AI文字起こしで面談記録|ケアマネが使う手順と録音の同意の取り方

「面談の内容をメモしきれない」「訪問のあとに支援経過を書くのに時間がかかる」。ケアマネの面談記録の負担を減らす方法として、AIによる文字起こしを使う事業所が増えています。
結論からいうと、AI文字起こしは、面談や会議の音声を自動で文字にし、要約までできる便利な道具です。ただし、録音するには本人・家族の同意が必要で、個人情報を扱うサービスの選び方にも注意が必要です。この記事では、ケアマネがAI文字起こしを使う場面、導入から記録までの手順、同意の取り方、注意点をまとめました。
- AI文字起こしでできることと、ケアマネが使う場面
- 面談の録音から記録作成までの手順
- 本人・家族から録音の同意を取る方法
- サービス選びと個人情報の注意点
AI文字起こしとは?ケアマネが使う場面
AI文字起こしは、録音した音声や、その場で話している声をAIが聞き取り、自動で文章にする機能です。最近は、文字にするだけでなく、要点をまとめる、話した人ごとに分ける、議事録の形に整えるといった機能を持つものも増えています。
| 場面 | 活用の例 |
|---|---|
| 初回面談・アセスメント | 生活歴や本人の思いを、聞き漏らさずに記録する |
| サービス担当者会議 | 参加者の発言を記録し、会議録(第4表)の下書きを作る |
| モニタリング訪問 | 訪問のあとに、音声メモから支援経過の下書きを作る |
| 退院前カンファレンス | 医療職からの説明を正確に残す |
| 事業所内の会議 | ケース検討や研修の内容を記録する |
新人面談中にメモを取らなくていいなら、本人の表情をよく見られますね。
先輩そうなの。メモに追われず、相手の目を見て話を聞けるのが一番のメリットよ。記録の時間が減るのはもちろん、面談の質も上がるわ。
AI文字起こしで面談記録を作る手順
- 事業所でルールを決める使ってよいサービス、録音してよい場面、データの保存期間と削除の方法を決めます。
- 同意を得る面談の前に、本人・家族に録音の目的と扱いを説明し、同意を得ます(方法は次の章で解説)。
- 録音するスマートフォンやICレコーダーを、話す人の近くに置きます。テレビの音や雑音が少ない環境が理想です。
- 文字起こし・要約する事業所で許可されたサービスで文字にし、要約機能で要点をまとめます。
- 内容を確認・修正する聞き間違いや専門用語の誤変換がないかを確認し、記録の様式に合わせて整えます。
- 音声データを削除する記録ができたら、決めたルールに沿って音声と文字起こしのデータを削除します。
AI文字起こしは、方言・高齢者のこもった声・複数人が同時に話す場面などで聞き間違いが起こりやすいです。とくに薬の名前や数字は誤変換が多いため、必ず確認しましょう。
AI文字起こしで録音するときの同意の取り方
面談の音声には、病気や家族関係などの、とても個人的な情報が含まれます。録音する前に、本人・家族に目的と扱いを説明し、同意を得ることが欠かせません。
説明する内容
- 録音の目的(話を正確に記録し、支援に生かすため)
- 録音を文字にするために、AIのサービスを使うこと
- 音声や文字のデータの保管方法と、削除する時期
- 録音を断っても、支援の内容に影響しないこと
- 途中で録音を止めてほしいときは、いつでも言ってよいこと
同意の記録
口頭で同意を得た場合も、支援経過に「録音について説明し、同意を得た」と記録しておきます。事業所によっては、契約時に録音の同意書をもらう方法をとっています。サービス担当者会議では、参加者全員に録音することを伝えてから始めましょう。
新人断られたら、どうすればいいですか?
先輩無理に録音せず、これまで通りメモを取ればいいの。録音に抵抗を感じる人がいるのは当然よ。信頼関係ができてから、改めて相談してもいいわね。
サービス選びと個人情報の注意点
AI文字起こしのサービスは、無料のスマートフォンアプリから、法人向けの有料サービス、介護ソフトに組み込まれた機能までさまざまです。選ぶときは、次の点を確認しましょう。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| データの扱い | 音声や文字のデータがAIの学習に使われないか、どこに保管されるか |
| セキュリティ | 通信の暗号化、アクセスできる人の管理、ログインの方法 |
| 削除 | データを確実に削除できるか、自動で削除する設定があるか |
| 精度 | 高齢者の話し方や、介護・医療の専門用語をどのくらい正しく文字にできるか |
| 連携 | 今使っている介護ソフトに、文章を取り込みやすいか |
| 費用 | 月額料金、利用できる時間の上限、事業所全体での契約が必要か |
個人のスマートフォンに、個人で契約したアプリを入れて業務の音声を扱うのは、情報漏えいのリスクが高くなります。業務で使う端末とサービスは、事業所として用意・管理するのが原則です。厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」なども参考に、事業所の情報セキュリティのルールに組み込みましょう。
端末をなくしたときに備える
録音した端末を紛失すると、利用者の個人情報が漏れるおそれがあります。端末にはパスワードや生体認証をかける、録音データを端末に残さない設定にする、紛失時に遠隔でデータを消せるようにするといった対策をとりましょう。
AI文字起こしを記録に生かすコツ
文字起こしの結果は、話した言葉がそのまま並んでいるため、そのままでは記録として使いにくいものです。次のコツで、記録に生かしやすくなります。
- 面談の最後に要点を口に出す:「今日決まったことは〇〇と〇〇ですね」とまとめて話すと、要約の精度が上がる
- 本人の言葉を残す:「家で最期まで暮らしたい」など、本人の大切な言葉はそのまま記録に引用すると、ケアプランの第1表に生かせる
- 事実と判断を分ける:文字起こしは「事実」の材料。そこからケアマネが考えたこと(判断)を分けて書く
- 要約の指示を決めておく:「生活の状況」「本人・家族の意向」「決まったこと」「次回までの課題」など、事業所で要約の項目をそろえる
記録の型を決めておくと、AIの出力を毎回同じ形に整えやすく、職員による記録の差も小さくなります。
よくある質問
無料の文字起こしアプリを使ってもいいですか?
文字起こしした内容をそのまま支援経過にしていいですか?
オンライン会議でも使えますか?
録音データはどのくらい保管すればいいですか?
- AI文字起こしは、面談や会議の音声を自動で文字にし、要約までできる
- メモに追われず相手の顔を見て話を聞けるのが大きなメリット
- 録音前に目的・データの扱い・断ってもよいことを説明し、同意を記録する
- 聞き間違いや専門用語の誤変換があるため、必ず内容を確認する
- データを学習に使わないサービスを選び、端末とアプリは事業所で管理する














