【過去問解説】第38回(令和7年度)介護福祉士国家試験|全125問

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第38回(令和7年度)介護福祉士国家試験の全125問を、問題文・選択肢・正答・選択肢ごとの解説までまとめて掲載します。受験者78,469人、合格率70.1%という結果でした。

この回からパート合格の仕組みが導入され、試験の受け方そのものが変わりました。次回に向けて、出題の傾向とあわせて確認してください。

この記事でわかること
  • 第38回介護福祉士国家試験の全125問と正答
  • 選択肢ごとの解説と、押さえておきたい要点
  • 合格基準点とパートごとの基準点
  • 受験者数・合格者数・合格率
  • 解答早見表(自己採点用)
出典と注意問題文・選択肢・正答は、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表している試験問題および「合格基準及び正答」にもとづいています。解説は当サイトが独自に作成したもので、公式見解ではありません。制度に関する記述は出題時点の内容です。学習にあたっては最新の制度を確認してください。
目次

第38回(令和7年度)介護福祉士国家試験の概要

項目内容
試験日令和8年1月25日(日)
試験地35都道府県
合格発表日令和8年3月16日(月)
受験者数78,469人
合格者数54,987人
合格率70.1%
出題数125問(1問1点)
新人ケアマネ新人

合格率が70%なら、そんなに難しくないのでしょうか。

ベテランケアマネ先輩

油断は禁物よ。範囲が13科目と広いから、苦手な分野を残したまま本番を迎える人が多いの。しかも科目群すべてで得点が必要だから、1つでも0点の科目群があるとそれだけで不合格になってしまうのよ。

合格基準と合格点

合格するには、次の2つの条件を両方とも満たす必要があります。

  • 総得点125点に対し、64点以上を得点すること(総得点の60%程度を基準とし、問題の難易度で補正されます)
  • 上の条件を満たしたうえで、11の科目群すべてにおいて得点があること

11の科目群は次のとおりです。

①人間の尊厳と自立、介護の基本②社会の理解
③人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術④生活支援技術
⑤こころとからだのしくみ⑥発達と老化の理解
⑦認知症の理解⑧障害の理解
⑨医療的ケア⑩介護過程
⑪総合問題

1科目群でも0点があると、総得点が足りていても不合格になります。捨て科目をつくらないことが、この試験の鉄則です。

パート合格制とパートごとの基準点

第38回から、試験を3つのパートに分けて合否を判定する仕組みが導入されました。全パートの総得点で基準に届かなかった場合でも、パートごとの基準を満たしていれば、そのパートは合格として扱われます。

パート合格基準点パート別合格者数
Aパート32.23点3,935人
Bパート20.43点1,509人
Cパート11.33点6,181人

パートごとの基準点は、全受験者の平均得点の比率を用いて、全体の合格基準点を按分して決められます。パート別の合格者数は一部重複しています

新人ケアマネ新人

パート合格があると、働きながらでも挑戦しやすくなりますね。

ベテランケアマネ先輩

そうね。一度にすべてを仕上げなくてよくなったのは大きいわ。ただし、パート別の合格になるのは総得点で届かなかった場合。まずは全体で合格を目指すのが基本よ。

第38回介護福祉士国家試験の全125問と解説

ここからは、全125問を問題番号順に掲載します。○が正答の選択肢、×が誤りの選択肢です。選択肢ごとの解説を読み、なぜ誤りなのかまで押さえておくと、次回の得点力につながります。

問題1

社会福祉の理念を発展させた人物に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 バンク-ミケルセン(Bank-Mikkelsen, N.)は,「ソーシャルロール・バロリゼーション(Social Role Valorization)」を提唱した。
  • ○ 2 ニィリエ(Nirje, B.)は,「ノーマライゼーション(normalization)の8つの原理」を提唱した。
  • × 3 ヴォルフェンスベルガー(Wolfensberger, W.)は,「エーデル改革」を提唱した。
  • × 4 リッチモンド(Richmond, M.)は,「ケースワークの7原則」を提唱した。
  • × 5 エリクソン(Erikson, E.)は,「自立生活運動の理念」を提唱した。
正答 2ノーマライゼーションは、バンク-ミケルセンが提唱し、ニィリエが8つの原理として整理し、ヴォルフェンスベルガーが北米で発展させた、という流れで覚えます。人物と業績の組み合わせは頻出です。

選択肢1 バンク-ミケルセンはデンマークでノーマライゼーションの理念を生み出した人物です。ソーシャルロール・バロリゼーション(社会的役割の価値づけ)を提唱したのはヴォルフェンスベルガーです。

選択肢2 正答です。ニィリエはスウェーデンで、ノーマライゼーションを1日のリズム、1週間のリズム、1年のリズムなど8つの原理として具体化しました。

選択肢3 ヴォルフェンスベルガーはソーシャルロール・バロリゼーションを提唱した人物です。エーデル改革はスウェーデンで行われた高齢者福祉の制度改革であり、人物が提唱した理念ではありません。

選択肢4 リッチモンドは「ケースワークの母」と呼ばれ、社会診断を体系化した人物です。ケースワークの7原則を示したのはバイステックです。

選択肢5 エリクソンは生涯を8つの発達段階でとらえる理論を示した人物です。自立生活運動はアメリカの障害者自身によって始まった運動で、エド・ロバーツらが中心となりました。

問題2

A さん(62歳,男性,要介護2)は,2年前に筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)と診断された。妻と自宅で過ごしたいと希望し,訪問介護(ホームヘルプサービス)と訪問看護を利用している。最近,症状が進行し,サービス担当者会議で,Aさんは,「人工呼吸器はつけないで,最期まで自宅で生活したい」と言った。会議のあと,妻は訪問介護員(ホームヘルパー)に,「夫にはなかなか言えないのですが,一日でも長く一緒にいたいので,私は人工呼吸器をつけてほしいと思っています」と気持ちを伝えた。次のうち,Aさんの妻に対する訪問介護員(ホームヘルパー)の提案として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 「会議で話されていたAさんの意思が大切なので,尊重しませんか」
  • × 2 「私にはわからないので,医師に決めてもらってはどうですか」
  • × 3 「Aさんに人工呼吸器をつけてもらったほうがいいですよね」
  • ○ 4 「Aさんとお互いの気持ちを話し合う時間をつくりませんか」
  • × 5 「病院や施設の情報がほしいと介護支援専門員に伝えてはどうですか」
正答 4本人と家族の意思が食い違う場面では、介護福祉職がどちらかに味方したり結論を出したりしません。両者が気持ちを話し合える場をつくることが役割です。

選択肢1 本人の意思は尊重されるべきですが、この言い方は妻の気持ちを受け止めずに退けることになります。妻が抱えている葛藤への支援が抜け落ちています。

選択肢2 「わからない」と関わりを断ち、決定を医師に委ねる対応です。本人と家族の意思決定を支える役割を放棄しています。

選択肢3 妻の希望に同調して、本人が示した意思と反対の方向へ促しています。本人の自己決定を損なう対応です。

選択肢4 正答です。人工呼吸器の選択は本人と家族が一緒に考えるべきことです。訪問介護員は、両者が気持ちを伝え合える場をつくる提案をします。

選択肢5 本人は自宅での生活を希望しています。その意思を確認しないまま病院や施設の情報提供に話を移すのは、希望に沿わない提案です。

問題3

介護施設における介護ロボットに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 導入した施設は,人員配置基準が撤廃される。
  • × 2 使用方法は,職員個人の判断で行う。
  • ○ 3 導入することによって,利用者の自立支援や生活の質の向上が期待される。
  • × 4 導入の目的は,職員と利用者とのかかわりを最小限に抑えることである。
  • × 5 導入によって,職員の巡回は不要になる。
正答 3介護ロボットは、職員の負担軽減だけでなく、利用者の自立支援と生活の質の向上を目的とする道具です。人の関わりを減らすためのものではありません。

選択肢1 導入によって人員配置基準が撤廃されることはありません。一定の要件を満たす場合に配置の特例が認められる仕組みはありますが、基準そのものがなくなるわけではありません。

選択肢2 使用方法を職員個人の判断に委ねると、事故や誤操作につながります。手順を定め、研修を行ったうえで統一して使います。

選択肢3 正答です。移乗や見守りの負担を減らすことで、利用者ができる動作を保ち、職員が関わる時間を確保することが期待されています。

選択肢4 関わりを最小限に抑えることが目的ではありません。むしろ、間接的な業務を減らして関わる時間を増やすことがねらいです。

選択肢5 見守り機器を導入しても、職員の巡回が不要になるわけではありません。機器は状態を把握する手がかりであり、確認は必要です。

問題4

次の記述のうち,指定避難所での要配慮者に対する生活支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ○ 1 避難所内の情報提供には,音声やピクトグラム(pictogram)も取り入れる。
  • × 2 避難所内では,二次避難に備えて土足で過ごしてもらう。
  • × 3 食事は,被災者の平等性,公平性の観点から同じものを提供する。
  • × 4 トイレは,感染予防のために和式便器が望ましい。
  • × 5 生活範囲は,区画されたスペースに限定する。
正答 1避難所の要配慮者支援では、情報の伝え方を複数用意し、衛生と使いやすさを確保します。「平等だから全員同じ」は配慮の欠如になります。

選択肢1 正答です。掲示だけでは視覚障害のある人に伝わらず、音声だけでは聴覚障害のある人に伝わりません。音声とピクトグラムを併用することで、多くの人に情報が届きます。

選択肢2 土足で過ごすと衛生環境が悪化し、感染症の危険が高まります。高齢者や障害のある人が横になる場所では特に避けます。

選択肢3 同じものを配ることが公平とは限りません。嚥下の状態やアレルギー、宗教上の配慮など、個別の必要に応じた提供が求められます。

選択肢4 和式便器は、立ち座りが困難な高齢者や障害のある人には使えません。洋式や簡易な手すりを備えたトイレが望まれます。

選択肢5 生活範囲を区画内に限定すると、活動量が落ち、心身の機能低下につながります。移動できる範囲を確保することが必要です。

問題5

ユニバーサルデザイン(universal design)の7原則に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ○ 1 安全で使いやすいデザインにする。
  • × 2 要介護高齢者を対象とする。
  • × 3 個別対応より標準化を優先する。
  • × 4 介護福祉職にとって操作しやすいことを優先する。
  • × 5 デザインの美しさを優先する。
正答 1ユニバーサルデザインは、特定の人のためではなく「できるだけ多くの人が使えるようにする」考え方です。7原則には、公平性、自由度、単純さ、分かりやすさ、安全性、身体的負担の少なさ、十分な大きさと空間が含まれます。

選択肢1 正答です。うっかり間違えても危険につながらないこと、無理なく使えることが原則に含まれています。

選択肢2 対象を要介護高齢者に限定する考え方ではありません。年齢や障害の有無にかかわらず、多くの人が使えることを目指します。

選択肢3 標準化を優先する考え方ではありません。使う人の幅を広げるために、複数の使い方ができる自由度が重視されます。

選択肢4 介護福祉職の操作しやすさではなく、使う人すべてにとっての使いやすさを考えます。

選択肢5 美しさを否定するものではありませんが、優先されるのは使いやすさと安全性です。

問題6

Aさん(51歳,男性,障害支援区分5)は,知的障害がある。共同生活援助(グループホーム)で生活をしている。日中は,生活介護を利用して軽作業を行っている。Aさんは,タオルに強いこだわりを持っていて,なじみの店で自分が選んだタオルしか使用しない。これまでタオルは,両親と買いに行っていたが,両親が高齢になり行けなくなった。Aさんの両親から,サービス管理責任者に,「強いこだわりがあるので,いつも行く店で本人にタオルを選ばせてほしい。何か良いサービスはありませんか」と相談があった。次の記述のうち,サービス管理責任者の助言として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 店までの移動に不安があるため,同行援護を勧める。
  • × 2 身体機能の維持・向上のために,自立訓練(機能訓練)を勧める。
  • × 3 一人で外出できるように,自発的活動支援を勧める。
  • × 4 自立した日常生活が送れるように,自立生活援助を勧める。
  • ○ 5 本人が買物に行けるように,行動援護を勧める。
正答 5外出を支えるサービスは、障害の種類によって使い分けます。行動援護は知的障害・精神障害により行動上著しい困難がある人、同行援護は視覚障害のある人が対象です。

選択肢1 同行援護は、視覚障害により移動に著しい困難がある人が対象です。Aさんは知的障害があるため、対象が異なります。

選択肢2 自立訓練(機能訓練)は、身体機能の維持・向上を目的とした訓練です。買物に同行して危険を回避する支援とは目的が異なります。

選択肢3 自発的活動支援事業は、地域で住民が自発的に行う活動を支援する事業です。個別の外出に付き添う支援ではありません。

選択肢4 自立生活援助は、定期的な訪問や随時の対応により、一人暮らしに必要な相談や助言を行うサービスです。買物への同行を目的とするものではありません。

選択肢5 正答です。行動援護は、行動上著しい困難がある人に対し、外出時の危険を回避する援護や移動の介護を行います。本人が店で選ぶという希望に沿った支援ができます。

問題7

次の記述のうち,介護保険制度における一人暮らしの要支援者を支えるサービスの内容として,適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 夜間を安心して過ごすために,夜間対応型訪問介護を利用する。
  • ○ 2 自宅で安全に移動するために,介護予防住宅改修を利用する。
  • × 3 趣味のカラオケに行くために,小規模多機能型居宅介護を利用する。
  • × 4 身元保証や死後の財産処分のために,高齢者等終身サポート事業を利用する。
  • × 5 金銭管理のために,日常生活自立支援事業を利用する。
正答 2「介護保険制度における」と限定されている点に注意します。要支援者が使えるのは介護予防のサービスであり、夜間対応型訪問介護のように要介護者のみを対象とするものは選べません。

選択肢1 夜間対応型訪問介護は要介護者が対象で、介護予防のサービスとしては用意されていません。要支援の人は利用できません。

選択肢2 正答です。介護予防住宅改修は要支援の人も利用でき、手すりの設置や段差の解消によって自宅での移動の安全を高められます。

選択肢3 介護予防小規模多機能型居宅介護は要支援の人も利用できますが、趣味のカラオケに行くことを目的として位置づけるのは適切ではありません。

選択肢4 高齢者等終身サポート事業は、身元保証や死後の事務などを民間が担う仕組みであり、介護保険制度のサービスではありません。

選択肢5 日常生活自立支援事業は社会福祉協議会が行う福祉サービスであり、介護保険制度のサービスではありません。

問題8

Aさん(91歳,女性,要支援2)は,長年診療所の医師として地域医療に貢献してきた。婚姻歴はなく,診療所敷地内の自宅で3匹の猫と暮らしている。85歳で医師を引退した後も,近隣にはAさんを慕う地域住民が多く,定期的に,「先生,元気にしてますか」とAさんの自宅を訪ねている。Aさんは昨年から歩行の不安を訴え,現在は地域住民の見守りのほか,訪問型サービスを週2回利用している。人の世話になることに慣れていない様子もあるが,最期まで自宅で暮らすことを望んでいる。次の記述のうち,Aさんの生活史を尊重した訪問介護員(ホームヘルパー)の声かけとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 「3匹の猫は,今後は地域の皆さんに預けましょう」
  • ○ 2 「近所の方の力も借りて,この地域で暮らしていけるように考えていきましょう」
  • × 3 「介護を受けることにも,今後は慣れてください」
  • × 4 「医師であったことは忘れて,私たちを頼ってください」
  • × 5 「一人暮らしで自宅で最期を迎えるのは,不安がありますよね」
正答 2生活史の尊重とは、その人が歩んできた歴史と、今も大切にしているものを支えることです。過去を切り離させたり、慣れることを求めたりする声かけは尊重になりません。

選択肢1 長年ともに暮らしてきた猫は、Aさんの生活の一部です。本人の意向を確認せずに手放す前提で話すのは、生活史の尊重になりません。

選択肢2 正答です。地域住民から慕われてきたという歴史を活かし、その関係のなかで自宅での生活を続けられるよう支える声かけです。

選択肢3 介護を受けることに慣れるよう求めるのは、本人の価値観を変えさせようとする対応です。人の世話になることに慣れていない背景を受け止めていません。

選択肢4 医師であったことは、Aさんの人生そのものです。忘れるよう促すのは、生活史を否定することになります。

選択肢5 不安を先回りして口にすることで、自宅で最期までという本人の希望を揺るがせてしまいます。

問題9

次の記述のうち,介護老人保健施設における在宅復帰に向けたカンファレンスで,介護福祉士が連携する職種の役割として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 歯科衛生士が,義歯を作成する。
  • × 2 看護師が,車いすを貸与する。
  • × 3 介護支援専門員(ケアマネジャー)が,訪問介護計画を作成する。
  • × 4 福祉用具専門相談員が,下肢の機能訓練をする。
  • ○ 5 作業療法士が,自宅の玄関の段差を確認する。
正答 5多職種連携の問題では、それぞれの職種が法令や制度上どの業務を担うかを押さえます。役割を入れ替えた選択肢が誤りになる典型的な出題です。

選択肢1 義歯の作成は歯科医師の診療と歯科技工士の製作によるものです。歯科衛生士の業務は、歯科診療の補助や口腔衛生の指導などです。

選択肢2 車いすの貸与を担うのは福祉用具貸与事業所であり、選定や調整に関わるのは福祉用具専門相談員です。看護師の役割ではありません。

選択肢3 訪問介護計画を作成するのは、訪問介護事業所のサービス提供責任者です。介護支援専門員が作成するのは居宅サービス計画です。

選択肢4 下肢の機能訓練を行うのは理学療法士などのリハビリテーション専門職です。福祉用具専門相談員の業務ではありません。

選択肢5 正答です。作業療法士は、生活行為の視点から住環境を評価します。在宅復帰に向けて自宅の玄関の段差を確認することは、その役割に含まれます。

問題10

次の記述のうち,介護老人福祉施設におけるリスクマネジメントとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ○ 1 安全対策担当者を置き,事故発生予防のための委員会を定期的に開催する。
  • × 2 家族からの苦情は,介護福祉職が,その場で解決する。
  • × 3 利用者の私物を壊したときは,介護福祉職の自己判断で弁償する。
  • × 4 入浴介助時のインシデントの報告は,職員間の口頭による伝達に統一する。
  • × 5 事故防止のため,地域のお祭りへの参加は控える。
正答 1リスクマネジメントは、個人の判断ではなく組織の仕組みで行います。安全対策担当者の配置と事故防止委員会の開催は、運営基準で求められている取り組みです。

選択肢1 正答です。安全対策担当者を定め、委員会を定期的に開催して事例を検討することが、事故の予防につながります。

選択肢2 苦情をその場で介護福祉職が判断して解決すると、対応にばらつきが出ます。苦情受付の窓口と手順を定め、組織として対応します。

選択肢3 私物を壊したときに自己判断で弁償すると、事実確認や再発防止の検討が行われません。上司へ報告し、組織として対応します。

選択肢4 口頭のみの伝達では、記録が残らず、分析も再発防止もできません。所定の様式で記録に残すことが必要です。

選択肢5 地域の行事への参加を控えることは、社会とのつながりを断つことになります。危険を減らす工夫をしたうえで参加を支えます。

問題11

次の記述のうち,介護現場におけるレジオネラ菌の感染対策として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 感染者の衣類は,熱湯で煮沸消毒する。
  • × 2 提供する食品は,加熱調理を徹底する。
  • ○ 3 循環式浴槽は,塩素系薬剤を使用して消毒する。
  • × 4 ドアノブは,次亜塩素酸ナトリウム液で消毒する。
  • × 5 家庭用加湿器のタンクの水は,常に貯めておく。
正答 3レジオネラ菌は、循環式浴槽や加湿器などの水まわりで増え、細かい水しぶきを吸い込むことで感染します。人から人へはうつらず、食品を介した感染でもありません。

