ケアプラン第6表・第7表(利用票・別表)の書き方|記入例つき

第1表から第5表までは何度も書いてきたのに、第6表・第7表だけは「ソフトが自動で出してくれるもの」で済ませていませんか。実際、利用票と別表は多くの介護ソフトが自動作成してくれます。しかし中身を理解しないまま交付すると、限度額オーバーの見落としや、利用者負担額の説明ができないという事態を招きます。この記事では、第6表(サービス利用票)と第7表(サービス利用票別表)の見方・書き方を、実際の数値を使った記入例つきで解説します。
- 第6表と第7表は何が違い、それぞれ何のための書類なのか
- 第6表(サービス利用票)の各欄の書き方と、予定・実績の使い分け
- 第7表(サービス利用票別表)の計算の流れを、実際の数値で追う方法
- 限度額オーバーを事前に見つける手順
- 利用票・別表でよくある間違いと、交付・確認のルール
第6表・第7表とは?2枚1組で「予定」と「お金」を管理する
居宅サービス計画書は第1表から第7表までで構成されます。このうち第6表と第7表は、ケアプランの内容を「月単位のスケジュール」と「金額」に落とし込む書類です。
| 第6表 サービス利用票 | 第7表 サービス利用票別表 | |
|---|---|---|
| 役割 | 1か月のサービス予定と実績のカレンダー | 単位数から利用者負担額までの計算表 |
| 主な内容 | 日付ごとのサービス種別・時間帯 | 事業所別の単位数・費用総額・負担額 |
| 誰が見るか | 利用者・家族・サービス事業所 | 利用者・家族(負担額の説明) |
| 作成タイミング | 前月中に予定を作成し、翌月に実績を記入 | 予定の確定時に作成 |
| 使い方の要点 | 限度額内に収まっているかの確認 | 自己負担額を利用者へ説明する根拠 |
第2表がケアプランの「内容」を決める書類だとすれば、第6表・第7表はそれを「いつ・いくらで」実行するかに変換する書類です。介護ソフトが自動計算してくれるからこそ、ケアマネジャー自身が計算の筋道を理解しておく必要があります。
新人正直、ソフトが出してくれるので中身をあまり見ていませんでした…。理解しておく必要ってありますか?
先輩あるわよ。利用者さんに「今月なんでこんなに高いの?」と聞かれたとき、答えられるのは別表を読めるケアマネだけなの。ソフトは計算はしてくれるけれど、説明はしてくれないでしょう。
第6表(サービス利用票)の書き方
上段:利用者情報と認定情報
氏名・生年月日・要介護度・認定有効期間・区分支給限度基準額などを記載します。ここで最も間違いが起きやすいのが認定有効期間と区分支給限度基準額です。
中段:日付ごとのサービス予定と実績
月のカレンダー形式で、どの事業所のどのサービスを何日に利用するかを記入します。上段に予定、下段に実績を書くのが一般的な様式です。
- 前月中に「予定」を作成し、利用者の確認を得て事業所へ配布する
- 翌月に事業所から提供実績(実績報告)を受け、「実績」欄に反映する
- 予定と実績がずれた場合は、その理由を支援経過に記録する
- キャンセル・追加利用があった月は、限度額の再確認を行う
下段:区分支給限度基準額の管理欄
その月に使った単位数の合計と、限度額に対する残りが表示されます。ここが赤字になっていないか、毎月必ず目視で確認します。
第6表の記入例
| 欄 | 記入例 |
|---|---|
| 認定済・申請中 | 認定済 |
| 要介護状態区分 | 要介護2 |
| 認定有効期間 | 令和7年10月1日〜令和8年9月30日 |
| 区分支給限度基準額 | 19,705単位/月 |
| 限度額適用期間 | 令和7年10月〜令和8年9月 |
| サービス予定(例) | 訪問介護:毎週火・金/通所介護:毎週水・土/福祉用具貸与:毎日 |
第7表(サービス利用票別表)の書き方
別表は、事業所ごと・サービス内容ごとに単位数を積み上げ、最終的な利用者負担額まで計算する表です。計算は次の順序で進みます。
- サービスごとの単位数を出すサービス種類・提供時間・加算に応じた単位数に、回数を掛けます。
