訪問回数の多いケアプランの届出とは?基準と手続きを解説

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訪問介護の生活援助を増やしたいのに、「回数が多いと届出が要る」と聞いて手が止まった経験はありませんか。この届出は、回数を制限する仕組みではありません。必要な支援であれば、届け出たうえで堂々と位置づけられます。誤解したまま必要なサービスを削ってしまうことのほうが、はるかに問題です。この記事では、訪問回数の多いケアプランの届出について、対象・基準・手続き・書き方の考え方を整理します。

この記事でわかること
  • 訪問回数の多いケアプランの届出とは何か、なぜできた仕組みか
  • 対象となるサービスと、届出が必要になる基準の考え方
  • 届出の手続きと、その後に何が起きるのか
  • 「制限ではない」と言い切れる理由
  • 届出を前提にケアプランを組むときの記載のポイント
目次

訪問回数の多いケアプランの届出とは?

これは、訪問介護の生活援助中心型サービスが一定の回数を超えるケアプランについて、市町村への届出を求める仕組みです。平成30年10月から始まりました。

届出を受けた市町村は、そのケアプランを地域ケア会議等で検証します。ここで「多すぎるから減らせ」と言われるわけではなく、支援の内容が利用者の自立支援に資するものかどうかを、多職種で確認する場が持たれるという建て付けです。

新人ケアマネ新人

届出が必要になりそうだったので、回数を基準内に収めてプランを作りました。それでよかったんでしょうか…。

ベテランケアマネ先輩

それは順番が逆ね。アセスメントの結果として必要な回数を出して、それが基準を超えたら届け出るのが正しい流れよ。届出を避けるために必要な支援を削るのは、利用者の不利益にしかならないわ。

なぜこの仕組みができたのか

背景にあるのは、生活援助の利用回数が突出して多いケースへの問題意識です。ただし国が示してきた趣旨は、一律に回数を制限することではなく、ケアプランの内容を検証し、必要に応じて多職種の視点を入れるという点にあります。

  • 利用者の状態に照らして、その回数が妥当かを確認する
  • 生活援助以外の社会資源で代替できる部分がないかを検討する
  • ケアマネジャーが1人で抱えている判断を、チームで支える
  • 逆に、必要な支援であればそれを裏づける
ポイント:検証の結果、そのまま認められることも多い地域ケア会議で検証された結果、「この内容なら妥当」と確認されて終わるケースは珍しくありません。むしろ多職種から代替の社会資源を提案してもらえたり、ケアマネジャー1人では気づけなかった視点が得られたりします。身構えすぎる必要はありません。

対象と基準の考え方

対象となるのは訪問介護の生活援助中心型です。身体介護中心型は対象外です。

基準となる回数は要介護度ごとに定められています。厚生労働大臣が定める回数として告示されており、要介護1から要介護5までそれぞれ異なる月あたりの回数が設定されています。

注意:回数の具体的な数値は必ず告示で確認を要介護度別の基準回数は告示で定められており、見直される可能性があります。本記事では具体的な数値を挙げていません。必ず最新の告示および保険者から示されている数値で確認してください。保険者によって届出様式や運用の細部も異なります。

届出が必要になる場面

  • 新規のケアプランで、生活援助の回数が基準を超える場合
  • プランの変更により、基準を超えることになった場合
  • 継続して基準を超える利用が続く場合(保険者の運用による)

届出の手続きと、その後の流れ

  • アセスメントで必要な回数を導くまず利用者の状態と生活課題から、必要な支援量を判断します。届出の要否から逆算しません。
  • ケアプランに理由を明確に位置づけるなぜその回数が必要なのか、第1表・第2表に根拠が読み取れる形で記載します。
  • 市町村へ届け出る保険者が定める様式と期限に従って提出します。様式は自治体ごとに異なります。
  • 地域ケア会議等での検証を受ける必要に応じて説明を求められます。求められたら、アセスメントの根拠を示します。
  • 結果を踏まえて必要ならプランを見直す助言があれば反映し、その経過を支援経過に記録します。