選択肢1 人から人へ感染する菌ではないため、衣類の煮沸消毒は対策になりません。

選択肢2 レジオネラ菌は水を介して感染します。加熱調理の徹底は食中毒の対策であり、この菌への対策としては適切ではありません。

選択肢3 正答です。循環式浴槽は菌が繁殖しやすいため、塩素系薬剤による消毒と適切な水の管理が求められます。

選択肢4 ドアノブの消毒は接触感染への対策です。水しぶきを吸い込むことで感染するレジオネラ菌の対策としては適切ではありません。

選択肢5 加湿器のタンクに水を貯めたままにすると菌が増えます。水は毎日入れ替え、タンクを清潔に保ちます。

問題12

介護福祉職が受けるストレスチェック制度に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 3年に1回の実施が義務づけられている。
  • × 2 労働者数が常時100名の事業場は受検が免除される。
  • × 3 結果は労務管理を行う介護主任へ提供され,面接指導に活用する。
  • ○ 4 心理的な負担の程度を把握するためのものである。
  • × 5 高ストレスと判定された場合は,産業医による治療が必須である。
正答 4ストレスチェック制度は、労働安全衛生法にもとづく仕組みです。目的は心理的な負担の程度を把握し、本人が気づくきっかけをつくることにあります。

選択肢1 実施は1年以内ごとに1回とされています。3年に1回ではありません。

選択肢2 常時50人以上の労働者がいる事業場に実施が義務づけられています。100名の事業場が免除されることはありません。

選択肢3 結果は本人に直接通知されます。本人の同意なく事業者側へ提供することはできず、介護主任へ当然に提供されるものではありません。

選択肢4 正答です。労働者の心理的な負担の程度を把握し、本人の気づきを促すとともに、職場環境の改善につなげることが目的です。

選択肢5 高ストレスと判定された場合、本人の申出により医師による面接指導が行われます。産業医による治療が必須とされるものではありません。

問題13

民法の親族に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

  • × 1 三親等内の血族を家族と規定している。
  • × 2 六親等内の姻族を親族と規定している。
  • × 3 いとこは互いに扶養する義務があると規定している。
  • ○ 4 同居する親族は互いに扶け合わなければならないと規定している。
  • × 5 養子と養親の間には,親族関係は生じない。
正答 4民法上の親族は「6親等内の血族・配偶者・3親等内の姻族」です。扶け合いの義務は直系血族と同居の親族に、扶養の義務は直系血族と兄弟姉妹に定められています。

選択肢1 民法に「家族」を定義した規定はありません。定められているのは親族の範囲です。

選択肢2 姻族は3親等内までが親族とされます。6親等内とされるのは血族です。

選択肢3 扶養の義務があるのは直系血族と兄弟姉妹です。いとこは4親等の血族にあたり、原則として扶養義務はありません。

選択肢4 正答です。民法には、直系血族および同居の親族は互いに扶け合わなければならないと定められています。

選択肢5 養子縁組により、養子と養親の間には法律上の血族関係(法定血族)が生じます。

問題14

次の記述のうち,「令和4(2022)年国民生活基礎調査」(厚生労働省)における,高齢者に関する調査結果として,適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 65歳以上の者のいる世帯の世帯構造で最も多いのは,親と未婚の子のみの世帯である。
  • × 2 高齢者世帯は5割以上を占めている。
  • ○ 3 要介護者等と同居の主な介護者の年齢の組合せでは,65歳以上同士が約6割を占めている。
  • × 4 介護が必要となった理由の第1位は,骨折・転倒である。
  • × 5 1世帯当たりの平均所得金額では,高齢者世帯では600万円を超えている。
正答 3国民生活基礎調査は頻出です。65歳以上の者のいる世帯で最も多いのは夫婦のみの世帯、介護が必要となった原因の第1位は認知症、老老介護は約6割、という数字を押さえます。

選択肢1 最も多いのは夫婦のみの世帯です。親と未婚の子のみの世帯は2割程度にとどまります。

選択肢2 高齢者世帯が全世帯に占める割合は3割程度です。5割以上ではありません。

選択肢3 正答です。同居の主な介護者と要介護者等がともに65歳以上である組合せは、およそ6割を占めています。いわゆる老老介護の状態です。

選択肢4 介護が必要となった主な原因の第1位は認知症です。骨折・転倒は上位ではありますが第1位ではありません。

選択肢5 高齢者世帯の1世帯当たり平均所得金額は300万円台です。600万円を超えてはいません。

問題15

Aさん(78歳,女性)は,一人暮らしである。家事や買物は,時間はかかるが,できるだけ自分で取り組んでいる。近くに頼れる親族がいないため,緊急時にすぐに通報できる公共サービスを利用している。Aさんは,定期的に市の窓口や地域包括支援センターに今後の生活支援について相談している。近所には,毎日散歩を一緒にしている友人グループがいて,散歩に来ない仲間がいると訪問して声をかけあっている。次のうち,Aさんの生活を支える自助に該当するものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ○ 1 Aさんが身辺のことを,時間をかけてもやること
  • × 2 緊急時にすぐに通報できる公共サービスを利用していること
  • × 3 市の窓口の職員が相談に応じること
  • × 4 地域包括支援センターの職員が相談に応じること
  • × 5 散歩仲間が声をかけあっていること
正答 1自助・互助・共助・公助の区別を問う定番の出題です。自助は自分で行うことと市場サービスの購入、互助は近隣や友人による支え合い、共助は社会保険、公助は税による公的サービスです。

選択肢1 正答です。時間がかかっても自分で家事や買物に取り組むことは、自らの力で生活を維持する自助にあたります。

選択肢2 公共サービスによる緊急通報の仕組みを利用することは、公助にあたります。

選択肢3 市の窓口の職員が相談に応じることは、行政による支援であり公助にあたります。

選択肢4 地域包括支援センターの職員による相談支援も、公的な仕組みによるもので公助にあたります。

選択肢5 散歩仲間が互いに声をかけあうことは、住民どうしの支え合いであり互助にあたります。

問題16

介護保険制度における介護サービス利用に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 65歳未満の者は,保険給付の対象外である。
  • ○ 2 保険給付には,支給限度額がある。
  • × 3 要介護認定の有効期限は,原則として3か月である。
  • × 4 保険給付による福祉用具の貸与は,要介護3以上の者が対象である。
  • × 5 地域包括支援センターに相談する前に,要介護認定を受ける必要がある。
正答 2介護保険の基本的な仕組みを問う問題です。第2号被保険者、支給限度額、認定の有効期間、福祉用具貸与の対象は、いずれも繰り返し出題されます。

選択肢1 40歳以上65歳未満の第2号被保険者も、国が定める特定疾病が原因である場合は保険給付の対象になります。

選択肢2 正答です。居宅サービスには要介護度に応じた区分支給限度基準額が設定され、これを超えた分は全額自己負担になります。

選択肢3 要介護認定の有効期間は、新規で原則6か月、更新で原則12か月です。3か月ではありません。

選択肢4 福祉用具貸与は要支援の人も利用できます。ただし車いすや特殊寝台など一部の種目は、原則として要介護2以上が対象です。

選択肢5 地域包括支援センターには、要介護認定を受ける前でも相談できます。認定の前に相談することがむしろ一般的です。

問題17

次の記述のうち,障害者福祉の歴史的展開として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ○ 1 国際連合の障害者の権利に関する条約の影響を受け,障害者基本法に「社会的障壁の除去」が規定された。
  • × 2 第二次世界大戦後5年以内に,優生保護法が廃止された。
  • × 3 「精神薄弱者福祉法」の制定によって,知的障害者の入所施設からの地域移行が推進された。
  • × 4 社会福祉基礎構造改革によって,高齢者より先に障害者の福祉制度が利用契約制度となった。
  • × 5 身体障害,知的障害,精神障害のうち,福祉に関する法律の制定が最も早かったのは知的障害である。(注)「精神薄弱者福祉法」とは,現在の知的障害者福祉法のことである。
正答 1障害者福祉の法制度は、年代順に整理すると解きやすくなります。身体障害者福祉法が最も早く、次いで精神、知的の順に法律が整備されました。

選択肢1 正答です。障害者の権利に関する条約への対応として障害者基本法が改正され、社会的障壁の除去が規定されました。障害を個人ではなく社会の側の障壁としてとらえる考え方です。

選択肢2 優生保護法が母体保護法に改められたのは1990年代です。第二次世界大戦後5年以内ではありません。

選択肢3 精神薄弱者福祉法は入所施設の整備を中心とする法律でした。地域移行が政策として進められるのは、その後の時代です。

選択肢4 社会福祉基礎構造改革では、高齢者の介護保険制度が先に始まり、障害者は支援費制度としてその後に契約制度へ移行しました。

選択肢5 最も早く制定されたのは身体障害者福祉法です。知的障害に関する法律の制定は、それより後になります。

問題18

次の記述のうち,障害者福祉に関係する機関やシステムとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 地域活動支援センターは,補装具の判定を行う。
  • × 2 基幹相談支援センターには,介護福祉士の配置が義務となっている。
  • ○ 3 都道府県は,身体障害者更生相談所を設置しなければならない。
  • × 4 都道府県は,障害支援区分の認定を行う。
  • × 5 利用者負担の額は,市町村障害福祉計画によって決められる。
正答 3障害者福祉の実施体制は、都道府県と市町村の役割分担が問われます。専門的な判定は都道府県の更生相談所、支給決定や区分認定は市町村が担います。

選択肢1 補装具の判定を行うのは身体障害者更生相談所です。地域活動支援センターは、創作的活動や生産活動の機会を提供する場です。

選択肢2 基幹相談支援センターに介護福祉士の配置を義務づける規定はありません。相談支援に関する専門職が配置されます。

選択肢3 正答です。身体障害者更生相談所は、都道府県に設置が義務づけられています。専門的な相談や判定を担います。

選択肢4 障害支援区分の認定を行うのは市町村です。都道府県ではありません。

選択肢5 利用者負担の額は法令にもとづいて定められます。市町村障害福祉計画は、サービスの見込み量などを定める計画です。

問題19

障害者虐待防止に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 養護者による虐待が疑われる障害者を発見した場合,都道府県へ通報する義務がある。
  • × 2 著しく拒絶的な対応は身体的虐待に当てはまる。
  • × 3 使用者による障害者虐待は含まれない。
  • × 4 行政職員が障害者福祉施設等に,立ち入り調査を行うことは許されていない。
  • ○ 5 虐待を発見した障害者福祉施設従事者が通報した場合,業務上の守秘義務違反にはならない。
正答 5障害者虐待防止法は、養護者・障害者福祉施設従事者等・使用者による虐待の3類型を対象とします。通報は守秘義務違反にならないという点は繰り返し問われます。

選択肢1 養護者による虐待を受けたと思われる障害者を発見した場合の通報先は、市町村です。都道府県ではありません。

選択肢2 著しく拒絶的な対応は、心理的虐待に当てはまります。身体的虐待ではありません。

選択肢3 使用者による障害者虐待も、この法律の対象に含まれます。

選択肢4 市町村や都道府県の職員が、必要に応じて立入調査を行うことは認められています。

選択肢5 正答です。通報したことを理由に、守秘義務違反として責任を問われることはありません。通報を妨げないための規定です。

問題20

Aさん(82歳,女性,要介護1)は,自宅で一人暮らしをしている。外出機会が少ないAさんを心配して,民生委員が定期的に見守りを行っている。ある日,民生委員から地域包括支援センターに,「Aさんのように,家に閉じこもりがちな要介護者が増えている。民生委員だけでは十分な見守りができない」と相談があった。次の記述のうち,地域包括支援センターの職員の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 高齢者本人による相談が原則のため,Aさん自身が相談に来るように促す。
  • × 2 介護サービスを利用するため,Aさんのケアプランを作成する。
  • × 3 フォーマルな社会資源の活用を優先し,民生委員のかかわりを制限する。
  • ○ 4 地域ケア会議において,関係者と地域課題について話し合う。
  • × 5 要介護者の実態を把握するために,介護保険審査会を設置する。
正答 4地域包括支援センターには、個別の支援だけでなく、地域全体の課題を見つけて解決の仕組みをつくる役割があります。地域ケア会議はそのための場です。

選択肢1 本人からの相談を原則とする決まりはありません。民生委員など周囲からの相談も受け付けます。

選択肢2 要介護1の人の居宅サービス計画は、居宅介護支援事業所の介護支援専門員が作成します。地域包括支援センターが担うのは介護予防ケアマネジメントです。

選択肢3 民生委員の関わりを制限するのは適切ではありません。フォーマルとインフォーマルの両方を組み合わせて支えます。

選択肢4 正答です。閉じこもりがちな要介護者が増えているという地域の課題を、地域ケア会議で関係者と共有し、対応を検討します。

選択肢5 介護保険審査会は、都道府県に置かれる不服申立てを審理する機関です。実態把握のために設置するものではありません。

問題21

法定後見制度に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

  • × 1 65歳未満の者は利用することができない。
  • ○ 2 判断能力が十分ある者には,後見人をつけることができない。
  • × 3 市町村長は,後見開始の審判を請求することができない。
  • × 4 法人を後見人に選任することはできない。
  • × 5 後見人は財産管理を行うことはできない。
正答 2法定後見制度は、判断能力が不十分になった人を対象とする制度です。後見・保佐・補助の3類型があり、家庭裁判所が審判します。

選択肢1 年齢による制限はありません。65歳未満でも、判断能力が不十分であれば利用できます。

選択肢2 正答です。法定後見は判断能力が不十分な人を対象とする制度であり、判断能力が十分ある人に後見人をつけることはできません。将来に備える場合は任意後見制度を使います。

選択肢3 身寄りがないなどの場合、市町村長が後見開始の審判を請求できます。

選択肢4 社会福祉法人などの法人を後見人に選任することができます。法人後見と呼ばれます。

選択肢5 後見人の主な職務は、財産管理と身上保護です。財産管理を行うことができます。

問題22

有料老人ホームに関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

  • ○ 1 入居する高齢者に,介護,食事の提供,家事,健康管理のうち1つ以上のサービスを提供する。
  • × 2 状況把握サービスと生活相談サービスの提供が義務づけられている。
  • × 3 自立した高齢者は,入居の対象外である。
  • × 4 共生型サービスとして,指定を受けることができる。
  • × 5 介護保険制度の指定対象外である。
正答 1有料老人ホームは老人福祉法に定められた住まいです。サービス付き高齢者向け住宅との違いを問う出題が続いています。

選択肢1 正答です。有料老人ホームは、入居する高齢者に介護、食事の提供、家事、健康管理のうちいずれか1つ以上のサービスを提供する施設と定義されています。

選択肢2 状況把握サービスと生活相談サービスの提供が義務づけられているのは、サービス付き高齢者向け住宅です。

選択肢3 自立した高齢者を対象とする有料老人ホームもあります。入居の対象外ではありません。

選択肢4 共生型サービスの指定を受けられるのは、訪問介護や通所介護などの居宅サービスです。有料老人ホームそのものが指定を受けるものではありません。

選択肢5 特定施設入居者生活介護の指定を受けることができます。介護保険制度の指定対象外ではありません。

問題23

生活困窮者自立支援法に関する記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 障害者は対象から除外されている。
  • × 2 生活困窮者自立相談支援事業は,社会福祉法人へ委託できない。
  • × 3 生活困窮者自立相談支援事業は,市にとって任意事業である。
  • ○ 4 生活困窮者住居確保給付金の支給は,市にとって必須事業である。
  • × 5 都道府県の責務は規定されていない。
正答 4生活困窮者自立支援法では、自立相談支援事業と住居確保給付金が必須事業です。就労準備支援事業や家計改善支援事業などは任意事業にあたります。

選択肢1 障害者を対象から除外する規定はありません。経済的に困窮し最低限度の生活を維持できなくなるおそれのある人が対象です。

選択肢2 社会福祉法人やNPO法人などへ委託することができます。

選択肢3 生活困窮者自立相談支援事業は必須事業です。任意事業ではありません。

選択肢4 正答です。住居確保給付金の支給は、福祉事務所を設置する自治体にとって必須事業とされています。

選択肢5 都道府県についても、事業の実施や市町村への支援に関する責務が規定されています。

問題24

次の記述のうち,生活保護制度における補足性の原理として,適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 申請に基づいて保護を行う。
  • × 2 国の定める基準によって測定された需要をもとに保護を行う。
  • × 3 個人の必要に応じてできるだけ早く保護を行う。
  • ○ 4 資産・能力を活用した上で保護を行う。
  • × 5 世帯を単位として保護を行う。
正答 4生活保護には4つの原理(国家責任、無差別平等、最低生活保障、補足性)と4つの原則(申請保護、基準及び程度、必要即応、世帯単位)があります。原理と原則を取り違えさせる出題です。

選択肢1 申請にもとづいて保護を行うのは、申請保護の原則です。原理ではありません。

選択肢2 国の定める基準によって測定された需要をもとに保護を行うのは、基準及び程度の原則です。

選択肢3 個人の必要に応じて有効かつ適切に保護を行うのは、必要即応の原則です。

選択肢4 正答です。補足性の原理は、資産や能力その他あらゆるものを活用用することを要件として、それでも不足する分を保護するという考え方です。

選択肢5 世帯を単位として保護の要否と程度を定めるのは、世帯単位の原則です。

問題25

新人職員のAさん(20歳)は,子どもの頃からの夢だった介護福祉職になり,がんばって働いていた。ただ,介護の技術をもっと学ぶ必要があるといつも感じていた。ある日,利用者Bさんに,「Aさんじゃダメだ,別の人を呼んで」と言われて,ショックを受けた。悩むうちに利用者とかかわりたくないと感じるようになり,眠れなくなってしまった。次の記述のうち,このような状況にあるAさんが,ストレスを取り除くためにまず行うべき対処方法として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 つらさから逃げず,学びが足りないことを自覚する。
  • × 2 介護の技術がうまくなるために,全力で取り組む。
  • × 3 眠れるように,毎晩飲酒する。
  • ○ 4 上司や同僚などに悩みを話して,助言を受ける。
  • × 5 介護福祉職には向かないと判断して,転職する。
正答 4ストレスへの対処では、一人で抱え込まないことが第一歩です。眠れない状態が続いているときは、努力を重ねる前に相談することが求められます。

選択肢1 学びの不足を自覚するだけでは、状況は変わりません。すでに眠れない状態にあり、自分を責める方向は負担を強めます。

選択肢2 技術の向上は必要ですが、心身が消耗している段階で全力を注ぐのは適切ではありません。まず負担を軽くすることが先です。

選択肢3 眠るための飲酒は、睡眠の質を下げ、依存につながるおそれがあります。対処方法として適切ではありません。

選択肢4 正答です。上司や同僚に悩みを話し、助言を受けることで、抱え込みから抜け出せます。職場の支援を得ることが最初の対処になります。

選択肢5 相談や支援を受ける前に転職を決めるのは早計です。状況を整理してから判断すべき段階です。

問題26

Aさんは有料老人ホームに入所したばかりである。ある日,廊下を行ったり来たりしているAさんに,B介護福祉職が声をかけた。Aさんは,「私の部屋はどこですか」と困った様子で答えた。B介護福祉職が,「ここから2つ隣の部屋です」と伝えると,Aさんは,「どこですか」と不安そうな表情で聞いた。B介護福祉職は非言語的コミュニケーションを用いて伝えることにした。次の記述のうち,B介護福祉職が用いた非言語的コミュニケーションとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 ゆっくり話した。
  • × 2 大きな声で伝えた。
  • × 3 Aさんの部屋の番号を紙に書いて渡した。
  • × 4 Aさんに近づいた。
  • ○ 5 Aさんの部屋のドアを指差した。
正答 5非言語的コミュニケーションは、言葉そのもの以外で伝える方法です。話す速さや声の大きさは準言語、文字は言語に含まれる点に注意します。

