地域密着型通所介護とは?わかりやすく解説

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介護保険サービスの中で人気が高いのが「通所介護(デイサービス)」です。利用者が日中だけ施設に通い、食事や入浴、機能訓練、レクリエーションを受けながら過ごせるため、在宅生活を支える大きな役割を果たしています。

その中でも、平成27年(2015年)の介護保険制度改正で誕生したのが「地域密着型通所介護」です。一般的な通所介護と似ていますが、利用定員や運営方法などに違いがあります。

この記事では、地域密着型通所介護の定義、対象者、サービス内容、通常の通所介護との違い、利用までの流れ、費用、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。介護サービスを検討しているご家族や、介護職を目指す方にも役立つ内容です。

目次

地域密着型通所介護とは?

定義

地域密着型通所介護とは、介護保険制度に基づく地域密着型サービスのひとつで、定員18人以下の小規模なデイサービスを指します。

それまで小規模デイサービスは「通所介護」として全国一律の基準で運営されていましたが、制度改正により地域密着型通所介護へと移行しました。これにより、事業所の指定・監督は都道府県ではなく市区町村が担うことになり、地域の実情に応じた運営が可能となりました。

特徴

  • 利用定員:1日18人以下
  • 市区町村ごとに指定・運営指導を受ける
  • 地域に根ざした運営を重視
  • 少人数で家庭的な雰囲気

対象となる利用者

地域密着型通所介護を利用できるのは、以下の条件を満たす方です。

  • 要介護1〜5の認定を受けた人
  • 事業所が所在する市区町村に住民票がある人

※要支援1・2の方は原則対象外となります(介護予防・日常生活支援総合事業で対応)。

サービス内容

地域密着型通所介護で受けられるサービスは、通常の通所介護とほぼ同じです。

1. 日常生活支援

  • 食事の提供・食事介助
  • 入浴介助(一般浴・特殊浴槽)
  • 排泄介助
  • 着替え・整容の支援

2. 機能訓練

  • 個別機能訓練(理学療法士や作業療法士による訓練)
  • 集団体操
  • 転倒予防のための歩行訓練

3. 健康管理

  • バイタルチェック(血圧・体温・脈拍など)
  • 看護職員による体調観察
  • 必要に応じて医師と連携

4. レクリエーション

  • 手工芸・音楽・ゲーム・カラオケ
  • 季節のイベント(花見、夏祭り、クリスマス会など)
  • 地域住民との交流活動

5. 送迎

  • 自宅から施設までの送迎サービスを提供

通常の通所介護との違い

項目通所介護(通常規模)地域密着型通所介護
利用定員19人以上18人以下
所管都道府県市区町村
対象地域全国一律で利用可事業所のある市区町村住民のみ
雰囲気大規模・活発な活動が多い小規模・家庭的で落ち着いた雰囲気
サービス内容入浴・食事・機能訓練など基本的には同じだが、地域性を重視

利用までの流れ

  1. ケアマネジャーに相談
     ケアプランに位置づけてもらう。
  2. 事業所の見学・体験
     雰囲気やサービス内容を確認。
  3. 契約手続き
     利用回数や送迎範囲を確認して契約。
  4. 利用開始
     週1回から複数回まで、ケアプランに応じて利用。

利用費用の目安

地域密着型通所介護の費用は、介護保険サービス費用+食費・日用品費がかかります。

基本料金(1割負担の場合/7〜9時間利用)

  • 要介護1:約700円前後/回
  • 要介護3:約950円前後/回
  • 要介護5:約1,100円前後/回

加算例

  • 入浴介助加算:約40〜50円
  • 個別機能訓練加算:約50〜100円
  • サービス提供体制強化加算:約10〜20円

別途かかる費用

  • 食費(1食500〜700円程度)
  • レクリエーション材料費

1か月あたり約3万〜6万円程度が目安ですが、利用回数や地域によって変動します。

地域密着型通所介護のメリット

  1. 少人数で家庭的な雰囲気
     一人ひとりに目が行き届き、落ち着いた環境で過ごせる。
  2. 地域に根ざした活動ができる
     地域住民との交流イベントや地元行事への参加がしやすい。
  3. 柔軟な対応が可能
     小規模運営ならではの融通が利きやすい。
  4. 在宅生活の継続を支援
     家族の介護負担軽減と利用者の社会的つながりを維持できる。

デメリット・注意点

  1. 対象が住民票のある市区町村に限定される
     隣町の事業所は原則利用できない。
  2. 定員が少ないため待機が発生することもある
     人気が高い施設では空きが出にくい。
  3. 医療的対応は限定的
     看護師はいるが、医療ニーズが高い人には不十分な場合がある。
  4. レクリエーションの幅が狭い場合もある
     規模が小さいため、大規模イベントが難しいこともある。

ケアマネジャーの視点

  • 利用者本人の性格や生活リズムに合わせ、大規模デイと地域密着型を使い分けることが重要。
  • 家族にとっては送迎範囲や利用条件が限定されるため、事前確認が必須。
  • 地域性を活かした支援をどう組み込むかがケアプラン作成のポイント。

よくある質問(Q&A)

Q:地域密着型通所介護は要支援でも利用できますか?
A:原則、要介護1以上が対象です。要支援の方は総合事業の通所型サービスを利用します。

Q:費用は高いですか?
A:通常のデイサービスと大きな差はありません。食費や加算の有無で金額が変わります。

Q:送迎は必ずありますか?
A:多くの事業所で送迎サービスがありますが、送迎範囲は市区町村内が基本です。

まとめ

地域密着型通所介護とは、定員18人以下の小規模なデイサービスで、地域住民を対象に市区町村が所管するサービスです。

  • 要介護1〜5の人が対象
  • サービス内容は通常のデイサービスと同様
  • 利用者は事業所が所在する市区町村の住民に限定
  • 少人数で家庭的な雰囲気、地域とのつながりを大切にしている
  • ただし、定員制や医療対応の限界には注意が必要

利用を検討する際は、ケアマネジャーに相談し、事業所の特色や雰囲気を確認することが大切です。

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