リハビリテーションチームの役割|職種別の分担と看護師の関わり

「リハビリのチームって、誰が何をしているの?」——理学療法士だけが担うものではありません。医師、看護師、介護職、管理栄養士、ケアマネなど、多くの職種が関わって成り立っています。
この記事では、リハビリテーションチームの職種別の役割と、看護師が担う部分を整理しました。
- リハビリテーションチームを構成する職種
- 職種別の役割(医師・リハ職・看護師・介護職など)
- 看護師がリハビリチームで果たす4つの役割
- チームで目標を共有する方法
- 連携がうまくいかないときの原因と対策
リハビリテーションチームを構成する職種
| 職種 | 主な役割 |
|---|---|
| 医師 | 診断、リハビリの指示、リスクの判断、全体方針の決定 |
| 理学療法士(PT) | 起き上がり・立ち上がり・歩行など、基本的な動作の改善 |
| 作業療法士(OT) | 食事・入浴・家事など、生活行為や手の動作の改善 |
| 言語聴覚士(ST) | 飲み込み、話す・聞く、認知機能への支援 |
| 看護師 | 健康管理、医療的ケア、生活場面でのリハビリの継続 |
| 介護職 | 日常生活の介助を通じた、できる動作の維持・拡大 |
| 管理栄養士 | 栄養状態の評価と食事内容の調整 |
| ケアマネ | 本人の生活目標の確認、サービスの調整、家族との橋渡し |
| 福祉用具専門相談員 | 用具の選定と調整、住環境の整備 |
新人リハビリの時間だけが訓練ではないんですね。
先輩そこが大事なところ。1日20分の訓練より、残りの23時間40分の過ごし方のほうが影響は大きいの。だから病棟や在宅での関わりが、チーム全体の課題になるのよ。
リハビリテーションチームで看護師が果たす4つの役割
1. 全身状態を管理し、リハビリを安全に進める
血圧、脈拍、呼吸、痛み、睡眠、排泄——毎日の観察から、その日にリハビリを行ってよいかを判断する材料を提供します。中止基準に該当する変化に気づくのも、看護師の重要な役割です。
2. 生活の場でリハビリを続ける
訓練室でできた動作を、病室や自宅で実際に行えるようにつなぐ役割です。「できる動作」を「している動作」に変えるのは、日常生活に関わる看護師と介護職の関わりにかかっています。
3. 医療的な視点で情報をつなぐ
服薬の影響、傷や褥瘡の状態、栄養や排泄の状況などを、リハビリ職と共有します。逆に、リハビリ中に見えた動作の変化を医師に伝える橋渡しも担います。
4. 本人・家族の思いを支える
思うように回復しない焦り、退院後の不安——気持ちの揺れに寄り添い、チームに共有します。心理面の支えは、リハビリを続ける意欲に直結します。
チームで目標を共有する方法
- 本人の言葉で目標を決める「トイレに一人で行きたい」「畑に出たい」など、生活の言葉にします。
- 職種ごとの役割を書き出す目標に対して、誰が何をするのかを具体化します。
- 共有の場をつくるリハビリテーション会議やサービス担当者会議で、進み具合を確認します。
- 記録を共有するできた動作、できなかった場面を記録し、次の関わりに生かします。
- 定期的に見直す状態の変化に合わせて、目標と役割を更新します。
会議の進め方はリハビリテーション会議とはで解説しています。
連携がうまくいかないときの原因と対策
| よくある原因 | 対策 |
|---|---|
| 目標が職種ごとにばらばら | 本人の生活目標を1つ決め、全員がそこに向かう形にする |
| 専門用語が伝わらない | 共有の場では、生活の言葉に言い換える |
| 情報が一方通行 | リハビリ職から病棟・在宅へ、その逆の流れも仕組みにする |
| 顔を合わせる機会がない | 短時間でも定例の場をつくる。記録や連絡ノートを活用する |
| 家族の理解が得られない | できるようになったことを具体的に伝え、家庭での関わり方を示す |
在宅でのリハビリチーム
在宅では、関わる職種が別々の事業所に所属しています。だからこそ、ケアマネを中心とした情報の共有が欠かせません。訪問リハビリ、訪問看護、訪問介護、通所サービスがそれぞれの場面で何をするかを整理し、共通の目標に向かう形をつくります。
情報共有で使える3つの形式
| 形式 | 使いどころ | 工夫 |
|---|---|---|
| 会議(対面・オンライン) | 方針を決める、認識をそろえる | 結論と次の行動を必ず記録に残す |
| 連絡ノート・記録システム | 日々の変化の共有 | 「できた動作」を具体的に書く |
| 情報提供書 | 事業所をまたぐ引き継ぎ | 専門用語を避け、生活の場面で書く |
本人・家族もチームの一員
チームというと専門職だけを思い浮かべがちですが、いちばん長く本人と過ごすのは家族であり、本人自身です。「どんな生活を取り戻したいか」を語れるのは本人だけであり、その希望がチームの目標になります。専門職の役割は、その希望を実現する道筋を示すことです。会議の場では、本人が発言できる時間を意識して確保しましょう。
チームがうまく回っているかの目安
- 本人の目標を、関わる職種の全員が同じ言葉で言える
- 訓練室でできた動作が、生活の場面でも行われている
- 職種をまたいだ相談が、会議以外の場面でも起きている
- 家族が、自宅での関わり方を具体的に説明できる
- 状態が変わったとき、目標と役割が速やかに見直されている
いくつか当てはまらない項目があれば、共有の場と情報の流れを見直すサインです。
職種の違いを強みに変える
同じ利用者を見ていても、職種によって見えているものは違います。動作を見るリハビリ職、全身状態を見る看護職、暮らしぶりを見る介護職、生活全体を見るケアマネ——視点が違うからこそ、重ねると全体像が見えてきます。意見が食い違ったときは、どちらが正しいかではなく「なぜそう見えたのか」を聞き合うと、支援の幅が広がります。
参考:チームの形は、病院、介護老人保健施設、在宅など、場によって変わります。共通しているのは、本人の生活目標を中心に置くという考え方です。
よくある質問(FAQ)
リハビリテーションチームには誰が入りますか?
看護師はリハビリで何をするのですか?
介護職はリハビリに関わってよいのですか?
目標が職種でずれるときは?
在宅では誰が中心になりますか?
- リハビリテーションは、医師・リハビリ職・看護師・介護職など多職種で担う
- 看護師の役割は、全身状態の管理、生活場面での継続、情報の橋渡し、心理的な支え
- 訓練室の「できるADL」を、生活の「しているADL」に変えることがチームの課題
- 目標は本人の生活の言葉で決め、職種ごとの役割を具体化する
- 在宅では、ケアマネを中心に事業所をまたいだ情報共有が欠かせない













