区分支給限度基準額とは?要介護度別の上限と対象外サービス
当ページのリンクには広告が含まれています。

「介護保険のサービスは、どれだけ使っても1割負担なの?」「要介護度によって、使える量が違うって本当?」。在宅で介護保険のサービスを使うときに、必ず関わってくるのが区分支給限度基準額です。
区分支給限度基準額とは、在宅で介護保険のサービスを使うときに、要介護度ごとに決められた1か月あたりの上限です。上限の範囲内なら1〜3割の自己負担で利用でき、超えた分は全額自己負担になります。この記事では、仕組み、要介護度別の上限、対象になるサービスとならないサービス、超えたときの扱い、上手に使うためのポイントを解説します。
この記事でわかること
- 区分支給限度基準額とはどんな仕組みか
- 要介護度別の区分支給限度基準額
- 限度額に含まれるサービスと、含まれないサービス
- 限度額を超えたときの自己負担
- 限度額の中で上手にサービスを使うポイント
目次
区分支給限度基準額とは?
区分支給限度基準額は、介護保険の在宅サービスについて、1か月に保険を使って利用できる量の上限です。金額ではなく「単位」で決められていて、要介護度が重いほど上限が高くなります。
- 上限の範囲内のサービスは、所得に応じて1〜3割の自己負担
- 上限を超えた分は、介護保険が使えず全額自己負担
- 単位を金額に換算すると、地域区分によって1単位あたりの金額が変わる
新人「支給限度額」と「区分支給限度基準額」は、違うものですか?
先輩ふだん「支給限度額」と呼ばれているのは、この区分支給限度基準額のことが多いの。正式な名前が長いから、現場では略して呼ぶことが多いのよ。
要介護度別の区分支給限度基準額
| 要介護度 | 1か月の上限(単位) | 金額の目安(1単位10円の場合) |
|---|---|---|
| 要支援1 | 5,032単位 | 約5万円 |
| 要支援2 | 10,531単位 | 約10.5万円 |
| 要介護1 | 16,765単位 | 約16.8万円 |
| 要介護2 | 19,705単位 | 約19.7万円 |
| 要介護3 | 27,048単位 | 約27万円 |
| 要介護4 | 30,938単位 | 約30.9万円 |
| 要介護5 | 36,217単位 | 約36.2万円 |
1割負担の人が要介護3の上限まで使った場合、自己負担の目安は約2.7万円になります(1単位10円で計算した概算)。
注意:金額は目安、最新の数値を確認表の単位数は、2019年10月以降に使われている数値です(2026年時点で確認した範囲)。介護報酬の改定で見直されることがあるため、最新の数値は市区町村やケアマネに確認してください。金額は1単位10円で計算した概算で、地域によって高くなります。
区分支給限度基準額に含まれるサービス
- 訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション
- 通所介護(デイサービス)、通所リハビリテーション(デイケア)
- 短期入所生活介護・短期入所療養介護(ショートステイ)
- 福祉用具貸与
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護、小規模多機能型居宅介護などの地域密着型サービス
区分支給限度基準額に含まれないサービス
| 含まれないもの | 補足 |
|---|---|
| 居宅療養管理指導 | 医師や薬剤師などが自宅で行う療養上の管理や指導 |
| 特定福祉用具販売 | 別に年間10万円までの枠がある |
| 住宅改修 | 別に原則20万円までの枠がある |
| 施設サービス | 特養、老健、介護医療院への入所 |
| 特定施設・グループホームの利用(短期利用を除く) | 居住系のサービスは別の扱い |
| 一部の加算 | 介護職員の処遇改善に関する加算などは、限度額の計算に含めない |
| 居宅介護支援(ケアマネジメント) | ケアプランの作成は利用者の負担がなく、限度額にも含まれない |
ポイント:福祉用具購入と住宅改修は別の枠ポータブルトイレなどの購入や、手すりの取り付け工事は、区分支給限度基準額とは別の枠で管理されます。月々のサービスの量を減らさずに使えます。
区分支給限度基準額を超えるとどうなる?
