきた実績があり、安心して任せられる傾向があります。また、医療ニーズがある場合や認知症対応など、専門性にも注目してみましょう。
ケアマネを決めるときに気をつけたいこと
担当可能なエリアと訪問頻度の確認
事業所によっては担当可能なエリアが決まっていたり、遠方だと訪問頻度が制限されることもあります。定期的にしっかりと訪問してくれる体制があるかどうか、事前に確認しておきましょう。
事業所の雰囲気や対応体制
ケアマネ一人の力も大切ですが、バックアップ体制のある事業所かどうかも重要な判断材料です。たとえば「担当が不在時に代わりの人が対応してくれるか」「緊急時の連絡体制はどうか」といった点も確認しておくと安心です。
実際に会って話してから決める
電話やホームページだけでは分からない相性の部分は、実際に会ってみて感じることが多いです。「話しやすい」「こちらの話を真剣に聞いてくれる」といったフィーリングは、長い付き合いになるうえでとても大事な要素です。数名と面談して比較するのもおすすめです。
ケアマネを変更したいときの手続きと注意点
ケアマネを決めた後でも、「なんとなく合わない」「連絡がつきにくい」など不満を感じた場合には、変更することが可能です。契約時の事業所に連絡して「ケアマネの変更を希望します」と伝えるか、地域包括支援センターに相談しましょう。
ただし、変更する場合には、できるだけ丁寧に事情を説明し、引継ぎがスムーズに行われるように配慮することが大切です。また、新しいケアマネが見つかってから現在の契約を解除することで、介護サービスが途切れないように注意しましょう。
まとめ
親の介護において、ケアマネジャーの存在は介護生活の質を大きく左右します。
地域包括支援センターや医療機関、インターネットを活用して探し、信頼できる人柄や経験、対応力を見極めながら選ぶことが大切です。
また、実際に会って話すことで相性も確認できます。
ケアマネ選びに迷ったら、一人で抱え込まずに地域の専門機関に相談するのも有効です。
信頼できるケアマネと出会えれば、親も家族も安心して介護生活を送ることができるはずです。