選択肢1 ゆっくり話すことは、話し方に関わる準言語的コミュニケーションにあたります。

選択肢2 声の大きさも準言語的コミュニケーションにあたります。言葉を使って伝えている点は変わりません。

選択肢3 紙に書いて渡すのは文字による伝達であり、言語的コミュニケーションに含まれます。

選択肢4 近づくことは非言語的な要素ですが、部屋の場所を伝える手段そのものではありません。

選択肢5 正答です。ドアを指差すことは、言葉を使わずに位置を示す非言語的コミュニケーションです。場所が分からず不安なAさんに直接伝わります。

問題27

次のうち,介護福祉施設におけるコンプライアンスの意味として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ○ 1 法令を遵守すること
  • × 2 給与を引き上げること
  • × 3 連携を促進すること
  • × 4 介護技術の向上に努めること
  • × 5 管理体制を強化すること
正答 1コンプライアンスは法令遵守と訳されます。介護の現場では、運営基準や個人情報の取り扱い、虐待防止に関する法令を守ることを指します。

選択肢1 正答です。コンプライアンスは、法令や規則を守ることを意味します。

選択肢2 給与の引き上げは処遇の改善であり、コンプライアンスの意味ではありません。

選択肢3 連携の促進は、多職種協働に関する取り組みです。

選択肢4 介護技術の向上は、専門職としての研鑽にあたります。

選択肢5 管理体制の強化は組織運営の課題であり、法令遵守そのものを指す言葉ではありません。

問題28

入社して3か月のA介護福祉職は,初めて夜勤を経験したとき,排はいせつ泄チェック表の記入でミスをしてしまった。起床介助で忙しい時間に記入したために,記載箇所を間違えてしまった。A介護福祉職は自身のミスを受け入れられず,落ち込んでいる。次の記述のうち,A介護福祉職に対する支持的スーパービジョンとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 同僚と一緒に排泄チェック表を確認する。
  • × 2 施設長から再発防止に向けた対応を指示する。
  • ○ 3 上司がA介護福祉職の気持ちの理解に努めつつ,状況を確認する。
  • × 4 看護師が利用者のその後の状況を確認する。
  • × 5 業務マニュアルを見直して,上司が必要な修正を行う。
正答 3スーパービジョンには、管理的機能・教育的機能・支持的機能の3つがあります。支持的機能は、気持ちを受け止めて情緒的に支えることが中心です。

選択肢1 同僚と記録を確認することは、業務の点検であり、支持的な関わりとは異なります。

選択肢2 施設長からの指示は、管理的機能にあたります。

選択肢3 正答です。上司がA介護福祉職の気持ちを理解しようと努めながら状況を確認することは、情緒的な支えとなる支持的スーパービジョンです。

選択肢4 看護師による利用者の状況確認は、必要な対応ではありますが、A介護福祉職への支援ではありません。

選択肢5 マニュアルの見直しは、再発防止のための管理的な対応です。

問題29

次のうち,利用者とのコミュニケーション場面で,介護福祉職が行う自己開示の目的として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 自己の潜在意識を活用するため
  • × 2 利用者との信頼関係を評価するため
  • × 3 利用者に自分自身の情報を知らせるため
  • ○ 4 利用者との信頼関係を形成するため
  • × 5 自己を深く分析し,客観的に理解するため
正答 4自己開示は、自分のことを適度に伝えることで、相手が話しやすくなる関係をつくる技法です。目的は関係づくりであり、情報を知らせること自体ではありません。

選択肢1 潜在意識の活用は、自己開示の目的ではありません。

選択肢2 信頼関係を評価することが目的ではありません。評価ではなく形成が目的です。

選択肢3 情報を知らせることは手段にあたります。それ自体が目的ではありません。

選択肢4 正答です。介護福祉職が適度に自分のことを話すことで、利用者が安心して話せる関係が生まれます。信頼関係の形成が目的です。

選択肢5 自己を分析し客観的に理解することは、自己覚知にあたります。自己開示とは異なります。

問題30

A介護福祉職は,認知症(dementia)のあるBさん(80歳,女性)と会話をしている。Bさんは,「私は小さい頃毎年お祭りに行くことが楽しみでね」「なんだか最近ひざが痛いような気がしてね」「今から何をしようかしらね」と,次々に話している。A介護福祉職は,Bさんが混乱しないように,「Bさん,子どもの頃の思い出や体調のことをお話しくださっているのですね」と返答した。次のうち,A介護福祉職が行ったコミュニケーション技術として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ○ 1 要約
  • × 2 承認
  • × 3 賞賛
  • × 4 共感
  • × 5 同意
正答 1話があちこちに広がったとき、内容を整理して返すのが要約です。承認・賞賛・共感・同意との違いを、返答の中身で見分けます。

選択肢1 正答です。次々に語られた内容を「子どもの頃の思い出や体調のこと」とまとめて返しています。これが要約です。

選択肢2 承認は、相手の行動や存在を認めて伝えることです。ここでは内容の整理が行われています。

選択肢3 賞賛は、相手をほめる関わりです。この返答にほめる要素はありません。

選択肢4 共感は、相手の感情に寄り添って伝え返すことです。ここでは感情ではなく話題が整理されています。

選択肢5 同意は、相手の意見に賛成を示すことです。この返答は賛否を示していません。

問題31

次の記述のうち,利用者の家族との関係づくりにおける介護福祉職の基本姿勢として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 お互いの緊張が解けるまでじっと待つ。
  • × 2 介護福祉職のペースで話を進める。
  • × 3 利用者の意向よりも家族の意向を優先する。
  • × 4 家族への連絡は最小限にする。
  • ○ 5 利用者支援で協働するパートナーとして接する。
正答 5家族は支援の対象であると同時に、ともに支える協働の相手です。どちらかの意向を一方的に優先せず、連絡を保ちながら関係を築きます。

選択肢1 待つだけでは関係は進みません。介護福祉職から働きかけることが必要です。

選択肢2 介護福祉職のペースで進めると、家族の思いを聞き取れません。

選択肢3 利用者の意向を差し置いて家族の意向を優先することは、本人中心の支援になりません。

選択肢4 連絡を最小限にすると、信頼関係が築けず、状態の変化も共有できません。

選択肢5 正答です。家族を、利用者の生活を支えるために協働するパートナーとして位置づける姿勢が基本になります。

問題32

Aさん(80歳,女性,要介護3)は中途障害の全盲である。介護老人福祉施設に入所している。最近,食堂の席の入れ替えがあった。Aさんは同じテーブルの利用者同士の会話を,自分に向けて話しかけられていると思って,応答した。しかし,誰からも反応はなく,Aさんは下を向いてしまった。その様子を見たB介護福祉職は,Aさんの状況に対応するために,同じテーブルの利用者にAさんの事情を話し,協力を求めた。次の記述のうち,B介護福祉職が同じテーブルの利用者に協力を依頼した内容として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 Aさんは疲れているので,部屋で休むように伝えてほしい。
  • × 2 Aさんは不安なので,そっと手を握ってほしい。
  • ○ 3 Aさんにもわかるように,話す相手の名前を呼んでから話しかけてほしい。
  • × 4 Aさんが混乱するので,食堂での会話は控えてほしい。
  • × 5 Aさんは施設の予定がわからないので,これから食事だと教えてほしい。
正答 3視覚障害のある人は、誰に向けて話されているのかを視線や表情から判断できません。名前を呼んでから話しかけることで、その場の会話に参加できます。

選択肢1 部屋で休むよう促すことは、Aさんを会話の場から遠ざけることになります。

選択肢2 手を握ることは、状況の理解を助ける対応ではありません。

選択肢3 正答です。話す相手の名前を呼んでから話しかけてもらえば、自分に向けられた言葉かどうかを判断できます。

選択肢4 会話を控えてもらうのは、他の利用者の生活を制限することになり、Aさんの孤立も深まります。

選択肢5 食事の予定を伝えることは、今回の困りごとへの対応になっていません。

問題33

Aさん(72歳,男性)は記憶障害があり,介護施設に入居している。ある日,介護福祉職にAさんが,「あの,ちょっとお願いがあるんです。ええとね,実は,お昼ご飯をほとんど残しちゃいました…。それでね…,あ,あれかな,調理師さんはがっかりしたかな,私はずっと食堂をやっていたんですよ。店はけっこう繁盛していたけど閉めることになってね。あ,ええと何の話だったかな…」と話しかけてきた。次のうち,このときのAさんの発言を促すための介護福祉職の応答として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 「Aさんは,お店を閉めたくなかったのですね」
  • × 2 「Aさんは,どんな料理が得意だったのですか」
  • × 3 「調理師さんのことは気にしなくていいですよ」
  • × 4 「どこかからだの具合が悪いのではないですか」
  • ○ 5 「何かお願いがあるのではありませんか」
正答 5記憶障害があると、話しているうちに本来の用件を見失うことがあります。話をさえぎらずに聞いたうえで、最初の用件に戻す働きかけが有効です。

選択肢1 店を閉めた話に焦点を当てると、話がさらに広がり、用件に戻れません。

選択肢2 得意な料理を尋ねることは、話題をさらに別の方向へ広げてしまいます。

選択肢3 気にしなくてよいと伝えるのは、Aさんの気持ちを打ち消す対応です。

選択肢4 体調を尋ねることは、話の流れとつながりがなく、Aさんを戸惑わせます。

選択肢5 正答です。Aさんは最初に「お願いがある」と話し始めています。その用件に戻す問いかけが、発言を促す応答になります。

問題34

次の記述のうち,客観的事実に該当するものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 利用者Aは,楽しかったはずだ。
  • ○ 2 利用者Aは,朝食のパンを残した。
  • × 3 利用者Aは,何か言いたそうだった。
  • × 4 利用者Aは,不安だったと思う。
  • × 5 利用者Aは,退屈そうにしていた。
正答 2記録では、観察した事実と、そこから推測した解釈を分けて書きます。「思う」「はずだ」「そうだった」という表現は主観にあたります。

選択肢1 「はずだ」は推測です。客観的事実ではありません。

選択肢2 正答です。朝食のパンを残したことは、誰が見ても確認できる事実です。

選択肢3 「言いたそうだった」は、様子から受けた印象であり、解釈にあたります。

選択肢4 「思う」は記録者の推測です。

選択肢5 「退屈そうにしていた」も、観察から受けた印象であり主観的な表現です。

問題35

次の記述のうち,介護福祉職が行う利用者の生活支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 利用者ができないことを代わりに行うことに重点を置く。
  • ○ 2 利用者の全体像をとらえて支援する。
  • × 3 利用者がすべてを自分一人でできるようにする。
  • × 4 利用者の生活の効率化を図ることを目標にする。
  • × 5 利用者に同情する気持ちで寄り添う。
正答 2生活支援は、できないことを肩代わりすることではありません。心身の状態、生活歴、環境、意欲などを含めた全体像をとらえたうえで、その人らしい暮らしを支えます。

選択肢1 代行に重点を置くと、できる力まで奪ってしまいます。

選択肢2 正答です。身体面だけでなく、生活歴や環境、本人の希望を含めて全体をとらえることが支援の基本です。

選択肢3 すべてを一人でできるようにすることが目的ではありません。必要な支援を受けながら暮らすことも自立です。

選択肢4 効率化は目的ではありません。効率を優先すると、本人のペースが損なわれます。

選択肢5 同情は対等な関係を損ないます。求められるのは共感にもとづく関わりです。

問題36

介護老人福祉施設における,快適な室内環境に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ○ 1 風の通り道をつくって,換気を行う。
  • × 2 手すりは,壁紙と同じ色を使う。
  • × 3 ベッドライトの光源は,利用者の目に直接あたるように調整する。
  • × 4 カビの発生を予防するために,湿度は高く保つ。
  • × 5 靴音を小さくするために,硬い床材にする。
正答 1室内環境の問題は、換気・温湿度・照明・色の識別・音の観点で整理します。安全と快適さの両面から考えると判断できます。

選択肢1 正答です。空気の入口と出口をつくることで、効率よく換気できます。1か所だけ窓を開けても空気は流れません。

選択肢2 手すりは壁と異なる色にすると見つけやすくなります。同じ色では識別しにくくなります。

選択肢3 光源が直接目に入ると、まぶしさで不快になり、転倒の危険も高まります。

選択肢4 湿度を高く保つとカビが発生しやすくなります。適切な湿度に保ち、換気を行います。

選択肢5 硬い床材は音が響きやすくなります。また転倒したときの衝撃も大きくなります。

問題37

パーキンソン病(Parkinson disease)の人の住まいに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 玄関の段差には,スロープを設置する。
  • ○ 2 廊下の床には,歩幅に合わせて目印をつける。
  • × 3 リビングの床には,大きさの違うカーペットを重ねて敷く。
  • × 4 移動空間が狭くなるように,家具を配置する。
  • × 5 リビングは1階,浴室は2階にして,階段で行き来する。
正答 2パーキンソン病では、歩き始めの一歩が出にくいすくみ足が起こります。床の目印など視覚的な手がかりがあると、足が出やすくなります。

選択肢1 スロープは車いすでの出入りには有効ですが、すくみ足や小刻み歩行への対応としては最も適切とはいえません。

選択肢2 正答です。床に歩幅に合わせた目印をつけると、視覚的な手がかりとなって足が出やすくなります。すくみ足への対応として知られる工夫です。

選択肢3 カーペットを重ねて敷くと段差ができ、すり足の人はつまずきやすくなります。

選択肢4 移動空間を狭くすると、方向転換のときに転倒しやすくなります。動線は広く確保します。

選択肢5 階段の上り下りは転倒の危険が大きくなります。生活に必要な空間は同じ階にまとめます。

問題38

次の記述のうち,歩行が不安定になり,移動の意欲が低下している利用者に対する介護として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 福祉用具の使用は避けて,自力での歩行を目指すように促す。
  • × 2 移動の目的を伝えるよりも,歩行機能の改善を優先する。
  • ○ 3 成功体験を積み重ねることができるように,達成可能な歩行の目標距離を設定する。
  • × 4 歩行の不安定さに合わせて,移動範囲を縮小する。
  • × 5 本人が希望しなくても,介護福祉職の判断で毎日歩くことを目標にする。
正答 3意欲が低下しているときは、できる目標を設定して成功体験を重ねることが有効です。福祉用具の使用や移動の目的の共有も、意欲を支える要素になります。

選択肢1 福祉用具を避けると、転倒の不安が強まり、かえって動かなくなります。安全に動ける手段を整えることが先です。

選択肢2 何のために移動するのかを共有することは、意欲を引き出すうえで欠かせません。機能の改善だけを優先するのは適切ではありません。

選択肢3 正答です。達成できる距離から始めて成功体験を積むことで、自信と意欲が高まります。

選択肢4 移動範囲を縮小すると活動量が落ち、さらに歩行機能が低下します。

選択肢5 本人の希望を確認せずに目標を決めるのは、自己決定の尊重に反します。

問題39

次の記述のうち,右片麻痺のある利用者に対する,仰臥位(背臥位)から車ぎょうがいはいがいいすへの移乗の介護として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 利用者に右側臥位になって起き上がるように促す。
  • × 2 端座位になった利用者の左側に立つ。
  • × 3 端座位になった利用者の右側に,車いすを置く。
  • × 4 車いすのフットサポートは下げておく。
  • ○ 5 移乗するときは,利用者に前傾姿勢をとるように促す。
正答 5片麻痺のある人の移乗では、車いすは健側に置き、介助者は患側を支えます。立ち上がりのときは前傾姿勢をとってもらうことが基本です。

選択肢1 右片麻痺の場合、健側である左を下にした側臥位から起き上がります。右側臥位では麻痺側で体を支えることになります。

選択肢2 介助者は、支えが必要な患側である右側に立ちます。左側では麻痺側を支えられません。

選択肢3 車いすは健側である左側に置きます。右側では麻痺側へ回り込む動きが必要になり、危険です。

選択肢4 フットサポートは上げておきます。下げたままだと足が当たり、転倒の原因になります。

選択肢5 正答です。立ち上がるときは、頭と上体を前に傾けることで重心が前方に移り、少ない力で立てます。

問題40

視覚障害者の歩行時の誘導に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 介護福祉職は,利用者の半歩後ろで背中を支えながら歩く。
  • × 2 介護福祉職は,白杖に触れながら歩く。
  • × 3 狭い通路では,介護福祉職は利用者の後ろを歩く。
  • ○ 4 階段利用時は,介護福祉職は階段の前で声かけして止まる。
  • × 5 介護福祉職は,利用者が握っている上肢を振って歩く。
正答 4視覚障害者の誘導では、介助者が半歩前を歩き、利用者が介助者の肘や肩を持ちます。段差や階段の手前では必ず止まり、声をかけて伝えます。

選択肢1 介助者は半歩前を歩きます。後ろから背中を支えると、進行方向の情報が伝わりません。

選択肢2 白杖は利用者が周囲の状況を知るための道具です。介助者が触れてはいけません。

選択肢3 狭い通路では、介助者が前に出て縦に並んで進みます。後ろを歩くのは適切ではありません。

選択肢4 正答です。階段の手前でいったん止まり、上りか下りかを声で伝えます。段の位置を足で確かめてもらってから進みます。

選択肢5 握られている腕を振ると、利用者は状況を読み取りにくくなります。腕は安定させて歩きます。

問題41

身じたくの目的に関する次の記述のうち,国際生活機能分類(ICF)における「心身機能・身体構造」の観点が考えられるものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ○ 1 体温を調整する。
  • × 2 身体を清潔に保つ。
  • × 3 セルフケアを行う。
  • × 4 自分を表現する。
  • × 5 周囲との人間関係を調整する。
正答 1ICFでは、心身機能・身体構造、活動、参加を区別します。体の働きそのものは心身機能、行為は活動、社会との関わりは参加に分類されます。

選択肢1 正答です。衣服によって体温を調整することは、体の働きに関わるものとして心身機能・身体構造の観点にあたります。

選択肢2 身体を清潔に保つことは、実際に行う行為であり活動に分類されます。

選択肢3 セルフケアを行うことも、日常生活上の行為であり活動にあたります。

選択肢4 自分を表現することは、社会的な役割や関わりに結びつくため参加にあたります。

選択肢5 周囲との人間関係を調整することも、参加の観点に分類されます。

問題42

次の記述のうち,介護が必要な利用者への口腔ケアとして,最も適切なもこうくうのを1つ選びなさい。

  • × 1 仰臥位(背臥位)で行う。しこう
  • × 2 歯垢を除去するためにうがいをしてもらう。
  • ○ 3 歯ブラシで歯を1,2本ずつ磨く。
  • × 4 スポンジブラシは乾いた状態で使用する。
  • × 5 部分床義歯(局部床義歯)はつけたまま行う。
正答 3口腔ケアは、誤嚥を防ぐ姿勢で行い、歯垢は歯ブラシによる機械的な清掃で落とします。義歯は外してから口腔内と義歯を別々に清掃します。

選択肢1 仰臥位では、水分や汚れが咽頭へ流れ込み誤嚥の危険が高まります。座位か上体を起こした姿勢で行います。

選択肢2 歯垢はうがいでは除去できません。歯ブラシでこすり落とす必要があります。

選択肢3 正答です。1、2本ずつ小刻みに磨くことで、汚れを確実に落とせます。

選択肢4 スポンジブラシは水で湿らせ、固く絞ってから使います。乾いたままでは粘膜を傷つけます。

選択肢5 部分床義歯は外してから、口腔内と義歯をそれぞれ清掃します。

問題43

次のうち,右片麻痺の利用者が前開きの上着を着脱するときに介護福祉職が行う説明として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 「脱ぐときは,左肩の衣服を下げてから,右側の袖から腕を抜きましょう」
  • × 2 「脱ぐときは,右肩の衣服を下げてから,右側の袖から腕を抜きましょう」もも
  • × 3 「襟元を手前にして,腿の上に置きましょう」
  • × 4 「着るときは,右袖を肘まで通してから,左袖を通しましょう」
  • ○ 5 「着るときは,右袖を肩まで通してから,左袖を通しましょう」
正答 5着脱の順番は脱健着患です。脱ぐときは健側から、着るときは患側から行います。患側の袖は肩まで通してから健側に移ります。

