介護で外出できないときの対処|使えるサービスと工夫

「介護が始まってから、まったく外に出られない」——買い物にも、友人との約束にも行けない。あるいは、親自身が家から一歩も出なくなった。どちらも在宅介護でよく起こることです。
この記事では、外出できない状況を2つに分けて、それぞれに使える方法を整理しました。工夫とサービスの組み合わせで、出られる時間はつくれます。
- 「本人が出られない」と「介護者が出られない」の違い
- 本人の外出を阻む4つの原因と対策
- 外出に使える介護保険サービス
- 介護者が自分の時間をつくる方法
- 閉じこもりが続くことのリスク
介護で外出できない状況を2つに分ける
同じ「外出できない」でも、中身はまったく違います。まず、どちらの問題なのかをはっきりさせましょう。
| 状況 | 困っている人 | 主な対応 |
|---|---|---|
| 本人が外出できない | 介護を受けている人 | 移動手段の確保、外出の練習、目的づくり |
| 介護者が外出できない | 介護している家族 | 見守りの代わりを確保する、預ける場をつくる |
両方が重なっている家庭も多くあります。どちらも「我慢して当たり前」ではありません。使える方法を順に見ていきます。
新人どちらも同時に解決する方法はありますか。
先輩あるわよ。デイサービスはその代表ね。本人にとっては外出の機会になり、家族にとっては自分の時間になる。1つの手で両方に効くから、まず検討されることが多いの。
本人が外出できない4つの原因
1. 体の問題
歩けない、階段が下りられない、疲れやすい。段差、手すり、車椅子など、環境と用具で解決できる部分が大きい原因です。住宅改修や福祉用具の貸与を検討します。
2. 排泄の不安
見落とされやすい原因です。「外でトイレに間に合わないかもしれない」という不安から、外出を断る人は少なくありません。行き先のトイレの位置を先に調べておく、パッドを使うといった準備で、出られるようになる人がいます。
3. 気持ちの問題
人に会いたくない、老いた姿を見られたくない、転ぶのが怖い。無理に連れ出すより、短い距離・短い時間から始めることが有効です。
4. 目的がない
「散歩しよう」では動かなくても、「孫の顔を見に行こう」「あの店の団子を買いに行こう」なら動く人がいます。運動ではなく、用事をつくることが外出のきっかけになります。
外出に使えるサービス
| サービス | できること |
|---|---|
| 通所介護(デイサービス) | 送迎つきで外出の機会になる。入浴や食事も受けられる |
| 通所リハビリ | 外出の機会に加え、歩く力を保つ訓練ができる |
| 訪問介護(通院等乗降介助) | 通院の際の乗り降りと移動を介助してもらえる |
| 訪問リハビリ | 自宅周辺を歩く練習など、外出に向けた訓練ができる |
| 福祉用具貸与 | 車椅子、歩行器、手すりなど、移動を助ける用具 |
| 住宅改修 | 玄関の段差解消、手すりの設置 |
| 移動支援・福祉有償運送 | 自治体や事業者による移動の支援。地域により内容が異なる |
介護保険で使える範囲には決まりがあり、買い物や旅行のための付き添いは対象外になることがあります。何が使えるかは訪問介護でできること・できないこと一覧で確認してください。
外出を成功させる進め方
- 行き先と時間を短く設定するまずは玄関の外、次に家の前、次に近所の店というように段階を踏みます。
- トイレの場所を確認する行き先のトイレを調べ、余裕をもって誘導します。
- 天候と気温を選ぶ暑い日・寒い日は避け、体調のよい時間帯にします。
- 用具を準備する車椅子、杖、歩きやすい靴。靴は意外に見落とされます。
- 目的をつくる「散歩」ではなく「買い物」「墓参り」「孫に会う」と具体的にします。
介護者が外出できないときの対処
ここからは、介護している人が自分の時間をつくる方法です。「目を離せない」状態を、人か仕組みで埋めることが基本になります。
- デイサービス・デイケア:日中、数時間から預けられる。まとまった時間ができる
- ショートステイ:数日から1週間程度、宿泊で預けられる
- 訪問介護:その時間だけ来てもらい、見守りや介助を頼む
- 小規模多機能型居宅介護:通い・泊まり・訪問を組み合わせて使える
- 家族・親族との交代:月に一度でも、日を決めて交代する
- 地域のボランティア、家族会:話を聞いてもらえる場も、休息になる
休むための仕組みは介護のレスパイトとはで詳しく解説しています。
新人数時間空いても、結局は買い物や家事で終わってしまいます。
先輩それは休息にならないわね。だから、あらかじめ「この日は自分のために使う」と決めておくの。用事を入れない日を月に1日つくる。これは、わがままではなく介護を続けるための準備よ。
「預けることへの罪悪感」について
サービスを使うことに、後ろめたさを感じる人は多くいます。けれど、介護する人が倒れれば、在宅での生活そのものが続けられなくなります。休むことは本人のためでもある——この考え方に立てるかどうかが、長く続けられるかの分かれ目です。
本人が利用を嫌がる場合は、「体験だけ」「見学だけ」から始める方法があります。ケアマネに相談すれば、慣れるまでの進め方を一緒に考えてもらえます。
緊急時に備えておく
短時間の外出でも、留守中に何かあったときの備えは必要です。
- 携帯電話を持たせ、すぐ出られる場所に置く
- 緊急通報の仕組みや、見守りのセンサーを利用する
- 近所の人に、外出することを一言伝えておく
- 連絡先を、本人が見える場所に貼っておく
- 火を使わずに済むよう、食事を用意しておく
備えがあると、外出中の不安が減り、休息として成立します。
参考:使えるサービスの種類や量は、要介護度と地域によって異なります。自治体独自の外出支援を行っている地域もあるため、ケアマネや地域包括支援センターに確認してください。
よくある質問(FAQ)
ヘルパーに買い物の付き添いを頼めますか?
本人がデイサービスに行きたがりません。
数時間だけ見てもらうことはできますか?
通院の付き添いは介護保険で使えますか?
車椅子でも外出できますか?
- 「本人が出られない」のか「介護者が出られない」のかを、まず分けて考える
- 本人の外出を阻むのは、体・排泄の不安・気持ち・目的のなさの4つ
- デイサービスは、本人の外出と家族の休息の両方に効く
- 介護者は「用事を入れない日」を月に1日決めておく
- 閉じこもりが続くと体力も気力も落ちる。週1回でも外に出る機会をつくる
















