特定福祉用具販売とは?対象用具・年間10万円の上限と流れ

「ポータブルトイレやシャワーチェアは、介護保険で買えるの?」「福祉用具の購入に、いくらまで介護保険が使える?」。在宅での介護で、排泄や入浴に使う用具をそろえるときに知っておきたいのが、特定福祉用具販売です。
特定福祉用具販売は、レンタルに向かない福祉用具を、1年間に10万円まで介護保険を使って購入できる制度です。この記事では、対象になる用具、対象者、費用と上限、購入から払い戻しまでの流れ、レンタルとの違い、注意点を解説します。
- 特定福祉用具販売とはどんな制度か
- 特定福祉用具販売の対象になる用具
- 対象になる人と、年間10万円の上限の仕組み
- 購入から払い戻しまでの流れ
- レンタルとの違い、貸与と購入を選べる用具、注意点
特定福祉用具販売とは?
特定福祉用具販売とは、排泄や入浴に使うなど、ほかの人との使い回しに向かない福祉用具を、介護保険を使って購入できるサービスです。
介護保険の福祉用具は、基本はレンタル(福祉用具貸与)ですが、肌に直接触れる用具や、衛生面でレンタルに向かない用具は、新品を購入して自分専用で使えるようになっています。
新人レンタルと購入は、なぜ分かれているんですか?
先輩ポイントは衛生面よ。排泄や入浴に使うものは、ほかの人と使い回すのに向かないから、購入できる仕組みになっているの。
特定福祉用具販売の対象になる用具
| 種目 | 主な内容 |
|---|---|
| 腰掛便座 | ポータブルトイレ、和式便器の上に置いて洋式にする便座、補高便座、立ち上がりを補助する便座 |
| 自動排泄処理装置の交換可能部品 | 尿や便を吸引する装置のうち、レシーバーやチューブなど交換できる部品 |
| 排泄予測支援機器 | 膀胱の尿のたまり具合を感知し、トイレに行くタイミングを知らせる機器 |
| 入浴補助用具 | 入浴用いす、浴槽用手すり、浴槽内いす、入浴台、浴室内すのこ、浴槽内すのこ、入浴用介助ベルト |
| 簡易浴槽 | 空気式や折りたたみ式など、工事をせずに使える浴槽 |
| 移動用リフトのつり具の部分 | 体をつり上げるときに使うスリングシートなど |
貸与と購入を選べる用具
2024年4月からは、固定用スロープ、歩行器(歩行車を除く)、単点杖(松葉づえを除く)、多点杖について、レンタルと購入のどちらかを選べるようになりました。購入を選んだ場合は、特定福祉用具販売として扱われます。
対象になる人と、年間10万円の上限の仕組み
- 要支援1・2、または要介護1〜5の認定を受けている人
- 自宅などで生活している人(施設に入所している人は対象外)
介護保険の対象になるのは、毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間で、購入費10万円までです。そのうち自己負担は1〜3割で、10万円を超えた分は全額自己負担になります。
| 購入した用具(例) | 購入額 | 自己負担(1割の場合) |
|---|---|---|
| ポータブルトイレ | 3万円 | 3,000円 |
| シャワーチェア | 2万円 | 2,000円 |
| 浴槽用手すり | 1.5万円 | 1,500円 |
| 合計 | 6.5万円 | 6,500円 |
購入から払い戻しまでの流れ
- ケアマネに相談する必要な用具と、本人の状態に合うかを相談します。
- 指定を受けた事業所で選ぶ福祉用具専門相談員から説明を受け、用具を選びます。
- 購入する償還払いの場合は、いったん全額を払います。
- 市区町村に支給を申請する領収書やカタログなどの書類を提出します。
- 払い戻しを受ける保険給付の分が、後日振り込まれます。
自治体によっては、最初から自己負担分だけを払う受領委任払いを選べる場合があります。
レンタル(福祉用具貸与)との違い
| 項目 | 特定福祉用具販売 | 福祉用具貸与 |
|---|---|---|
| 利用の形 | 購入して自分の物になる | 月額料金で借りる |
| 主な用具 | ポータブルトイレ、入浴補助用具など | 車いす、介護用ベッド、歩行器など |
| 費用の上限 | 年間10万円の別の枠 | 1か月の支給限度額に含まれる |
| 状態の変化への対応 | 買い替えが必要 | 交換や返却ができる |
新人同じシャワーチェアを、もう1つ買うことはできますか?
先輩同じ種目の用具は、原則として1年度に1つまでなの。壊れてしまった場合や、状態が変わって別の種類が必要になった場合などは、例外として認められることがあるから、ケアマネに相談してね。
特定福祉用具を選ぶときのポイント
- 本人の体に合っているか:座面の高さ、ひじ掛けの有無、体を支える力に合うかを確認する
- 使う場所に置けるか:浴室やトイレ、寝室の広さに合う大きさかを確認する
- 介助する人が使いやすいか:家族やヘルパーが介助しやすい形かどうかも考える
- お手入れがしやすいか:排泄や入浴に使うため、洗いやすさや乾きやすさも大切
購入した用具は、原則として返品や交換ができません。福祉用具専門相談員に実物を見せてもらい、本人に試してもらってから決めましょう。
よくある質問(FAQ)
10万円の枠は、翌年に繰り越せますか?
特定福祉用具の購入費は、支給限度額に含まれますか?
入院中に、退院後に使う用具を買えますか?
要支援でも特定福祉用具を購入できますか?
購入したポータブルトイレが合わなかった場合はどうなりますか?
シャワーチェアは、どんな種類を選べばいいですか?
特定福祉用具の購入は、ケアプランに書く必要がありますか?
受領委任払いと償還払いは、どちらを選べばいいですか?
- 特定福祉用具販売は、排泄や入浴に使うなどレンタルに向かない福祉用具を、介護保険を使って購入できる制度
- 対象は、腰掛便座、自動排泄処理装置の交換可能部品、排泄予測支援機器、入浴補助用具、簡易浴槽、移動用リフトのつり具
- 2024年4月から、固定用スロープや歩行器、杖は、レンタルと購入を選べる
- 1年間に購入費10万円までが介護保険の対象で、自己負担は1〜3割
- 指定を受けた事業所で購入し、市区町村に申請して払い戻しを受ける
