選択肢1 脱ぐときは健側である左から抜きます。左肩を下げたあとに右側から抜くのでは、患側を先に動かすことになります。

選択肢2 右肩の衣服を下げて右から抜くのは、患側から脱ぐ順番であり適切ではありません。

選択肢3 衣服の置き方を説明したものですが、着脱の順番に関する助言にはなっていません。

選択肢4 肘までしか通さないと、続けて健側を通すときに衣服が引っ張られ、肩に負担がかかります。

選択肢5 正答です。患側である右袖を肩までしっかり通してから左袖を通すと、無理な動きをせずに着られます。

問題44

次の記述のうち,介護老人福祉施設における食事に関する支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 食堂の換気は,不要である。
  • × 2 食事中は,会話を控えるようにする。
  • ○ 3 食事が楽しくなるような雰囲気をつくる。
  • × 4 食べ終わった利用者の食器は,すぐに下膳する。
  • × 5 照明は,明るさを25ルクス(lx)以下にする。
正答 3施設の食事は、栄養をとる場であると同時に、生活の楽しみであり交流の場でもあります。衛生と安全を保ちながら、雰囲気づくりを大切にします。

選択肢1 においがこもると食欲が落ち、感染対策の面からも問題があります。換気は必要です。

選択肢2 会話を控えさせると、食事の楽しみが失われます。むせに配慮しつつ交流を支えます。

選択肢3 正答です。食事が楽しみとなる雰囲気をつくることは、食欲や生活意欲につながります。

選択肢4 すぐに下膳すると、急かされていると感じさせます。他の人と過ごす時間にも配慮します。

選択肢5 25ルクス以下では暗すぎて、食事の内容が見えません。食事の場には十分な明るさが必要です。

問題45

次の記述のうち,椅子に座って食事をするときに,利用者が食事をしやすい姿勢を確保するための介護として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ○ 1 足底を床につけてもらう。
  • × 2 テーブルと身体の間は30 cm 離してもらう。
  • × 3 椅子に浅く座ってもらう。
  • × 4 体幹を後方に傾けてもらう。
  • × 5 顎を上げてもらう。25そしゃくきのう
正答 1食事の姿勢は、足底が床につき、深く腰かけ、やや前傾で顎を引いた形が基本です。顎が上がると誤嚥の危険が高まります。

選択肢1 正答です。足底が床につくと体が安定し、腹圧もかかって飲み込みやすくなります。

選択肢2 テーブルと身体の間は、握りこぶし1つ分程度が目安です。30cmも離すと前かがみになり姿勢が崩れます。

選択肢3 浅く座ると骨盤が後ろに傾き、姿勢が崩れて誤嚥しやすくなります。深く座ります。

選択肢4 体幹を後方に傾けると顎が上がり、誤嚥の危険が高まります。

選択肢5 顎を上げると気道が開き、食べ物が入り込みやすくなります。顎は軽く引きます。

問題46

咀嚼機能が低下した利用者の食事介護に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 大きめのスプーンで吸い込むように食べてもらう。
  • ○ 2 一口量は,ティースプーンに軽く一杯を目安にする。
  • × 3 食べる順番は,介護福祉職の判断で行う。
  • × 4 スプーンは,舌の奥にのせるように入れる。
  • × 5 咀嚼が始まったら,すぐに次の食べ物を口に入れる。
正答 2咀嚼機能が低下している人には、一口量を少なくし、飲み込みを確認してから次を運びます。スプーンは舌の中央あたりに置きます。

選択肢1 吸い込むように食べると、噛まずに飲み込むことになり誤嚥の危険が高まります。

選択肢2 正答です。ティースプーンに軽く一杯程度が、安全に飲み込める一口量の目安です。

選択肢3 食べる順番は、本人の希望を確認しながら進めます。介護福祉職の判断だけで決めるものではありません。

選択肢4 舌の奥にスプーンを入れると、噛む動作を経ずに咽頭へ送られ、誤嚥や嘔吐反射の原因になります。

選択肢5 飲み込みを確認してから次を運びます。咀嚼の途中で口に入れると、窒息の危険があります。

問題47

Aさん(80歳,女性,要介護3)は,介護老人福祉施設で生活している。食事は見守りのもとでほぼ自力で摂取しているが,嚥下機能は低下してきている。えんげきのう医師からは,食事摂取に配慮するように指導されている。ある日の昼食中,Aさんは食事を1/3ほど食べたところで箸を止め,表情がこわばり,呼吸もやや浅くなった。次の記述のうち,介護福祉職が医療職に報告すると同時に,最初に行う対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 血圧を測定する。
  • ○ 2 口腔の状況を観察する。
  • × 3 口すぼめ呼吸を促す。はいがいぎょうがい
  • × 4 その場で仰臥位(背臥位)になってもらう。
  • × 5 すぐに薬を服用してもらう。
正答 2食事中に表情がこわばり呼吸が浅くなったときは、窒息を最初に疑います。まず口の中と気道の状態を確かめることが優先されます。

選択肢1 血圧の測定は、窒息が疑われる場面で最初に行う対応ではありません。

選択肢2 正答です。食べ物が口の中や喉に残っていないかを確認します。窒息であれば、ただちに除去の対応が必要になります。

選択肢3 口すぼめ呼吸は、慢性閉塞性肺疾患などで用いる呼吸法です。この場面での対応ではありません。

選択肢4 仰臥位にすると、口の中のものが気道へ入り込みやすくなります。危険な対応です。

選択肢5 薬の服用は、原因が分からない段階で行うべきことではありません。

問題48

ベッド上で行う陰部洗浄に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 滅菌手袋を使用して行う。
  • × 2 上半身はベッドの手前端に移動する。
  • ○ 3 バスタオルで両下肢を包む。
  • × 4 洗浄する時は,43℃のお湯を用いる。
  • × 5 終了後は,蒸しタオルで水分を拭き取る。
正答 3陰部洗浄では、羞恥心と保温に配慮し、湯温を確かめてから行います。滅菌手袋は不要で、使い捨ての手袋を使用します。

選択肢1 滅菌手袋は必要ありません。使い捨ての手袋を使用します。

選択肢2 上半身を手前端へ移動させる必要はありません。洗浄するのは下半身です。

選択肢3 正答です。バスタオルで両下肢を包むことで、保温ができ、露出を最小限に抑えられます。

選択肢4 43℃では熱く、皮膚を傷めるおそれがあります。湯温は38℃から39℃程度にし、介助者が確かめてから使います。

選択肢5 蒸しタオルでは水分が残ります。終了後は乾いたタオルで押さえるように水分を拭き取ります。

問題49

腹部の清拭の方法を図に示す。矢印は拭く方向を表している。次のうち,基本的な清拭の方法として,最も適切なものを1つ選びなさい。

図を用いた問題です選択肢が図で示されるため、本文では選択肢を再現できません。問題の図は試験センターが公開している問題PDFでご確認ください。
正答 2腹部の清拭は、大腸の走行に沿って「の」の字を描くように拭きます。上行結腸を上へ、横行結腸を横へ、下行結腸を下へという流れです。腸の動きを促す意味があります。

選択肢1 腸の走行と合わない向きのため、適切ではありません。

選択肢2 正答です。大腸の走行に沿って「の」の字を描く向きが、基本的な腹部の清拭の方法です。

選択肢3 腸の走行と逆向きになるため、適切ではありません。

選択肢4 腹部を縦方向に往復するだけでは、腸の動きを促す効果が期待できません。

選択肢5 腸の走行に沿っておらず、基本的な方法とはいえません。

問題50

Aさん(55歳,男性,会社員)は,20歳のときに交通事故で第5頚髄(C5)けいずいを損傷した。現在,電動車いすを利用し,自宅で自立した生活を送っている。身体状況は安定しているが,ときどき仙骨部に褥瘡ができることがある。入浴は,居じょくそう宅介護(ホームヘルプサービス)を利用していて,訪問介護員(ホームヘルパー)が福祉用具を用いて入浴介護をしている。次のうち,Aさんが入浴時に使用している福祉用具として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 移乗台
  • × 2 バスボード
  • ○ 3 入浴用リフト
  • × 4 浴槽用手すり
  • × 5 滑り止めマット
正答 3第5頸髄損傷では、肩と肘の一部は動きますが、手指の細かい動きや体幹の安定は難しくなります。自力での移乗を前提とする用具は使えません。

選択肢1 移乗台は、自分で座位を保ち体を移す力が必要です。第5頸髄損傷の人には難しい方法です。

選択肢2 バスボードも、座って体を横に移動させる動作が必要になります。

選択肢3 正答です。入浴用リフトであれば、体を吊り上げて浴槽へ出入りできます。自力での移乗が難しく、褥瘡の危険もあるAさんに適しています。

選択肢4 浴槽用手すりは、自分で体を支えて出入りできる人のための用具です。

選択肢5 滑り止めマットは転倒を防ぐ補助にはなりますが、浴槽への出入りそのものを支える用具ではありません。

問題51

Aさん(85歳,男性,要介護3)は,アルツハイマー型認知症(dementiaof the Alzheimer’s type)と診断され,認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)で生活をしている。入所時,Aさんは,尿意や便意はあり,自分でトイレに行って排泄できていた。最近,認知機能の低下によって,トイレ以外の場はいせつはいせつ所で排泄するようになった。次の記述のうち,Aさんの状態に合わせた介護福祉職の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 骨盤底筋訓練を行う。
  • × 2 紙おむつを使用する。
  • × 3 一日の水分摂取量を減らす。
  • × 4 ほかの利用者と同じ時間にトイレへ誘導する。
  • ○ 5 トイレの出入口に「トイレ」と書いた紙を貼る。
正答 5認知症でトイレの場所が分からなくなっている場合は、環境に手がかりをつくることが第一の対応です。おむつの使用や水分制限は、状態を悪化させます。

選択肢1 骨盤底筋訓練は、腹圧性尿失禁などに用いる方法です。場所が分からないことへの対応にはなりません。

選択肢2 尿意と便意があり自分で排泄できていた人におむつを使うと、残っている力を奪ってしまいます。

選択肢3 水分を減らすと脱水や便秘を招きます。排泄の失敗を減らす方法としては誤りです。

選択肢4 一律の時間に誘導することは、本人のリズムに合いません。

選択肢5 正答です。トイレの出入口に表示を貼ることで、場所が分かりやすくなります。環境を整えることで、自分で排泄する力を保てます。

問題52

次のうち,下痢をしている利用者の水分補給として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ○ 1 白湯
  • × 2 牛乳
  • × 3 炭酸水
  • × 4 コーヒー
  • × 5 冷水
正答 1下痢のときは、腸を刺激しない飲み物を選びます。冷たいもの、乳製品、炭酸、カフェインは避けます。

選択肢1 正答です。白湯は刺激が少なく、体を冷やさずに水分を補えます。

選択肢2 牛乳は乳糖を含み、下痢を悪化させることがあります。

選択肢3 炭酸水は腸を刺激し、お腹の張りを招きます。

選択肢4 コーヒーに含まれるカフェインは、腸の動きを強めてしまいます。

選択肢5 冷たい水は腸を刺激します。常温か温かいものを選びます。

問題53

Aさん(83歳,男性,要介護1)は,一人暮らしで,少額の年金で生活している。Aさんは軽度の認知症(dementia)と診断を受けている。近所には親しくしている人が複数人いる。ある日,訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問すると,近所のスーパーで購入した未開封の健康食品が山積みになっていた。Aさんが財布を持ってきて,「買いたいものがたくさんあるが,お金が足りない。どうしたらよいか」と訪問介護員(ホームヘルパー)に相談した。このときの訪問介護員(ホームヘルパー)の対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 「お金は足りているから安心して大丈夫ですよ」と伝える。
  • × 2 近所の親しい人に,財布を預かってもらえるか,聞いてみる。
  • × 3 鍵付きの引き出しに財布を入れ,訪問介護員(ホームヘルパー)が鍵を管理する。
  • ○ 4 「お金の使い方について,一緒に考えてみませんか」と提案する。
  • × 5 健康食品のクーリング・オフを勧める。
正答 4金銭管理に不安がある場面では、本人の意思を尊重しながら一緒に考える姿勢が基本です。訪問介護員が金銭や鍵を管理することはできません。

選択肢1 事実と異なることを伝えて安心させるのは、本人を欺くことになります。

選択肢2 近所の人に財布を預けることは、トラブルの原因になります。金銭管理は公的な仕組みで支えます。

選択肢3 訪問介護員が金銭や鍵を管理することは認められていません。

選択肢4 正答です。本人の困りごとを受け止め、一緒に考える姿勢を示したうえで、日常生活自立支援事業などの相談につなげます。

選択肢5 未開封であっても、スーパーで自ら購入した商品はクーリング・オフの対象になりません。

問題54

繊維や衣類の性質と洗濯方法に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

  • ○ 1 綿の柄物シャツには酸素系漂白剤を使う。
  • × 2 ナイロンのレインウエアは脱水時間を長くする。
  • × 3 ウールのニットセーターは乾燥機を使う。
  • × 4 レーヨンのパジャマはすすぎ時間を長くする。
  • × 5 絹のブラウスには弱アルカリ性洗剤を使う。
正答 1繊維の性質と洗い方は、素材ごとに整理します。絹とウールは動物性でアルカリに弱く、レーヨンは水に弱く、ナイロンはしわになりやすい点が要点です。

選択肢1 正答です。柄物には、色柄を損なわない酸素系漂白剤を使います。塩素系は色落ちの原因になります。

選択肢2 ナイロンは脱水時間を長くするとしわが残ります。短時間で済ませます。

選択肢3 ウールは熱と摩擦で縮みます。乾燥機は使えません。

選択肢4 レーヨンは水に弱く、すすぎ時間を長くすると型崩れや縮みが起こります。

選択肢5 絹は動物性繊維でアルカリに弱いため、中性洗剤を使います。

問題55

Aさん(82歳,女性,要介護1)は,訪問介護(ホームヘルプサービス)を週1回利用し,生活援助を受けながら,自宅で一人暮らしをしている。調理はAさん本人が行うなど,できることは自分で行いたいと思っている。ある日,訪問介護員(ホームヘルパー)はAさんから買物リストを渡されて,近くのスーパーで食材を購入してきた。次の記述のうち,Aさんへの生活援助における訪問介護員(ホームヘルパー)の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 依頼された食材が安かったので,リストに書かれた数より多く購入した。
  • × 2 おつりとレシート,購入した食材の確認を,Aさんにすべて任せた。
  • × 3 冷蔵庫を開けたとき,賞味期限切れの食材があったため廃棄した。
  • × 4 買物リストは,次から訪問介護員(ホームヘルパー)が書くことを提案した。
  • ○ 5 購入した食材で調理しにくいものがないか,Aさんに確認した。
正答 5生活援助では、本人ができることを奪わず、確認と相談を重ねます。勝手な判断で数量を変えたり、物を処分したりしてはいけません。

選択肢1 安いという理由で数量を変えるのは、本人の意向に反します。金銭管理の面でも問題になります。

選択肢2 確認をすべて任せるのではなく、一緒に確かめることが信頼につながります。

選択肢3 利用者の所有物を、同意なく廃棄してはいけません。まず本人に伝えて判断してもらいます。

選択肢4 買物リストを訪問介護員が書くようにすると、Aさんができることを奪うことになります。

選択肢5 正答です。調理は本人が行うため、扱いにくい食材がないかを確認することは、自分で続けたいという意向を支える対応です。

問題56

次の記述のうち,良質な睡眠のための環境づくりとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 日中は,強度の高い運動を多く取り入れる。
  • × 2 夜食は,就寝直前にとる。
  • ○ 3 入浴は,就寝の1 〜 2時間前に行う。
  • × 4 眠気がなくても,決まった時間に目を閉じる。
  • × 5 寝ている間も,照明は明るくしておく。
正答 3入眠には、いったん上がった深部体温が下がる過程が関わります。就寝の1〜2時間前の入浴は、その流れをつくるのに適しています。

選択肢1 強度の高い運動を多く行うと、かえって寝つきが悪くなることがあります。適度な運動が適しています。

選択肢2 就寝直前の食事は、消化活動によって睡眠を妨げます。

選択肢3 正答です。就寝の1〜2時間前に入浴すると、上がった体温が下がる過程で眠気が訪れます。

選択肢4 眠気がないまま横になり続けると、寝床が眠れない場所として意識されてしまいます。

選択肢5 明るい照明は睡眠を妨げます。就寝時は暗くし、足元灯など最小限の明かりにします。

問題57

Aさん(83歳,女性,要介護3)は,脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症片麻痺があり,介護老人福祉施設に入所している。ある日の夜間,仰で左がいぎょうがいはい臥位(背臥位)で寝ていたAさんが,「背中が重く感じて,眠れない」と介護福祉職に訴えた。次の記述のうち,介護福祉職がAさんに行う介護として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 ファーラー位にして,左下肢にクッションを入れる。
  • × 2 両上肢の下に,クッションを入れる。
  • × 3 両膝窩部に,クッションを入れる。
  • ○ 4 右側臥位にして,クッションを抱いてもらう。
  • × 5 右下肢の足部に,クッションを入れる。
正答 4同じ姿勢が続くと、背部に圧迫感が生じます。体位を変えることが基本の対応で、麻痺のある側を上にする向きを選びます。

選択肢1 ファーラー位は上体を起こす姿勢で、背部の圧迫を軽くする対応にはなりません。

選択肢2 上肢にクッションを入れても、背中の重さは変わりません。

選択肢3 膝の下にクッションを入れても、仰臥位のままでは背部の圧迫が続きます。

選択肢4 正答です。健側である右を下にした側臥位に変えることで、背部の圧迫が取れます。クッションを抱いてもらうと姿勢が安定します。

選択肢5 足部にクッションを入れても、背中の訴えへの対応にはなりません。

問題58

次の記述のうち,介護老人福祉施設で,終末期にある利用者とその家族に行う介護福祉職の支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 利用者の苦しそうな姿を見せないように,家族には面会を控えてもらう。
  • × 2 利用者と家族の関係が良好でない場合は,家族と連絡を取らないようにする。
  • ○ 3 好きなものや食べたいものがある場合は,家族に持ってきてもらう。
  • × 4 苦痛を訴える場合は,家族から激励してもらう。
  • × 5 家族が不安になるため,体調の変化は伝えないようにする。
正答 3終末期の支援では、本人と家族が一緒に過ごす時間を大切にします。家族を遠ざけたり、情報を伏せたりすることは支援になりません。

選択肢1 面会を控えてもらうことは、限られた時間を奪うことになります。

選択肢2 関係が良好でない場合でも、連絡を絶つ判断を施設側が行うべきではありません。

選択肢3 正答です。好きなものを家族に持ってきてもらうことは、本人の希望に沿い、家族が役割を持てる機会にもなります。

選択肢4 苦痛を訴えているときに激励を求めるのは、本人にも家族にも負担になります。

選択肢5 体調の変化を伝えないことは、家族が心の準備をする機会を失わせます。

問題59

次の記述のうち,施設で亡くなった利用者家族への介護福祉職の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 悲しみの表出があった時点からかかわりを開始する。
  • × 2 傾聴よりも励ますことを重視する。
  • × 3 悲嘆は特異な反応のため注意する。
  • × 4 故人との思い出には触れないようにする。
  • ○ 5 悲嘆が長期化した場合は,専門医等へ相談するように助言する。
正答 5遺族への支援はグリーフケアと呼ばれます。悲嘆は自然な反応であり、聴くことが中心です。長引く場合は専門的な支援につなぎます。

