通所リハビリテーション(デイケア)とは?わかりやすく解説

介護保険サービスの中で「デイケア」と呼ばれる通所リハビリテーションは、自宅で生活する高齢者が日帰りで施設に通い、リハビリ専門職による訓練を受けられるサービスです。
「デイサービスとの違いは何?」「どんな人が対象?」「費用はどれくらい?」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、デイケアの内容や対象者、料金、メリット・デメリット、利用までの流れをわかりやすく解説します。
通所リハビリテーション(デイケア)とは?
概要
通所リハビリテーション(デイケア)は、要介護者が日中に施設へ通い、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)などのリハビリ専門職による機能訓練を受けるサービスです。介護職員による入浴や食事の介助もあり、**「介護+専門的なリハビリ」**を一体的に提供できる点が特徴です。
一般的なデイサービス(通所介護)が「生活支援・交流・レクリエーション」を重視するのに対し、デイケアは医学的管理の下でのリハビリテーションに重点を置いているのが大きな違いです。
サービス内容
機能訓練(リハビリ)
- 理学療法士(PT):歩行練習、筋力トレーニング、関節可動域訓練など
- 作業療法士(OT):食事・着替え・調理など日常動作の練習
- 言語聴覚士(ST):嚥下訓練、発声練習、会話トレーニング
医師・看護師による健康管理
バイタルチェックや体調確認を行い、安心してリハビリに取り組めるようサポートします。
入浴・食事の提供
施設によっては入浴介助や昼食サービスもあります。自宅では入浴が難しい方にとっても大きな支えになります。
送迎サービス
自宅と施設間の送迎があり、通所がスムーズに行える点も魅力です。
対象者
- 要介護1〜5の認定を受けている人
- 病気やけがの後、体力や日常生活動作(ADL)の維持・改善が必要な人
- 在宅生活を続けながら、定期的なリハビリを希望する人
- 家族の介護負担を軽減したい人
※要支援1・2の場合は「介護予防通所リハビリテーション」として利用可能です。
利用料金
自己負担の目安(1割負担の場合)
- 半日利用(3時間〜4時間程度):約700〜900円
- 1日利用(6時間以上):約1,000〜1,500円
- リハビリ専門職による個別訓練(20分):約300円
※食費は別途500〜800円程度。
※自己負担割合は所得に応じて1〜3割。
※送迎費や加算(リハビリ強化加算など)がつく場合もあります。
メリット
1. 専門職によるリハビリが受けられる
在宅生活を続けながら、理学療法士や作業療法士などの専門家による訓練が定期的に受けられます。
2. 生活機能の維持・改善
筋力トレーニングや動作練習により、転倒予防や自立支援につながります。
3. 健康チェックができる
医師や看護師による体調確認があるため、安心してリハビリを継続できます。
4. 家族の介護負担軽減
通所中は専門職に任せられるため、介護者が休養や仕事に専念できます。
5. 社会的交流
利用者同士の交流があり、孤立感の解消や認知症予防にも効果的です。
デメリット・注意点
1. 施設数が限られる
デイサービスに比べ、デイケアは医師やリハビリ専門職を配置する必要があるため、施設数が少ない傾向があります。
2. リハビリ内容に差がある
施設によってはリハビリに力を入れているところもあれば、サービス内容が限定的な場合もあります。事前の見学が大切です。
3. 利用時間が長いこともある
半日ではなく1日単位の利用が基本となる施設もあり、体力的に負担となる場合があります。
他サービスとの違い
デイサービス(通所介護)との違い
- デイサービス:入浴・食事・レクリエーション中心
- デイケア:リハビリ専門職による訓練中心
訪問リハビリとの違い
- 訪問リハビリ:専門職が自宅に来て個別訓練を行う
- デイケア:施設に通い、設備を活用したリハビリや集団訓練が受けられる

利用開始までの流れ
- 要介護認定を受ける
市区町村に申請し、要介護1〜5または要支援1・2と認定される。 - ケアマネジャーに相談
利用希望を伝え、ケアプランにデイケアを組み込んでもらう。 - 事業所の選定・見学
利用者の状態や目的に合うデイケアを選ぶ。施設見学や体験利用も可能。 - 契約・利用開始
契約後、送迎や利用日数を調整し、サービスが始まる。
まとめ
通所リハビリテーション(デイケア)は、自宅生活を続けながら専門職によるリハビリを受けられる介護保険サービスです。デイサービスと比べて「機能回復・維持」に重点を置いており、在宅生活を長く続けたい方や退院後のリハビリを希望する方にとって非常に有効な選択肢です。
ただし、施設によってリハビリの充実度や利用時間に差があるため、実際に見学や体験を行い、自分や家族に合った施設を選ぶことが大切です。ケアマネジャーと相談しながら、生活に必要なリハビリを無理なく取り入れていきましょう。