- 事業所ごとに合計する同一事業所内のサービスと加算を合計します。
- 限度額内と限度額超過に振り分ける区分支給限度基準額を超えた分は全額自己負担になります。
- 単位数単価を掛けて費用総額を出す単価は地域区分とサービス種類によって異なります。
- 保険給付額と利用者負担額に分ける負担割合証に記載された割合(1〜3割)で按分します。
計算例:要介護2・訪問介護と通所介護を利用
単位数単価は地域区分とサービス種類(人件費割合)の組み合わせで決まります。ここでは単価を仮に訪問介護11.40円、通所介護10.90円として計算します。
| サービス | 単位数×回数 | 小計単位 | 単価 | 費用総額 | 1割負担 |
|---|---|---|---|---|---|
| 訪問介護(身体1) | 244単位×8回 | 1,952 | 11.40円 | 22,252円 | 2,225円 |
| 通所介護(7〜8時間) | 750単位×8回 | 6,000 | 10.90円 | 65,400円 | 6,540円 |
| 福祉用具貸与 | — | 800 | 10.00円 | 8,000円 | 800円 |
| 合計 | — | 8,752 | — | 95,652円 | 9,565円 |
この例では合計8,752単位で、要介護2の限度額19,705単位に対して十分に余裕があります。限度額の管理は「単位数」で行い、負担額の説明は「円」で行うという使い分けを押さえてください。
新人同じ単位数でも、サービスによって金額が違うんですね。なぜですか?
先輩サービスごとに人件費の割合が違うからよ。訪問介護は人手が中心だから人件費割合が高くて、地域区分の上乗せが大きく効くの。だから同じ地域でも、訪問介護と通所介護では1単位あたりの単価が変わるのよ。
第6表・第7表でよくある間違い5つ
- 限度額オーバーを月末に気づく…予定作成時点で確認していれば防げます。ぎりぎりの月は事前にシミュレーションを。
- 区分変更月の限度額を取り違える…月途中で要介護度が変わった月は、適用される限度額の考え方を必ず確認する。
- 限度額の対象外サービスを含めて計算する…住宅改修や特定福祉用具販売など、区分支給限度基準額の対象外となる費用があります。
- 実績を反映せずに翌月へ進む…キャンセルが反映されないと、給付管理の突合でエラーになります。
- 負担割合の変更を見落とす…負担割合証は毎年更新されます。8月の切り替え時期は特に注意が必要です。
交付と確認のルール
作成した利用票と別表は、利用者に交付し、内容の確認を得るのが原則です。運営基準では、居宅サービス計画を作成した際に利用者および担当者へ交付することが定められており、利用票もその一環として扱われます。
- 前月中に予定を交付し、内容の説明と同意を得る
- サービス事業所へも提供票として配布する
- 実績確定後、必要に応じて確定版を改めて交付する
- 交付した日付と方法を支援経過に記録する
近年はケアプランデータ連携システムの普及により、利用票・提供票を電子的にやり取りする事業所も増えています。紙とFAXでの授受にかかっていた手間を減らせる一方、導入と運用にはルール整備が必要です。
よくある質問(FAQ)
利用票と提供票は何が違うのですか?
第6表・第7表は利用者の押印が必要ですか?
限度額を超えた場合、超過分はどう扱われますか?
月の途中でサービスをキャンセルしたら、利用票は作り直しますか?
住宅改修や福祉用具購入も利用票に載せますか?
- 第6表は1か月のサービス予定と実績のカレンダー、第7表は単位数から利用者負担額までの計算表。2枚1組で使う。
- 第7表の計算は「単位数→事業所別合計→限度額の内外に振り分け→単価を掛ける→負担割合で按分」の順に進む。
- 単位数単価は地域区分とサービス種類(人件費割合)で変わる。同じ単位数でもサービスによって金額が違う。
- 限度額オーバーは予定作成の段階で見つける。超過が見込まれる月は、必ず事前に利用者へ説明して選んでもらう。
- ソフトが自動計算してくれても、説明するのはケアマネジャー自身。計算の筋道を理解しておく。
