選択肢1 支援は、亡くなる前の関わりから続いています。悲しみが表に出てから始めるものではありません。

選択肢2 励ますことよりも、話に耳を傾けることが大切です。

選択肢3 悲嘆は、大切な人を失ったときに誰にでも起こりうる自然な反応です。特異な反応ではありません。

選択肢4 故人の思い出を語ることは、気持ちの整理につながります。避ける必要はありません。

選択肢5 正答です。悲嘆が長期化し、生活に支障が出ている場合は、専門医などへの相談を助言します。

問題60

次のうち,固定式歩行器が適した利用者として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 対麻痺で,下肢を交互に出すことができない人まひそく
  • × 2 片麻痺があって,麻痺側の指関節の拘縮がある人
  • × 3 両上肢の筋力が弱く,手関節に痛みがある人
  • ○ 4 両手の握力が保たれていて,数秒程度の立位保持ができる人
  • × 5 右の足根骨を骨折して,右下肢に体重をかけることができない人
正答 4固定式歩行器は、いったん持ち上げて前に置き、そこへ体を運ぶ道具です。両手でしっかり握り、数秒間は立位を保てることが条件になります。

選択肢1 下肢を交互に出せない人は、歩行器を用いた歩行そのものが困難です。

選択肢2 指関節に拘縮があると、握って持ち上げることができません。

選択肢3 上肢の筋力が弱く手関節に痛みがある人は、持ち上げる動作に耐えられません。

選択肢4 正答です。両手の握力が保たれ、持ち上げている間の立位保持ができる人に適しています。

選択肢5 片方の下肢に体重をかけられない人は、持ち上げている間に体を支えられません。松葉づえなど別の用具を検討します。

問題61

次のうち,比較的短い時間に限られる大きな感情の動きに該当するものとして,適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 条件づけ
  • × 2 短期記憶
  • × 3 気分
  • × 4 思考
  • ○ 5 情動
正答 5感情に関する用語は、持続する時間の長さで区別します。情動は短時間で強く動くもの、気分は比較的長く続く穏やかなものです。

選択肢1 条件づけは、刺激と反応の結びつきを学習する仕組みです。感情の動きを指す言葉ではありません。

選択肢2 短期記憶は、情報を一時的に保つ記憶の働きです。

選択肢3 気分は、はっきりした原因がなく比較的長く続く、穏やかな感情の状態です。

選択肢4 思考は、筋道を立てて考える働きであり、感情ではありません。

選択肢5 正答です。情動は、怒りや喜びなど、比較的短い時間に強く現れる感情の動きを指します。

問題62

次の記述のうち,脳のしくみとその働きとして,適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 神経細胞は,神しんけいこうさいぼう経膠細胞(グリア細胞)を支える。
  • × 2 神経膠細胞(グリア細胞)は,情報伝達をつかさどる。
  • ○ 3 セロトニン(serotonin)は,神経伝達物質の1つである。
  • × 4 頭頂葉には,運動野が存在する。
  • × 5 海馬は,視覚をつかさどる。
正答 3脳の構造では、情報伝達を担うのが神経細胞、それを支えるのが神経膠細胞です。運動野は前頭葉、海馬は記憶に関わるという対応も押さえます。

選択肢1 支える働きをするのは神経膠細胞のほうです。関係が逆になっています。

選択肢2 情報伝達をつかさどるのは神経細胞です。神経膠細胞は栄養の供給や支持を担います。

選択肢3 正答です。セロトニンは神経伝達物質の一つで、気分の安定や睡眠に関わります。

選択肢4 運動野が存在するのは前頭葉です。頭頂葉は感覚の統合に関わります。

選択肢5 海馬は記憶の形成に関わる部位です。視覚をつかさどるのは後頭葉です。

問題63

次の記述のうち,循環器系のしくみとして,正しいものを1つ選びなさい。

  • × 1 心臓は体性神経が支配している。
  • ○ 2 肺動脈には静脈血が流れている。
  • × 3 左心室から出た血液は大静脈へ流れる。
  • × 4 リンパ管には血液が流れている。
  • × 5 静脈血とは酸素を多く含む血液である。
正答 2「動脈=酸素が多い」ではありません。肺動脈には二酸化炭素を多く含む静脈血が流れ、肺静脈には酸素を多く含む動脈血が流れます。

選択肢1 心臓を支配しているのは自律神経です。体性神経は骨格筋を動かす神経です。

選択肢2 正答です。肺動脈は右心室から肺へ向かう血管で、酸素の少ない静脈血が流れています。

選択肢3 左心室から出た血液は大動脈へ流れます。大静脈へ戻るのは全身をめぐった血液です。

選択肢4 リンパ管を流れるのはリンパ液です。血液ではありません。

選択肢5 静脈血は酸素が少なく二酸化炭素を多く含む血液です。

問題64

次の記述のうち,人の動作時に収縮する筋肉に関する説明として,適切なものを1つ選びなさい。

  • ○ 1 立位を保持するときは大殿筋が収縮する。だいたいしとうきん
  • × 2 膝の屈曲には大腿四頭筋が収縮する。
  • × 3 肘の屈曲には上腕三頭筋が収縮する。
  • × 4 肩関節を内転するときは三角筋が収縮する。
  • × 5 足関節の底屈では前脛骨筋が収縮する。
正答 1筋肉と動作の組合せは頻出です。屈曲と伸展、外転と内転、背屈と底屈を、担当する筋肉とセットで覚えます。

選択肢1 正答です。大殿筋は股関節を伸ばす働きを持ち、立位を保つときに収縮します。

選択肢2 大腿四頭筋は膝を伸ばす筋肉です。膝を曲げるのはハムストリングスです。

選択肢3 上腕三頭筋は肘を伸ばす筋肉です。肘を曲げるのは上腕二頭筋です。

選択肢4 三角筋は肩関節を外転させる筋肉です。内転に働くのは大胸筋や広背筋です。

選択肢5 前脛骨筋は足関節を背屈させる筋肉です。底屈には下腿三頭筋が働きます。

問題65

次のうち,白内障(cataract)で混濁する部位として,適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 網膜
  • × 2 角膜
  • × 3 脈絡膜
  • × 4 硝子体
  • ○ 5 水晶体
正答 5白内障は水晶体が濁る病気です。目の構造と病気の対応(緑内障は眼圧、加齢黄斑変性は網膜の黄斑)もあわせて整理します。

選択肢1 網膜は光を感じ取る膜です。加齢黄斑変性や網膜剥離に関わります。

選択肢2 角膜は目の表面にある透明な膜です。

選択肢3 脈絡膜は網膜の外側にあり、栄養を供給する層です。

選択肢4 硝子体は眼球の中を満たすゼリー状の組織です。

選択肢5 正答です。白内障は、水晶体が濁ることで視力が低下する病気です。

問題66

次の記述のうち,低栄養の高齢者にみられる症状や行動の特徴として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 唾液の分泌が増加する。
  • × 2 腸蠕動が亢進する。
  • × 3 食べこぼしが減る。
  • ○ 4 偏りのある食べ方をする。
  • × 5 体重が増える。
正答 4低栄養では、体重の減少に加え、食事の内容が偏る、活動量が落ちるといった変化が現れます。早期に気づくことが支援の入口になります。

選択肢1 低栄養や加齢では唾液の分泌は減少します。

選択肢2 腸の動きは低下しやすくなり、便秘につながります。

選択肢3 咀嚼や嚥下の機能が落ちるため、食べこぼしはむしろ増えます。

選択肢4 正答です。同じものばかり食べる、主食だけで済ませるなど、偏りのある食べ方が特徴として現れます。

選択肢5 低栄養では体重は減少します。

問題67

次のうち,バリア機能をもつ表皮の構造として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 汗腺
  • ○ 2 角質層
  • × 3 基底層
  • × 4 有棘層
  • × 5 顆粒層
正答 2皮膚は表皮・真皮・皮下組織に分かれます。表皮の最も外側にある角質層が、水分の保持と異物の侵入を防ぐバリアの役割を担います。

選択肢1 汗腺は汗を分泌する器官で、真皮に存在します。

選択肢2 正答です。角質層は表皮の最も外側にあり、水分の蒸発と異物の侵入を防ぐバリア機能を持ちます。

選択肢3 基底層は表皮の最も内側で、新しい細胞がつくられる層です。

選択肢4 有棘層は表皮の中間にあり、細胞どうしが結合している層です。

選択肢5 顆粒層は角質層のすぐ内側にある層です。バリア機能を担うのは角質層です。

問題68

Aさん(98歳,女性)は,認知症(dementia)があるが,食事動作は自立していた。最近,配膳されても食事動作が始まらないことが増えてきた。介護福祉職が献立や食材などの説明をしたところ,Aさんは食べ始めるようになった。せっしょくえんげ次の摂食嚥下の5期のうち,介護福祉職が支援した期として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ○ 1 先行期
  • × 2 準備期
  • × 3 口腔期
  • × 4 咽頭期
  • × 5 食道期
正答 1摂食嚥下の5期は、先行期・準備期・口腔期・咽頭期・食道期です。先行期は食べ物を目で見て認識し、食べる準備が整う段階です。

選択肢1 正答です。献立や食材を説明したことで食べ始めています。食べ物を認識する先行期への支援にあたります。

選択肢2 準備期は、口に取り込んで噛み、飲み込みやすい塊にする段階です。

選択肢3 口腔期は、その塊を舌で咽頭へ送り込む段階です。

選択肢4 咽頭期は、飲み込みの反射によって食道へ送られる段階です。

選択肢5 食道期は、食道の動きによって胃へ運ばれる段階です。

問題69

次のうち,健康な成人において,横行結腸の次に便が通過する部位として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 盲腸
  • × 2 上行結腸
  • ○ 3 下行結腸
  • × 4 S状結腸
  • × 5 直腸
正答 3大腸は、盲腸から上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸の順に続きます。腹部のマッサージや清拭の向きも、この流れに沿って考えます。

選択肢1 盲腸は大腸の始まりで、横行結腸より前にあります。

選択肢2 上行結腸は盲腸の次で、横行結腸の前にあります。

選択肢3 正答です。横行結腸の次は、左側を下る下行結腸です。

選択肢4 S状結腸は下行結腸の次にあります。

選択肢5 直腸は大腸の最後の部分です。

問題70

Aさん(80歳,男性)は,半年前から急に便秘になり,最近では排便回数が5日に1回程度となった。腹部は膨満していて,便は細く,血液が付着することがあるという。次の記述のうち,Aさんの便秘に対する対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 水分摂取を促す。
  • × 2 食物繊維の摂取を促す。
  • × 3 散歩などの運動を促す。
  • × 4 腹部のマッサージを行う。
  • ○ 5 医療機関の受診を促す。
正答 5便が細い、血液が付着する、急に便秘になったという変化は、大腸の病気を疑うサインです。生活上の工夫より先に受診につなげます。

選択肢1 水分摂取は便秘への一般的な対応ですが、この症状の背景を確かめることが先です。

選択肢2 食物繊維も一般的な対応にとどまり、原因への対応になりません。

選択肢3 運動も同様で、症状の原因を明らかにすることが優先されます。

選択肢4 腹部のマッサージは、原因が分からない段階で行うべきではありません。

選択肢5 正答です。急な発症、便が細い、血液が付着するという組合せは、大腸の疾患を疑う所見です。受診につなげます。

問題71

次のうち,65歳の人の妥当な睡眠時間として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 約12時間
  • × 2 約10時間
  • × 3 約8時間
  • ○ 4 約6時間
  • × 5 約4時間
正答 4必要な睡眠時間は加齢とともに短くなります。65歳ではおよそ6時間程度が目安とされ、長く寝床にいることがかえって睡眠の質を下げます。

選択肢1 約12時間は乳幼児に相当する長さです。

選択肢2 約10時間は学童期の目安に近い長さです。

選択肢3 約8時間は若い成人の目安です。高齢者ではこれより短くなります。

選択肢4 正答です。65歳ではおよそ6時間程度が妥当とされています。

選択肢5 約4時間では短すぎ、日中に支障が出やすくなります。

問題72

キューブラー・ロス(Kubler-Ross, E.)が示した終末期にある人の死の受容プロセスのうち「抑うつ」の段階として,適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 第1段階
  • × 2 第2段階
  • × 3 第3段階
  • ○ 4 第4段階
  • × 5 第5段階
正答 4キューブラー・ロスの死の受容過程は、否認→怒り→取引→抑うつ→受容の順です。第何段階かを問う形で出題されます。

選択肢1 第1段階は否認です。事実を受け入れられない段階です。

選択肢2 第2段階は怒りです。なぜ自分がという思いが向けられます。

選択肢3 第3段階は取引です。何かと引き換えに延命を願う段階です。

選択肢4 正答です。第4段階が抑うつで、避けられないと自覚して深い悲しみに包まれる段階です。

選択肢5 第5段階は受容です。静かに事実を受け入れる段階です。

問題73

次の記述のうち,ハヴィガースト(Havighurst, R.)の示す中年期の発達課題に該当するものとして,適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 良心,道徳心,価値尺度を発達させる。
  • ○ 2 成人としての市民的・社会的責任を達成する。
  • × 3 満足できる住宅を確保する。
  • × 4 男性あるいは女性の社会的役割を身につける。
  • × 5 気心の合う社交集団を見つける。
正答 2ハヴィガーストの発達課題は、どの時期の課題かを問う形で出題されます。中年期は、社会的責任を果たし、次の世代を支える立場になる時期です。

選択肢1 良心や道徳心、価値尺度を発達させることは、児童期の課題にあたります。

選択肢2 正答です。成人としての市民的・社会的責任を果たすことは、中年期の発達課題とされています。

選択肢3 満足できる住宅を確保することは、老年期の課題として挙げられています。

選択肢4 男性あるいは女性としての社会的役割を身につけることは、青年期の課題です。

選択肢5 気心の合う社交集団を見つけることは、老年期の課題として示されています。

問題74

次の記述のうち,自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)の特徴として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 文字のつづりがうまく書けず,類似の文字を間違えたりする。
  • ○ 2 同じ動作や行動を繰り返す。
  • × 3 注意の持続が難しい。
  • × 4 順番を待てずに割り込む。
  • × 5 数の大小の比較が難しい。
正答 2発達障害は、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥多動性障害、学習障害の特徴を区別して覚えます。同じ動作の繰り返しは自閉症スペクトラム障害の特徴です。

選択肢1 文字のつづりを間違えるのは、学習障害のうち書字に関する困難にあたります。

選択肢2 正答です。同じ動作や行動を繰り返すこだわりは、自閉症スペクトラム障害の特徴の一つです。

選択肢3 注意の持続が難しいのは、注意欠陥多動性障害の特徴です。

選択肢4 順番を待てずに割り込むのは、注意欠陥多動性障害の衝動性にあたります。

選択肢5 数の大小の比較が難しいのは、学習障害のうち算数に関する困難です。

問題75

次のうち,健康な状態と心身の機能が低下して介護等が必要な状態の中間を示す用語として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 エイジング(aging)
  • × 2 サルコペニア(sarcopenia)
  • × 3 ロコモティブシンドローム
  • × 4 ホメオスタシス(homeostasis)
  • ○ 5 フレイル(frailty)
正答 5フレイルは、健康な状態と要介護状態の中間を指す言葉です。適切に介入すれば戻れる可逆性があることが、重要な点です。

選択肢1 エイジングは加齢そのものを指す言葉です。

選択肢2 サルコペニアは、加齢による筋肉量と筋力の低下を指します。フレイルの一因になります。

選択肢3 ロコモティブシンドロームは、運動器の障害により移動機能が低下した状態です。

選択肢4 ホメオスタシスは、体内の状態を一定に保つ働きを指します。

選択肢5 正答です。フレイルは、健康と要介護の中間にある状態を指し、対策により改善が見込めます。

問題76

高齢者のセクシュアリティ(sexuality)に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 高齢になると性への関心がなくなる。
  • × 2 男性は,高齢になっても性ホルモンの分泌が維持される。
  • ○ 3 女性は,高齢になると性交痛を感じやすくなる。
  • × 4 高齢者は生殖機能の喪失と同時にセクシュアリティ(sexuality)を喪失する。
  • × 5 高齢者の性的欲求に,性差はみられない。
正答 3高齢者の性に関する誤った思い込みを問う出題です。関心がなくなるという前提そのものが誤りであり、身体的な変化への理解が求められます。

選択肢1 高齢になっても性への関心は失われません。個人差があります。

選択肢2 男性も加齢とともに性ホルモンの分泌は低下します。維持されるわけではありません。

選択肢3 正答です。女性は閉経後のホルモンの変化により、腟の乾燥が起こり性交痛を感じやすくなります。

選択肢4 生殖機能の喪失とセクシュアリティの喪失は別のものです。

選択肢5 性的欲求の現れ方には性差がみられます。

問題77

Aさん(22歳,女性)は,施設で介護福祉職として勤務し,食事や睡眠を工夫しながら,一人暮らしをしている。日々の生活や勤務状況に問題はない。職場にAさんと年齢の近い介護福祉職はおらず,休憩時間や休みの日も一人で過ごしている。Aさんは,「自分の仕事ぶりを上司に認めてほしいという気持ちはない。それよりも,仕事やそれ以外のことを深く話せる同年代の同僚がほしい」と思っている。次のマズロー(Maslow, A.H.)の欲求階層説の各段階のうち,Aさんの現在の気持ちが当てはまるものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 生理的欲求
  • ○ 2 所属・愛情欲求
  • × 3 安全欲求
  • × 4 承認欲求
  • × 5 自己実現欲求
正答 2マズローの欲求階層説は、生理的欲求、安全欲求、所属・愛情欲求、承認欲求、自己実現欲求の順です。人とのつながりを求める段階が所属・愛情欲求です。

選択肢1 生理的欲求は、食事や睡眠など生命の維持に関わるものです。Aさんは工夫して満たしています。

選択肢2 正答です。深く話せる同年代の同僚がほしいという気持ちは、人とのつながりを求める所属・愛情欲求にあたります。

選択肢3 安全欲求は、身の安全や安定した生活を求めるものです。勤務状況に問題はありません。

選択肢4 承認欲求は、認められたいという気持ちです。Aさんは、認めてほしい気持ちはないと述べています。

選択肢5 自己実現欲求は、自分の可能性を実現したいという最上位の欲求です。

問題78

次のうち,加齢に伴い階段を上ると息切れしやすくなる現象に関係する恒常性の機能として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ○ 1 予備力
  • × 2 適応力
  • × 3 免疫力
  • × 4 抵抗力
  • × 5 回復力
正答 1予備力とは、通常の活動では使われていない余力のことです。加齢によって予備力が低下すると、負荷がかかったときに対応しきれず症状が現れます。

選択肢1 正答です。階段を上るという負荷に対して、余力が減っているため息切れが生じます。これが予備力の低下です。

選択肢2 適応力は、環境の変化に合わせる力です。

選択肢3 免疫力は、感染などから体を守る力です。

選択肢4 抵抗力は、病気に対して抗う力を指します。

選択肢5 回復力は、傷や病気から元に戻る力です。

問題79

次の記述のうち,高齢者の疾患や症状の特徴として,適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 典型的な症状を呈する。
  • × 2 生活が活発になる。
  • × 3 痛みに敏感になる。
  • ○ 4 複数の疾患を持ちやすい。
  • × 5 慢性的な疾患は少ない。
正答 4高齢者の疾患の特徴は、非典型的な症状、複数の疾患の併存、慢性化、症状の現れにくさです。若い人と同じ経過をたどらない点が要点です。

