介護施設はどこが安い？料金比較をわかりやすく解説

介護が必要になったとき、多くの人が直面するのが「介護施設の料金」の問題です。施設の種類によって費用は大きく異なり、月額10万円程度から30万円以上かかるケースまでさまざまです。

「介護施設はどこが一番安いの？」「費用を抑えるにはどうすればいい？」と疑問を持つご家族も多いでしょう。

この記事では、介護施設ごとの料金相場を比較し、安く利用できる施設の種類や費用を抑えるポイントをわかりやすく解説します。介護施設選びで失敗しないために、ぜひ参考にしてください。

介護施設の料金はなぜ違うのか？

介護施設の料金は、以下の要素によって大きく変わります。

• 施設の種類（公的施設か民間施設か）
• 介護度（要介護度が高いほど介護費用が増える）
• 居住費・食費（個室か多床室か、食事提供の有無など）
• 地域差（都市部ほど家賃・人件費が高くなる）
• オプションサービス（レクリエーション、医療体制など）

このため、「どの施設が安いのか？」を判断するには、サービス内容と料金を総合的に比較することが重要です。

介護施設の種類と料金比較

ここでは代表的な介護施設について、料金の安い順に相場を紹介します。

1. 特別養護老人ホーム（特養）

• 特徴：要介護3以上で入居可。公的施設で費用が安い。
• 料金相場：月額 8万〜15万円程度
• 安さの理由：公的補助があり、居住費・食費が比較的安価。
• 注意点：入居待機者が多く、すぐに入れないことも多い。

2. 介護老人保健施設（老健）

• 特徴：リハビリを中心に、在宅復帰を目指す施設。医師や看護師が常駐。
• 料金相場：月額 10万〜18万円程度
• 安さの理由：医療保険と介護保険の制度下で運営。
• 注意点：長期入居は想定されておらず、原則3か月ごとに退所を検討される。

3. ケアハウス（軽費老人ホーム）

• 特徴：自立や軽度の介護が必要な高齢者向け。生活支援が中心。
• 料金相場：月額 10万〜15万円程度
• 安さの理由：公的支援を受けて運営しているケースが多い。
• 注意点：介護サービスは外部から導入する必要がある。

4. サービス付き高齢者向け住宅（サ高住）

• 特徴：高齢者向けの賃貸住宅に安否確認や生活支援サービスを付与。
• 料金相場：月額 12万〜20万円程度
• 安さの理由：家賃＋サービス料でシンプルな仕組み。
• 注意点：介護サービスは外部の訪問介護等を利用する必要がある。

5. 住宅型有料老人ホーム

• 特徴：生活支援中心。介護サービスは外部から利用。
• 料金相場：月額 15万〜25万円程度
• 注意点：介護が重度になると外部サービス利用料が増えて割高になる可能性。

6. 介護付き有料老人ホーム

• 特徴：施設内に介護スタッフが常駐。要介護者も安心。
• 料金相場：月額 20万〜30万円以上
• 注意点：入居金が数百万円〜数千万円かかる施設もある。

7. グループホーム（認知症対応型共同生活介護）

• 特徴：認知症高齢者が9人以下で共同生活。家庭的な環境。
• 料金相場：月額 15万〜20万円程度
• 注意点：対象が認知症高齢者に限定される。

一番安いのはどの介護施設？

一般的に、特別養護老人ホーム（特養）が最も安いといえます。月額8万〜15万円程度で入居でき、公的施設ならではの低料金が魅力です。

ただし、特養は入居待ちが長期化するケースが多いため、すぐに入れるとは限りません。そのため、老健やサ高住を「つなぎ」として利用しながら特養の空きを待つケースも多く見られます。

介護施設の費用を抑えるポイント

1. 負担限度額認定証を活用

所得に応じて、食費・居住費の自己負担を軽減できる制度があります。低所得者の場合、月数万円単位で費用を抑えられる可能性があります。

2. 高額介護サービス費制度を利用

介護サービスの自己負担額が一定額を超えた場合に払い戻しを受けられる制度です。

3. 公的施設を優先的に検討

特養や老健などの公的施設は、費用が安く抑えられます。民間施設はサービスは充実していますが、料金は高めです。

4. 多床室を選ぶ

個室よりも多床室（相部屋）のほうが居住費が安く設定されています。

5. 入居一時金の有無を確認

有料老人ホームの中には入居一時金が必要な施設もありますが、最近はゼロ円プランも増えています。初期費用を抑えるなら「入居金不要」の施設を選びましょう。

メリット・デメリットで見る料金の安い施設

特養（特別養護老人ホーム）

• メリット：費用が安い、長期入所可能、介護体制が整っている
• デメリット：入居待機者が多い、医療対応が限られる

老健（介護老人保健施設）

• メリット：医療とリハビリに強い、費用も比較的安い
• デメリット：長期利用は難しい

サ高住

• メリット：比較的自由度が高い、料金も中程度
• デメリット：介護サービスを別途契約する必要がある

ケアマネジャーの視点

介護施設の料金は単に「安いか高いか」で判断するのではなく、本人の状態や家族の希望に合っているかどうかを軸に考える必要があります。

例えば、「認知症が進んでいる方はグループホーム」「医療依存度が高い方は老健」「費用を抑えたい方は特養」といったように、状態に合った選択をすることが大切です。

よくある質問（Q&A）

Q：特養は本当に安いのですか？
A：はい。公的施設のため費用は最も安い部類です。ただし入居待機が課題です。

Q：有料老人ホームはなぜ高いのですか？
A：職員配置やサービス内容が手厚く、設備も充実しているため、費用が高くなります。

Q：費用が高くて払えない場合はどうすれば？
A：負担限度額認定制度や高額介護サービス費制度を活用しましょう。

まとめ

介護施設の料金は種類によって大きく異なります。

• 最も安いのは特養（8万〜15万円程度）
• 老健は10万〜18万円程度、医療やリハビリに強い
• サ高住や住宅型有料老人ホームは15万〜25万円程度
• 介護付き有料老人ホームは20万〜30万円以上と高額

費用だけでなく、本人の介護度・医療ニーズ・生活スタイルを考慮して選ぶことが大切です。公的制度をうまく活用し、安心して利用できる施設を選びましょう。