訪問看護でできること・できないこと完全ガイド|料金と流れも解説

「訪問看護って結局どこまでやってくれるの?」——点滴や注射、入浴介助、掃除や買い物まで、利用者やご家族からの質問は尽きません。この記事では訪問看護でできること・できないことを一覧で整理し、訪問介護との違いや料金、利用までの流れまで、ケアマネ目線でわかりやすく解説します。サービス調整の判断にそのまま使える内容です。
- 訪問看護で「できること」7分野の具体例
- 訪問看護で「できないこと」と訪問介護との線引き
- 介護保険・医療保険それぞれの料金の目安
- 利用開始までの流れと、ケアマネが押さえる注意点
訪問看護とは?医師の指示で行う在宅の医療・看護サービス
訪問看護とは、主治医が交付する訪問看護指示書に基づき、看護師・保健師などが利用者の自宅を訪問して、療養上の世話や診療の補助を行うサービスです。病院に通うのが難しい人でも、住み慣れた自宅で医療的なケアと健康管理を受けられるのが大きな特徴です。
利用には介護保険か医療保険のいずれかを使います。要支援・要介護認定を受けている人は原則として介護保険が優先され、がん末期や厚生労働大臣が定める疾病等に該当する場合は医療保険の対象になります。
新人訪問看護って、訪問介護とどう違うんですか?名前が似ていて混乱します…。
先輩ざっくり言うとね、医療的ケアは訪問看護、生活援助は訪問介護よ。看護師が来るか、ヘルパーが来るかの違いと覚えるとわかりやすいわ。
訪問看護の利用対象になる人
- 要支援・要介護認定を受け、自宅で療養している人(介護保険)
- がん末期・難病など医療ニーズが高い人(医療保険)
- 退院直後で、点滴・創傷処置など継続的な医療管理が必要な人
- 在宅での看取り(ターミナルケア)を希望する人とその家族
訪問看護で「できること」7分野を具体例で解説
訪問看護でできることは、健康観察から医療処置、終末期ケア、家族支援まで幅広く及びます。ここでは主な7分野に分けて、現場で実際に行われるケアの具体例を紹介します。
1. 健康状態の観察・管理
血圧・体温・脈拍・呼吸などのバイタルチェックを行い、むくみ・発熱・体調変化を継続的に観察します。異変を早期に発見し、主治医へつなぐことで、重症化や入院を防ぐ役割を担います。
2. 医療的処置
- 点滴・注射の実施と管理
- 胃ろう・経鼻栄養の管理
- 褥瘡(床ずれ)の処置
- 在宅酸素療法・人工呼吸器の管理
- 各種カテーテル(尿道カテーテル・気管カニューレ等)の管理
3. 服薬管理
薬の飲み忘れ防止、副作用や効果のチェック、薬の整理・説明を行います。多剤併用(ポリファーマシー)の利用者では、服薬状況を主治医や薬剤師と共有し、安全な服薬につなげます。
4. 療養上の世話
清拭・部分浴(手浴・足浴)、排泄介助、口腔ケア、栄養管理など、療養生活を支えるケアを提供します。これらは「医療的な視点を伴う身体ケア」として行われる点が、訪問介護の生活援助と異なります。
5. リハビリテーション
主治医の指示のもと、関節可動域訓練や筋力低下を防ぐ運動指導、痰の排出を促す呼吸リハビリなどを行います。理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が訪問看護ステーションから訪問するケースもあります。
6. 精神的ケア
認知症の方の不安や混乱への対応、うつ傾向のある方への傾聴・相談支援など、心のケアも訪問看護の大切な役割です。家族の不安にも寄り添います。
7. 終末期(ターミナル)ケア
疼痛コントロールによる苦痛の緩和、在宅での看取りの支援、家族への精神的サポートを行います。自宅で最期まで過ごしたいという希望をかなえる、在宅医療の要となるケアです。
訪問看護で「できないこと」と訪問介護との線引き
訪問看護は「医療・看護」に特化したサービスです。そのため、日常生活全般の家事代行や、医師の指示がない医療行為はできません。利用者やご家族が誤解しやすいポイントなので、最初にしっかり説明しておくとトラブルを防げます。
家事・生活援助はできない
- 掃除・洗濯・買い物代行
- 調理や日常的な食事の準備
- 本人以外(家族)のための家事
介護中心の支援は対象外のことが多い
- 看護的観察を伴わない単なる全身入浴介助
- 外出の付き添い・通院同行(原則)
- 趣味活動やレクリエーションの支援
医師の指示がない医療行為はできない
- 看護師の独自判断による注射や処置
- 処方薬の追加・変更(医師の領域)
- 薬の処方・調剤(医師・薬剤師の領域)、診断行為
新人じゃあ掃除や買い物もお願いしたい場合は、どうすればいいですか?