選択肢1 高齢者は、発熱や痛みなどの典型的な症状が現れにくいことが特徴です。

選択肢2 疾患により生活は不活発になりやすく、活発になるわけではありません。

選択肢3 痛みは感じにくくなる傾向があり、発見が遅れる原因になります。

選択肢4 正答です。複数の疾患を併せ持ちやすく、服薬も多剤になりやすいことが特徴です。

選択肢5 慢性的な疾患はむしろ多くなります。

問題80

Aさん(82歳,女性)は,介護老人保健施設に入所している。朝,眠そうな様子であったため,介護福祉職がどうしたのかと尋ねると,Aさんは,「夜,足や背中がかゆくてあまり眠れなかった」と話した。看護師と共に足や背中を観察すかると,皮膚が乾燥していて,引っ掻いたような傷があった。そのほかに皮膚の異常はみられなかった。Aさんは寒さに弱く,今は冬なので常に電気毛布を使用している。昨日は入浴日であった。次のうち,Aさんに生じている可能性がある疾患として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 角化型疥癬(hyperkeratotic scabies)たいじょうほうしん
  • × 2 帯状疱疹(herpes zoster)じょくそう瘡
  • × 3 褥ろうじんせいひふそうようしょう
  • ○ 4 老人性皮膚掻痒症(senile pruritus)
  • × 5 閉塞性動脈硬化症(arteriosclerosis obliterans)
正答 4冬季、皮膚の乾燥、電気毛布の使用、掻き傷があり他に皮疹がないという条件から、乾燥による痒みを考えます。発疹を伴う疾患とは区別します。

選択肢1 疥癬では、指の間などに特徴的な発疹やトンネル状の病変がみられます。Aさんには他の皮膚の異常がありません。

選択肢2 帯状疱疹は、神経の走行に沿って帯状に水疱が現れます。

選択肢3 褥瘡は、圧迫を受ける部位の皮膚の損傷です。乾燥による全身の痒みとは異なります。

選択肢4 正答です。加齢による皮脂の減少に、冬の乾燥と電気毛布の使用が重なり、痒みが生じています。発疹を伴わない点も一致します。

選択肢5 閉塞性動脈硬化症は、歩行時の下肢の痛みや冷感が主な症状です。

問題81

次の記述のうち,認知症(dementia)のある人にみられる妄想の説明として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 自分でしまい忘れた物が見つからず,誰かが盗んだと思い込むのは,嫉妬妄想である。
  • × 2 孫と会って話をしたにもかかわらず,孫にずっと会わせてもらえていないと主張するのは,カプグラ症候群である。
  • × 3 介護支援専門員(ケアマネジャー)と妻が話しているのを見て,妻の浮気相手だと思い込むのは,幻の同居人である。
  • × 4 家族など身近な人がよく似た偽物と入れ替わっていると主張するのは,被害妄想である。
  • ○ 5 身体的疾患がないにもかかわらず,自分が病気だと思い込むのは,心気妄想である。
正答 5妄想の種類は、内容と名称の組合せで覚えます。物盗られ妄想、嫉妬妄想、心気妄想、被害妄想、カプグラ症候群、幻の同居人を区別します。

選択肢1 しまい忘れた物を盗まれたと思い込むのは、物盗られ妄想です。嫉妬妄想ではありません。

選択肢2 会ったことを覚えていないために生じる訴えであり、カプグラ症候群ではありません。

選択肢3 配偶者が浮気していると思い込むのは、嫉妬妄想です。幻の同居人とは、家の中に誰かがいると思い込む症状です。

選択肢4 身近な人が偽物と入れ替わったと主張するのは、カプグラ症候群です。被害妄想ではありません。

選択肢5 正答です。身体的な疾患がないのに自分は重い病気だと思い込むことを、心気妄想といいます。

問題82

次の記述のうち,認知症(dementia)の人への取り組みとその説明として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ○ 1 本人ミーティングでは,当事者たちが語り合い社会に発信も行う。
  • × 2 認知症初期集中支援チームは,要介護認定を行う。
  • × 3 若年性認知症支援コーディネーターは,認知症(dementia)の診断を行う。
  • × 4 認知症疾患医療センターは,地域ケア会議を開催する。
  • × 5 認知症カフェは,認知症介護指導者を養成する。
正答 1認知症に関する施策は、それぞれの役割を取り違えさせる形で出題されます。診断、認定、支援、当事者の発信のどれを担うのかを整理します。

選択肢1 正答です。本人ミーティングは、認知症のある本人が集まって語り合い、その声を社会へ発信する取り組みです。

選択肢2 認知症初期集中支援チームは、早期の受診や支援につなげる役割を担います。要介護認定を行うのは市町村です。

選択肢3 若年性認知症支援コーディネーターは、相談や関係機関との調整を担います。診断は医師が行います。

選択肢4 認知症疾患医療センターは、鑑別診断や専門医療相談を担います。地域ケア会議を開催するのは地域包括支援センターなどです。

選択肢5 認知症カフェは、本人や家族、地域住民が集う場です。認知症介護指導者の養成は、専門の研修機関が行います。

問題83

次の記述のうち,認知症(dementia)の行動・心理症状(BPSD)に該当するものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 10分前に施設職員が挨拶しに来たことを,覚えていない。
  • × 2 病院にいるのに,自宅にいると思っている。
  • ○ 3 通所介護(デイサービス)を利用中に,出口を探して歩き回る。
  • × 4 薬を処方されても,服薬管理ができない。
  • × 5 入浴を促すと,湯につかるだけで出てくる。
正答 3中核症状と行動・心理症状の区別が問われます。記憶障害や見当識障害、実行機能障害は中核症状、それに伴って生じる行動や心理の変化がBPSDです。

選択肢1 直前の出来事を覚えていないのは、記憶障害であり中核症状です。

選択肢2 場所を取り違えているのは、見当識障害であり中核症状です。

選択肢3 正答です。出口を探して歩き回る行動は、中核症状を背景として現れる行動・心理症状にあたります。

選択肢4 服薬管理ができないのは、実行機能障害による中核症状です。

選択肢5 湯につかるだけで出てくるのは、手順が分からなくなる実行機能の問題としてとらえられます。

問題84

次の記述のうち,アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’stype)の説明として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 古い記憶から障害され,徐々に新しい記憶も障害される。
  • × 2 認知機能が変動することが特徴的である。
  • × 3 ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)の障害は,重度期以降に認められる。
  • × 4 見当識障害は,中期以降に認められる。
  • ○ 5 記憶障害は,初期から認められる。
正答 5アルツハイマー型認知症は、新しい記憶から障害され、初期から記憶障害と見当識障害が現れます。認知機能の変動はレビー小体型の特徴です。

選択肢1 障害されるのは新しい記憶からです。古い記憶は比較的保たれます。

選択肢2 認知機能が変動するのは、レビー小体型認知症の特徴です。

選択肢3 日常生活動作の障害は、中期から現れ始めます。重度期以降に限られるものではありません。

選択肢4 見当識障害は初期から現れます。まず時間の見当識から障害されることが多くなります。

選択肢5 正答です。記憶障害は初期から認められ、最初に現れる代表的な症状です。

問題85

次のうち,レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)の症状として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 ノンレム睡眠行動障害による大声
  • ○ 2 自律神経症状による起立性低血圧(orthostatic hypotension)
  • × 3 聴覚認知機能の障害による幻聴
  • × 4 側頭葉の萎縮による意味性失語
  • × 5 嚥下機能の促進による食欲増加
正答 2レビー小体型認知症の特徴は、具体的な幻視、認知機能の変動、パーキンソン症状、レム睡眠行動障害、自律神経症状です。この5つで整理します。

選択肢1 大声や体の動きを伴うのは、レム睡眠行動障害です。ノンレム睡眠ではありません。

選択肢2 正答です。自律神経症状により、立ち上がったときに血圧が下がる起立性低血圧が起こりやすくなります。転倒の原因にもなります。

選択肢3 レビー小体型認知症で特徴的なのは幻視です。実際にいない人や動物が、はっきり見えると訴えます。

選択肢4 意味性失語は、前頭側頭型認知症のうち意味性認知症でみられる症状です。

選択肢5 嚥下機能は低下します。促進されて食欲が増すことはありません。

問題86

次のうち,認知症(dementia)の人の生活をアセスメントするうえで,身体的要因に含まれる項目として,適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 性格
  • × 2 居住環境
  • × 3 人的環境
  • ○ 4 IADL(Instrumental Activities of Daily Living:手段的日常生活動作)
  • × 5 社会とのつながり
正答 4アセスメントの要因は、身体的・心理的・環境的(社会的)に分けて整理します。生活動作の能力は、身体的要因として扱われます。

選択肢1 性格は心理的要因に分類されます。

選択肢2 居住環境は環境的要因です。

選択肢3 人的環境は、家族や周囲との関係であり環境的要因にあたります。

選択肢4 正答です。買物や調理、金銭管理などの手段的日常生活動作は、心身の状態を反映する身体的要因として把握します。

選択肢5 社会とのつながりは、社会的要因に分類されます。

問題87

認知症(dementia)の人への環境の配慮に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ○ 1 視覚的認識を容易にするために,廊下の手すりに色をつけて目立つようにする。
  • × 2 聴覚に影響を与えるために,ピクトグラム(pictogram)を表示する。
  • × 3 音の選択的聴取の力を高めるために,BGM(background music)の音量を大きくする。
  • × 4 穏やかに生活するために,居室の光の刺激を強くする。
  • × 5 落ち着く空間をつくるために,居室を細かい模様の壁紙で統一する。
正答 1認知症の人への環境の配慮は、分かりやすさと落ち着きが基本です。刺激を強めるのではなく、必要な情報を見分けやすくします。

選択肢1 正答です。手すりに色をつけて周囲と区別すると、視覚的に認識しやすくなり、安全な移動につながります。

選択肢2 ピクトグラムは視覚に働きかけるものです。聴覚への配慮ではありません。

選択肢3 BGMの音量を大きくすると、必要な音を聞き分けにくくなります。かえって混乱を招きます。

選択肢4 光の刺激を強くすると、落ち着いて過ごせません。まぶしさは不穏の原因にもなります。

選択肢5 細かい模様は、虫や汚れに見間違えるなど誤認の原因になります。落ち着いた無地が適しています。

問題88

次の記述のうち,認知症(dementia)の人の遂行機能障害の症状として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 ご飯を食べたことを忘れて,ご飯をほしいと言う。
  • × 2 包丁の使い方を忘れて,うまく使うことができない。
  • × 3 食事が配膳されているが,左側のものを残す。
  • ○ 4 調理の手順を順序だてて行うことができない。
  • × 5 皿の模様をおかずと間違えて,スプーンですくおうとする。
正答 4中核症状は、記憶障害、見当識障害、遂行機能障害、失語・失行・失認に分けられます。遂行機能障害は、段取りを立てて実行できなくなる症状です。

選択肢1 食べたことを忘れるのは、記憶障害です。

選択肢2 道具の使い方が分からなくなるのは、失行にあたります。

選択肢3 片側のものを見落とすのは、半側空間無視です。

選択肢4 正答です。調理のように複数の手順を組み立てて進めることができなくなるのが、遂行機能障害です。

選択肢5 皿の模様をおかずと見間違えるのは、失認にあたります。

問題89

Aさん(75歳,男性)は,認知症(dementia)で,通所介護(デイサービス)を利用している。介護福祉職が,「今日は何月何日でしょうか」と聞くと,Aさんは,「9月」と答えた。介護福祉職が,「今朝,Aさんの家の庭にあじさいが咲いていましたね」と言うと,Bさんが,「あじさいが咲くのは6月?」と答えた。介護福祉職は,「そうです。今日は6月22日です」と言い,ホワイトボードに日付とあじさいの絵を描いた。介護福祉職が,「6月生まれの方はいますか」と聞くが,返事がない。介護福祉職は,「今日は6月22日ですが,あと3日でAさんの誕生日ですね」と伝えた。次のうち,介護福祉職が実施した技法として,適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 タッチケア(touch care)
  • × 2 アートセラピー(art therapy)
  • ○ 3 リアリティ・オリエンテーション(reality orientation)
  • × 4 ライフレビュー(life review)
  • × 5 グリーフケア(grief care)
正答 3リアリティ・オリエンテーションは、日付や季節、場所などの情報を繰り返し伝えて、見当識を支える技法です。会話のなかで自然に行う方法もあります。

選択肢1 タッチケアは、触れることで安心感を得てもらう関わりです。

選択肢2 アートセラピーは、絵画などの表現活動を通じた心理的な支援です。

選択肢3 正答です。季節の花を手がかりに日付を伝え、ホワイトボードに書いて示すことは、見当識に働きかけるリアリティ・オリエンテーションです。

選択肢4 ライフレビューは、これまでの人生を振り返って語ってもらう技法です。

選択肢5 グリーフケアは、大切な人を亡くした人への支援です。

問題90

Aさん(88歳,女性)は,4年前に,認知症(dementia)と診断された。在宅で長男が介護している。Aさんは,3か月前から,何度もトイレ以外で排泄しよはいせつうとする様子がみられた。長男が繰り返しトイレの場所を教えているが,状態は変わらない。長男はAさんに対して,「何回,同じことを言ったら,わかるんだ」と大声でどなってしまい,その後で落ち込むようになった。また,長男は,「認知症(dementia)がいつまで続くのか」「自分に何か問題があったのではないか」と言って,自分を強く責めている。次のうち,Aさんの認知症(dementia)を長男が受け入れる過程と考えた場合,このときの長男の心理的特徴に該当する段階として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 ショック期
  • × 2 否認期
  • ○ 3 混乱期
  • × 4 解決への努力期
  • × 5 受容期
正答 3家族が障害や認知症を受け入れる過程は、ショック期、否認期、混乱期、解決への努力期、受容期と進みます。怒りと自責が入り混じるのが混乱期です。

選択肢1 ショック期は、診断を受けた直後の強い衝撃の段階です。

選択肢2 否認期は、事実を認められず、別の可能性を求める段階です。

選択肢3 正答です。怒鳴ってしまい、その後で落ち込み、自分を責めるという状態は、混乱期の特徴と一致します。

選択肢4 解決への努力期は、現実に向き合い、対応を工夫し始める段階です。

選択肢5 受容期は、状況を受け入れて前向きに関われるようになる段階です。

問題91

次のうち,障害福祉におけるソーシャルインクルージョン(social inclusion)の考え方の説明として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 障害のある人とない人を統合する社会
  • × 2 障害のある人を権利侵害から守る社会
  • × 3 障害のある人の意思決定を支援する社会
  • × 4 障害のある人の最善の利益を考える社会
  • ○ 5 障害のある人もない人も包摂する社会
正答 5ソーシャルインクルージョンは、社会的に排除されやすい人を含めて、誰もが社会の一員として包み込まれる状態を目指す考え方です。

選択肢1 障害のある人とない人を統合するのは、インテグレーション(統合)の考え方です。

選択肢2 権利侵害から守ることは、権利擁護(アドボカシー)に関わる考え方です。

選択肢3 意思決定の支援は、自己決定を支える取り組みです。

選択肢4 最善の利益を考えることは、支援の原則の一つではありますが、包摂の説明ではありません。

選択肢5 正答です。障害の有無にかかわらず、すべての人を社会の一員として包み込む考え方がソーシャルインクルージョンです。

問題92

知的障害に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ○ 1 障害が発達期にあらわれる。
  • × 2 障害の原因は明らかである。
  • × 3 一般就労は不可能である。
  • × 4 療育手帳の等級は障害支援区分で決める。
  • × 5 運動発達の遅れは伴わない。
正答 1知的障害は、発達期に現れる知的機能の制約と適応行動の困難によって判断されます。原因が特定できない場合も多く、就労も可能です。

選択肢1 正答です。知的障害は、おおむね18歳までの発達期に現れることが要件とされています。

選択肢2 原因が明らかでない場合が多くあります。

選択肢3 支援があれば一般就労も可能です。不可能ではありません。

選択肢4 療育手帳の判定は、知的機能や適応行動の状態にもとづきます。障害支援区分で決めるものではありません。

選択肢5 運動発達の遅れを伴うことがあります。

問題93

次のうち,後遺症によって片麻痺や言語障害を伴うことがある疾患や病態として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ○ 1 脳血管障害(cerebrovascular disorder)
  • × 2 糖尿病(diabetes mellitus)
  • × 3 脊髄損傷(spinal cord injury)
  • × 4 慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)
  • × 5 クローン病(Crohn disease)
正答 1片麻痺と言語障害が同時に現れる代表的な疾患は脳血管障害です。損傷した部位と反対側に麻痺が生じ、左半球の損傷では失語を伴うことがあります。

選択肢1 正答です。脳血管障害では、片麻痺とともに失語症や構音障害を伴うことがあります。

選択肢2 糖尿病の合併症は、神経障害、網膜症、腎症が代表的です。

選択肢3 脊髄損傷では、損傷した高さより下に麻痺が生じます。片側だけの麻痺や言語障害は典型的ではありません。

選択肢4 慢性閉塞性肺疾患の主な症状は、息切れと咳、痰です。

選択肢5 クローン病は消化管の炎症性疾患で、腹痛や下痢が主な症状です。

問題94

次の記述のうち,国際障害者年を契機に,日本の障害福祉に起きた変化として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 障害者を弱者として保護する捉え方が広まった。
  • ○ 2 ノーマライゼーションの理念が徐々に浸透した。
  • × 3 身体障害者福祉法の制定につながった。
  • × 4 障害種別ごとの福祉サービス給付が始まった。
  • × 5 措置制度から自立支援医療制度へ移行した。
正答 2国際障害者年は1981年で、テーマは「完全参加と平等」でした。これを契機にノーマライゼーションの理念が日本でも広まりました。

選択肢1 保護する対象としてとらえる見方から、参加する主体としてとらえる見方へ転換する契機となりました。

選択肢2 正答です。国際障害者年をきっかけに、ノーマライゼーションの理念が日本の障害福祉に浸透していきました。

選択肢3 身体障害者福祉法の制定は1949年で、国際障害者年より前のことです。

選択肢4 障害種別ごとの給付は、それ以前から行われていました。

選択肢5 自立支援医療制度は、障害者自立支援法により後の時期に整理されたものです。

問題95

次のうち,筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)によくみられる症状として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 感覚障害
  • × 2 失禁
  • ○ 3 嚥下障害
  • × 4 視力障害
  • × 5 便秘
正答 3筋萎縮性側索硬化症では、運動に関わる神経が障害されます。一方で、感覚、眼球運動、膀胱直腸機能、褥瘡は、末期まで保たれやすいとされます。

選択肢1 感覚は保たれやすく、感覚障害は典型的な症状ではありません。

選択肢2 膀胱直腸機能は保たれやすいため、失禁は典型的ではありません。

選択肢3 正答です。舌や喉の筋力が低下し、嚥下障害が現れます。食事の形態の工夫や胃ろうの検討が必要になります。

選択肢4 眼球運動は保たれやすく、視力障害も典型的ではありません。

選択肢5 便秘は運動量の低下などで起こりうるものの、この疾患を特徴づける症状ではありません。

問題96

Aさん(50歳,男性)は,以前は一人暮らしをしていたが,現在は統合失調症(schizophrenia)のため長期入院をしている。症状が軽快して安定したため,医師から間もなく退院できるという説明があった。Aさんは以前と同じように独居を希望しているが,一人で住居を探すのに不安がある。次のうち,Aさんの希望を実現するために利用する公的な支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 地域定着支援
  • × 2 自立生活援助
  • ○ 3 地域移行支援
  • × 4 生活介護
  • × 5 同行援護
正答 3地域移行支援は入院・入所中から、地域定着支援は地域で暮らし始めた後の緊急時に対応します。どの段階の支援かで選び分けます。

