訪問看護は医療保険と介護保険どちらが優先?例外3つを解説

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在宅療養を支える訪問看護。実は「医療保険」と「介護保険」のどちらで利用するかに、少し複雑な優先ルールがあります。利用者や家族からは「結局どっちが優先なの?」「費用は変わる?」とよく聞かれますよね。この記事では、訪問看護の保険の優先関係・例外ケース・費用や回数の違い・利用の流れを、ケアマネ目線でわかりやすく整理します。

この記事でわかること
  • 訪問看護は原則「介護保険」が優先される理由
  • 医療保険が優先される3つの例外ケース
  • 医療保険と介護保険の違い(回数・費用・対象)
  • 利用開始までの流れと、ケアマネが押さえるべき確認点
新人ケアマネ新人

要介護の利用者さんに訪問看護を入れたいのですが、医療保険と介護保険、どちらで使えばいいんでしょう?

ベテランケアマネ先輩

基本は介護保険が優先よ。要介護認定を持っているなら、まずはケアプランに位置づけて介護保険で利用するの。ただし例外があるから、そこをしっかり押さえましょうね。

目次

訪問看護の基本|誰が・何を提供するサービス?

訪問看護は、主治医の指示書(訪問看護指示書)に基づき、看護師や理学療法士・作業療法士などが利用者の自宅を訪問して行う在宅サービスです。健康状態の観察、服薬管理、点滴・注射、褥瘡(床ずれ)の処置、リハビリ、ターミナルケアなど、医療と生活の両面を支えます。

  • 介護保険で利用:要介護1〜5、要支援1・2と認定された方
  • 医療保険で利用:介護認定を受けていない方や、特定の医療ニーズがある方

同じ「訪問看護」でも、どちらの保険を使うかで利用回数や手続きが変わるのがポイントです。まずは優先関係から見ていきましょう。訪問看護そのものの概要は、関連記事でも詳しく解説しています。

訪問看護は「介護保険」が優先される

結論から言うと、訪問看護は原則として介護保険が優先されます。要介護・要支援の認定を受けている方は、まず介護保険を使って訪問看護を利用するのが基本ルールです。

ポイント:基本ルール要介護認定を持っている人が訪問看護を使う場合、まずはケアプランに位置づけて介護保険で利用。医療保険が優先されるのは、あくまで例外的なケースに限られます。

これは、要介護状態にある高齢者の在宅生活を、ケアマネジメントを通じて総合的に支えるという介護保険の考え方によるものです。そのため、訪問看護をケアプランに組み込み、他のサービスとのバランスを取りながら利用していきます。

医療保険が優先される3つの例外ケース

次のようなケースでは、要介護認定があっても介護保険より医療保険が優先されます。現場で迷いやすいので、しっかり押さえておきましょう。

1. 特別訪問看護指示書が出ている場合

急性増悪(病状が急に悪化したとき)や退院直後などに、主治医が「特別訪問看護指示書」を発行した場合、その期間は医療保険での訪問看護になります。期間は原則として診療日から14日間で、月1回まで(気管カニューレ使用者や真皮を越える褥瘡がある方など一定の場合は月2回まで)交付できます。

2. 厚生労働大臣が定める疾病等に該当する場合

末期の悪性腫瘍(末期がん)、ALSやパーキンソン病関連疾患などの神経難病、人工呼吸器使用など医療依存度が高い状態では、要介護認定があっても医療保険が優先されます。これらは「厚生労働大臣が定める疾病等」として定められており、訪問回数の制限がない、複数の看護師による訪問が認められるなど、手厚い対応が可能です。

3. 要支援・要介護で精神科訪問看護などの一定の場合

認知症を除く精神疾患により精神科訪問看護指示書が出ている場合など、一定の条件では医療保険での利用が認められることがあります。判断が分かれやすい部分なので、主治医・訪問看護ステーションと連携して確認することが大切です。

注意:自己判断せず連携で確認をどの保険が適用されるかは、疾患名・指示書の種類・状態によって細かく決まります。主治医と訪問看護ステーションに確認したうえで、ケアプランへの位置づけを判断しましょう。制度は改定もあるため、最新の取り扱いを確認することをおすすめします。

医療保険と介護保険の訪問看護の違い

新人ケアマネ新人

医療保険と介護保険で、具体的に何が違うんですか?

ベテランケアマネ先輩

大きいのは利用回数の考え方ね。介護保険はケアプランの範囲で計画的に、医療保険は医師の指示に応じて柔軟に、というイメージよ。

項目医療保険介護保険
主な対象医療ニーズが高い人、特別指示書あり、厚労大臣が定める疾病等要介護認定を受けた人(要支援・要介護)
優先順位例外的に優先される原則はこちらが優先
利用回数の目安医師の指示により設定(厚労大臣が定める疾病等は制限なし)ケアプランに基づく(区分支給限度基準額の範囲内)
費用(自己負担)1〜3割1〜3割
サービスの中心医療的ケア中心介護+医療的ケアの両面

費用の違い

自己負担割合はどちらも1〜3割で、1回あたりの自己負担額に大きな差はないのが一般的です。違いが出るのは「回数」と「対象範囲」です。介護保険では区分支給限度基準額の範囲内で他サービスと調整しますが、医療保険では医師の指示に応じた回数で利用できます。実際の負担額は地域・加算・所得により異なるため、見積もりは事業所に確認すると確実です。

訪問看護を利用するまでの流れ

  • 主治医に相談する訪問看護が必要かを判断してもらい、指示書の発行につなげる。
  • ケアマネジャーに相談する介護保険利用の場合は、ケアプランに訪問看護を位置づける。
  • 訪問看護ステーションと契約する医師の指示書に基づき、訪問頻度やサービス内容を決定する。
  • サービス開始計画に沿って訪問看護を開始し、状態に応じて見直す。
ポイント:ケアマネの確認点導入時は「指示書の種類(通常/特別)」「疾患が厚労大臣の定める疾病等に当たるか」を必ず確認しましょう。ここで保険の優先が決まり、ケアプランへの位置づけ方が変わります。

よくある質問(FAQ)

介護認定を受けていても医療保険が使えることはありますか?
あります。特別訪問看護指示書が出ている期間や、末期がん・神経難病などの「厚生労働大臣が定める疾病等」に該当する場合は、要介護認定があっても医療保険が優先されます。
介護保険と医療保険を同時に併用できますか?
原則として同時併用はできません。状態や指示書に応じてどちらか一方が適用されます。ただし時期によって切り替わることはあるため、主治医・ステーションと確認しましょう。
介護保険の訪問看護に回数の上限はありますか?
区分支給限度基準額の範囲内で、ケアプランに基づいて利用します。他のサービスとの組み合わせで調整されるため、計画的な位置づけが必要です。
末期がんの場合はどちらの保険になりますか?
末期の悪性腫瘍は「厚生労働大臣が定める疾病等」に含まれるため、要介護認定があっても医療保険での訪問看護が優先されます。訪問回数の制限もなく、状態に応じた手厚い対応が可能です。
まとめ
  • 訪問看護は原則として介護保険が優先。要介護認定があれば、まずケアプランに位置づけて利用する。
  • 医療保険が優先される例外は、(1)特別訪問看護指示書が出ている期間(原則14日間)、(2)末期がん・神経難病など厚労大臣が定める疾病等、(3)精神科訪問看護など一定の場合。
  • 自己負担割合はどちらも1〜3割で大差ないが、利用回数や対象範囲の考え方が異なる。
  • どの保険を使うかは疾患名と指示書の種類で決まる。主治医・訪問看護ステーションと連携して確認することが大切。

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