要介護1と2の違い|限度額・サービス・福祉用具を比較

「要介護1と2で、何がどう違うのか」——認定結果を受け取った家族から、よく聞かれる質問です。数字が1つ違うだけに見えて、使える金額もサービスの選択肢も変わります。
この記事では、要介護1と要介護2の違いを、状態の目安・限度額・使えるサービスの3点で整理しました。
- 要介護1と2の状態の目安
- 支給限度額の違いと、使えるサービス量の差
- 福祉用具など、要介護2から使えるもの
- 認定はどう決まるのか
- 結果に納得できないときの対応
要介護1と2の違いを一覧で比較
まず全体像です。数字が大きいほど、必要な介護の手間が多いと判定された状態を指します。
| 項目 | 要介護1 | 要介護2 |
|---|---|---|
| 状態の目安 | 身の回りのことはおおむねできるが、一部に見守りや手助けが必要 | 立ち上がりや歩行が自力では難しく、日常の動作に介助が必要な場面が増える |
| 認定に用いる基準時間 | 32分以上50分未満 | 50分以上70分未満 |
| 区分支給限度基準額(1か月) | 16,765単位 | 19,705単位 |
| 車いす・介護ベッドの貸与 | 原則は対象外(例外給付の手続きが必要) | 対象 |
| 特別養護老人ホームへの入所 | 原則対象外 | 原則対象外 |
いちばん実務に影響するのは、限度額の差と、福祉用具が原則どおり使えるかどうかの2点です。
新人単位というのは、そのまま金額ではないのですよね。
先輩そう。1単位あたりの金額は、サービスの種類と地域によって決まっているの。おおよそ10円前後と考えておくと目安になるわ。限度額を超えた分は全額が自己負担になるから、そこは家族にも必ず伝えておきたいところね。
状態の目安はどう違うのか
認定は「病名」や「年齢」ではなく、介護にどれだけ手間がかかるかで決まります。あくまで目安ですが、次のような姿がよく見られます。
要介護1に多い状態
- 歩行や立ち上がりが不安定で、ときどき支えが必要
- 入浴や爪切りなど、一部の動作に手助けがいる
- 薬の飲み忘れや、金銭管理の間違いが出てきた
- 身の回りのことは、時間をかければおおむねできる
要介護2に多い状態
- 立ち上がりや歩行が、自力では難しいことが多い
- 入浴や着替えに、部分的な介助が必要
- 排泄で見守りや手助けが必要な場面がある
- 理解力の低下が進み、日常の判断に支援がいる
限度額の違いでどれだけ差が出るか
1か月の差はおよそ2,940単位です。金額にすると3万円前後にあたり、サービスに置き換えると次のようなイメージになります。
| 置き換えの例 | おおよその回数 |
|---|---|
| 通所介護(デイサービス) | 月に3〜4回ぶん程度 |
| 訪問介護(生活援助) | 月に10回前後 |
| 福祉用具貸与 | 介護ベッド1台ぶん程度 |
サービスの種類・時間・地域区分で単位数は変わるため、あくまで目安です。実際の組み合わせはケアマネが試算します。
要介護2から原則どおり使えるもの
福祉用具のうち、車いす・車いす付属品・特殊寝台(介護ベッド)・特殊寝台付属品・床ずれ防止用具・体位変換器・認知症老人徘徊感知機器・移動用リフトは、原則として要介護2以上が貸与の対象です。
要介護1でも、状態によっては例外給付として貸与が認められます。その場合は、主治医の意見などをもとに理由書を作成し、保険者の確認を受ける手続きが必要です。詳しくは介護保険でレンタルできない福祉用具もあわせて確認してください。
新人要介護1だと、ベッドはあきらめるしかないのでしょうか。
先輩そんなことはないわ。起き上がりが難しいなどの状態が確認できれば、例外給付で使える場合があるの。主治医や福祉用具専門相談員と相談して、必要な理由を整理するところから始めましょう。
認定はどのように決まるのか
- 申請する市区町村の窓口へ申請します。本人・家族のほか、居宅介護支援事業所などが代行できます。
- 認定調査を受ける調査員が心身の状況を聞き取ります。あわせて主治医意見書が作成されます。
- 一次判定調査結果をもとに、必要な介護の手間を時間に換算して区分の目安を出します。
- 二次判定介護認定審査会が、主治医意見書や特記事項を踏まえて最終決定します。
- 結果の通知原則として申請から30日以内に通知されます。
一次判定の目安が要介護1でも、特記事項や意見書の内容によって要介護2になることがあります。調査の場でどれだけ実情を伝えられるかが結果を左右します。
結果に納得できないときは
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 区分変更申請 | 状態が変わったときに、有効期間の途中でも申請できる。実務ではこちらが選ばれることが多い |
| 審査請求 | 都道府県の介護保険審査会へ不服を申し立てる。結論までに時間がかかる |
| 次回の更新申請で伝える | ふだんの困りごとを記録しておき、調査時に具体的に伝える |
区分変更の進め方は区分変更申請のタイミングで詳しく解説しています。
認定調査で伝えておきたいこと
調査は限られた時間で行われ、その場の様子だけでは実情が伝わらないことがあります。次の点を、メモにして渡すと確実です。
- できない日があること:「調子のよい日はできるが、週の半分は介助が必要」
- 夜間の状況:夜中のトイレ、不眠、見守りの負担
- 時間がかかること:着替えに30分かかる、など具体的な時間
- 失敗の頻度:薬の飲み忘れ、火の消し忘れ、失禁の回数
- 家族が手を出している場面:本人は「できる」と言うが、実際は家族が行っている
要介護1・2をめぐる制度の議論
要介護1・2の訪問介護と通所介護を市町村の総合事業へ移すかどうかは、長く議論が続いているテーマです。2026年9月時点では結論が出ていません。今後の動きは要介護1・2の総合事業移行はどうなる?で整理しています。
参考:支給限度額の単位数は2026年9月時点のものです。1単位あたりの金額は地域とサービスの種類によって異なります。具体的な自己負担額は、担当のケアマネジャーに試算してもらってください。
よくある質問(FAQ)
要介護1と2では、自己負担額はどのくらい違いますか?
要介護1でも介護ベッドは借りられますか?
要介護2でも特別養護老人ホームに入れますか?
認定はどのくらいの期間で見直されますか?
状態が悪くなったら、すぐ区分変更すべきですか?
- 要介護1と2の違いは、認定の基準時間・支給限度額・使える福祉用具の3点に表れる
- 限度額の差は1か月あたり2,940単位で、デイサービス3〜4回ぶんに相当する
- 車いすや介護ベッドの貸与は、原則として要介護2以上が対象
- 認定は病名ではなく、介護にかかる手間で決まる
- 結果に納得できないときは、区分変更申請を検討する
















