在宅介護におけるインフォーマルサービスとは?分かりやすく解説

在宅介護の現場で、よく耳にするようになった「インフォーマルサービス」という言葉。介護保険サービスとは異なり、家族や地域、民間団体などが提供する“制度外”の支援を指します。
制度の枠にとらわれない柔軟な支援ができる一方で、その役割を正しく理解していないと、ケアプランに反映しにくいこともあります。この記事では、インフォーマルサービスの意味・具体例・ケアプランへの活かし方を、わかりやすく解説します。
- インフォーマルサービスとは何か(フォーマルとの違い)
- インフォーマルサービスの具体例
- 在宅介護でインフォーマルサービスが重要な理由
- ケアプランに活かすポイントと記載例
- 活用するときの注意点

インフォーマルサービスって、具体的にはどんな支援を指すんでしょう?

介護保険「以外」の支援のことよ。家族や近所の助け合い、ボランティア、民間サービスなどね。在宅生活を支える大事な要素なの。
インフォーマルサービスとは
インフォーマルサービスとは、介護保険制度などの公的サービス(フォーマルサービス)以外の支援を指します。家族や近隣住民による助け合い、地域のボランティア活動、民間企業やNPOが提供するサービスなどが含まれます。
| 項目 | フォーマルサービス | インフォーマルサービス |
|---|---|---|
| 提供主体 | 介護保険サービス事業者など | 家族・近隣・ボランティア・民間企業など |
| 制度上の位置づけ | 介護保険制度にもとづく | 制度外の支援 |
| 特徴 | 内容・基準が定められ、安定している | 柔軟だが、質や継続性にばらつきがある |
| 費用 | 原則1〜3割の自己負担 | 無償の場合も、有償の場合もある |
インフォーマルサービスは、必ずしも“無償”とは限りません。利用者が自費で受ける有償のサービスも含まれます。
インフォーマルサービスの具体例
| 種別 | 内容の例 |
|---|---|
| 家族・親族による支援 | 食事の準備、買い物、通院の付き添いなど |
| 近隣・地域住民の助け合い | ゴミ出し、見守り、声かけなど |
| ボランティア活動 | 配食、サロン活動、話し相手、見守り訪問など |
| 自治体のサービス | 高齢者向けの配食・見守りサービスなど |
| 民間サービス | 家事代行、宅配弁当、民間の通院送迎、見守りシステムなど |
たとえば、地域の自治会や民生委員による見守り訪問は、孤立予防や虐待の早期発見にもつながります。自治体の配食サービスは、栄養の確保と安否確認を兼ねた支援として広く利用されています。
在宅介護でインフォーマルサービスが重要な理由
制度では対応できない“隙間”を補える
介護保険サービスには、時間・回数・提供内容に制限があり、「ここまでは対応できない」という場面があります。インフォーマルサービスは、そうした制度の隙間を補う柔軟な支援として機能します。デイサービスの時間外の外出、急な買い物の付き添い、宅配便の受け取りなど、細かな生活支援に役立ちます。
地域包括ケアシステムの一翼を担う
高齢化が進むなか、制度だけでは支えきれないケースが増えています。各自治体が進める「地域包括ケアシステム」では、インフォーマルサービスが重要な構成要素として位置づけられています。社会的孤立や認知症高齢者の見守りなど、フォーマルな介護だけでは対応しきれない課題を、地域の支え合いが補っています。
インフォーマルサービスをケアプランに活かすポイント

インフォーマルサービスは、ケアプランに書いてもいいんですか?

むしろ書くべきよ。支援の全体像を示すために、介護保険外の支援もケアプランに位置づけるの。
- 地域資源を「見える化」しておく地域にどんなインフォーマル資源があるかを事前に把握します。地域包括支援センター・自治会・NPO・民間サービスとのつながりを築き、情報を整理しておきます。
- ケアプランに“サービス外支援”も明記するインフォーマルサービスは介護給付の対象外ですが、支援体制としては重要です。ケアプランに具体的に記載し、支援の全体像が見えるようにします。
「週3回、自治体の配食サービスを利用」「通院時は長男が送迎(週1回)」「近隣住民がゴミ出しを補助」など、誰が・どんな支援を・どれくらい行うかを具体的に記載します。
インフォーマルサービスを活用するときの注意点
支援の質や継続性にばらつきがあります。制度にもとづくサービスではないため、内容のばらつきや急な中止が起こることもあります。また、「無料だから」「地域でやってもらえるから」と期待しすぎると、支援者側の負担やトラブルの原因になります。インフォーマルサービスは「補完的な支援」であることを、利用者・家族に理解してもらいましょう。
必要に応じてフォーマルサービスと併用し、インフォーマルサービスが中止になっても生活が成り立つよう、支援体制を組み立てることが大切です。
インフォーマルサービスを活かした在宅支援の例
たとえば、独居で要介護2の利用者を支える場合を考えてみましょう。訪問介護(フォーマルサービス)で身体介護と一部の生活援助を行いつつ、足りない部分をインフォーマルサービスで補うことができます。
具体的には、ゴミ出しは近隣住民が、配食は自治体の見守り配食サービスが、通院の付き添いは別居の家族が担う——といった組み合わせです。このようにフォーマルとインフォーマルを組み合わせることで、限られた介護保険のサービス量でも、利用者の在宅生活をより手厚く、その人らしく支えることができます。ケアマネには、両者をバランスよく組み立てる視点が求められます。
よくある質問(FAQ)
インフォーマルサービスは無料ですか?
無料とは限りません。家族や近隣の助け合いは無償ですが、民間の家事代行や配食サービスなどは有償です。インフォーマルサービスには、無償・有償の両方が含まれます。
インフォーマルサービスはケアプランに書く必要がありますか?
介護給付の対象外ですが、支援の全体像を示すためにケアプランに記載することが望ましいです。誰がどんな支援を行うかを具体的に書き、フォーマルサービスとあわせて支援体制を整理します。
地域のインフォーマル資源は、どうやって調べればよいですか?
地域包括支援センターが、地域の社会資源の情報を持っています。自治会・民生委員・NPO・社会福祉協議会などとつながりを持ち、日頃から情報を収集・整理しておきましょう。
まとめ|地域・家族・民間で支える「補完的な支援」
インフォーマルサービスは、介護保険の枠組みでは対応できない生活支援や見守り、地域のつながりを支える大切な仕組みです。制度に依存せず、地域・家族・民間がそれぞれの立場で支えることで、在宅生活の安心感が高まります。
- インフォーマルサービスは介護保険以外の制度外の支援
- 家族・近隣・ボランティア・自治体・民間サービスなどが含まれる(無償・有償の両方)
- 制度の隙間を補い、地域包括ケアシステムの一翼を担う
- ケアプランに具体的に記載し、支援の全体像を見えるようにする
- 質や継続性にばらつきがあるため、過度な期待は避け、フォーマルサービスと併用する
ケアマネジャーには、地域資源の情報収集と「見える化」、そしてケアプランへの適切な反映が求められます。インフォーマルサービスをうまく活用し、個別性が高く持続可能な在宅介護を実現しましょう。
















