理学療法士の職場見学で聞くべき質問|見るポイントと準備

「職場見学に行くけれど、何を聞けばいいのか分からない」——見学に行ったものの、施設をひと回りして終わってしまった。それでは、入職後のずれは防げません。
この記事では、理学療法士が職場見学で確認すべきことと、聞きにくい質問の切り出し方を整理しました。見学は、こちらが職場を選ぶ場でもあります。
- 職場見学で確認すべき5つの領域
- そのまま使える質問の具体例
- 聞きにくいことを角を立てずに聞く方法
- 質問より大事な「見るポイント」
- 見学後に判断するときの基準
理学療法士の職場見学で聞くべき質問|5つの領域
やみくもに質問しても、印象に残る情報は得られません。次の5つの領域に分けて、それぞれ2問ずつ用意しておくと整理できます。
| 領域 | 確認したいこと |
|---|---|
| 業務量 | 1日の単位数、担当する人数、記録の時間 |
| 教育・成長 | 新人教育、研修の費用、学会参加の扱い |
| 働き方 | 残業、休日、有給の取得状況、夜間や休日の対応 |
| 評価・待遇 | 昇給の仕組み、役職への道、評価の基準 |
| チーム | 職員の構成、他職種との関係、離職の状況 |
新人条件面を聞くと、印象が悪くなりませんか。
先輩逆よ。長く働く前提で考えている人だと伝わるわ。聞かずに入って、こんなはずじゃなかったと早期に辞めるほうが、お互いに損でしょう。聞き方さえ丁寧なら、嫌がる職場はまずないの。
そのまま使える質問例
業務量について
- 「1日に担当する患者さんは、おおよそ何人ほどでしょうか」
- 「1日の目標となる単位数はありますか。達成が難しい日はどう扱われますか」
- 「記録は勤務時間内に書き終えられていますか」
教育・成長について
- 「新人の方には、どのくらいの期間、指導者がつきますか」
- 「院内の勉強会は、勤務時間として扱われますか」
- 「学会や研修に参加する場合、費用の補助や公休の扱いはありますか」
働き方について
- 「1か月あたりの時間外は、平均するとどのくらいでしょうか」
- 「有給休暇は、実際にはどのくらい取得されていますか」
- 「土日祝日の出勤や、オンコールの当番はありますか」
評価・待遇について
- 「昇給は、どのような基準で決まりますか」
- 「役職に就いている方は、何年目くらいが多いでしょうか」
- 「人事考課では、どんな点が評価されますか」
チームについて
- 「リハビリ部門は何名で、経験年数の構成はどのようになっていますか」
- 「医師や看護師と情報を共有する場は、どのくらいの頻度でありますか」
- 「直近の数年で、退職された方はどのくらいいらっしゃいますか」
聞きにくいことの切り出し方
| 聞きたいこと | 切り出し方 |
|---|---|
| 残業の実態 | 「長く続けたいので、働き方を具体的に伺えますか」 |
| 離職率 | 「チームの構成を知りたいのですが、入れ替わりはありますか」 |
| 給与の詳細 | 「求人票の金額には、どの手当が含まれていますか」 |
| 人間関係 | 「困ったとき、誰に相談する流れになっていますか」 |
| ノルマの厳しさ | 「単位数が伸びない時期は、どのように振り返られますか」 |
いずれも、不信感ではなく「長く働くために知りたい」という姿勢で聞くのが基本です。
質問より大事な「見るポイント」
答えは取り繕えますが、現場の様子は取り繕えません。次の点を観察してください。
- 職員の表情と会話:すれ違うときに挨拶があるか、雑談ができる余裕があるか
- 訓練室の使われ方:混み具合、機器の整備、掲示物の更新
- 患者・利用者への声のかけ方:名前の呼び方、説明の丁寧さ
- 記録している場所と時間帯:休憩室で記録していないか
- 掲示された勤務表:残業や休日出勤の実態が読み取れることがある
- 案内してくれる人の様子:質問に率直に答えるか、はぐらかすか
とくに最後の点は重要です。答えにくい質問への反応の仕方に、その職場の体質が表れます。
新人見学は、どのくらいの時間がかかりますか。
先輩30分から1時間が多いわね。だから、その場で思いついた質問では足りないの。紙に書いて持っていくといいわ。メモを見ながら聞くことは、失礼ではないのよ。
見学前の準備
- 求人票を読み込む不明な点に印をつけ、質問に変えておきます。
- 施設の情報を調べる病床数、標榜科、提供しているサービスを確認します。
- 質問を紙に書く領域ごとに2問ずつ、計10問を目安にします。
- 服装を整えるスーツか、それに準じた服装。動きやすい靴で行きます。
- 自分の希望を言語化する何を優先するかを決めておくと、判断がぶれません。
見学でしないほうがよいこと
- 条件面だけを立て続けに聞く
- 前の職場の不満を口にする
- 許可なく写真を撮る
- 患者・利用者の情報に踏み込んで質問する
- 案内役の職員にだけ話し、他の人に挨拶しない
見学は、こちらも見られている場です。敬意を持った振る舞いが、そのまま評価につながります。
見学後に判断する基準
| 見るところ | 判断の目安 |
|---|---|
| 質問への答え方 | 具体的な数字で答えたか、あいまいに濁したか |
| 説明と現場の一致 | 「残業は少ない」と聞いたが、遅くまで人がいた、などのずれはないか |
| 自分の優先順位との合致 | 譲れない条件が満たされているか |
| その場にいる自分を想像できるか | 働いている姿が思い浮かぶか |
迷う場合は、複数の職場を見学して比べることをおすすめします。1か所だけでは、その職場が良いのか悪いのかを判断する基準を持てません。
見学の申し込み方
求人票に見学の案内がない場合でも、申し出れば受け入れてもらえることがほとんどです。連絡の形を決めておくと、動きやすくなります。
- 窓口を確認する求人票の担当者、または人事・総務へ連絡します。転職サイトを通している場合は、担当者に依頼します。
- 目的を伝える「リハビリ部門の働き方を知りたい」と伝えると、案内する相手を用意してもらえます。
- 候補日を複数出す現場が動いている平日の日中が、様子を見るには適しています。
- 所要時間を確認する質問の数を、時間に合わせて絞り込めます。
- 当日にお礼を伝える終了後にメールを送ると、丁寧な印象が残ります。
在職中で平日が難しい場合は、その事情を正直に伝えてかまいません。日程を調整してもらえることが多くあります。
参考:見学の受け入れ方や当日の流れは、職場によって異なります。面接と同日に行われる場合もあるため、申し込みの際に確認しておきましょう。
よくある質問(FAQ)
職場見学で給与のことを聞いてもよいですか?
見学と面接は違うものですか?
質問が思いつかない場合はどうすればよいですか?
見学だけして辞退してもよいですか?
新卒と転職で、聞くべきことは違いますか?
- 質問は「業務量」「教育」「働き方」「評価」「チーム」の5領域で用意する
- 制度の有無ではなく「実際にどのくらい使われているか」を聞く
- 答えは取り繕えるが、職員の表情や記録している場所は取り繕えない
- 聞きにくいことは「長く働くために知りたい」という姿勢で切り出す
- 1か所だけでは判断できない。複数を見比べる
















