主治医意見書のもらい方|申請から提出までの流れを簡単解説

介護保険サービスを使う第一歩が要介護認定の申請で、その判定に欠かせないのが主治医意見書です。「自分で病院に頼むの?」「費用はかかる?」「かかりつけ医がいないけど大丈夫?」といった疑問に、申請から提出までの流れにそってわかりやすくお答えします。
- 主治医意見書とは何か、要介護認定で果たす役割
- 申請から提出までの「もらい方」の5ステップ
- 費用負担の有無と、かかりつけ医がいない場合の対処法
- 実態を反映してもらうために医師へ伝えるべきポイント
主治医意見書とは?要介護認定での役割
主治医意見書とは、介護認定審査会で要介護度を判定するために医師が作成する書類です。診断書に近いものですが、病名だけでなく「介護がどれくらい必要か」という生活面の医学的判断まで記載される点が特徴です。
主な記載項目は次のとおりです。
- 傷病に関する意見(病名・発症時期・治療内容・特別な医療の有無)
- 心身の状態(認知症の程度、麻痺や拘縮、日常生活動作の自立度)
- 生活機能とサービスに関する意見(移動・栄養・リハビリの見通し)
- 医学的管理の必要性や、サービス提供時に留意すべき事項
認定調査員による認定調査の結果と、この主治医意見書を組み合わせて一次判定・二次判定が行われます。調査結果と医師の意見は要介護度を決める「両輪」であり、意見書の内容しだいで認定結果が変わることもあります。
新人利用者さんから「意見書って自分でもらってくるの?」と聞かれたのですが、どう答えればいいですか?
先輩本人や家族が直接受け取るものではないのよ。申請を受けた市区町村が主治医に依頼して、できあがった意見書は医師から市区町村へ直接届くの。だから「ご本人がもらいに行く必要はありません」と伝えれば安心してもらえるわ。
主治医意見書のもらい方|申請から提出までの流れ
「もらい方」といっても、家族が医師に頭を下げて取りに行くわけではありません。行政(市区町村)を通じて依頼されるのが基本の流れです。具体的には次の5ステップで進みます。
- ステップ1:要介護認定を申請する市区町村の介護保険担当窓口、または地域包括支援センターで要介護認定の申請を行います。本人・家族のほか、ケアマネジャーや地域包括が代行申請することもできます。
- ステップ2:申請書に主治医を記載する申請書には「主治医」を書く欄があります。かかりつけ医がいればその医師名と医療機関名を記入します。いない場合は空欄のまま窓口で相談できます。
- ステップ3:市区町村が医師に作成を依頼する申請を受けた市区町村が、記載された主治医へ意見書の作成依頼を送ります。家族が直接お願いするのではなく、行政から依頼されるのがルールです。
- ステップ4:医師が意見書を作成する主治医が診察内容や病歴をもとに意見書を作成します。状態を確認するため、改めて診察や検査を行う場合もあります。
- ステップ5:市区町村へ提出される完成した意見書は、医師から直接市区町村へ送付されます。本人や家族の手元に渡ることは基本的にありません。
主治医意見書の費用はかかる?
結論から言うと、主治医意見書の作成費用は市区町村が負担するため、本人や家族が意見書そのものの料金を支払う必要は基本的にありません。
ただし注意したいのは、意見書のために追加で診察や検査を受けた場合、その診察料・検査料は通常の保険診療として自己負担が発生する点です。意見書作成料と診察料は別物だと理解しておくと、窓口での説明もスムーズになります。
主治医(かかりつけ医)がいない場合はどうする?
「これまで病院にかかっていない」「かかりつけ医がいない」というケースも少なくありません。その場合は、次のように進めます。
- 市区町村や地域包括支援センターに相談し、協力医(意見書を書いてくれる医師)を紹介してもらう
- 認定申請にあたって一度受診し、その医師に主治医になってもらう
必ずしも長年通い続けた医師である必要はありません。現在の心身の状態を診察した医師であれば、主治医意見書を作成できます。「かかりつけがいないから申請できない」と諦める必要はないと覚えておきましょう。
主治医意見書で医師に伝えてほしいポイント
意見書を作成するのは医師ですが、診察室では見えにくい自宅での困りごとを伝えておかないと、実態が反映されにくくなります。診察は短時間で、医師は普段の生活の様子までは把握しきれないためです。
あらかじめメモにまとめて診察時に渡す(または伝える)とよい内容の例です。
| 伝える場面 | 具体的に伝えたいこと |
|---|---|
| 日常の介護負担 | 食事・排泄・入浴・着替えにどの程度の介助が必要か |
| 認知症の困りごと | 物忘れ、服薬忘れ、外出後に戻れない、昼夜逆転などの有無 |
| 転倒・移動 | ふらつき、転倒歴、屋内外での移動のしづらさ |
| 医師に言いづらい不便 | 失禁、意欲低下、家族だけで抱えている負担など |
新人家族から「診察ではしっかりして見えてしまって、困りごとがうまく伝わらない」と相談されました。どう支援すればいいですか?
先輩いわゆる「よそ行きの顔」になってしまう方は多いのよ。だからこそ、ふだんの様子を箇条書きにしたメモを用意して、診察時に医師へ手渡すよう勧めるといいわ。日付つきで具体的な出来事を書くと、医師も状態を判断しやすくなるの。
主治医意見書と認定調査の関係
要介護認定は、次の2つの情報を組み合わせて判定されます。
- 認定調査:調査員が自宅などを訪問し、心身の状態を聞き取り・確認する
- 主治医意見書:医師が医学的な観点から心身の状態と必要な医療・介護を記載する
この2つをもとにコンピュータによる一次判定が行われ、その後、介護認定審査会で専門家が二次判定を行って最終的な要介護度が決まります。調査結果と医師の意見が食い違う場合は、審査会で意見書の記載が重視されることもあり、意見書の正確さは非常に重要です。
主治医意見書のよくある質問(FAQ)
主治医意見書は自分で取りに行くのですか?
別の病院の先生に書いてもらえますか?
病院にまったく通っていない場合はどうすれば?
意見書ができるまでどのくらいかかりますか?
意見書の内容は本人や家族が確認できますか?
- 主治医意見書は、本人・家族が直接もらうのではなく、市区町村が主治医に依頼して作成される書類
- 流れは「申請→主治医を記載→市区町村が依頼→医師が作成→市区町村へ提出」の5ステップ
- 意見書の作成費用は市区町村負担。ただし追加の診察料は自己負担になることがある
- かかりつけ医がいなくても、市区町村に相談すれば協力医を紹介してもらえる
- 自宅での困りごとはメモにして診察時に伝えると、実態に合った意見書につながる
