限度額を超えてサービスを使った場合、超えた分は介護保険が使えず、10割(全額)を自己負担します。
| 例(要介護1・1割負担・1単位10円) | 計算 |
|---|---|
| 利用したサービス | 18,765単位(限度額より2,000単位多い) |
| 限度額内の自己負担 | 16,765単位×10円×1割=約16,765円 |
| 超えた分の自己負担 | 2,000単位×10円×10割=20,000円 |
| 合計の自己負担 | 約36,765円 |
新人限度額を超えないように、ケアマネはどう管理しているんですか?
先輩毎月、サービスの予定を単位数で計算して、利用票で確認しているの。どのサービスを限度額の外にするか、利用者と家族に説明して同意をもらうことも大切ね。
限度額の中で上手にサービスを使うポイント
- 目標に合わせて優先順位をつける本人の生活で一番困っていることを解決するサービスから組み立てます。
- 限度額の外の制度を活用する福祉用具購入、住宅改修、居宅療養管理指導などを組み合わせます。
- 介護保険以外の支援を使う市区町村の配食サービス、地域の見守り、自費のサービスなども検討します。
- 状態が悪化したら区分変更を考える要介護度が実態に合っていない場合は、区分変更の申請で限度額が上がることがあります。
区分支給限度基準額でよくある誤解
| よくある誤解 | 実際のところ |
|---|---|
| 限度額までサービスを使わないと損をする | 限度額は上限で、必要な分だけ使えばよい |
| 限度額は金額で決まっている | 単位で決まっていて、金額は地域区分によって変わる |
| 施設に入所しても同じ限度額がある | 施設サービスは限度額の対象外で、別の仕組みで費用が決まる |
| 住宅改修や福祉用具の購入も限度額に含まれる | それぞれ別の枠がある |
限度額の仕組みを正しく知ると、費用の見通しを立てやすくなり、サービスの組み立ても相談しやすくなります。
よくある質問(FAQ)
限度額を使い切らないと、損ですか?
損ではありません。限度額は上限で、使い切る必要はありません。本人に必要なサービスを、必要な分だけ使うことが大切です。
限度額を超えた分の自己負担は、高額介護サービス費の対象になりますか?
限度額を超えた全額自己負担の分は、高額介護サービス費の対象になりません。
月の途中で要介護度が変わったら、限度額はどうなりますか?
その月の中で重いほうの要介護度の限度額が適用されるのが一般的です。詳しくはケアマネに確認しましょう。
地域区分によって、限度額は変わりますか?
限度額の単位数は全国共通です。ただし1単位あたりの金額が地域によって違うため、金額にすると差が出ます。
市区町村が独自に限度額を上乗せすることはありますか?
市区町村が条例で上乗せする仕組みがありますが、実施しているところは多くありません。住んでいる市区町村に確認しましょう。
区分支給限度基準額の残りは、どうすれば分かりますか?
ケアマネが毎月作るサービス利用票の別表に、利用した単位数と限度額が記載されています。分からない場合はケアマネに確認しましょう。
ショートステイを多く使うと、限度額はすぐにいっぱいになりますか?
ショートステイも限度額に含まれるため、長く使うと限度額に近づきやすくなります。利用の日数は、ほかのサービスとのバランスを考えて決めましょう。
まとめ
- 区分支給限度基準額は、在宅サービスを1か月に保険で使える量の上限で、単位で決められている
- 要支援1の5,032単位から要介護5の36,217単位まで、要介護度が重いほど上限が高い
- 居宅療養管理指導、福祉用具購入、住宅改修、施設サービスなどは限度額に含まれない
- 限度額を超えた分は全額自己負担で、高額介護サービス費の対象にもならない
- 目標に合わせて優先順位をつけ、限度額の外の制度や介護保険以外の支援も組み合わせる
















