2027年度介護保険制度改正の論点|決定事項と5つの持ち越し

当ページのリンクには広告が含まれています。


「2027年度の介護保険制度改正では、何が変わるの?」——第10期介護保険事業計画が始まる2027年度(令和9年度)の制度改正は、ケアマネの働き方にも利用者の負担にも直結します。

この記事では、すでに方向性が固まった項目と、結論が持ち越された論点を整理し、現役ケアマネが今から準備できることをまとめました。

この記事でわかること
  • 2027年度介護保険制度改正のスケジュール
  • 方向性が固まった項目(老人ホームの規制、ケアマネの資格制度など)
  • 結論が持ち越された5つの論点と、それぞれの争点
  • 改正がケアマネの実務・事業所経営に与える影響
  • 今から準備しておきたいこと
注意:この記事は2026年9月時点の情報です制度改正の内容は、今後の審議会や国会の審議で変わることがあります。記事の内容は議論の状況を整理したもので、確定した制度を保証するものではありません。最新の情報は、厚生労働省や各自治体の公式発表で必ず確認してください。
目次

2027年度介護保険制度改正のスケジュール

介護保険制度は3年を1期とする介護保険事業計画に合わせて見直されます。2027年度からは第10期が始まるため、これに合わせた制度改正が進められています。

時期主な動き
2025年12月社会保障審議会介護保険部会が制度改正に向けた意見をとりまとめ
2026年(通常国会)介護保険法等の改正案を審議
2026年度市町村・都道府県が第10期介護保険事業計画を作成/年末にかけて報酬改定の議論
2027年4月改正法の施行、第10期計画のスタート、介護報酬改定

注目したいのは、2027年度は「制度改正」と「介護報酬改定」が同じ年に重なるという点です。制度の枠組みと報酬の両方が動くため、事業所への影響は通常の改定より大きくなります。

新人ケアマネ新人

2026年6月にも処遇改善加算の改定がありましたよね。また変わるんですか?

ベテランケアマネ先輩

2026年6月のものは、賃上げのために間に入った「期中改定」だったの。本格的な改定は2027年度。制度そのものの見直しとセットだから、今のうちから動きを追っておくと安心よ。

方向性が固まった主な項目

1. 有料老人ホーム等への規制強化とケアプランの自己負担

いわゆる「囲い込み」への対応として、住宅型有料老人ホームなどを対象にした新しい枠組みが設けられる方向です。この新類型に入居する人については、居宅介護支援(ケアプラン作成)に自己負担を求める仕組みが導入される見通しです。

全面的なケアプラン有料化は見送られましたが、一部から始まる点は押さえておきましょう。詳しくはケアプラン有料化はどうなった?2026年の結論と自己負担の対象で解説しています。

2. ケアマネジャーの資格制度の見直し

人材確保の観点から、資格の入口と更新の両方が見直されます。

  • 受験資格の実務経験を「5年以上」から「3年以上」に短縮する方向(受験資格の短縮の記事はこちら
  • 更新研修のあり方を見直し、負担の軽い形に切り替える方向
  • 医療系の職種を中心に、受験できる基礎資格の範囲を拡大
ポイント:施行時期は項目ごとに違う制度改正の項目は、すべてが2027年4月に一斉に始まるとは限りません。準備期間が必要なものは経過措置が設けられたり、施行が後ろ倒しになったりします。「自分に関係する項目がいつから始まるのか」を個別に確認しましょう。

2027年度介護保険制度改正で結論が持ち越された5つの論点

2025年末の意見とりまとめでは、負担に関わる項目の多くが「引き続き検討」とされました。2026年末にかけて、改めて議論される見通しです。

論点内容争点
利用者負担2割の対象拡大2割負担となる所得基準を引き下げるかどうか物価高のなかでの負担増への反発。金融資産をどう見るかの検討も進む
要介護1・2の総合事業への移行訪問介護・通所介護を市町村の事業へ移すかどうかサービスの質の低下と、市町村格差への懸念
多床室の室料負担多床室の室料を全額自己負担にするかどうか低所得者への影響
被保険者範囲の拡大40歳未満からも保険料を徴収するかどうか現役世代の負担と、給付との関係の整理
ケアマネジメントのあり方業務範囲や評価の見直し業務範囲外の対応(いわゆるシャドーワーク)をどう扱うか
新人ケアマネ新人

要介護1・2の移行は、前の改正でも見送られましたよね。

ベテランケアマネ先輩

そうなの。何度も議論に上がっては持ち越されているテーマよ。ただ「結論が出ていない=なくなった」ではないから、動きは追い続けたいわね。

ケアマネの実務・経営への影響

利用者への説明が増える

負担に関わる見直しが動けば、利用者や家族への説明はケアマネの役割になります。負担割合が変わる人、自己負担が新たに生じる人には、事前の丁寧な説明が欠かせません。制度が変わる前から、「いつ・誰に・何を伝えるか」を想定しておくと慌てずにすみます。

事業所の収支に関わる

2027年度は報酬改定も同時に行われます。基本報酬や加算の見直しは、事業所の収支に直結します。加算の算定状況を今のうちに点検しておくと、改定後の判断がしやすくなります。現在の加算は居宅介護支援の加算一覧で確認できます。

ケアマネの確保・育成の追い風になる可能性

受験資格の短縮や更新研修の見直しは、人材不足への対応です。新しく資格を取る人が増えれば、数年後には事業所の体制づくりに影響します。一方で、経験の浅いケアマネを支える仕組みづくりが、主任ケアマネや管理者の課題になります。

今から準備しておきたい3つのこと

  • 情報源を1つに絞って定点観測する厚生労働省の審議会資料や自治体の通知など、確かな情報源を決めて定期的に確認します。SNSの断片的な情報だけで判断しないことが大切です。
  • 利用者への説明の型を用意しておく負担が変わる可能性のある利用者をリストアップし、説明の順番と資料を準備しておきます。
  • 事業所の体制を点検する加算の算定状況、担当件数、記録の整備状況を確認し、改定に耐えられる運営になっているかを見直します。

よくある質問(FAQ)

2027年度の制度改正はいつから始まりますか?
第10期介護保険事業計画が始まる2027年4月からの施行が予定されています。ただし、項目によって施行時期や経過措置が異なる場合があります。
ケアプランは有料になりますか?
全面的な有料化は見送られました。一方で、有料老人ホーム等の新しい枠組みに入居する人については、自己負担を求める仕組みが導入される見通しです。
要介護1・2のサービスは総合事業に移りますか?
2026年9月時点では決まっていません。反対意見が根強く、引き続き検討することとされています。
2割負担の対象は広がりますか?
2025年末の時点では結論が先送りされ、第10期計画が始まる前までに結論を得るとされています。2026年末にかけての議論を注視しましょう。
制度改正の情報はどこで確認できますか?
厚生労働省の社会保障審議会(介護保険部会・介護給付費分科会)の資料が一次情報です。あわせて、都道府県・市町村からの通知も確認しましょう。
まとめ
  • 2027年度は、制度改正と介護報酬改定が同時に行われる大きな節目
  • 方向性が固まったのは、有料老人ホーム等への規制強化と一部のケアプラン自己負担、ケアマネの資格制度の見直し
  • 2割負担の対象拡大、要介護1・2の総合事業移行、多床室の室料、被保険者範囲は結論が持ち越された
  • 負担が変わる項目は、利用者・家族への説明がケアマネの役割になる
  • 厚生労働省の審議会資料など確かな情報源で、定期的に最新情報を確認する

ケアマネ向けのおすすめの本を紹介します!

ぜひ、クリックして確認してみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次