選択肢1 地域定着支援は、すでに地域で一人暮らしをしている人に対し、緊急時の連絡や対応を行う支援です。

選択肢2 自立生活援助は、施設や病院を出た後に、定期的な訪問で生活を支える支援です。

選択肢3 正答です。地域移行支援は、入院中の人に対して住居の確保や退院に向けた活動を支援します。Aさんの段階に合っています。

選択肢4 生活介護は、常時介護を必要とする人に日中の支援を行うサービスです。

選択肢5 同行援護は、視覚障害により移動が困難な人への支援です。

問題97

Aさん(45歳,男性)は,1年前,交通事故で頭部外傷を負った。四肢に障害は残らなかったが,高次脳機能障害(higher brain dysfunction)と診断された。次の記述のうち,Aさんの障害特性を理解した支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 記憶障害によって同じことを何度も質問するが,一度だけ質問に答える。
  • × 2 注意障害によって作業のミスが多いため,その度ごとに強く注意する。
  • × 3 遂行機能障害によって指示されないと作業ができないため,自分の判断でやるように促す。
  • ○ 4 社会的行動障害によってすぐに怒りだすことがあるため,感情が落ち着くように場面や話題を変える。
  • × 5 病識低下によってできないことを認めないため,できないことを指摘する。
正答 4高次脳機能障害への支援は、本人の努力を求めるのではなく、環境と関わり方を調整することが基本です。指摘や叱責は状態を悪化させます。

選択肢1 記憶障害による繰り返しの質問には、その都度答え、メモやカレンダーなど手がかりを用意します。一度だけと決める対応は適切ではありません。

選択肢2 強く注意しても、注意障害そのものは改善しません。作業を区切る、静かな環境にするなどの工夫が有効です。

選択肢3 遂行機能障害がある人に自分の判断を求めると、混乱します。手順書を示すなど、段取りを外から支えます。

選択肢4 正答です。感情のコントロールが難しくなる社会的行動障害では、場面や話題を変えて気持ちを切り替える関わりが有効です。

選択肢5 できないことを指摘すると、自信を失い関係も損なわれます。できていることを認めながら支援します。

問題98

次のうち,「障害者総合支援法」に規定する補装具として,適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 特殊寝台
  • ○ 2 電動車椅子
  • × 3 点字器
  • × 4 電気式たん吸引器
  • × 5 ストーマ装具(注)「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
正答 2補装具は、失われた身体機能を補い、長期間にわたり継続して使用するものです。日常生活用具との区別が繰り返し問われます。

選択肢1 特殊寝台は、日常生活用具として給付される品目です。

選択肢2 正答です。電動車椅子は、移動の機能を補う補装具に位置づけられます。

選択肢3 点字器は、日常生活用具にあたります。

選択肢4 電気式たん吸引器も、日常生活用具として給付されます。

選択肢5 ストーマ装具は、日常生活用具にあたります。

問題99

次の記述のうち,地域における障害者のサポート体制として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 介護支援専門員は,サービス等利用計画を作成する。
  • × 2 相談支援専門員は,個別支援計画を作成する。
  • × 3 基幹相談支援センターは,障害支援区分を決定する。
  • × 4 地域包括支援センターは,要介護度を決定する。
  • ○ 5 市町村は,地域生活支援事業を行う。
正答 5計画の作成者と決定権者を整理します。サービス等利用計画は相談支援専門員、個別支援計画はサービス管理責任者、区分認定と要介護認定は市町村が行います。

選択肢1 サービス等利用計画を作成するのは相談支援専門員です。介護支援専門員が作成するのは居宅サービス計画です。

選択肢2 個別支援計画を作成するのは、事業所のサービス管理責任者です。

選択肢3 障害支援区分を決定するのは市町村です。基幹相談支援センターは、地域の相談支援の中核を担います。

選択肢4 要介護度を決定するのも市町村です。地域包括支援センターは相談や介護予防ケアマネジメントを担います。

選択肢5 正答です。地域生活支援事業は、市町村が地域の実情に応じて実施する事業です。移動支援や日常生活用具の給付などが含まれます。

問題100

次のうち,障害があるためスプーンがうまく握れない人に自助具を作成する職種として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 看護師
  • × 2 義肢装具士
  • × 3 理学療法士
  • ○ 4 作業療法士
  • × 5 言語聴覚士
正答 4作業療法士は、食事や書字など生活行為の改善を担い、自助具の作成や適合も行います。職種ごとの役割の違いを押さえます。

選択肢1 看護師は、健康管理や医療的な処置を担います。

選択肢2 義肢装具士は、義手や義足、装具の製作と適合を行います。自助具は担当しません。

選択肢3 理学療法士は、起き上がりや歩行など基本的な動作の改善を担います。

選択肢4 正答です。スプーンの握りを補う自助具の作成や工夫は、作業療法士の役割にあたります。

選択肢5 言語聴覚士は、話すこと、聞くこと、飲み込みに関する支援を担います。

問題101

次の記述のうち,バイタルサインを測定するときの留意点として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ○ 1 非接触型体温計による測定では,環境温度に注意する。
  • × 2 脈拍の測定では,橈骨動脈に拇指で触れる。とうこつどうみゃくぼし
  • × 3 呼吸の測定では,ゆっくりと息をするように伝えてから行う。
  • × 4 血圧測定では,上腕にマンシェットを隙間のないように巻く。
  • × 5 意識レベルは,まず身体を揺さぶって反応をみる。
正答 1バイタルサインの測定は、手技の細部が問われます。脈拍は示指・中指・薬指で触れる、呼吸は気づかれないように測る、意識障害では揺さぶらない、が要点です。

選択肢1 正答です。非接触型の体温計は外気温の影響を受けます。極端に暑い場所や寒い場所での測定は避けます。

選択肢2 拇指は自分の脈を感じてしまうため使いません。示指・中指・薬指の3本で触れます。

選択肢3 呼吸を意識させると、自然な回数を測れません。気づかれないように観察します。

選択肢4 隙間なく巻くと締めつけが強くなります。指が1〜2本入る程度の余裕をもたせます。

選択肢5 身体を揺さぶるのは危険です。まず声をかけ、反応がなければ肩を軽くたたいて確認します。

問題102

気管カニューレの構造等に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

  • × 1 気管カニューレは,咽頭に挿入されている。
  • × 2 気管カニューレは,交換の必要がない。
  • × 3 カフは,カニューレの上端についている。
  • × 4 カフには,滅菌蒸留水が入れてある。
  • ○ 5 サイドチューブから,カフの上部の貯留物を吸引することができる。
正答 5気管カニューレは気管に挿入され、カフは下端付近で気管壁との隙間を塞ぎます。カフには空気を入れ、サイドチューブでカフの上に溜まった分泌物を吸引します。

選択肢1 気管カニューレは、気管切開孔から気管に挿入されています。咽頭ではありません。

選択肢2 感染や閉塞を防ぐため、定期的な交換が必要です。交換は医師が行います。

選択肢3 カフはカニューレの下端付近についています。上端ではありません。

選択肢4 カフに入れるのは空気です。滅菌蒸留水ではありません。

選択肢5 正答です。サイドチューブからカフの上部に溜まった分泌物を吸引でき、誤嚥性肺炎の予防につながります。

問題103

Aさん(85歳,男性)は,慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonarydisease)で,介護老人福祉施設に入所している。ある日,Aさんから,「痰がからたんせきんでいて,咳をしても出せない」という訴えがあった。介護福祉士が呼吸回数を確認すると,1分間に22回で,ゴロゴロという音がしていた。看護職からは,右肺たんに痰が貯留しやすいという情報提供があった。口腔内吸引をすると,粘性の強いこうくうないきゅういんたん透明な痰が吸引できた。このとき,介護福祉士が喀痰排出を促すためにA さんに行う対応として,最もかくたんはいしゅつ適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 居室の湿度を30%に保つ。
  • × 2 水分摂取を控えるように伝える。
  • ○ 3 左側を下にした体位を勧める。
  • × 4 太い吸引チューブに変える。
  • × 5 ベッド上での安静を勧める。
正答 3痰の貯留している側を上にすると、重力で痰が移動しやすくなります。右肺に貯留しているなら、右を上に、つまり左側を下にした体位をとります。

選択肢1 湿度30%では乾燥しすぎです。痰が固くなり、かえって出にくくなります。50〜60%程度が目安です。

選択肢2 水分を控えると痰の粘り気が増します。制限がなければ水分摂取を促します。

選択肢3 正答です。右肺に痰が貯留しているため、左側を下にして右を上にすると、痰が移動しやすくなります。

選択肢4 太い吸引チューブは粘膜を傷つけます。太さを変えることは排出の促しにもなりません。

選択肢5 安静にすると換気が減り、痰が出にくくなります。可能な範囲で体位を変え、離床を促します。

問題104

次の記述のうち,胃の構造として,正しいものを1つ選びなさい。

  • × 1 幽門から始まり噴門で終わる。
  • ○ 2 左上方を胃底部といい,食べ物を一時的にためる。
  • × 3 左下方の縁を小弯という。
  • × 4 胃には3つの生理的狭窄部がある。
  • × 5 胃に続く小腸は,空腸という。
正答 2胃は噴門から始まり幽門で終わります。左上方が胃底部、右上の縁が小弯、左下の縁が大弯です。生理的狭窄部があるのは食道です。

選択肢1 噴門から始まり、幽門で十二指腸へ続きます。順序が逆になっています。

選択肢2 正答です。胃底部は左上方にあり、飲み込んだ食べ物を一時的にためる部分です。

選択肢3 左下方の縁は大弯です。小弯は右上方の縁を指します。

選択肢4 3つの生理的狭窄部があるのは食道です。胃ではありません。

選択肢5 胃に続く小腸は十二指腸です。空腸はその次に続きます。

問題105

次の記述のうち,ボタン型胃ろうチューブを挿入している利用者に対して,介護福祉士が行うケアとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 胃ろう周囲の皮膚に発赤がある場合は,軟膏を塗布する。
  • × 2 1日に2,3回,胃ろうチューブを回転させて,癒着を防ぐ。
  • × 3 胃ろうチューブの抜去予防のため,歩行は避けるように勧める。
  • ○ 4 胃ろう周囲の皮膚は石けんとぬるま湯で洗浄して,清潔を保つ。
  • × 5 栄養剤を注入する前には,胃ろう部を消毒する。
正答 4胃ろうのケアで介護福祉士が行えるのは、皮膚の清潔保持など日常的な範囲です。薬を塗る、消毒するといった行為は医行為にあたります。

選択肢1 軟膏の塗布は医行為にあたります。発赤に気づいたら、看護職へ報告します。

選択肢2 チューブを回転させる手技は、状態によって医療職が判断して行うものです。介護福祉士が自らの判断で行うケアではありません。

選択肢3 歩行を避けるよう勧める必要はありません。活動を制限すると、心身の機能が低下します。

選択肢4 正答です。石けんとぬるま湯で洗い流し、水分を拭き取って乾かすことが、日常的な清潔保持のケアになります。

選択肢5 消毒は必要ありません。通常は洗浄で清潔を保ちます。

問題106

次のうち,介護過程における生活課題への対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 介護福祉職が望む支援を実現すること
  • ○ 2 利用者が望む暮らしを実現すること
  • × 3 他職種が望む連携を実現すること
  • × 4 家族が望む経済状況を実現すること
  • × 5 施設が望む運営を実現すること
正答 2介護過程の出発点は、利用者が望む暮らしです。職員や施設の都合を目的に置かないことが原則になります。

選択肢1 介護福祉職が望む支援を実現することは、目的ではありません。

選択肢2 正答です。利用者が望む生活の実現に向けて、生活課題を明らかにし支援を組み立てます。

選択肢3 他職種との連携は手段であり、目的ではありません。

選択肢4 家族の経済状況の実現を目的とするものではありません。

選択肢5 施設の運営の都合を目的にすることは、本人中心の支援に反します。

問題107

次の記述のうち,短期目標に関する説明として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 介護福祉職の介護目標を設定する。
  • × 2 利用者の1年後の状態を記載する。
  • × 3 利用者の家族を主体にして表現する。
  • ○ 4 アセスメントに基づく利用者の具体的な生活課題から検討する。
  • × 5 目標達成時の介護福祉職の満足度を記載する。
正答 4短期目標は、長期目標に至る段階として、アセスメントで明らかになった生活課題から導きます。主体は利用者であり、観察できる形で表します。

選択肢1 目標の主体は利用者です。介護福祉職の目標を設定するものではありません。

選択肢2 1年後の状態を記すのは長期目標にあたります。短期目標はより近い期間を扱います。

選択肢3 主体として表現するのは利用者です。家族ではありません。

選択肢4 正答です。アセスメントにもとづいて具体的な生活課題を明らかにし、そこから短期目標を検討します。

選択肢5 介護福祉職の満足度は、目標に記載する内容ではありません。

問題108

次の記述のうち,介護計画の実施に関するものとして,適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 利用者の実践状況は評価日にまとめて記録する。
  • × 2 介護福祉職が結果に満足できるまで実践を続ける。
  • × 3 介護福祉職の実践経験を積むことを目的にする。
  • × 4 他職種が立案した介護計画をチームで実践する。
  • ○ 5 利用者に支援内容を説明して同意を得る。
正答 5計画の実施では、本人への説明と同意が前提です。記録はその都度残し、チームで共有します。

選択肢1 記録は実施のたびに残します。評価日にまとめて書くと、事実が正確に残りません。

選択肢2 介護福祉職の満足を基準に続けるものではありません。目標の達成状況で判断します。

選択肢3 実践経験を積むことを目的にするのは、本人中心の支援になりません。

選択肢4 介護計画は、介護福祉職が中心となって立案します。他職種が立案したものを実践するという説明は適切ではありません。

選択肢5 正答です。支援の内容を説明し、本人の同意を得たうえで実施することが原則です。

問題109

次のうち,サービス担当者会議にサービス管理責任者が出席する目的として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ○ 1 個別支援計画の取り組みの報告
  • × 2 障害支援区分の判定
  • × 3 支給が必要かどうかの決定
  • × 4 サービス等利用計画の説明
  • × 5 相談支援専門員への個別支援計画作成の指示
正答 1サービス管理責任者は個別支援計画を作成し、その実施状況に責任を持つ立場です。会議では、取り組みの経過を報告する役割を担います。

選択肢1 正答です。個別支援計画にもとづく支援の状況を報告し、関係者と共有することが出席の目的になります。

選択肢2 障害支援区分の判定を行うのは市町村です。

選択肢3 支給の要否を決定するのも市町村です。

選択肢4 サービス等利用計画を説明するのは、作成者である相談支援専門員です。

選択肢5 相談支援専門員に個別支援計画の作成を指示する立場ではありません。個別支援計画を作成するのはサービス管理責任者自身です。

事例

Aさん(78歳,女性,要介護1)は,軽度の認知症(dementia)があり,通所介護(デイサービス)を利用しながら一人暮らしをしている。一人娘が近くに住んでいる。最近,近所の人から娘に,「決められた日以外にごみを出しているので,そっと片付けているの」と連絡があった。翌日,娘がAさんの自宅に行くと,部屋の中に弁当の空の容器がそのまま残されていた。心配した娘が同居を勧めたが,Aさんは,「これからもこの家からデイサービスに通いたい」と強い口調で言った。話し合いの結果,娘が夕方に様子を見に行くことになった。 Aさんは,通所介護(デイサービス)を休むことなく利用していたが,ある日の迎えのとき,担当の介護福祉職に,「今日は行きたくない」と言って利用を拒否した。娘が理由を聞くと,「クイズの時間になると利用者のBさんに,あなたの答えはいつも間違えていると何度も注意される。情けない・・・」と話した。娘はAさんの様子を介護福祉職に伝えた。30

問題110

次のうち,Aさんのニーズとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 娘の家で同居すること
  • ○ 2 自宅での生活を続けること
  • × 3 通所介護(デイサービス)を休めること
  • × 4 弁当のメニューを変更すること
  • × 5 ごみ出しを近所の人に任せること
正答 2ニーズは、本人が言葉にした希望から読み取ります。Aさんは「これからもこの家からデイサービスに通いたい」と明確に述べています。

選択肢1 同居は娘が勧めたことであり、Aさんは強い口調で断っています。

選択肢2 正答です。この家から通い続けたいという発言から、自宅での生活の継続がニーズだと読み取れます。

選択肢3 デイサービスを休むことは、利用を拒否した場面での言動であり、根本のニーズではありません。

選択肢4 弁当のメニューの変更は、本人が求めていることではありません。

選択肢5 ごみ出しを近所の人に任せることは、近隣から出た話であり、本人の希望ではありません。

問題111

Aさんの娘から連絡を受けた通所介護(デイサービス)では,介護過程の再アセスメントをすることになった。次のうち,Aさんの再アセスメントで重視すべき情報として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 通所介護(デイサービス)を利用しない日の過ごし方
  • ○ 2 通所介護(デイサービス)での様子
  • × 3 通所介護(デイサービス)の利用継続に関する娘の意見
  • × 4 通所介護(デイサービス)の迎えを担当した介護福祉職の印象
  • × 5 通所介護(デイサービス)以外のサービスを利用することへの意向
正答 2再アセスメントでは、変化が起きた場面の情報を集めます。利用を拒否した理由はデイサービスでの出来事にあるため、そこでの様子が鍵になります。

選択肢1 利用しない日の過ごし方も参考にはなりますが、拒否の理由に直接つながる情報ではありません。

選択肢2 正答です。Bさんとのやりとりで自信を失っています。デイサービスでの様子を確かめることが、状況の理解につながります。

選択肢3 娘の意見は参考情報であり、本人の状態を理解する中心の情報ではありません。

選択肢4 介護福祉職の印象は主観であり、事実の把握には向きません。

選択肢5 他のサービスの利用の意向は、原因を確かめた後に検討することです。

事例

Aさん(50歳,男性,障害支援区分3)は,中度の知的障害がある。身体機能に問題はないが,遂行機能に障害がある。短い言葉での意思表示はできる。両親は亡くなっている。姉が近くに住んでいるが,同居は難しく,共同生活援助(グループホーム)へ入居した。入居時に短期目標を「生活のリズムを整える」と設定し,順調に進んでいた。日中は就労継続支援B型事業所に通っている。共同生活援助(グループホーム)の生活に慣れてきた頃,Aさんは日中活動を休むようになった。心配した生活支援員が居室を訪ねると,Aさんが,「昨日も,遊びに来た隣室の友人が,散らかっている部屋を見て笑った。前はきれいにできていたのに」と自信をなくしている様子であった。生活支援員がAさんの居室を確認すると,趣味で集めているアニメグッズや衣服が増えていて,きれいにしていた自室内に散乱していた。32

問題112

次のうち,日中活動を休むようになったAさんの状態を理解するために必要な情報として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 Aさんの姉の家族構成
  • × 2 隣室の友人がAさんの部屋に行った時間
  • ○ 3 Aさんが自信をなくした理由
  • × 4 生活支援員がAさんの部屋を訪ねた心情
  • × 5 Aさんが隣室の友人と遊ぶことになった理由
正答 3状態の理解では、本人の内面に近い情報を優先します。行動の変化の背景にある気持ちを確かめることが出発点です。

選択肢1 姉の家族構成は、今回の変化とつながりのない情報です。

選択肢2 友人が部屋に来た時間は、状況の理解に必要な情報とはいえません。

選択肢3 正答です。自信をなくしている様子が語られています。その理由を確かめることが、状態を理解する手がかりになります。

選択肢4 生活支援員の心情は、Aさんの状態を理解する情報ではありません。

選択肢5 友人と遊ぶことになった理由は、変化の原因に直接結びつきません。

問題113

後日,カンファレンスが開かれ,短期目標についての見直しが検討された。次の記述のうち,見直された短期目標として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 趣味を変更する。
  • × 2 現在の自室の状態を維持する。
  • × 3 衣服を部屋の隅に寄せる。
  • × 4 日中活動の事業所を変更する。
  • ○ 5 自室を整理整頓する。
正答 5短期目標は、明らかになった課題に対応し、本人が取り組める具体的な行動で表します。部屋が散らかっていることが自信の低下につながっています。

