【ケアマネが仕事で使える】訪問入浴介護のケアプランの文例を紹介

訪問入浴介護は、在宅で生活する高齢者や障害を抱える方にとって大切な介護保険サービスの一つです。

自宅での入浴が困難な利用者でも、専門スタッフが専用浴槽を持ち込み、安全に入浴を支援することができます。

ケアマネジャーにとっては「どのようにケアプランに位置づければよいのか」「文例をどう書けばわかりやすいのか」と悩むことも多いでしょう。

この記事では、訪問入浴介護のケアプラン文例を具体的に紹介しながら、作成時のポイントや注意点を解説します。

日々の業務にすぐ役立つ実践的な内容ですので、ぜひ参考にしてください。

訪問入浴介護とは？ケアプランでの位置づけ

訪問入浴介護は、看護師・介護職員など3人1組で利用者の自宅を訪問し、専用の浴槽を設置して入浴を支援するサービスです。

体調確認や入浴介助を行いながら、利用者が快適に清潔を保てるようにサポートします。

ケアプランにおいては、「清潔保持」「心身のリフレッシュ」「家族介護の負担軽減」 が大きな目的として位置づけられます。

特に、要介護度が高く入浴が困難な方にとっては、生活の質（QOL）を維持するために欠かせないサービスです。

第2表の「長期目標」「短期目標」「サービス内容」を具体的に書くことで、利用者やご家族にも納得してもらいやすくなります。

訪問入浴介護のケアプラン作成時のポイント

1. 利用者の身体状況に即した内容にする

「自宅の浴槽に入れない」「入浴で疲労や息切れが強い」といった生活課題を具体的に書くことが大切です。

2. 入浴による効果を明確にする

「皮膚トラブルの予防」「安眠の促進」「爽快感による精神的安定」など、入浴で得られる効果をケアプランに反映しましょう。

3. 家族介護の視点も加える

訪問入浴は、家族の介助負担を軽減する側面もあります。介護者が安心して休養できるようにプランに盛り込むと良いです。

【文例付き】訪問入浴介護のケアプラン例

ここからは、第2表における「長期目標」「短期目標」「サービス内容」の具体的な文例を紹介します。

文例1：全身清潔を維持したい場合

• 長期目標
  定期的に清潔を保持し、皮膚トラブルを予防しながら快適に生活できるようにする。
• 短期目標
  週1回以上の入浴で皮膚のかゆみや乾燥を軽減し、爽快感を得られるようにする。
• サービス内容文例
  訪問入浴介護を週1回利用し、看護師がバイタルチェックを行い安全に入浴できるよう支援する。身体状況に合わせて洗身を行い、必要に応じて保湿を行う。

文例2：褥瘡予防が必要な場合

• 長期目標
  皮膚を清潔に保ち、褥瘡を予防しながら安心して在宅生活を継続できるようにする。
• 短期目標
  入浴後の皮膚観察を通じて早期に異常を発見し、適切な処置につなげる。
• サービス内容文例
  訪問入浴介護を週2回利用し、看護師が入浴前後に皮膚観察を実施する。清潔保持と血流改善を目的とした入浴を支援し、家族にスキンケア方法を助言する。

文例3：呼吸器疾患がある利用者の場合

• 長期目標
  心身の清潔を保ちながら、呼吸状態に配慮した安全な入浴を継続できるようにする。
• 短期目標
  入浴中の呼吸状態が安定し、無理なく清潔保持が行えるようにする。
• サービス内容文例
  訪問入浴介護を週1回利用し、看護師が酸素飽和度や呼吸状態を確認したうえで安全に入浴を支援する。必要時はシャワー浴へ変更するなど柔軟に対応する。

文例4：認知症がある利用者の場合

• 長期目標
  安心して入浴を受けられる環境を整え、生活のリズムを維持する。
• 短期目標
  入浴時の不安や抵抗を軽減し、笑顔で過ごせる時間を増やす。
• サービス内容文例
  訪問入浴介護を週1回利用し、利用者のペースに合わせて声掛けを行いながら入浴を支援する。入浴を楽しめるように環境を整え、リラックス効果を高める。

文例5：家族介護負担の軽減が目的の場合

• 長期目標
  家族が心身ともに安定して介護を継続できるようにする。
• 短期目標
  訪問入浴利用日に介護者が休養や私用を行えるようにする。
• サービス内容文例
  訪問入浴介護を週1回利用し、その間に家族が休養や外出を行える時間を確保する。職員が利用者の状態を家族にフィードバックし、安心して在宅介護を続けられるよう支援する。

訪問入浴介護のケアプラン作成時の注意点

抽象的な表現を避ける

「快適に入浴できるようにする」とだけ記載するのではなく、「週1回訪問入浴を利用し、看護師が体調確認を行ったうえで入浴を支援する」といった具体的な記載が望まれます。

看護職員との連携を意識する

訪問入浴では看護師の役割が大きいため、体調管理や皮膚状態の観察についてもケアプランに盛り込み、サービス担当者会議で共有しておくと安心です。

状態変化に応じて柔軟に修正する

体調により「入浴」から「清拭」「シャワー浴」に変更するケースもあります。プランには柔軟性を持たせ、モニタリングで適宜修正しましょう。

訪問入浴介護のケアプラン文例を活用するメリット

1. 業務効率化
   文例を参考にすれば、ゼロから考える負担が減り、短時間で質の高いケアプランを作成できます。
2. ケアプランの統一性
   事業所全体で文例を共有すれば、記載のバラつきを減らし、チームケアがスムーズになります。
3. 新人ケアマネの教育に役立つ
   実際の文例を知ることで、新人ケアマネも安心してケアプラン作成に取り組めます。

まとめ

訪問入浴介護は、自宅での入浴が難しい利用者にとって、清潔保持や精神的安定を支える大切なサービスです。

ケアマネジャーは「なぜ訪問入浴が必要なのか」「入浴によってどのような効果が期待できるのか」を具体的にケアプランに記載することが求められます。

文例を活用することで業務の効率化が図れるだけでなく、利用者や家族にもわかりやすいプランを作成できます。

今回紹介した文例を参考にしながら、現場の実情に合わせてアレンジすることで、より質の高いケアマネジメントにつなげていきましょう。