運営基準減算の該当項目6つ|居宅介護支援の減算率と防ぎ方

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「運営基準減算って、結局どの項目が対象なの?」——居宅介護支援でもっとも身近な減算でありながら、該当項目を正確に言える人は多くありません。1件でも該当すれば基本報酬が半分、2か月以上続けば算定できなくなる厳しい仕組みです。

この記事では、運営基準減算の該当項目を一つずつ整理し、うっかり該当を防ぐチェックの仕方までまとめました。

この記事でわかること
  • 運営基準減算の減算率と、適用される期間
  • 減算の該当項目(6つのポイント)
  • モニタリングに関する取扱い(居宅訪問とテレビ電話)
  • うっかり該当しやすい場面と防ぎ方
  • 該当してしまったときの対応
目次

運営基準減算とは|減算率と期間

運営基準減算は、居宅介護支援の運営基準(指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準)に定められた手順を踏んでいない場合に、基本報酬が減算される仕組みです。

状況取扱い
該当した月所定単位数の50%を減算
2か月以上続いた場合(状態が解消されない)基本報酬を算定できない
適用される期間該当する状態になった月から、解消された月の前月まで

加算の取り忘れは「もらえたはずの報酬を逃す」だけですが、減算はすでに請求した報酬の返還につながることがあります。優先して押さえるべき論点です。

新人ケアマネ新人

加算より減算を先に確認したほうがいいということですか?

ベテランケアマネ先輩

そうね。減算は運営指導で必ず見られるところだし、返還は事業所の信用にも関わるわ。まずは「毎月の業務の型」に落とし込んでしまうのが一番の対策よ。

運営基準減算の該当項目

1. 提供開始時の説明をしていない

居宅介護支援の提供を始めるとき、利用者に対して複数の居宅サービス事業者等を紹介するよう求めることができることや、その事業所を居宅サービス計画に位置付けた理由を求めることができることを説明していない場合が該当します。契約時の重要事項説明とあわせて、説明した記録を残しましょう。

2. 居宅を訪問して面接していない

居宅サービス計画を新規に作成するとき、変更するときに、利用者の居宅を訪問し、利用者と家族に面接してアセスメントを行っていない場合が該当します。

3. サービス担当者会議を開催していない

計画の新規作成・変更にあたって、サービス担当者会議を開催していない(やむを得ない事情がある場合の照会もしていない)場合が該当します。やむを得ない理由で照会に代えた場合は、その理由の記録が必要です。文例はサービス担当者会議を開催しない理由の例文200事例が参考になります。

4. 計画の説明・同意・交付をしていない

計画の原案について、利用者や家族に説明し、文書で利用者の同意を得て、利用者と担当者に交付していない場合が該当します。「同意は得たが交付が漏れていた」「担当者への交付を忘れていた」というケースが目立ちます。

5. 更新認定・区分変更認定のときに会議を開いていない

要介護更新認定や区分変更認定を受けた場合に、サービス担当者会議を開催して専門的な意見を求めていない場合が該当します。「要介護度が変わらなかったから開催しなかった」は理由になりません

6. モニタリングを行っていない・記録していない

モニタリングは、次のいずれかを満たしていない場合に減算の対象となります。

  • 1か月に1回、利用者の居宅を訪問して面接していない
  • (テレビ電話等を活用する取扱いの場合)2か月に1回の居宅訪問と、訪問しない月のテレビ電話等による面接をしていない
  • モニタリングの結果を記録していない状態が1か月以上続いている

2024年度の改定で、一定の要件を満たす場合にテレビ電話等を活用できる取扱いが設けられました。ただし利用者の同意や、サービス担当者会議での合意など、条件を満たすことが前提です。条件を満たさないまま運用すると減算につながります。訪問できない場合の考え方はモニタリングの「特段の事情」とはで解説しています。

うっかり該当しやすい場面

場面見落としやすい点防ぎ方
月末の入院・入所訪問できないまま月が終わる月の前半に訪問を済ませる運用にする
サービスの軽微な変更「軽微だから会議不要」と自己判断する軽微な変更に該当するかを根拠とともに記録する
担当者の交代交付や説明の記録が引き継がれない引き継ぎ時に交付済みかを確認する
区分変更で要介護度が同じ会議を省略してしまう認定結果が出たら会議の開催を機械的に組み込む
利用者の長期の入院モニタリングの記録が空白になる入院中の状況確認と記録の残し方を決めておく
ポイント:「やったこと」ではなく「記録」で判断される運営指導では、実際に訪問や会議をしていても、記録がなければ「していない」と扱われます。日付・相手・内容が分かる記録を、その都度残すことが最大の防御です。

該当してしまったときの対応

  • いつから該当しているかを特定する記録をさかのぼり、該当した月と解消した月を確認します。
  • 速やかに状態を解消する未実施の訪問・会議・交付を行い、記録を整えます。
  • 保険者に相談する過誤調整(返還)の手続きは市町村によって扱いが異なるため、自己判断せず相談します。
  • 再発防止の仕組みをつくるチェック表の導入、月次の相互点検など、個人の注意力に頼らない仕組みに変えます。

新人が該当しやすい場面

運営基準減算は、経験の浅いケアマネが担当を持ち始めた時期に起きやすくなります。初回の契約時の説明、初回の計画の交付、初めての更新認定——いずれも「初めて」の場面が重なるためです。事業所として、初回の一連の手順をチェック表にしておくと、個人の記憶に頼らずに防げます。管理者や主任が、最初の数件だけでも書類を一緒に確認する仕組みが有効です。

よくある質問(FAQ)

運営基準減算は何%減算ですか?
所定単位数の50%が減算されます。該当する状態が2か月以上続く場合は、基本報酬を算定できません。
利用者が入院していて訪問できない月はどうなりますか?
入院などで居宅を訪問できないことが「特段の事情」にあたる場合があります。理由と状況確認の内容を記録に残すことが必要です。
サービス担当者会議は、照会で代えても減算になりませんか?
やむを得ない理由がある場合は、担当者への照会で意見を求めることができます。その場合は、やむを得ない理由と照会の内容を記録します。
モニタリングでテレビ電話を使えば、訪問は不要になりますか?
不要にはなりません。一定の要件を満たす場合に、2か月に1回の居宅訪問と、訪問しない月のテレビ電話等による面接という取扱いが認められます。
軽微な変更の場合も、担当者会議は必要ですか?
軽微な変更に該当すれば、一連の手順を省略できる場合があります。ただし軽微かどうかの判断は保険者の解釈もあるため、根拠を記録に残しましょう。
まとめ
  • 運営基準減算は、該当した月から所定単位数の50%減算、2か月以上続けば算定不可
  • 該当項目は「提供開始時の説明」「居宅訪問・面接」「担当者会議」「説明・同意・交付」「更新・区分変更時の会議」「モニタリング」
  • モニタリングは、月1回の居宅訪問が原則。テレビ電話等の活用は要件を満たす場合に限られる
  • 実施していても記録がなければ「未実施」と扱われるため、その都度の記録が最大の対策
  • 該当したときは、状態の解消・保険者への相談・再発防止の仕組みづくりを順に進める

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