介護福祉士になるには何が必要?3ルートと実務経験

「介護福祉士になるには、何が必要なのか」——働きながら目指せるのか、学校に通う必要があるのか。同じ資格でも、今どの立場にいるかで進む道が変わります。
この記事では、資格を取る3つのルートと、実務経験ルートで必要になるものを整理しました。
- 介護福祉士になるための3つのルート
- 実務経験「3年」の正確な数え方
- 実務者研修の内容と費用の目安
- 国家試験の概要と、2026年からの新しい仕組み
- 働きながら目指すときの進め方
介護福祉士になるには何が必要か|3つのルート
介護福祉士は国家資格です。受験資格を得る道は、大きく3つに分かれます。
| ルート | 必要なこと | 向いている人 |
|---|---|---|
| 実務経験ルート | 実務経験3年以上+実務者研修の修了 | すでに介護の現場で働いている人 |
| 養成施設ルート | 介護福祉士養成施設(2年以上)を卒業 | 高校卒業後に進学する人、学び直す人 |
| 福祉系高校ルート | 福祉系の高校で定められた科目を修めて卒業 | 高校進学の段階から目指す人 |
現場で働いている人のほとんどは、実務経験ルートを通ります。以下はこのルートを中心に説明します。
新人働きながら取れるのはありがたいです。
先輩そうね。ただ「3年働けば受けられる」と思っていると足をすくわれるわ。実務者研修の修了が必要だし、3年の数え方にも決まりがあるの。早めに段取りを組んでおくといいわよ。
実務経験「3年」の数え方
ここを誤解して、受験の年に慌てる人が多くいます。必要なのは次の2つをどちらも満たすことです。
- 従事期間が3年(1,095日)以上:在籍している期間の長さ
- 従事日数が540日以上:実際に働いた日数
つまり、在籍が3年あっても、勤務日数が足りなければ受験できません。パートや短時間勤務の人は、とくに注意が必要です。複数の事業所での経験を合算できる場合もあるため、勤務先ごとに証明書が必要になります。
実務者研修とは
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 位置づけ | 実務経験ルートで受験するために修了が必要 |
| 受講の条件 | とくになし。無資格でも受講できる |
| 学ぶ内容 | 介護の基本、こころとからだのしくみ、医療的ケアなど |
| 時間数 | 450時間程度。すでに持つ資格に応じて一部が免除される |
| 費用の目安 | 無資格からで10万〜20万円程度。初任者研修修了者は軽減される |
通信と通学を組み合わせた形が一般的で、働きながら受講できる設計になっています。ただし、医療的ケアの演習など、通学が必要な日程があります。
費用は、職場の補助や、雇用保険の教育訓練給付の対象になる場合があります。申し込む前に、使える制度を確認してください。
国家試験の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施の時期 | 年1回、例年1月に筆記試験 |
| 出題の科目 | 人間の尊厳と自立、社会の理解、こころとからだのしくみ、認知症の理解、障害の理解、医療的ケア、介護の基本、生活支援技術、介護過程、総合問題など |
| 合格発表 | 例年3月 |
| 合格後 | 登録して初めて「介護福祉士」を名乗れる |
2026年1月の試験から「パート合格」が導入された
第38回(2026年1月実施)から、試験を複数のパートに分けて受ける仕組みが導入されました。科目群ごとに合否を判定し、合格したパートを次回に持ち越せるという考え方です。
働きながら受験する人にとっては、一度にすべてを仕上げなくてよくなるという点で負担が下がります。詳細な運用は年度によって変わる可能性があるため、受験の手引きで確認してください。
新人養成施設を出た場合は、試験を受けなくてよいと聞きました。
先輩その話には経過措置が関わっているの。養成施設の卒業者の扱いは、期限が延長されたり見直されたりを繰り返してきた部分よ。進学を考えているなら、その年度の最新の扱いを学校と試験センターの両方で確認してね。
働きながら目指す進め方
- 実務経験の見込みを計算する入職日と勤務日数から、いつ要件を満たすかを逆算します。
- 実務者研修の受講時期を決める受験する年度に間に合うよう、前年のうちに申し込みます。
- 職場に相談する費用の補助、シフトの調整、実務経験証明書の発行を依頼します。
- 受験の手引きを取り寄せる例年、夏ごろに申し込みの期間があります。
- 過去問で傾向をつかむ範囲が広いため、早めに出題の形式に慣れておきます。
とくに注意したいのは、実務経験証明書は勤務先に書いてもらう書類だという点です。退職した事業所の分も必要になるため、早めに依頼しましょう。
介護福祉士を取るとどう変わるか
- 資格手当がつく職場が多い:金額は職場によって差がある
- 任される役割が広がる:リーダー、指導担当、サービス提供責任者など
- 転職で選択肢が増える:応募の条件になっている求人がある
- 次の資格につながる:一定の実務経験を経て、ケアマネの受験資格に結びつく
- 加算の要件に関わる:職員の配置に関する加算で、有資格者の人数が問われる場面がある
ケアマネを視野に入れる場合の流れはケアマネになるには?で解説しています。ケアマネとの役割の違いはケアマネと介護福祉士の違いで整理しました。
費用と期間の目安
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 実務者研修 | 10万〜20万円程度(保有資格により軽減) |
| 受験手数料 | 1万数千円程度 |
| 登録の手数料 | 登録免許税と手数料が必要 |
| 教材・模試 | 数千円から数万円 |
| 期間 | 実務経験ルートで、働き始めてからおよそ3〜4年 |
参考:受験資格の要件、試験の形式、養成施設卒業者の扱いは変更されることがあります。申し込みの前に、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターの公式案内で最新の内容を確認してください。
よくある質問(FAQ)
介護福祉士になるには何年かかりますか?
無資格から目指せますか?
パートでも実務経験に数えられますか?
実務者研修は働きながら受けられますか?
複数の職場の経験を合算できますか?
- ルートは「実務経験」「養成施設」「福祉系高校」の3つ。現場で働く人は実務経験ルートが基本
- 実務経験は、従事期間3年以上と従事日数540日以上の両方を満たす必要がある
- 実務経験ルートでは、実務者研修の修了が必須
- 2026年1月の第38回試験から、パート合格の仕組みが導入された
- 実務経験証明書は勤務先に依頼する書類。退職先の分も早めに動く
