先輩そこは訪問介護を組み合わせるのよ。医療は訪問看護、生活援助は訪問介護で役割を分けて、ケアプランで両方を位置づけてあげるのがケアマネの腕の見せどころね。
訪問介護と訪問看護の違い早見表
| 項目 | 訪問介護 | 訪問看護 |
|---|---|---|
| 提供者 | ホームヘルパー(介護職員) | 看護師・保健師・准看護師等 |
| 主な目的 | 生活援助・身体介護 | 医療的ケア・健康管理 |
| できること | 食事・排泄・入浴介助、掃除、買い物など | 点滴、服薬管理、褥瘡ケア、在宅酸素など |
| できないこと | 注射・点滴などの医療行為 | 掃除・買い物・調理などの生活援助 |
| 主な保険 | 介護保険 | 介護保険または医療保険 |
訪問看護の料金の目安|介護保険・医療保険別
料金は使う保険と訪問時間によって変わります。あくまで目安ですが、所得に応じて1〜3割の自己負担になります。夜間・早朝・緊急時の訪問には加算がつく点にも注意しましょう。
介護保険で利用する場合(自己負担1割の目安)
| 訪問時間 | 自己負担の目安(1割) |
|---|---|
| 20分未満 | 約300円前後 |
| 30分未満 | 約450円前後 |
| 30分〜1時間未満 | 約820円前後 |
| 1時間〜1時間30分未満 | 約1,120円前後 |
医療保険で利用する場合
医療保険では、訪問看護療養費として算定されます。初回(基本療養費+管理療養費)は高めになり、回数や訪問内容、加算の有無で金額が変動します。負担割合は年齢や所得により1〜3割です。
訪問看護を利用するメリット・デメリット
メリット
- 通院せずに自宅で医療・看護を受けられる安心感
- 体調変化を早期に発見し、主治医と連携して対応できる
- 医療処置を任せられ、家族の介護負担が軽くなる
- 在宅での看取りという希望に応えられる
デメリット・注意点
- 掃除・調理などの生活援助は対象外で、訪問介護との併用が必要
- 保険制度や指示内容によって訪問回数に制限がある
- 医療保険利用時は1回あたりの負担が高くなる場合がある
訪問看護を利用するまでの流れ
- 主治医に相談する訪問看護の必要性を確認し、訪問看護指示書を交付してもらう。
- ケアマネジャーに相談する介護保険を使う場合はケアプランに位置づけ、サービス担当者会議で調整する。
- 訪問看護ステーションと契約する訪問日・回数・ケア内容・緊急時対応の体制を取り決める。
- 利用開始・モニタリング看護師が定期訪問し、必要に応じて緊急対応。状態変化に合わせてプランを見直す。
よくある質問(FAQ)
訪問看護で入浴介助はしてもらえますか?
訪問看護と訪問介護は同時に使えますか?
介護保険と医療保険はどちらが優先されますか?
夜間や緊急時にも来てもらえますか?
- 訪問看護は、医師の指示書に基づき自宅で医療・看護を受けられるサービス。
- できること:健康観察、点滴・注射、褥瘡ケア、在宅酸素、服薬管理、リハビリ、ターミナルケアなど。
- できないこと:掃除・買い物などの生活援助、医師の指示がない医療行為。
- 生活援助は訪問介護、医療ケアは訪問看護。両者を組み合わせれば、自宅でも安心して療養生活を続けられる。
















