介護認定の主治医意見書のもらい方をわかりやすく解説

介護保険サービスを利用するためには、まず 要介護認定の申請 が必要です。
その認定の際に欠かせない書類のひとつが 主治医意見書 です。
しかし、「主治医意見書はどうやってもらうの?」「自分で病院に頼むの?」「費用はかかるの?」と戸惑う方は多いのではないでしょうか。
この記事では、介護認定における主治医意見書の位置づけやもらい方、費用や注意点まで、一般の方にもわかりやすく解説します。
主治医意見書とは?
主治医意見書とは、介護認定審査会で要介護度を判定するために必要な 医師の診断書 のようなものです。
内容は以下のような項目で構成されています。
- 病名や既往歴
- 心身の状態(認知症の有無、日常生活動作の程度など)
- 今後の生活に関する医学的な見通し
- 医師が必要と考える介護サービスやリハビリの方向性
認定調査員の調査結果と合わせて、この主治医意見書が「一次判定・二次判定」の材料となり、最終的な要介護度を決める重要な役割を果たします。
主治医意見書のもらい方の流れ
「もらい方」といっても、実際には本人や家族が直接医師に依頼するわけではありません。
基本的な流れは次の通りです。
1. 要介護認定を申請
介護サービスを使いたい場合、まず市区町村の介護保険担当窓口や地域包括支援センターに 要介護認定申請を行います。
2. 主治医を指定
申請書の記入時に「主治医」を記載する欄があります。かかりつけ医がいれば、その医師を記入します。かかりつけ医がいない場合は、市町村に相談して紹介してもらうことも可能です。
3. 市区町村が医師に依頼
申請を受けた市区町村が、本人の主治医に対して 主治医意見書の作成依頼 を行います。家族が直接お願いするのではなく、行政を通じて依頼されるのが基本です。
4. 医師が意見書を作成
主治医は、本人の診察内容や病歴を踏まえて意見書を作成します。必要に応じて診察や検査を行う場合もあります。
5. 市区町村へ提出
医師が作成した意見書は、直接市区町村へ送付されます。本人や家族に渡されることは基本的にありません。
主治医意見書の費用はかかる?
多くの場合、費用は市区町村が負担 するため、本人や家族が支払う必要はありません。
ただし、病院によっては診察を追加で行った際に、その診察料が自己負担になるケースもあります。
主治医がいない場合はどうする?
「今まで病院にかかっていない」「かかりつけ医がいない」というケースもあります。
その場合は、
- 市区町村や地域包括支援センターに相談し、協力医を紹介してもらう
- 介護認定のために一度診察を受けて主治医になってもらう
といった流れになります。
必ずしも長年通っている医師でなくても、現在の状態を診察した医師であれば主治医意見書を作成可能です。
主治医意見書でもれなく伝えてほしいポイント
主治医意見書は医師が作成しますが、日常生活の困りごとをきちんと伝えておかないと、実態が反映されにくい場合があります。
- 家での介護の負担(食事・排泄・入浴の介助など)
- 認知症による困りごと(徘徊、物忘れ、服薬忘れなど)
- 医師には伝えづらい生活上の不便さ
をあらかじめメモにしておき、診察時に伝えることで、より実態に合った意見書を書いてもらいやすくなります。
主治医意見書と認定調査の関係
介護認定は、
- 認定調査(調査員による聞き取り)
- 主治医意見書
を組み合わせて一次判定(コンピュータ判定)が行われ、その後に介護認定審査会で二次判定されます。
つまり、調査結果と医師の意見が 両輪となって要介護度を決める ため、主治医意見書は非常に重要です。
主治医意見書のよくある疑問
Q1:自分で取りに行くの?
→ いいえ。基本的に本人や家族には渡されず、市区町村に直接提出されます。
Q2:別の病院の先生に書いてもらえる?
→ 主治医を変えることは可能ですが、その場合は改めて申請時に記載し直す必要があります。
Q3:病院に通っていない場合は?
→ 市区町村や地域包括支援センターに相談し、協力医を紹介してもらいましょう。
まとめ
介護認定に必要な主治医意見書は、本人や家族が直接もらいに行くのではなく、市区町村が主治医に依頼して作成されるもの です。
費用は基本的にかからず、完成した意見書は医師から直接市区町村へ提出されます。
- 申請時に主治医を記載する
- かかりつけ医がいない場合は市区町村に相談する
- 日常生活の困りごとは診察時にきちんと伝える
これらを押さえておけば、スムーズに意見書を準備できます。
介護認定をスムーズに進めるために、主治医意見書の仕組みをしっかり理解しておきましょう。