認知症対応型通所介護の管理者要件|研修と3年経験の扱い

「認知症対応型通所介護の管理者になるには、どの研修が必要なのか」——グループホームと同じ要件だと思い込んでいて、指定の申請で慌てる事業所があります。
この記事では、認知デイの管理者に求められる要件と、3年の経験要件がどう扱われるかを整理しました。ここは他の地域密着型サービスと違いがある部分です。
- 認知症対応型通所介護の管理者に必要な要件
- 「3年以上の認知症介護の経験」が求められるかどうか
- 認知症対応型サービス事業管理者研修の受講要件と内容
- 管理者と開設者で必要な研修が違う点
- 兼務できる範囲と、確認すべき窓口
認知症対応型通所介護の管理者の要件
認知デイの管理者に求められるのは、大きく次の3点です。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 認知症介護実践者研修の修了 | 都道府県などが実施する研修。管理者研修を受ける前提にもなる |
| 認知症対応型サービス事業管理者研修の修了 | 管理者として必要な運営の知識を学ぶ研修 |
| 常勤専従であること | 原則として常勤。支障がない範囲で兼務が認められる場合がある |
つまり、研修を2つ修了していることが基本の形です。実践者研修を修了していないと管理者研修を受けられないため、順番に進める必要があります。
新人グループホームの管理者と同じ要件ではないのですか。
先輩そこが分かれるところなの。地域密着型サービスの管理者には、3年以上の認知症介護の経験を求める規定があるのだけれど、認知症対応型通所介護はその対象から除かれているの。同じ「認知症対応型」でも扱いが違うのよ。
3年以上の経験は必要か
ここが最も誤解されやすい点です。指定地域密着型サービスの人員基準では、管理者に3年以上、認知症である者の介護に従事した経験を求める規定があります。ただし、認知症対応型通所介護の事業所は、この3年の経験要件の対象から除かれていると整理されています。
| サービス | 3年以上の認知症介護の経験 |
|---|---|
| 認知症対応型共同生活介護(グループホーム) | 求められる |
| 小規模多機能型居宅介護 | 求められる |
| 認知症対応型通所介護 | 求められない(研修の修了が要件の中心) |
とはいえ、管理者研修の受講にあたって、自治体が独自に実務経験を求める場合があります。研修の募集要項に「一定の介護経験」と書かれていることもあるため、受講を申し込む段階で確認してください。
認知症対応型サービス事業管理者研修の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施主体 | 都道府県・指定都市(委託されている場合もある) |
| 受講の要件 | 認知症介護実践者研修の修了、管理者に就任している、または就任が予定されていること |
| 対象サービス | 認知症対応型通所介護、認知症対応型共同生活介護、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護 |
| 日数 | おおむね2〜3日程度(自治体により異なる) |
| 費用 | 数千円程度が多い(自治体により異なる) |
| 内容 | 管理者の役割、人材育成、リスク管理、運営基準、地域との連携など |
実施回数が限られるため、申し込みの時期を逃すと半年以上待つことになる場合があります。年度の早い時期に募集の予定を確認しておくのが安全です。
管理者研修と開設者研修の違い
似た名前の研修があり、混同されやすいので整理します。
| 研修 | 誰が受けるか |
|---|---|
| 認知症対応型サービス事業管理者研修 | 事業所の管理者(になる予定の人) |
| 認知症対応型サービス事業開設者研修 | 事業を開設する法人の代表者など |
| 認知症介護実践者研修 | 現場の職員。管理者研修の前提になる |
| 認知症介護実践リーダー研修 | 現場のリーダー層 |
新規に開設する場合は、管理者と開設者の両方で、それぞれ必要な研修が求められます。担当する人が違うため、同時並行で段取りを組みましょう。
新人管理者が交代するときは、どうなりますか。
先輩新しい管理者も、同じ要件を満たす必要があるわ。研修を修了していない人をそのまま据えると、基準を満たさない状態になってしまうの。人事異動を決める前に、研修の受講状況を確認しておくことね。
兼務はできるか
管理者は原則として常勤専従ですが、管理業務に支障がない範囲で兼務が認められる場合があります。よくあるのは次の形です。
- 同一の事業所内で、生活相談員や介護職員を兼ねる
- 同一の敷地内にある他の事業所の職務を兼ねる
- 併設する事業所の管理者を兼ねる
ただし、「支障がない範囲」の判断は指定権者によって異なります。兼務の可否は、事前に市町村へ相談してください。居宅介護支援事業所の管理者要件は居宅介護支援事業所の管理者になれる要件で整理しています。
指定の申請でそろえる書類
- 研修の修了証の写しを用意する実践者研修と管理者研修の両方が必要です。
- 経歴書を作成するこれまでの職歴と、認知症介護の経験を記載します。
- 勤務形態一覧表を整える常勤専従か、兼務の内容が分かるようにします。
- 市町村に事前相談する地域密着型は市町村が指定権者です。早い段階で相談します。
- 整備計画との関係を確認する市町村の計画により、新規の指定が制限されることがあります。
要件を満たさなくなった場合
管理者が急に退職した場合など、一時的に要件を満たせなくなることがあります。放置すると運営基準違反となり、報酬の返還につながるおそれがあります。速やかに市町村へ相談し、いつまでに体制を整えるかを協議してください。
運営指導で見られる点は居宅介護支援の運営指導対策でも触れています。人員基準は、指導で必ず確認される項目です。
参考:人員基準は市町村の条例で定められており、研修の実施時期・受講要件・費用も自治体ごとに異なります。この記事の内容は一般的な整理です。必ず所管の市町村と、研修の実施機関の最新の案内で確認してください。
よくある質問(FAQ)
認知症対応型通所介護の管理者に、3年の実務経験は必要ですか?
実践者研修を受けずに管理者研修を受けられますか?
管理者研修はどこで受けられますか?
管理者は介護職員と兼務できますか?
他の自治体で受けた研修は有効ですか?
- 認知デイの管理者は、認知症介護実践者研修と管理者研修の修了が基本の要件
- 3年以上の認知症介護の経験を求める規定からは、認知デイは除かれている
- ただし研修の受講要件として、自治体が経験を求める場合がある
- 管理者研修は就任前でも申し込める。実施回数が限られるため早めに確認する
- 地域密着型は市町村が指定権者。兼務の可否も含め、事前相談が確実
















