セルフケアプランとは|手続きと相談を受けたときの対応

「自分でケアプランを作りたいと言われたら、どう答えればいい?」——セルフケアプラン(自己作成)は制度上認められた方法ですが、実務では戸惑う場面も多い相談です。
この記事では、セルフケアプランの仕組みと手続き、相談を受けたときのケアマネの対応を整理しました。
- セルフケアプラン(自己作成)とは何か
- 利用者が自分で行う手続きと、市町村の関わり
- メリットと、実際に大変になりやすい点
- 相談を受けたときのケアマネの対応
- セルフから居宅介護支援に切り替えるときの流れ
セルフケアプランとは
セルフケアプランは、利用者本人(または家族)が居宅サービス計画を作成し、市町村に届け出てサービスを利用する方法です。介護保険法上、ケアプランは必ずしもケアマネが作らなければならないものではありません。
| 項目 | 居宅介護支援(ケアマネ作成) | セルフケアプラン(自己作成) |
|---|---|---|
| 計画を作る人 | 介護支援専門員 | 利用者本人・家族 |
| 利用者負担 | なし(全額保険給付) | なし(計画作成に費用はかからない) |
| 給付管理 | 居宅介護支援事業所 | 市町村 |
| 市町村への届出 | 居宅サービス計画作成依頼(変更)届出書 | 自己作成の届出と、毎月の書類提出 |
| サービス事業所との調整 | ケアマネが行う | 利用者本人が行う |
ケアプランの基本はケアプランとは?わかりやすく解説でも確認できます。
新人自分で作れるなら、費用が浮くということですか?
先輩いいえ。ケアマネが作る居宅介護支援も、利用者負担はゼロなの。だから「費用の節約」が目的なら、セルフにする理由はないのよ。
手続きの流れ
- 市町村の窓口に相談する自己作成を希望する旨を伝え、様式や手続きの説明を受けます。
- 届出書を提出する居宅サービス計画を自己作成する旨の届出を行います。
- ケアプランを作成する第1表から第3表、週間サービス計画表などを作成し、市町村に確認を受けます。
- サービス事業所と契約する利用者自身が事業所を探し、日程や内容を調整します。
- 毎月の書類を提出する利用票・提供票などを作成し、市町村に提出します(給付管理は市町村が行います)。
メリットと大変になりやすい点
| メリット | 大変になりやすい点 |
|---|---|
| 自分の希望を直接、計画に反映できる | 毎月の書類作成と提出が続く |
| サービス事業所を自分で選べる | 事業所探し・日程調整をすべて自分で行う |
| 制度への理解が深まる | 限度額の管理を誤ると自己負担が生じる |
| ケアマネとの相性に悩まない | 入院・状態変化などの急な調整を一人で担う |
相談を受けたときのケアマネの対応
1. 希望の背景を聞く
「自分で作りたい」の裏には、前の担当者との関係、支援への不信、制度への関心、費用の誤解など、さまざまな理由があります。まずは理由を丁寧に聞きましょう。費用の誤解であれば、居宅介護支援に利用者負担がないことを伝えるだけで解決することもあります。
2. 選択を尊重する
自己作成は制度上認められた権利です。引き止めるのではなく、正確な情報を伝えたうえで選んでもらうのが基本姿勢です。
3. 手続きの窓口を案内する
自己作成の手続きは市町村ごとに運用が異なります。地域包括支援センターや市町村の介護保険担当窓口を案内します。
4. 戻ってこられることを伝える
途中で負担が大きくなった場合、居宅介護支援に切り替えることができます。「いつでも相談していい」と伝えておくと、行き詰まったときに早く相談してもらえます。
新人断られた気がして、少し落ち込みそうです。
先輩「ケアマネが不要」と言われたわけではないの。自分で決めたい気持ちを尊重しつつ、困ったときの窓口として覚えておいてもらえれば十分よ。
セルフから居宅介護支援に切り替えるとき
- 市町村に「居宅サービス計画作成依頼(変更)届出書」を提出してもらう
- 切り替えの月をはっきりさせ、給付管理の重複や抜けを防ぐ
- それまでの計画・利用票を見せてもらい、現在のサービス内容を確認する
- 改めてアセスメントを行い、居宅サービス計画を作成する
月の途中での切り替えは、給付管理が複雑になります。可能であれば月単位での切り替えを市町村と調整しましょう。事業所の役割は居宅介護支援事業所とはで確認できます。
向いている人・慎重に考えたい人
| 比較的続けやすい人 | 慎重に考えたい人 |
|---|---|
| 制度やサービスの仕組みを理解している | 制度の知識がこれからの人 |
| 書類の作成・提出を毎月続けられる | 書類の管理が負担になりやすい |
| 利用するサービスの種類が少なく、変動も少ない | 複数のサービスを組み合わせ、変更が多い |
| 支援者が他にもいる(家族・地域) | 独居で、緊急時に相談できる人が少ない |
| 状態が安定している | 状態の変化が大きく、調整が頻繁に必要 |
とくに状態が変わりやすい人と、複数のサービスを使う人は、調整の負担が急に大きくなります。「今は自分でできる」場合でも、体調が崩れたときに誰が手続きを担うかを、あらかじめ話し合っておくと安心です。
ケアマネが伝えておきたい3つの情報
- 費用:居宅介護支援に利用者負担はなく、自己作成にしても費用は変わらない
- 手続き:毎月の書類提出が必要で、市町村ごとに様式や締切が異なる
- 切り替え:途中で居宅介護支援に戻せる。困ったら早めに相談してよい
この3点を最初に伝えておくと、あとから「知らなかった」という行き違いを防げます。
市町村によって運用が違う点
セルフケアプランは法令で認められた仕組みですが、実際の運用は市町村ごとに異なります。相談を受けたときは、次の点を窓口で確認してもらいましょう。
- 使用する様式(市町村独自の様式がある場合が多い)
- 毎月の書類の提出期限と、提出の方法(持参・郵送・電子)
- 計画の内容について、事前に確認や助言を受ける仕組みがあるか
- 限度額の管理を市町村がどこまで確認してくれるか
同じ都道府県内でも扱いが違うことがあります。「前に住んでいた市ではこうだった」という情報が当てはまらない点にも注意が必要です。
よくある質問(FAQ)
セルフケアプランにすると費用は安くなりますか?
誰でも自己作成できますか?
家族が作成してもよいですか?
途中でケアマネに依頼し直せますか?
ケアマネとして引き止めるべきですか?
- セルフケアプランは、利用者や家族が計画を作り、市町村に届け出て利用する方法
- 居宅介護支援も利用者負担はゼロなので、「費用の節約」は自己作成の理由にならない
- 毎月の書類提出、事業所との調整、限度額の管理をすべて自分で行う必要がある
- 相談を受けたら、希望の背景を聞き、正確な情報を伝えて選択を尊重する
- 途中から居宅介護支援に切り替えられることを伝えておくと、行き詰まる前に相談してもらえる
















