訪問看護は医療保険と介護保険どちらが優先?わかりやすく解説

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在宅療養を支えるサービスとして重要な訪問看護。医師の指示のもと、看護師が自宅に訪問して医療的ケアや療養上の支援を行います。

ただし、訪問看護には「医療保険」と「介護保険」どちらで利用するのかという複雑なルールがあります。

利用者や家族からは「結局どちらが優先されるの?」「医療保険と介護保険の違いは?」「費用に差はあるの?」といった疑問が多く寄せられます。

この記事では、訪問看護における医療保険と介護保険の優先関係、適用基準、費用の違い、利用の流れについて詳しく解説します。

目次

訪問看護の基本

訪問看護とは?

  • 医師の指示書に基づいて、看護師・理学療法士・作業療法士などが自宅を訪問
  • 健康状態の観察、服薬管理、点滴・注射、褥瘡(床ずれ)の処置、リハビリ、ターミナルケアなどを提供
  • 自宅で療養を希望する高齢者や障害者にとって欠かせないサービス

利用できる保険

  • 介護保険:要介護1〜5、要支援1・2と認定された方
  • 医療保険:介護認定を受けていない人や、特定の医療ニーズがある人

訪問看護は「介護保険」が優先

結論から言うと、訪問看護は原則として介護保険が優先されます。

基本ルール

  • 要介護認定を受けている人は、まず介護保険を使って訪問看護を利用
  • 医療保険が優先されるのは「例外的なケース」に限られる

👉 つまり、要介護1以上の認定を持っている人が訪問看護を利用する場合、まずは介護保険での利用になります。

医療保険が優先される例外ケース

国の基準では、以下のようなケースでは介護保険より医療保険が優先されます。

1. 特別訪問看護指示書が出ている場合

  • 主治医が「特別訪問看護指示書」を発行したとき
  • 急性増悪(病状が急に悪化したとき)や退院直後など
  • その場合、14日間に限り医療保険で訪問看護が利用可能

2. 厚生労働省が定める特定疾患等に該当する場合

  • 末期がん
  • 神経難病(ALS、パーキンソン病など)
  • 重度の褥瘡、中心静脈栄養(IVH)、在宅酸素、人工呼吸器使用者など
  • こうした医療依存度が高い人は、要介護認定があっても医療保険が優先される

3. 介護保険の要支援者

  • 要支援1・2は「介護予防訪問看護」の対象だが、病状によっては医療保険での利用が認められるケースがある

医療保険と介護保険の訪問看護の違い

項目医療保険介護保険
利用対象医療ニーズが高い人、特定疾患、特別指示書あり要介護認定を受けた人(要介護1〜5)
優先順位例外を除き介護保険より優先されない原則はこちらが優先
利用回数医師の指示により制限なし原則週3回まで(ケアプランに基づく)
費用医療保険の自己負担(1〜3割)介護保険の自己負担(1〜3割)
サービス内容医療ケア中心介護+医療ケアの両方

費用の違い

医療保険の場合

  • 自己負担:1〜3割(高齢者は1割〜2割負担が多い)
  • 例:訪問1回あたり約800〜1,200円

介護保険の場合

  • 自己負担:1〜3割
  • 例:30分〜1時間未満で約850円

👉 実際の自己負担額は大きく変わりませんが、利用回数や対象範囲に違いがあります。

利用までの流れ

  1. 主治医に相談
     訪問看護が必要かどうか判断してもらう。
  2. ケアマネジャーに相談
     介護保険の場合はケアプランに位置づけてもらう。
  3. 訪問看護ステーションと契約
     医師の指示書に基づき、サービス内容を決定。
  4. サービス開始

よくある質問(Q&A)

Q:介護認定を受けていても医療保険が使えることはありますか?
A:はい。特別訪問看護指示書がある場合や、厚労省が定める特定疾患等に該当する場合は医療保険が優先されます。

Q:介護保険と医療保険を併用することはできますか?
A:基本的にはできません。どちらか一方が優先されますが、ケースによって使い分けがあります。

Q:医療保険での訪問看護は何回でも利用できますか?
A:医師の指示に基づき、必要な回数を利用できます。介護保険のような「週3回まで」という制限はありません。

まとめ

訪問看護における保険の優先順位は次の通りです。

  • 原則:介護保険が優先
  • 例外:医療保険が優先されるケース
     - 特別訪問看護指示書が出ているとき(14日間)
     - 厚労省が定める特定疾患や医療ニーズが高いとき
     - 要支援者や医療依存度が高い人

介護保険と医療保険のどちらを使うかは、医師の指示やケアマネジャーとの調整で決まります。

訪問看護をスムーズに利用するためには、まず主治医に相談し、状況に応じて適切な保険を選択することが大切です。

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