選択肢1 趣味の変更は、本人が大切にしているものを取り上げることになります。

選択肢2 現在の状態を維持するだけでは、課題の解決になりません。

選択肢3 衣服を隅に寄せることは、片づけの根本的な解決になりません。

選択肢4 事業所の変更は、日中活動を休むようになった原因への対応ではありません。

選択肢5 正答です。自室を整理整頓することを短期目標にすれば、以前のようにきれいにできていたという自信の回復につながります。

事例

Aさん(66歳,女性)は,一人息子と二人で暮らしている。会社の趣味サークルや地域活動に熱心に参加してきた。半年前に,長年勤めた仕事を定年退職して,継続雇用で週2日の勤務になった。その頃から不眠を訴え,疲れやすく気持ちが落ち込む日が増えてきた。しばらくすると,睡眠中に大声をあげたり,息子の部屋までふらふらと歩いてきたり,自室のカーテンの花柄が動いて怖いと話したりするようになった。近隣の大学病院を受診した結果,手足の震え,小刻みな歩行,顔のこわばりなどがみられ,レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)の診断を受けた。 Aさんは,趣味活動や自宅で息子と過ごすことを優先し,これからの生活を楽しみたいと考えて,仕事を辞めた。そして,安全に歩く力を維持するために介護サービスを活用しようと考えた。Aさんは要支援2の認定を受けて,介護予防通所リハビリテーションの利用を始めた。34

問題114

Aさんの手足の震えは,ある体内物質の影響によって生じている。次のうち,その体内物質に該当するものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 メラトニン(melatonin)
  • ○ 2 ドーパミン(dopamine)
  • × 3 アドレナリン(adrenaline)
  • × 4 コルチゾール(cortisol)
  • × 5 グルカゴン(glucagon)
正答 2レビー小体型認知症では、パーキンソン症状が現れます。これはドーパミンを産生する神経細胞が減少することによるものです。

選択肢1 メラトニンは、睡眠のリズムに関わるホルモンです。

選択肢2 正答です。ドーパミンの減少により、手足の震え、小刻み歩行、顔のこわばりといったパーキンソン症状が現れます。

選択肢3 アドレナリンは、血圧や心拍を高める働きを持つホルモンです。

選択肢4 コルチゾールは、ストレスに対応して分泌される副腎皮質ホルモンです。

選択肢5 グルカゴンは、血糖値を上げる働きを持つホルモンです。

問題115

ある日,送迎のときに,介護予防通所リハビリテーション事業所のB介護福祉職は,息子から,日々の症状に変動がある母を自宅で介護をするときにどのようなことに注意すべきか,と聞かれた。B介護福祉職は事業所で多職種ミーティングを行ってから返答することにした。次の記述のうち,B介護福祉職の息子への助言として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ○ 1 視覚的環境からの影響を防ぐために,自室のカーテンを無地のものに変更する。
  • × 2 下肢筋力を維持するために,毎日決まった時間に同じ運動をする。
  • × 3 転倒を防止するために,Aさんの外出の機会を減らす。
  • × 4 夜間は部屋をできるだけ明るく照らすために,直接照明を用いる。
  • × 5 着脱をしやすくするために,ボタン止めの衣服を使用する。
正答 1レビー小体型認知症では、幻視の誘因になる模様や影を減らし、症状の変動に合わせて無理のない関わりをします。転倒への配慮も欠かせません。

選択肢1 正答です。カーテンの花柄が動いて見えると訴えています。無地に変えることで、幻視の誘因を減らせます。

選択肢2 症状には日による変動があります。毎日同じ運動を課すのは、その日の状態に合いません。

選択肢3 外出の機会を減らすと、活動量が落ちて機能が低下します。安全を確保したうえで外出を続けます。

選択肢4 夜間に直接照明で明るくすると、まぶしさで睡眠を妨げます。足元灯などの間接的な明かりが適しています。

選択肢5 ボタン止めの衣服は、手指の震えがある人には扱いにくくなります。

問題116

サービス利用開始から2か月後,担当介護支援専門員(介護福祉士)はモニタリングを行うために,Aさんの自宅を訪れた。Aさんは,「もっとほかの人と交流したいが,自宅で生活しながら利用できると安心だ。とにかく息子に心配をかけずに一緒に暮らしていきたい」と語った。息子は,「最近仕事が忙しくなり,今後泊まりの出張もあるので,リハビリ以外のサービスもうまく使ってほしい」と語った。次のうち,Aさんに利用を勧めるサービスとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 介護予防認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)
  • × 2 日常生活自立支援事業
  • × 3 訪問介護(ホームヘルプサービス)
  • ○ 4 介護予防小規模多機能型居宅介護
  • × 5 介護予防・生活支援サービス事業の通所型サービス
正答 4「自宅で暮らしながら」「他者と交流したい」「泊まりにも対応してほしい」という条件を同時に満たすのは、通い・泊まり・訪問を組み合わせられるサービスです。

選択肢1 グループホームは共同生活を送る住まいです。自宅での生活を続けたいという希望に合いません。

選択肢2 日常生活自立支援事業は、金銭管理や手続きの支援を行う事業です。交流や泊まりには対応しません。

選択肢3 訪問介護だけでは、他者との交流や泊まりの希望に応えられません。

選択肢4 正答です。介護予防小規模多機能型居宅介護は、通い・泊まり・訪問を組み合わせて使えます。交流の機会と、息子の出張時の泊まりの両方に対応できます。

選択肢5 通所型サービスだけでは、泊まりの希望に対応できません。

事例

Aさん(85歳,女性,要介護1)は,B住居型有料老人ホームで暮らしている。子どもはなく,親族もいない。Aさんは現在,外部の事業所から訪問介護サービスを週2回利用している。Aさんは駐車場を経営していて,毎月その収入がある。最近,C訪問介護員(ホームヘルパー)は,Aさんの居室内の冷蔵庫の中に同じ食材がたくさん入っていることが多く,気になっていた。ある日,C訪問介護員(ホームヘルパー)がAさんに尋ねると,「近所のスーパーに買い物に行くのが楽しみだが,冷蔵庫の中に何があるのか忘れてしまい,同じものばかり買ってしまう」と答えた。また,「今は,毎月振り込まれる駐車場収入の管理ができているが,今後管理できなくなることが不安だ」と話した。その後,Aさんは,初期のアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)の診断を受けた。37

問題117

次のうち,Aさんが不安に思っている駐車場収入の管理について,訪問介護事業所のサービス提供責任者がAさんに提案する制度として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ○ 1 成年後見制度
  • × 2 生活保護制度
  • × 3 老齢年金制度
  • × 4 継続雇用制度
  • × 5 後期高齢者医療制度
正答 1判断能力の低下により財産の管理が難しくなっている場合は、成年後見制度の利用を検討します。収入の管理という継続的な支援が必要な場面です。

選択肢1 正答です。駐車場収入という財産の管理に不安があり、認知症も疑われる状況です。成年後見制度による支援が適しています。

選択肢2 生活保護制度は、生活に困窮している人を対象とする制度です。Aさんには収入があります。

選択肢3 老齢年金制度は、年金の給付に関する制度です。財産管理の支援にはなりません。

選択肢4 継続雇用制度は、高年齢者の雇用に関する制度です。

選択肢5 後期高齢者医療制度は、医療保険の制度です。

問題118

その後,Aさんは認知症(dementia)が進行することを心配し,介護支援専門員(ケアマネジャー)に相談して,同じ市内のD介護付き有料老人ホームに転居することになった。転居してから2年後,Aさんの認知症(dementia)の症状は進行してきた。Aさんの担当となったE介護福祉職はサービス担当者会議で,「現在,Aさんの,認知症高齢者の日常生活自立度判定基準は,ランクⅢaと考えられる。そこで,このランクに合った介護計画を立案したい」と提案し,他職種の承諾を得た。次のうち,Aさんの介護計画立案時にE介護福祉職が意識する,認知症高齢者の日常生活自立度判定基準Ⅲaに該当する状態として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 日常生活が自立している状態
  • × 2 見守りがあれば自立できる状態
  • ○ 3 日中を中心に意思疎通の困難さがみられ,介護を必要とする状態
  • × 4 意思疎通の困難さが頻繁にみられ,常に介護を必要とする状態
  • × 5 専門医療の導入が必要な状態
正答 3認知症高齢者の日常生活自立度判定基準では、ランクⅢは日常生活に支障をきたす症状があり介護を必要とする状態で、Ⅲaは日中を中心にみられるものを指します。

選択肢1 日常生活が自立している状態は、ランクⅠにあたります。

選択肢2 見守りがあれば自立できる状態は、ランクⅡにあたります。

選択肢3 正答です。ランクⅢaは、日中を中心に意思疎通の困難さがみられ、介護を必要とする状態を指します。

選択肢4 意思疎通の困難さが頻繁にみられ、常に介護を必要とする状態は、ランクⅣにあたります。

選択肢5 専門医療を必要とする状態は、ランクMにあたります。

問題119

D介護付き有料老人ホームに転居してから3年が経過した。Aさんの認知症(dementia)の症状は,さらに進行してきた。D介護付き有料老人ホームでは,施設の方針として,新たにパーソン・センタード・ケアを取り入れることになった。次の記述のうち,E介護福祉職が介護計画を見直すときの方向性として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 認知症(dementia)の人の共通点に着目したケアマニュアルをつくる。
  • × 2 認知症(dementia)を治療する。
  • ○ 3 認知症(dementia)の人のその人らしさを支える。
  • × 4 認知症(dementia)の人を特別な存在として保護する。
  • × 5 行動・心理症状(BPSD)をなくす。
正答 3パーソン・センタード・ケアは、認知症の人を一人の人として尊重し、その人の視点から世界を理解しようとする考え方です。キットウッドが提唱しました。

選択肢1 共通点に着目した一律のマニュアルは、その人らしさを見えなくします。

選択肢2 認知症を治療することを目指す考え方ではありません。

選択肢3 正答です。その人の価値観や歴史を尊重し、その人らしさを支えることが中心になります。

選択肢4 特別な存在として保護する考え方ではありません。対等な一人の人として関わります。

選択肢5 行動・心理症状をなくすこと自体を目的とするものではありません。背景にある思いを理解することを重視します。

事例

Aさん(42歳,男性)は,知的障害がある。父親(72歳)と二人暮らしをしている。半年前,Aさんに血便がみられたため病院を受診したところ,大腸がん(colorectal cancer)と診断され,S状結腸ストーマを造設した。パウチの交換に支援が必要となり,退院後は父親が自宅で介護をしていた。父親の介護負担が大きくなったため,居宅介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。41

問題120

次のうち,Aさんの正常時の便の性状として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 水様から粥状
  • × 2 流動状から液状
  • × 3 半流動から粥状
  • × 4 泥状から軟便
  • ○ 5 軟便から固形状
正答 5ストーマの造設部位によって便の性状が変わります。回腸ストーマでは水様、S状結腸ストーマでは固形に近い便になります。

選択肢1 水様から粥状の便は、回腸ストーマでみられる性状です。

選択肢2 流動状から液状も、小腸に造設した場合の性状です。

選択肢3 半流動から粥状は、上行結腸のあたりに造設した場合にみられます。

選択肢4 泥状から軟便は、横行結腸のあたりに造設した場合の性状です。

選択肢5 正答です。S状結腸は大腸の終わりに近く、水分が吸収された後のため、軟便から固形状の便になります。

問題121

ある日,訪問介護員(ホームヘルパー)にAさんから,「今度,父親と温泉に行くことになったが,便のにおいが気になる」と相談があった。次のうち,訪問介護員(ホームヘルパー)がAさんに勧める食品として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 チーズ
  • × 2 たまねぎ
  • ○ 3 ヨーグルト
  • × 4 にら
  • × 5 アスパラガス
正答 3ストーマを造設している人のにおい対策では、腸内環境を整える食品を勧め、においを強くする食品を控えます。

選択肢1 チーズは、においを強くする食品とされています。

選択肢2 たまねぎは、においの原因になりやすい食品です。

選択肢3 正答です。ヨーグルトなどの乳酸菌を含む食品は、腸内の環境を整え、においを抑える働きが期待できます。

選択肢4 にらは、においを強くする食品の代表です。

選択肢5 アスパラガスも、においを強くする食品とされています。

問題122

ある日,訪問介護員(ホームヘルパー)がAさんの自宅を訪問したところ,Aさんの父親から,「地震のニュースを見たら,知的障害があり,ストーマの管理が必要な息子に対する災害時の対応が心配になった」と相談があった。訪問介護員(ホームヘルパー)は,相談支援専門員に状況を報告し,相談支援専門員とともにほかの利用者家族に確認したところ,同様に災害時の不安を感じている親が多く,この地域では個別避難計画の作成が遅れていることがわかった。そこで,訪問介護員(ホームヘルパー)はこの課題を地域の課題としてとらえ,サービス提供責任者や相談支援専門員とともに対応することを確認した。次のうち,この地域課題の検討を働きかける場として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ○ 1 協議会
  • × 2 運営適正化委員会
  • × 3 介護保険審査会
  • × 4 障害者政策委員会
  • × 5 地方更生保護委員会
正答 1協議会は、障害者総合支援法にもとづき、地域の関係機関が集まって課題を共有し、体制の整備を協議する場です。個別避難計画のような地域課題を扱います。

選択肢1 正答です。協議会は、地域の課題を持ち寄って関係者で検討し、支援体制の整備につなげる場です。

選択肢2 運営適正化委員会は、福祉サービスに関する苦情を解決するために都道府県社会福祉協議会に置かれる組織です。

選択肢3 介護保険審査会は、介護保険の処分に対する不服申立てを審理する機関です。

選択肢4 障害者政策委員会は、国において障害者基本計画の実施状況を監視する機関です。

選択肢5 地方更生保護委員会は、仮釈放などを扱う法務省の機関です。

事例

Aさん(50歳,男性,障害支援区分4)は,1年前の交通事故の後遺症で,右片麻痺,みぎかたまひ高次脳機能障害(higher brain dysfunction),失語症(aphasia)となった。現在は障害者支援施設で生活している。日中は,車いすに座って過ごしているが,すぐに右肩が下がり上半身は右へ傾いた姿勢になる。ある日,B介護福祉職がAさんに姿勢の傾きを直す方法を伝えようとすると,Aさんは大声でどなり,物を投げた。B介護福祉職は,以前からAさんとのコミュニケーションに悩んでいたため,C介護主任に相談することにした。C介護主任の問いかけに答えるなかで,B介護福祉職は自分自身の言動を振り返ることができ,Aさんに伝わらない焦りと,子どもに言い聞かせるような口調が,Aさんの感情を害していたことに気づいた。その後,コミュニケーション方法を工夫し,Aさんに姿勢の傾きを直す方法を説明し,同意を得ることができた。毎週,Aさんは妻との面会を楽しみにしている。しかし,妻はAさんの将来に不安を感じて,B介護福祉職に,「夫の障害について,情報交換や勉強がしたい。そのようなところがあれば紹介してほしい」と相談した。44

問題123

次のうち,C介護主任がB介護福祉職への対応に用いた手法として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 コンサルテーション(consultation)
  • ○ 2 コーチング(coaching)
  • × 3 フォロワーシップ(followership)
  • × 4 ティーチング(teaching)
  • × 5 メンバーシップ(membership)
正答 2コーチングは、問いかけによって本人の中にある答えや気づきを引き出す手法です。答えを教えるティーチングとの違いが問われます。

選択肢1 コンサルテーションは、他の分野の専門家から助言を受けることを指します。

選択肢2 正答です。問いかけに答えるなかで本人が気づきを得ていく関わりは、コーチングにあたります。

選択肢3 フォロワーシップは、リーダーを支える立場からの働きかけを指します。

選択肢4 ティーチングは、知識や方法を直接教える手法です。問いかけて引き出す関わりとは異なります。

選択肢5 メンバーシップは、組織の一員としての在り方を指す言葉です。

問題124

B介護福祉職は,Aさんが車いすで良肢位を保つことができるように,クッションを使用することにした。まず,B介護福祉職はAさんの上半身を起こし深く座り直してもらった。次のうち,B介護福祉職がクッションを挿入する位置として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 背中とバックサポートの間
  • × 2 左大腿部と座面の間
  • × 3 両下腿とレッグサポートの間
  • × 4 右大腿部と左大腿部の間
  • ○ 5 右上肢と右アームサポートの間
正答 5座位の傾きを直すときは、傾いている側を支えます。右肩が下がり上半身が右へ傾いているため、右側にすき間ができています。

選択肢1 背中とバックサポートの間にクッションを入れても、左右の傾きは直りません。

選択肢2 左大腿部と座面の間では、傾いている右側を支えられません。

選択肢3 両下腿とレッグサポートの間は、足の位置に関わる部分で、上半身の傾きには対応しません。

選択肢4 右大腿部と左大腿部の間に入れても、上半身の傾きを支えることにはなりません。

選択肢5 正答です。下がっている右上肢とアームサポートの間にクッションを入れることで、右側を支えて姿勢を保てます。

問題125

妻の相談を受けたB介護福祉職がサービス管理責任者に報告をしたところ,ある社会資源を紹介することになった。次のうち,B介護福祉職が妻に紹介した社会資源として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  • × 1 福祉事務所
  • × 2 公共職業安定所(ハローワーク)
  • ○ 3 家族会
  • × 4 地域包括支援センター
  • × 5 地域障害者職業センター
正答 3同じ立場の人が集まり、経験を分かち合う場が家族会です。専門職による支援とは別に、当事者どうしの支え合いが力になります。

選択肢1 福祉事務所は、生活保護などの相談を扱う行政機関です。

選択肢2 公共職業安定所は、就職に関する相談と紹介を行う機関です。

選択肢3 正答です。同じ悩みを持つ家族が集まり、思いを共有できる家族会は、介護を続ける支えになります。

選択肢4 地域包括支援センターは、高齢者を対象とする相談機関です。Aさんは50歳で障害福祉の対象です。

選択肢5 地域障害者職業センターは、就労に関する専門的な支援を行う機関です。

解答早見表

自己採点に使ってください。

12345678910111213141516171819202122232425
正答2431152251344312135421444
26272829303132333435363738394041424344454647484950
正答5134153522123541353122323
51525354555657585960616263646566676869707172737475
正答5141534354532154213544225
767778798081828384858687888990919293949596979899100
正答3214451352414335112334254
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120121122123124125
正答1532424512235214133531253

次回に向けた学習の進め方

  • まず1年分を解いて弱点を知る点数より、どの科目群が落ちているかを確認します。
  • 0点の科目群をなくす苦手分野こそ、基本のところだけでも押さえます。
  • 誤りの選択肢の理由を言葉にする正答を覚えるだけでは、聞き方を変えられると対応できません。
  • 事例問題は場面を想像して読む総合問題は、本人の希望と状態から考えると答えが絞れます。
  • 複数年分を繰り返す同じ論点が形を変えて出ます。反復が最も効きます。

よくある質問(FAQ)

第38回の合格点は何点でしたか?
総得点125点に対して64点以上です。あわせて、11の科目群すべてで得点があることが条件になります。
1科目でも0点があると不合格ですか?
科目群の単位で判定されます。11の科目群のうち1つでも得点が0であれば、総得点が基準を超えていても合格になりません。
パート合格とは何ですか?
全パートの総得点で基準に届かなかった場合でも、各パートの基準点以上を得点し、そのパートの科目群すべてで得点があれば、そのパートを合格として扱う仕組みです。
問題文はどこで確認できますか?
公益財団法人 社会福祉振興・試験センターのウェブサイトで、過去の試験問題が公開されています。図を用いた問題は、そちらの問題PDFで確認してください。
過去問は何年分やればよいですか?
まずは直近3年分を繰り返すことをおすすめします。同じ論点が形を変えて出題されるため、反復のほうが効果的です。
まとめ
  • 第38回は受験者78,469人、合格者54,987人、合格率70.1%
  • 合格基準は総得点125点中64点以上、かつ11科目群すべてで得点があること
  • 第38回からパート合格制が導入され、基準点はA32.23点・B20.43点・C11.33点
  • 1科目群でも0点があると不合格になるため、捨て科目はつくらない
  • 正答を覚えるだけでなく、誤りの選択肢の理由まで説明できるようにする

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