要介護度が上がるとどうなる?メリット・デメリットと対応策を解説

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「最近、介助の手間が増えてきた」「今のサービス量では足りない気がする」——そんなとき検討されるのが区分変更申請です。でも、要介護度が上がると具体的に何が変わるのかを知らないまま手続きを進めるのは不安ですよね。本記事では、要介護度が上がるとどうなるのかを、メリット・デメリット・対応策まで結論ファーストで整理しました。

この記事でわかること
  • 要介護度が上がると「使えるサービス量」と「支給限度額」がどう変わるか
  • 見落としがちな自己負担・心理面のデメリットと対処法
  • 区分変更申請の流れと、ケアマネが押さえる実務のポイント
  • 高額介護サービス費など負担を抑える制度の活用法
目次

要介護度が上がるとは?まず基礎知識をおさらい

介護保険制度では、軽い順に要支援1・2要介護1〜5の7段階で認定区分が設けられています。「要介護度が上がる」とは、たとえば「要介護2から要介護3へ」「要支援2から要介護1へ」など、心身の状態の変化に応じてより重度の区分に認定し直されることを指します。

この認定は、市区町村の認定調査と主治医意見書をもとに、介護認定審査会が審査して決定します。要介護度は、毎月使えるサービス量の上限を左右する重要な指標です。状態が変わったときに今の区分のままにしておくと、必要な支援が組めなくなることもあるため、適切なタイミングでの区分変更申請が大切になります。

新人ケアマネ新人

利用者さんから「要介護度が上がるのは損なの?得なの?」と聞かれたのですが、どう答えたらいいですか?

ベテランケアマネ先輩

一概に損得では言えないのよ。使える支援が増える反面、費用や気持ちの面の負担もあるから、両面を伝えて一緒に考えるのがケアマネの役割ね。

要介護度が上がるとどうなる?【メリット編】

1. 利用できるサービスの幅が広がる

要介護度が上がると、利用できるサービスの種類や回数が増えることがあります。たとえばショートステイの利用日数を増やす、訪問介護や通所介護を週複数回に増やすなど、これまで足りなかった部分を補えるようになります。在宅生活を続けるための選択肢が広がるのが大きな利点です。

2. 支給限度額(区分支給限度基準額)が増える

介護保険サービスには、要介護度ごとに「1か月に使える上限額」が決まっています。これを区分支給限度基準額と呼び、要介護度が高いほど上限が大きくなります。上限の範囲内なら原則1〜3割の自己負担で利用できるため、より多くのサービスを使いやすくなります。

区分支給限度額(月額・目安)
要支援1約50,320円
要支援2約105,310円
要介護1約167,650円
要介護2約197,050円
要介護3約270,480円
要介護4約309,380円
要介護5約362,170円

※1単位=10円で計算した目安です。実際は地域区分やサービス種別の単価により金額が異なります。最新の単位数は市区町村にご確認ください。

3. 福祉用具・住宅改修の選択肢が増える

車いすや特殊寝台などは、原則として軽度者(要支援〜要介護1)には貸与できない品目があります。要介護2以上になると、こうした福祉用具が原則貸与の対象になり、生活環境を整えやすくなります。手すりの取り付けや段差解消といった住宅改修の提案もしやすくなります。

ポイント:上がる=手厚くできる余地が広がる要介護度が上がる最大のメリットは「支援の選択肢が増えること」。本人の自立と安全のバランスを見ながら、必要な分だけ計画に組み込むのがコツです。

要介護度が上がるとどうなる?【デメリット編】

1. 自己負担額が増えることがある

使えるサービス量が増えるということは、その分利用料の総額も増える可能性があるということです。自己負担は原則1割ですが、所得に応じて2割・3割になる方もいます。限度額が上がっても、使えば使うほど負担も増える点には注意が必要です。

注意:限度額アップ=自動的にお得ではない支給限度額が増えても、自己負担がゼロになるわけではありません。必要性を見極めず詰め込むと、かえって家計を圧迫します。

2. 本人の心理的な負担

「要介護度が上がった=自分は悪くなっている」と受け止め、自信や意欲を失ってしまう方もいます。数字の変化に落ち込まないよう、家族やケアマネが気持ちに寄り添い、前向きな声かけを心がけることが大切です。

