夜間対応型訪問介護とは?わかりやすく解説

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高齢者の在宅介護では、日中だけでなく夜間の介護が必要となる場面も少なくありません。特に一人暮らしや、家族が共働きで夜間に介護できない場合には、不安やリスクが大きくなります。

そのようなニーズに対応するために設けられているのが「夜間対応型訪問介護」です。

夜間や深夜の時間帯に訪問介護員(ホームヘルパー)が利用者宅を訪問し、排泄介助や安否確認、緊急時の対応を行うことができます。

この記事では、夜間対応型訪問介護の定義、対象者、サービス内容、利用方法、費用、メリット・デメリット、通常の訪問介護との違いをわかりやすく解説します。

目次

夜間対応型訪問介護とは?

定義

夜間対応型訪問介護とは、介護保険制度に基づく地域密着型サービスのひとつで、夜間や深夜に訪問介護員が利用者宅を訪問し、介護や生活支援を行うサービスです。

通常の訪問介護は早朝〜夜間までの提供が多いですが、夜間対応型はさらに深夜帯(おおむね18時〜翌8時)に特化しています。

特徴

  • 対象は要介護1以上の人
  • 市区町村ごとに指定された事業所が運営
  • 定期的な巡回訪問と随時対応が可能
  • 緊急コール端末を利用し、必要時にヘルパーが訪問

対象となる利用者

夜間対応型訪問介護を利用できるのは、以下の条件を満たす方です。

  • 要介護1〜5の認定を受けている人
  • 夜間や深夜に介護が必要な人
  • 在宅での生活を継続したい人

利用が想定されるケース

  • 夜間に頻回な排泄介助が必要な人
  • 一人暮らしで夜間の安否確認が必要な人
  • 認知症により夜間の徘徊や不安が強い人
  • 家族が夜間は介護できず、安心して休みたい場合

サービス内容

夜間対応型訪問介護では、利用者の状態に応じて次のような支援が提供されます。

1. 定期巡回

  • 夜間にあらかじめ決められた時間に訪問
  • 排泄介助、体位変換、水分補給などを行う

2. 随時対応

  • 利用者に貸与された緊急通報装置からのコールに応じて訪問
  • 体調急変時や転倒時の対応
  • 必要に応じて救急要請や医療機関との連携

3. 身体介護

  • 排泄介助(トイレ誘導・オムツ交換)
  • 体位変換
  • 清拭や更衣介助

4. 生活援助(必要最小限)

  • 水分補給の準備
  • 軽度の家事援助(夜間安全確保に関連するもの)

通常の訪問介護との違い

項目通常の訪問介護夜間対応型訪問介護
提供時間早朝〜夜間(6〜22時程度が多い)夜間・深夜(18〜翌8時)
サービス内容身体介護・生活援助夜間中心の巡回・緊急対応
対象者要介護1〜5要介護1〜5(夜間に支援が必要な人)
仕組みケアプランに沿った定期訪問定期巡回+緊急コールによる随時対応

利用までの流れ

  1. ケアマネジャーに相談
     夜間の介護が必要であることを伝える。
  2. 事業所の確認
     住んでいる市区町村で夜間対応型訪問介護を提供しているか確認。
  3. ケアプラン作成
     ケアマネジャーが必要性を判断し、ケアプランに位置づける。
  4. 契約・利用開始
     緊急通報装置を設置し、定期訪問や随時対応がスタート。

利用費用の目安

夜間対応型訪問介護の費用は、介護保険が適用され、自己負担は原則1〜3割です。

基本料金(1割負担の場合の目安)

  • 定期巡回(1回):約400〜600円
  • 随時訪問(1回):約500〜800円
  • 随時対応(電話相談のみ):約100円

別途かかる費用

  • 緊急通報装置の設置費用(自治体によっては公費負担あり)
  • 交通費(遠方の場合)

1か月あたり約5,000〜15,000円程度が一般的ですが、利用回数や地域によって差があります。

夜間対応型訪問介護のメリット

  1. 夜間の安心感が高まる
     独居高齢者や夜間介護が必要な人にとって、見守りや介助が得られる。
  2. 緊急時にも対応できる
     急な体調変化や転倒などに即応できる。
  3. 家族の負担軽減
     介護家族が夜間も安心して眠れるようになる。
  4. 在宅生活の継続が可能
     入所や入院を避け、自宅で暮らし続けられる。

デメリット・注意点

  1. 事業所が少ない
     地域によっては夜間対応型訪問介護を提供していない場合がある。
  2. 費用が割高になることもある
     通常の訪問介護に比べ、夜間手当や機器利用料で高くなるケースがある。
  3. 医療対応には限界がある
     看護師が常駐しているわけではなく、医療行為はできない。
  4. 対象地域が限定される
     地域密着型サービスのため、住民票がある市区町村内でしか利用できない。

ケアマネジャーの視点

  • 夜間対応が必要かどうか、利用者・家族の生活リズムを踏まえて判断する。
  • 緊急通報装置の設置が必要なため、家族への説明が重要。
  • 他サービス(訪問看護や定期巡回・随時対応型訪問介護)との違いを整理して案内することが求められる。

よくある質問(Q&A)

Q:夜間対応型訪問介護は要支援でも利用できますか?
A:いいえ。対象は要介護1以上の方です。

Q:夜間対応中に救急搬送が必要になった場合は?
A:ヘルパーが救急要請を行い、必要に応じて家族や主治医に連絡します。

Q:緊急通報装置は誰が設置しますか?
A:事業所や委託業者が設置を行います。自治体によって費用助成がある場合があります。

まとめ

夜間対応型訪問介護とは、夜間や深夜に訪問介護員が利用者宅を訪問し、定期的な介助や緊急時対応を行う地域密着型サービスです。

  • 対象は要介護1〜5の人
  • サービス内容は定期巡回、随時対応、身体介護など
  • 利用にはケアマネジャーへの相談とケアプラン作成が必要
  • 1か月あたりの費用は5,000〜15,000円前後
  • 夜間の安心感と在宅生活の継続に大きく貢献

ただし、事業所数が少なく利用できない地域もあるため、早めに情報収集することが大切です。

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