訪問介護(ホームヘルパー)とは?わかりやすく解説

介護保険サービスにはさまざまな種類がありますが、その中でも最も身近で利用者数が多いのが訪問介護(ホームヘルパー)です。高齢者が住み慣れた自宅で生活を続けるために、介護職員(ホームヘルパー)が利用者宅を訪問し、食事や入浴、排泄の介助、掃除や買い物などの生活支援を行います。
しかし、「訪問介護とデイサービスの違いは?」「どんな支援をしてくれるの?」「費用はいくらかかるの?」といった疑問を持つ方も少なくありません。
この記事では、訪問介護(ホームヘルパー)の定義、対象者、サービス内容、利用方法、費用、メリット・デメリット、他サービスとの違いをわかりやすく解説します。
訪問介護(ホームヘルパー)とは?
定義
訪問介護(ホームヘルパー)とは、介護保険制度に基づき、ホームヘルパーが利用者の自宅を訪問し、身体介護や生活援助を行うサービスのことです。
利用者が自立した生活を続けられるよう支援すると同時に、家族の介護負担軽減を目的としています。
特徴
- 自宅にいながら介護や生活支援を受けられる
- 利用時間は30分〜1時間程度が中心
- サービス内容は「身体介護」「生活援助」「通院等乗降介助」に分類される
- ケアマネジャーが作成するケアプランに基づき提供される
対象となる利用者
訪問介護を利用できるのは、以下の条件を満たす方です。
- 要介護1〜5の認定を受けた人
- 在宅生活を続けるうえで、日常生活の支援が必要な人
介護予防訪問介護(生活支援型訪問サービス)
要支援1・2の人には、介護予防訪問介護として掃除や買い物などの生活支援が提供されます。
サービス内容
訪問介護のサービスは大きく3つに分類されます。
1. 身体介護
利用者の体に直接触れて行う介助。
- 食事介助
- 入浴介助(部分浴・全身浴)
- 排泄介助(トイレ誘導・オムツ交換)
- 着替え介助
- 体位変換
- 起床・就寝介助
2. 生活援助
日常生活に必要な家事を代行。
- 掃除、洗濯、ゴミ出し
- 食事の調理
- 買い物代行
- 薬の受け取り
※利用者本人の日常生活に直接関わる内容に限られます。
3. 通院等乗降介助
- 通院や外出時に車への乗り降りを介助
- 受診の付き添い
利用までの流れ
- 要介護認定を受ける
市区町村へ申請し、認定を受ける。 - ケアマネジャーに相談
ケアプランを作成してもらう。 - 訪問介護事業所との契約
サービス内容や利用回数を調整。 - サービス利用開始
ケアプランに基づき、ヘルパーが訪問。
利用費用の目安
訪問介護の費用は、介護保険が適用され自己負担は1〜3割です。
身体介護(1割負担の目安)
- 20分未満:約170円
- 20分以上30分未満:約250円
- 30分以上1時間未満:約400円
生活援助(1割負担の目安)
- 20分以上45分未満:約250円
通院等乗降介助
- 1回あたり:約100円
合計の目安
- 週2回の利用で月額約5,000〜10,000円程度
訪問介護のメリット
- 住み慣れた自宅で暮らせる
施設に入所せず、自宅での生活を継続できる。 - 必要な支援を柔軟に受けられる
入浴や排泄など、生活に直結した支援が得られる。 - 家族の介護負担軽減
介助が必要な場面をヘルパーに任せられる。 - 定期的な見守りができる
一人暮らしの高齢者でも安心感がある。
デメリット・注意点
- 利用時間が限られる
1回30分〜1時間程度のため、長時間の介護には不向き。 - 生活援助の範囲が制限される
利用者本人以外の家族の家事は対象外。 - 事業所や地域によるサービス格差
人員不足や対応範囲に差がある場合がある。 - 医療行為はできない
点滴や注射などの医療行為は訪問介護では対応不可。
他サービスとの違い
- デイサービス(通所介護):施設に通って入浴や機能訓練を受ける
- 訪問看護:看護師が訪問し、医療的ケアを提供
- ショートステイ(短期入所生活介護):施設に泊まり込みで介護を受ける
訪問介護は、これらと組み合わせることで在宅生活を総合的に支えます。
ケアマネジャーの視点
- 本人の生活動作をアセスメントし、訪問介護が必要な場面を明確にする。
- 訪問看護やデイサービスとの併用を検討し、在宅生活を支えるケアプランを作成。
- 家族には生活援助の範囲を正確に説明し、トラブル防止につなげる。
よくある質問(Q&A)
Q:要支援でも利用できますか?
A:はい。要支援1・2の人は介護予防訪問介護として利用可能です。
Q:掃除や洗濯だけお願いできますか?
A:可能ですが、利用者本人の生活に直結する範囲に限られます。
Q:医療的ケアが必要な場合は?
A:訪問看護との併用が必要です。

まとめ
訪問介護(ホームヘルパー)は、利用者の自宅にホームヘルパーが訪問し、身体介護や生活援助を提供する介護保険サービスです。
- 対象は要介護1〜5(要支援者は介護予防訪問介護)
- サービスは身体介護・生活援助・通院等乗降介助
- 費用は週2回利用で月5,000〜10,000円程度
- メリットは在宅生活の継続、安心感、家族負担の軽減
- デメリットは時間制限や生活援助の範囲が限定されること
在宅介護を支える最も基本的なサービスであり、他の介護サービスと組み合わせて利用することで、安心して自宅生活を続けられます。