日常生活用具給付等事業とは?対象品目一覧と申請・自己負担

「障害のある家族のために、介護ベッドやストーマ用品の補助はある?」「日常生活用具って、具体的に何がもらえるの?」「補装具とは何が違う?」。在宅で暮らす障害のある人を支えるとき、知っておくと助かるのが日常生活用具給付等事業です。
結論からいうと、日常生活用具給付等事業は、障害のある人や難病の人が日常生活を送りやすくするための用具(特殊寝台、入浴補助用具、ストーマ用品、拡大読書器など)を、市区町村が給付または貸与する制度です。対象の品目や自己負担は自治体ごとに違います。この記事では、6つの種目と主な品目、申請の流れ、注意点をまとめました。
- 日常生活用具給付等事業の対象者と、補装具との違い
- 6つの種目と主な品目の一覧
- 自己負担の考え方と、申請の流れ
- 介護保険との関係と、申請前の注意点
日常生活用具給付等事業とは?対象になる人
日常生活用具給付等事業は、障害者総合支援法の「地域生活支援事業」の一つで、市区町村が必ず実施する事業(必須事業)です。在宅で暮らす障害のある人が、自立した生活を送りやすくなるよう、用具を給付または貸与します。
対象は次のような人です。
- 身体障害・知的障害・精神障害のある人や障害児(多くの品目は障害者手帳の種類や等級が条件)
- 法律で定める難病の人で、その用具が必要と認められた人
品目ごとに「下肢または体幹機能障害2級以上」「ぼうこう・直腸機能障害」「視覚障害2級以上」などの条件が決まっています。条件は自治体の要綱で定められているので、まずは窓口で確認しましょう。
補装具との違い
| 日常生活用具 | 補装具 | |
|---|---|---|
| 目的 | 日常生活をしやすくする | 身体の機能を補う |
| 例 | 特殊寝台、入浴補助用具、ストーマ用品、拡大読書器 | 義肢、装具、車椅子、補聴器 |
| 実施 | 市区町村の地域生活支援事業 | 国の制度(自立支援給付) |
| 自己負担 | 市区町村が決める(1割が多い) | 原則1割・所得に応じた上限 |
新人同じ「用具の補助」でも、制度が別なんですね。
先輩そうなの。補装具は全国でほぼ同じルール、日常生活用具は自治体によって品目や負担が違うのがポイントよ。引っ越すと対象が変わることもあるわ。
日常生活用具の6つの種目と主な品目
国の告示で、日常生活用具は次の6つの種目に分けられています。市区町村は、これをもとに対象品目を決めています。
| 種目 | 主な品目の例 |
|---|---|
| 介護・訓練支援用具 | 特殊寝台、特殊マット、体位変換器、移動用リフト、入浴担架、訓練用ベッド |
| 自立生活支援用具 | 入浴補助用具、便器、頭部保護帽、移動・移乗支援用具(手すりなど)、火災警報器、自動消火器、電磁調理器、聴覚障害者用屋内信号装置 |
| 在宅療養等支援用具 | 透析液加温器、ネブライザー、電気式たん吸引器、音声式体温計、酸素ボンベ運搬車 |
| 情報・意思疎通支援用具 | 携帯用会話補助装置、点字器、点字ディスプレイ、拡大読書器、活字文書読上げ装置、盲人用時計、人工喉頭 |
| 排泄管理支援用具 | ストーマ装具(蓄便袋・蓄尿袋)、紙おむつ、収尿器 |
| 居宅生活動作補助用具 | 小規模な住宅改修(手すりの取付け、段差の解消など) |
障害別によく使われる品目
- 肢体不自由の人:特殊寝台、移動用リフト、入浴補助用具、手すりの取付け。寝たきりに近い人は体位変換器や特殊マットも。
- 視覚障害の人:拡大読書器、活字文書読上げ装置、盲人用時計、音声式の体温計や体重計、点字器。
- 聴覚障害の人:聴覚障害者用屋内信号装置(チャイムや赤ちゃんの泣き声を光や振動で知らせる)、通信装置。
- 内部障害の人:ストーマ装具、電気式たん吸引器、ネブライザー、透析液加温器。
- 知的障害・発達障害の人:頭部保護帽、火災警報器、自動消火器、電磁調理器など。
このほか、自治体によっては、視覚障害者向けのスマートフォンの読み上げアプリや、聴覚障害者向けの情報受信装置、発達障害の人向けの用具などを独自に対象にしていることもあります。
自己負担と給付の上限
日常生活用具の自己負担は、市区町村が決めます。多くの自治体は基準額の1割負担で、所得に応じた月の上限を設けたり、非課税世帯を無料にしたりしています。
- 基準額:品目ごとに給付の上限額が決まっています。基準額を超える部分は自己負担です。
- 耐用年数:品目ごとに使う期間の目安があり、その期間内は原則として同じ用具を再給付できません。
- ストーマ装具・紙おむつ:毎月使う消耗品なので、月額の基準額が決まっています。
- 住宅改修:上限額(20万円程度とする自治体が多い)の範囲で、1回限りが基本です。
日常生活用具の申請の流れ
- 市区町村の窓口に相談する対象の品目か、条件を満たしているかを確認します。
- 業者の見積書・カタログを用意する申請には、品名・型番・金額がわかる見積書などが必要です。
- 申請書を出す品目によっては医師の意見書や、福祉専門職による調査がある場合もあります。
- 給付決定・給付券の交付決定通知と給付券が届きます。
- 業者から用具を受け取る給付券を業者に渡し、自己負担分を支払います。
介護保険との関係
介護保険の対象になっている人(65歳以上、特定疾病の40〜64歳)は、介護保険の福祉用具や住宅改修にある品目は介護保険が優先されます。
| 日常生活用具の品目 | 介護保険で該当するもの |
|---|---|
| 特殊寝台・特殊マット | 福祉用具貸与(特殊寝台・床ずれ防止用具) |
| 移動用リフト | 福祉用具貸与(移動用リフト) |
| 入浴補助用具・便器 | 特定福祉用具販売(入浴補助用具・腰掛便座) |
| 手すり・段差解消 | 住宅改修(上限20万円) |
一方、ストーマ装具、拡大読書器、点字器、電気式たん吸引器などは介護保険に品目がないため、65歳以降も日常生活用具で給付を受けられます。介護保険の住宅改修を使い切った後に、日常生活用具の住宅改修を上乗せで使えるかどうかは、自治体によって扱いが違います。
新人65歳以上の利用者さんでも、ストーマ用品は日常生活用具で出るんですね。
先輩そうよ。ケアマネも、手帳を持っている利用者さんには日常生活用具が使えないか確認する習慣をつけると、家族の負担を減らせるわ。
よくある質問
障害者手帳がなくても日常生活用具はもらえますか?
ストーマ装具は何か月分まとめて申請できますか?
ネットで安く売っている商品でも申請できますか?
品目が対象外だと言われたらどうすればいいですか?
- 日常生活用具給付等事業は、市区町村が日常生活を助ける用具を給付・貸与する制度
- 6つの種目があり、特殊寝台・入浴補助用具・ストーマ装具・拡大読書器などが対象
- 対象品目や自己負担は自治体ごとに違い、1割負担が多い
- 決定前に買った用具は対象外。必ず先に申請する
- 介護保険にある品目は介護保険が優先。ストーマ装具などは65歳以降も使える
















