認知症初期集中支援チームとは?依頼の仕方と関わる範囲
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「明らかに認知症の症状があるのに、受診を拒否する」「介護保険の申請も断られる」——サービスにつながらない人こそ、支援が必要なのに手が出せない。この空白を埋めるために作られたのが認知症初期集中支援チームです。存在は知っていても、実際にどう依頼するのか分からないまま使われていない地域も少なくありません。この記事では、チームの役割と、ケアマネジャーからの依頼の仕方を整理します。
この記事でわかること
- 認知症初期集中支援チームとは何をする組織か
- 「初期」が意味しているもの(早期発見だけではない)
- 対象となる人の条件
- ケアマネジャーからの依頼の仕方と流れ
- チームが関わった後、担当はどうなるのか
目次
認知症初期集中支援チームとは
認知症初期集中支援チームは、認知症が疑われる人や認知症の人とその家族を訪問し、初期の支援を包括的・集中的に行う専門職チームです。市町村が地域支援事業として設置しています。
多くの場合、地域包括支援センターや認知症疾患医療センター等に配置されています。
| 構成 | 内容 |
|---|---|
| 専門職 | 保健師・看護師・作業療法士・社会福祉士・介護福祉士などの医療系と介護系の職種(複数) |
| 認知症サポート医 | 研修を修了した医師がチームに関わる |
| 関わる期間 | おおむね6か月程度を目安に集中的に関わる |
| 設置主体 | 市町村(地域支援事業) |
新人「初期」ということは、認知症になりたての人が対象ですか?
先輩そこは誤解が多いところね。「初期」は病気の初期ではなく、支援の初期という意味なの。症状が進んでいても、まだ誰も関われていない人なら対象になりうるのよ。「もう進んでいるから対象外」と自己判断で諦めないことね。
対象となる人
おおむね40歳以上で、在宅で生活しており、認知症が疑われる人または認知症の人のうち、次のような状態にある人が対象とされています。
- 医療・介護サービスを受けていない
- 医療・介護サービスを中断している
- 診断を受けていない、受診につながらない
- サービスを受けているが、症状が強く対応に困っている
- 介護保険の申請を拒否している
- 家族が対応に行き詰まっている
注意:対象要件と運用は市町村で異なるチームの設置形態、対象要件、依頼の窓口、関与する期間は市町村によって運用が異なります。本記事は一般的な枠組みの整理です。実際の依頼にあたっては、担当地域の地域包括支援センターまたは市町村に確認してください。
チームが行うこと
- 訪問して状況を把握する複数の専門職が家庭を訪問し、本人の状態と家族の状況を確認します。
- アセスメントを行う認知機能、身体の状態、生活環境、家族の介護負担を評価します。
- チーム員会議で方針を検討する認知症サポート医を交えて、医療・介護の方針を検討します。
- 受診・サービス利用につなげる拒否がある場合も、時間をかけて関係を作りながら進めます。
- 家族を支援する認知症の理解、対応方法、利用できる制度について助言します。
- 引き継いで終結する安定したらケアマネジャーや地域包括へ引き継ぎ、集中的な関与を終えます。
ポイント:受診拒否への対応が最大の強みケアマネジャーが1人で説得しても動かない受診が、複数の専門職と医師が関わることで進むことがあります。「何度勧めても受診しない」という状況こそ、依頼を検討する場面です。
ケアマネジャーからの依頼の仕方
- 地域包括支援センターに相談する多くの地域で、包括が窓口または設置主体になっています。まずここに連絡します。
- 状況を整理して伝えるいつから、どんな症状が、どの程度あるか。これまでに何を試して、なぜうまくいかなかったか。
- 本人・家族の受け止めを伝える受診への拒否感、家族の疲弊度、キーパーソンの状況。
- 同行訪問を検討するすでに関係ができているケアマネジャーが同席することで、本人の警戒が和らぐことがあります。
- 関わりを続けるチームに任せて手を引くのではなく、情報を共有しながら並走します。
新人担当している利用者について依頼すると、自分の力不足だと思われないでしょうか。
先輩逆よ。使える資源を知っていて、適切なタイミングで使えるのが力量だもの。1人で抱えて事態が悪化するほうが、よほど問題だわ。チームは代わりに担当するのではなく、一緒に動いてくれる存在よ。
依頼を検討すべき具体的な場面
「どういうときに使えばいいのか分からない」という声が多いため、典型的な場面を挙げます。
- 明らかに症状があるのに、受診を頑なに拒否している
- 介護保険の申請を勧めても「必要ない」と断られ続けている
- 火の不始末や金銭トラブルがあり、放置できない状態にある
- 家族が対応に疲れ切り、関係が悪化している
- サービスを導入したが、拒否されて続かない
- 近隣から苦情が出ているが、本人が状況を認識していない
- 独居で、支援につながる糸口が見つからない
ポイント:迷った時点で相談してよい依頼するかどうかを自分で判断しきる必要はありません。「こういう状況なのですが、対象になりますか」と包括に相談すること自体が第一歩です。対象外なら別の資源を教えてもらえます。
チーム関与後の引き継ぎ
チームの関与は期間限定です。終結後に誰が支えるかまで見据えて動く必要があります。
- 関与中から情報を共有してもらう訪問時の様子、本人の反応、家族の変化。任せきりにしません。
- 受診・診断の結果を確認する診断名、今後の治療方針、主治医との関係を把握します。
- サービス導入のタイミングに合わせる関係ができた段階でケアプランを組みます。
- 終結時に方針を確認する何が達成され、何が課題として残ったかを整理します。
- その後の変化を包括に戻す状態が再び悪化した場合、早めに共有します。
よくある質問(FAQ)
すでにケアマネがついている人も対象になりますか?
サービスを利用していても、症状への対応に行き詰まっている場合は対象になりうるとされています。地域の運用によるため、包括に相談してください。
本人の同意は必要ですか?
訪問にあたっては本人・家族への説明が行われます。ただし受診拒否がある事例が想定されているため、関係づくりから始める柔軟な対応がとられます。
費用はかかりますか?
地域支援事業として実施されるもので、チームの関与自体に利用者負担は生じないのが一般的です。受診や介護サービスの利用に伴う費用は別途かかります。
どのくらいの期間関わってもらえますか?
おおむね6か月程度を目安に集中的に関わり、その後は担当のケアマネジャーや地域包括へ引き継がれるのが一般的な流れです。
地域にチームがあるか分かりません。
市町村または地域包括支援センターに問い合わせてください。設置形態は地域によって異なり、名称が違う場合もあります。
まとめ
- 認知症初期集中支援チームは、認知症が疑われる人と家族を訪問し、集中的に初期支援を行う専門職チーム。
- 「初期」は病気の初期ではなく支援の初期。症状が進んでいても、誰も関われていなければ対象になりうる。
- 最大の強みは受診拒否への対応。1人で説得しても動かない受診が、複数職種と医師の関与で進むことがある。
- 依頼の窓口は地域包括支援センターが一般的。状況と、これまで何を試したかを整理して伝える。
- 依頼は力不足ではない。使える資源を適切なタイミングで使えることが力量。
