届出が必要でも、削ってはいけない場面

現場でよく見かけるのが、届出を避けるために回数を基準内へ調整してしまうケースです。しかし次のような場面では、回数を削ること自体が支援の失敗になります。

  • 独居で調理ができない…食事の確保が途切れると、低栄養と脱水に直結します。
  • 認知症で買い物の判断ができない…同じ物を大量に買う、腐敗した食品を食べるといった実害が出ます。
  • ゴミ出しができず住環境が悪化している…衛生状態の悪化は感染症や近隣トラブルにつながります。
  • 退院直後で生活の立て直しが必要…一時的に手厚くすることで、再入院を防げる場面があります。

いずれも「回数が多い」のではなく、その回数が必要な状態にあるというだけです。届出はそれを説明する機会であって、支援を我慢する理由にはなりません。

ポイント:一時的に増やし、落ち着いたら見直す退院直後や状態悪化の時期に手厚くし、生活が安定したら回数を戻すという組み立ては、十分に説明のつく支援です。大切なのは、増やす理由と減らす見通しの両方をプランに書いておくこと。期限のない増回は説明が難しくなります。

届出を前提にケアプランを組むときのポイント

検証の場で問われるのは、ほぼ次の3点です。あらかじめ答えられる形にしておきます。

問われること準備しておく内容
なぜ本人にはできないのか疾患・障害・認知機能による具体的な支障。「高齢だから」ではなく機能の説明
なぜ家族や周囲ができないのか同居家族の就労状況、健康状態、距離、関係性の実態
他の手段は検討したか配食・見守り・インフォーマルサービス・福祉用具などを検討した経過

この3点が第1表と第2表に書かれていれば、検証はスムーズに進みます。逆に「本人が希望したため」だけの記載では、説明として弱くなります。

新人ケアマネ新人

検証で「減らしてください」と言われたら、従うしかないのでしょうか。

ベテランケアマネ先輩

助言は受けるけれど、ケアプランを決めるのはあくまでアセスメントに基づく専門職の判断よ。納得できない点があれば根拠を示して説明していいの。大事なのは、聞かれたときに理由を語れる状態にしておくことね。

よくある質問(FAQ)

身体介護中心型が多い場合も届出が必要ですか?
この仕組みの対象は生活援助中心型です。身体介護中心型は対象外とされています。ただし区分支給限度基準額の管理は別途必要です。
届け出ないとどうなりますか?
届出は運営基準に位置づけられた義務であり、未届は運営指導で指摘の対象になります。基準を超えるプランを作る場合は、必ず保険者の定めに従って届け出てください。
届出をすると必ず地域ケア会議に呼ばれますか?
検証の方法は保険者によって異なります。書面での確認にとどまる場合もあれば、会議で説明を求められる場合もあります。運用は保険者に確認してください。
回数を基準内に抑えれば届出は不要ですよね?
形式的にはそのとおりですが、届出を避けるために必要な支援を削るのは本末転倒です。アセスメントの結果として必要なら、届け出たうえで位置づけてください。
基準回数は要介護度ごとに違うのですか?
はい。要介護1から要介護5まで、それぞれ異なる月あたりの回数が告示で定められています。具体的な数値は最新の告示と保険者の案内で確認してください。
まとめ
  • 訪問回数の多いケアプランの届出は、生活援助中心型が基準回数を超える場合に市町村へ届け出る仕組み。
  • 回数を制限する制度ではない。必要な支援なら届け出たうえで位置づければよい。
  • 届出の要否から逆算してプランを作らない。アセスメントの結果として必要な回数を出すのが正しい順序。
  • 検証で問われるのは「なぜ本人にできないか」「なぜ家族にできないか」「他の手段を検討したか」の3点。
  • 基準回数は要介護度ごとに告示で定められている。数値と届出様式は保険者で必ず確認する。

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