介護施設の外泊に許可は必要?手続き・費用・注意点

「施設に入っている親を、正月だけ家に連れて帰りたい」——そう思ったとき、外泊はできるのか、費用はどうなるのか、気になる点が出てきます。
この記事では、介護施設での外泊の手続きと、費用・準備・注意点を整理しました。制度として禁止されているわけではありません。
- 介護施設の外泊に許可が必要かどうか
- 施設の種類による扱いの違い
- 外泊中の費用はどうなるか
- 申し込みから帰所までの流れ
- 持ち帰るもの・帰宅後に気をつけること
介護施設の外泊に許可は必要か
結論として、外泊を禁じる制度はありません。ただし、入所者の安全と施設の体制の都合があるため、事前の申し出と施設側の了解が必要です。多くの施設では「外泊届」などの書類を出す運用になっています。
| 確認すること | 内容 |
|---|---|
| 申し出の期限 | 数日前までに伝える運用が一般的 |
| 日数の上限 | 施設の方針や制度上の扱いにより、一定の日数が目安になる |
| 付き添う人 | 誰が送迎し、誰が自宅で介護するか |
| 健康状態 | 体調が安定しているかを、看護職や医師が確認する |
| 感染症の流行状況 | 流行期は制限されることがある |
「行けるかどうか」ではなく「どう安全に行くか」を相談するという姿勢で話すと、話が進みやすくなります。
新人断られることもあるのでしょうか。
先輩体調が不安定なときや、感染症が流行している時期は控えてくださいと言われることがあるわ。でも、それは禁止ではなく延期の提案。落ち着いたらいつなら行けるか、代わりに面会や外出ならどうかを一緒に考えてもらうといいの。
施設の種類による扱いの違い
| 施設の種類 | 外泊の扱い |
|---|---|
| 特別養護老人ホーム | 可能。制度上、外泊した日数に応じた扱いが決められている |
| 介護老人保健施設 | 可能。在宅復帰を目指す施設のため、試験的な外泊が勧められることもある |
| 介護医療院 | 可能。医療的な管理の状況によって判断される |
| グループホーム | 可能。契約書や重要事項説明書の定めによる |
| 有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅 | 住まいであるため比較的自由。ただし届け出は必要なことが多い |
| ショートステイ(短期入所) | 短期間の預かりが目的のため、期間中の外泊は原則行わない |
とくに老人保健施設では、自宅に戻れるかを確かめるための外泊が計画に組み込まれることがあります。積極的に相談してよい場面です。
外泊中の費用はどうなるか
費用は施設の種類と契約によって異なりますが、考え方の枠組みは共通しています。
- 介護サービス費:外泊した日は、通常の日額とは異なる扱いになります。特養・老健・介護医療院では、部屋を空けておくための費用として、所定の日数まで算定される仕組みがあります
- 食費:食べていない日の食費はかからないのが一般的です
- 居住費(部屋代):部屋を確保しておくため、かかるのが通常です
- その他:おむつ代などの実費は、使わなければかかりません
「外泊したのに、思ったより安くならなかった」という声はよく聞きます。部屋を空けて待っている以上、費用はゼロにはなりません。正確な金額は、施設の相談員に事前に確認してください。
申し込みから帰所までの流れ
- 相談員に希望を伝える日程と行き先、迎えに来る人を伝えます。早めに相談するほど調整しやすくなります。
- 体調の確認を受ける看護職や医師が、外泊してよい状態かを判断します。
- 書類を出す外泊届に、期間・連絡先・付き添う人を記入します。
- 持ち物を受け取る薬、着替え、必要な用具を受け取り、説明を聞きます。
- 自宅で過ごすふだんの生活リズムに近い形で過ごします。
- 帰所して報告する食事量、睡眠、変わった様子を職員に伝えます。
持ち帰るもの・聞いておくこと
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 薬 | いつ・何を・何錠飲むか。飲み忘れたときの対応も聞いておく |
| 食事 | 刻みやとろみなど、形態の指示があるか |
| 水分 | 1日にどれくらい必要か |
| 排泄 | おむつの種類、交換の間隔、トイレ誘導の時間 |
| 移動 | どこまで自分でできるか、どう支えるか |
| 緊急時 | 施設と主治医の連絡先、どんなときに連絡するか |
いちばん多いトラブルは薬の飲み忘れです。1回分ずつ袋に分けてもらうと、家族の負担が減ります。
新人家に帰ったら「もう施設に戻りたくない」と言われそうで不安です。
先輩実際によくあることよ。だから、帰る前から「◯日の何時に戻ろうね」と繰り返し伝えておくの。当日に初めて聞くと、裏切られたように感じてしまうから。戻ったあとで落ち着かない日が続くことも、職員に先に伝えておくと関わり方を工夫してもらえるわ。
自宅で過ごすときの準備
- 寝る場所を決めておく:布団からの起き上がりが難しければ、椅子やソファの活用を考える
- トイレまでの動線を確認する:夜は足元灯をつけ、つまずくものを片づける
- 段差に手すりや台を用意する:短期間なら、レンタルの手すりも検討できる
- 入浴は無理をしない:滑って転ぶ危険がある。清拭で済ませる判断もある
- 人手を確保する:1人で介護しようとせず、家族で分担する
短い期間でも、福祉用具を借りられる場合があります。ケアマネや施設の相談員に早めに相談してください。
帰所後に見ておきたいこと
環境が変わると、高齢者は体調を崩しやすくなります。帰ってきたあと数日は、次の点に注意して様子を見てもらいましょう。
- 食事と水分がとれているか
- 発熱、せき、下痢などの症状が出ていないか
- 転んだり、ぶつけたりしていないか
- 夜眠れているか、落ち着かない様子がないか
- 皮膚に赤みや傷ができていないか
気づいたことは、小さなことでも職員に伝えます。家族しか知らない情報が、その後のケアを変えることがあります。
参考:外泊の日数の上限、費用の扱い、感染症流行時の対応は、施設ごと・時期ごとに異なります。必ず入所している施設の相談員に確認してください。
よくある質問(FAQ)
介護施設の外泊は何日までできますか?
外泊中の費用は安くなりますか?
感染症が流行していると外泊できませんか?
外泊すると認知症が進みませんか?
外泊の希望はいつまでに伝えればよいですか?
- 外泊を禁じる制度はない。事前の申し出と施設の了解があれば可能
- 老人保健施設では、在宅復帰を確かめる外泊が勧められることもある
- 食費はかからないことが多いが、部屋代はかかる。費用はゼロにならない
- まず日帰りの外出から試し、様子を見て泊まりを計画する
- 帰る日時を事前に繰り返し伝え、帰所後は数日間の体調変化を見る
















