介護医療院の費用はどのくらい?平均費用をわかりやすく解説

2018年に創設された介護医療院は、「介護」と「医療」の両方を長期的に必要とする高齢者が入所できる新しい施設です。病院のように医療ケアを受けられ、特養のように長期生活の場として利用できる点が特徴で、今後利用者が増えると考えられています。
しかし「介護医療院の費用ってどのくらい?」「特養や老健と比べると高い?」「平均費用は月額いくらなの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
この記事では、介護医療院の費用の平均額や内訳、他施設との比較、費用を抑える方法について詳しく解説します。
介護医療院とは?
介護医療院とは、要介護者で医療と介護を同時に必要とする方が入所できる施設です。
- 特養:生活の場を提供する介護施設
- 老健:在宅復帰を目指すリハビリ施設
- 病院:短期的な医療ケアを行う施設
これらの中間に位置づけられるのが介護医療院であり、医療ケアを受けながら長期入所が可能という特徴があります。
介護医療院の費用の平均額
月額費用の平均
介護医療院の費用は、居住費・食費・介護サービス費などを含めて、
月額12万〜20万円程度が平均です。
- 多床室(相部屋):12万〜15万円程度
- 個室:15万〜20万円程度
内訳
- 介護サービス費(介護保険1割〜3割負担)
要介護度によって異なり、月2万〜5万円程度。 - 居住費(部屋代)
多床室で月2万〜3万円、個室で月4万〜6万円程度。 - 食費
月3万〜5万円程度。 - 日常生活費・その他
おむつ代、理美容代、嗜好品購入などで月数千円〜1万円程度。
他の介護施設との費用比較
施設種類 | 月額平均費用 | 特徴 |
---|---|---|
特別養護老人ホーム(特養) | 8万〜15万円 | 医療ケアは限定的、費用は安め |
介護老人保健施設(老健) | 10万〜18万円 | 在宅復帰が目的、入所は原則短期 |
有料老人ホーム | 15万〜30万円以上 | サービスや設備が充実、費用は高額 |
介護医療院 | 12万〜20万円 | 医療と介護を同時に受けられ、長期入所可能 |
👉 介護医療院は医療ケアが必要な人でも長期的に入所できる点で特養や老健とは異なり、費用も中間的な水準です。
介護医療院の費用を抑える方法
1. 負担限度額認定制度を利用
所得が低い高齢者は、居住費・食費の自己負担が軽減されます。
例:食費が1日1,500円 → 650円程度に軽減。
2. 高額介護サービス費制度を利用
1か月の自己負担額が一定額を超えた場合、超過分が払い戻されます。
3. 多床室を選ぶ
個室よりも相部屋(多床室)の方が月額2〜3万円ほど安くなります。
4. 医療保険適用の確認
一部の処置(点滴・在宅酸素など)は医療保険で賄える場合があり、介護費用の負担を軽減できるケースがあります。
介護医療院に入所するメリット
- 医療と介護を同時に受けられる
持病のある高齢者でも安心。 - 長期的に暮らせる
病院と違って「退院」を迫られることがなく、終身利用も可能。 - 家族の負担軽減
医療依存度が高い方を在宅で介護するのは大変ですが、介護医療院なら24時間体制でケアが受けられる。
デメリット・注意点
- 費用は特養より高め
特養の月8〜15万円に比べ、介護医療院は12〜20万円と高め。 - 施設数が少ない
2018年創設のため、まだ全国的に数が少なく、入所先を見つけづらい。 - 生活の自由度が低い場合も
医療色が強いため、他の介護施設に比べて自由度が低いと感じる人もいる。
ケアマネジャーの視点
- 医療依存度が高い人には特養より介護医療院を提案するケースが多い。
- 費用負担の相談があった際は、負担限度額認定制度や高額介護サービス費制度の活用を助言する。
- 入所希望がある場合は、地域の空き状況を早めに確認することが重要。
よくある質問(Q&A)
Q:介護医療院の費用は特養より高い?
A:はい。特養は8〜15万円程度に対し、介護医療院は12〜20万円が平均です。
Q:医療保険と介護保険、どちらを使うの?
A:基本は介護保険ですが、医療処置の一部は医療保険が適用されます。
Q:生活費以外にどんな費用がかかる?
A:おむつ代、理美容代、嗜好品、レクリエーション費などが自己負担です。
まとめ
介護医療院の費用は、月額12万〜20万円程度が平均です。
- 多床室:12万〜15万円
- 個室:15万〜20万円
- 特養より高いが、有料老人ホームより安い
- 医療と介護を同時に受けられる点が最大の特徴
費用を抑えるには、負担限度額認定制度や高額介護サービス費制度、多床室利用などの工夫が有効です。
医療的ケアが必要で、在宅介護が難しい高齢者にとって、介護医療院は安心して暮らせる選択肢の一つとなります。