【ケアマネが仕事で使える】認知症対応型通所介護のケアプランの文例を紹介

認知症対応型通所介護(デイサービス)は、少人数でのきめ細やかなケアを提供する介護保険サービスです。
認知症の方が安心して過ごせる環境を整えるだけでなく、家族の介護負担を軽減する役割も担っています。
ケアマネジャーにとって、利用者の状態に合わせたケアプランを作成することは非常に重要ですが、文例が浮かばず悩むことも多いでしょう。
本記事では、認知症対応型通所介護のケアプラン作成に役立つ文例を具体的に紹介しながら、作成時のポイントや注意点も解説します。
日々の業務でそのまま使える実践的な内容になっていますので、ぜひ参考にしてください。
認知症対応型通所介護とは?ケアプランでの位置づけ
認知症対応型通所介護は、定員12名程度の少人数で、認知症の方一人ひとりに合わせたケアを行う通所介護です。
専門職による支援や認知症に配慮した環境の中で、日常生活動作の維持や生活リズムの安定を目指します。
ケアプランにおいては「利用者本人の自立支援」と「家族介護の負担軽減」が大きな目的として位置づけられます。
第2表では「長期目標」「短期目標」「サービス内容」をバランスよく記載し、利用者の安心感やQOL(生活の質)の向上を意識した内容が求められます。
認知症対応型通所介護のケアプラン作成時のポイント
生活全体を見据える
認知症は進行性の疾患であり、症状や生活状況は日々変化します。そのため「現在の困りごと」だけでなく、将来的な見通しも含めて目標を立てることが重要です。
本人の尊厳を尊重する
「できないこと」だけに焦点を当てるのではなく、「できることを活かす」「役割を持てる」視点でプランを作成することが求められます。
家族の負担軽減を明示する
認知症対応型通所介護は、家族のレスパイト(休養)にもつながるサービスです。利用者本人だけでなく、家族支援の視点も取り入れると説得力が増します。
【文例付き】認知症対応型通所介護のケアプラン例
ここからは、第2表における「長期目標」「短期目標」「サービス内容」の具体的な文例を紹介します。
実際のケアプラン作成に活用できる内容です。
文例1:徘徊傾向がある利用者の場合
- 長期目標
地域の中で安全に生活し、不安なく外出を楽しめるようにする。家族の見守り負担を軽減する。 - 短期目標
デイサービス利用時は落ち着いて過ごせる時間を増やし、外出の欲求を適切に満たす。 - サービス内容文例
認知症対応型通所介護を週3回利用し、外出プログラムや散歩活動を取り入れることで徘徊欲求を軽減する。職員が声掛けを行い、不安感を和らげる。
文例2:昼夜逆転がある利用者の場合
- 長期目標
昼間に活動的に過ごし、夜間の睡眠リズムを整えることで心身の安定を図る。 - 短期目標
日中の活動量を増やし、夜間の睡眠時間を延ばす。 - サービス内容文例
デイサービス利用中にリハビリやレクリエーションを積極的に取り入れ、活動量を確保する。夕方にはリラックスできる時間を設け、夜間の安眠につなげる。
文例3:コミュニケーションが減っている利用者の場合
- 長期目標
職員や他利用者との交流を通じて孤立感を軽減し、安心して過ごせる場を持つ。 - 短期目標
週ごとに他利用者との会話や交流の機会を持ち、笑顔が見られる時間を増やす。 - サービス内容文例
少人数でのグループ活動や回想法を取り入れ、発話を促す。職員が積極的に声掛けを行い、安心できる関係づくりを支援する。
文例4:介護者の負担が大きい場合
- 長期目標
家族が心身ともに安定して介護を継続できるよう支援する。 - 短期目標
デイサービス利用日に介護者が休養や私用を行えるようにする。 - サービス内容文例
週2回の通所利用を設定し、その間に家族が自由な時間を過ごせるよう支援する。職員が家族に利用状況をフィードバックし、安心して預けられる環境を提供する。
文例5:入浴拒否がある利用者の場合
- 長期目標
清潔を保持し、感染症予防や生活の快適さを維持する。 - 短期目標
週に1回以上入浴できるようにし、本人が安心して入浴時間を受け入れられる。 - サービス内容文例
利用者の希望やペースに合わせ、無理のない入浴介助を行う。声掛けやリラックスできる環境を整え、少しずつ入浴への抵抗感を軽減する。
認知症対応型通所介護のケアプラン作成時の注意点
抽象的な表現を避ける
「安心して過ごせるようにする」といった抽象的な記載だけでは伝わりにくいため、「安心して過ごせるようにするために、職員が随時声掛けを行い、不安を和らげる」など具体的に書きましょう。
専門職との連携を重視する
看護師や介護職員だけでなく、認知症専門医や地域包括支援センターとの情報共有を行うことで、より適切なプラン作成が可能になります。
定期的な見直しを行う
認知症は進行するため、状態に応じたプランの修正が欠かせません。モニタリングを重ね、必要に応じて目標やサービス内容を変更しましょう。
認知症対応型通所介護のケアプラン文例を活用するメリット

- 実務効率の向上
文例を参考にすることで、ゼロから文章を考える手間を省け、効率的にケアプランが作成できます。 - 質の統一
事業所内で文例を共有すれば、ケアプランの記載内容の統一性が高まり、他職種とも連携しやすくなります。 - 新人教育に役立つ
経験が浅いケアマネにとっては、具体的な文例があることで安心してプラン作成に取り組めます。
まとめ

認知症対応型通所介護は、利用者本人の自立支援と家族の介護負担軽減を両立させる重要なサービスです。
ケアプランを作成する際は、本人の状態や生活背景を踏まえて具体的かつ現実的な目標を設定することが求められます。
文例を参考にしながら、現場に即したアレンジを加えることで、より利用者に合ったケアプランを提供できます。
今回紹介した文例を活用し、日々の業務に役立てていただければ幸いです。