3. 介護者(家族)の負担感が増す可能性

要介護度が上がるということは、日常の介助量も増えているということです。サービスで支援を強化できる一方で、見守りや夜間対応など家族の関わりが増える場面もあります。介護者自身が疲弊しないよう、レスパイト目的のショートステイなども計画に織り込みましょう。

新人ケアマネ新人

メリットだけ説明して区分変更をすすめてしまいそうです……。

ベテランケアマネ先輩

そこは要注意よ。費用負担と本人の受け止め方まで一緒に説明して初めて、納得して選んでもらえるの。

要介護度が上がるとき:区分変更申請の流れ

状態の悪化で今の区分が合わなくなったときは、更新を待たずに区分変更申請ができます。流れは次のとおりです。

  • 市区町村の窓口へ申請本人・家族のほか、ケアマネ(居宅介護支援事業所)が代行して申請できます。
  • 認定調査・主治医意見書調査員が訪問調査を行い、主治医が意見書を作成します。
  • 介護認定審査会で判定一次判定(コンピュータ)と二次判定を経て新しい要介護度が決まります。
  • 結果通知・ケアプラン見直し原則申請から30日程度で結果が届き、新区分に合わせて計画を修正します。
注意:必ず上がるとは限らない区分変更を申請しても、調査結果によっては変わらない・下がることもあります。普段の状態が正しく伝わるよう、困りごとを具体的にメモして調査に備えましょう。

要介護度が上がったときのポイントと対応策

ケアマネージャーとよく相談する

区分が変わると、ケアプランの見直しが必要になります。どのサービスを増やすか、家族の負担をどう分散するか、費用とのバランスをどうとるか——担当ケアマネと相談しながら計画を組み直すことが何より大切です。

サービスの「使いすぎ」に注意する

限度額が増えたからといって、必要以上にサービスを詰め込むと、自己負担が増えるだけでなく、本人の「できること」を奪い自立を妨げる恐れもあります。本人の力を活かす視点を忘れないようにしましょう。

高額介護サービス費制度を活用する

自己負担が高くなったときは、高額介護サービス費を使えば、1か月の自己負担額に所得に応じた上限が設けられ、超えた分は後から払い戻されます。負担が心配な方には早めに案内しておくと安心です。

ポイント:上がった後こそ「計画の質」が問われる区分が上がると選択肢は増えますが、ゴールは「数字」ではなく「本人らしい生活」。必要な支援を、必要な分だけ、負担を抑えて組むのが腕の見せどころです。

要介護度が上がるとどうなる?よくある質問(FAQ)

要介護度が上がると年金や医療費にも影響しますか?
要介護度は介護保険サービスの上限などに関わる指標で、年金額そのものは変わりません。ただし、医療と介護の自己負担を合算して上限を設ける「高額医療・高額介護合算療養費」の対象になる場合があります。
区分変更を申請したら必ず要介護度は上がりますか?
いいえ。認定調査と審査の結果しだいで、変わらないことも下がることもあります。状態が正しく伝わるよう、日頃の困りごとを具体的に記録しておきましょう。
要介護度が上がるまでの期間はどれくらいですか?
区分変更申請から結果通知までは原則30日程度が目安です。結果は申請日にさかのぼって適用されます。急を要する場合は事業所や自治体に相談しましょう。
要介護度が上がるのを本人が嫌がります。どう伝えればいい?
「悪くなった証」ではなく「必要な支援を受けやすくする手続き」だと伝えるのが有効です。本人の意欲を支える声かけと、使える支援の具体例をセットで示すと納得を得やすくなります。
まとめ
  • 要介護度が上がると、使えるサービスの幅と支給限度額が広がり、福祉用具・住宅改修の選択肢も増える
  • 一方で、自己負担の増加・本人の心理的負担・家族の介助負担というデメリットもある
  • 区分変更は更新を待たず申請できるが、結果は「変わらない・下がる」こともある
  • 限度額アップ=お得ではない。必要な支援を必要な分だけ組み、高額介護サービス費なども活用する
  • 迷ったら担当ケアマネや地域包括支援センターに相談し、本人・家族が無理なく介護と向き合える環境づくりを

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